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無垢の人質 第1章 (4) 

娘は驚き、息を止めた。驚愕の眼差しを男の目に向ける。

唖然として立ち尽くす娘に、レオンはゆっくりと近づき、二人の距離を縮めた。そして娘が着る修行僧衣の襟を掴み、ぐいっと引っ張り、胸元の生地を引き裂いた。霞のような薄地のシュミーズが露わにされる。それを通して娘の胸の頂きにある薔薇の蕾が透けて見えた。

さらに今度は両手を使い、厚地の衣を左右に開き、娘の肩から荒々しく押し下げた。裂けた重々しい衣が娘の足元にどさりと落ちた。

娘は、レオンの眼差しが、生々しい力を湛えながら、自分の薄地のシュミーズを這い回るのを見て、できる限り男から距離をとろうと、後ずさりした。

レオンの手が伸びて来て、その長い指が細い腰に巻きつき、乱暴に引き寄せられる。大きな胸板に抱きすくめられ、娘はハッと息を飲んだ。

「やめて!!」

娘は叫んだが、無駄だった。レオンの力強い手にうなじを掴まれ、口を口で塞がれたからだ。

娘が身を捩じらせ抵抗しても、レオンは意に介せず、娘の口の味を味わった。娘は、レオンの手が背中を這い、シュミーズの生地を握るのを感じた。その薄地の布地を力任せに強く引き下げられ、びりびりと破れるのに気づき、娘は口を塞がれたまま、うめき声を上げた。

力強い両腕で抱きすくめられながらも、娘は何とかしてレオンの口から口を引き離す。その長いまつげに、涙が小さな水玉となって光っていた。必死にシュミーズの薄布を握り締め、自分の胸元を隠そうとした。だが、レオンの方が力が勝っているのは言うまでもない。彼の手は、いとも容易く、彼女の細身の体から布を奪ってしまった。

不気味に穏やかな声色でレオンが訊いた。

「はて? どうしてお前は自分で服を脱げなかったのだ?」

レオンの茶色の瞳が、意図的にじわじわと娘の体を這いまわった。震えながら目の前に立つその娘は、まさに、無意識的に男を誘い、惹きつける妖精そのものと言えた。滑らかな絹肌は生乳のように白く、豊かな髪はさわさわと揺れ振るえながら、尻先まで垂れ延びている。その肌と髪のなす対照は、まさに完璧と言えた。ランプの炎は、揺らめく光を投げかけ、この甘美な若い娘の体に備わる谷間と丘陵を相手に、光と影の模様を描いて遊んでいた。今すぐにも、この谷と丘のすべてを辿り、秘密を探り回りたい。レオンの指は、まさに、そう言いたげに震えていた。


[2008/04/02] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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