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Everything すべて (1) 

「Everything すべて」 Everything by deirdre

私は、本当に長すぎると言える時間、トムとの結婚のことから立ち直れないでいた。長い間、私は、二人が結ばれる運命にあると信じ続けていた。トムが、ビッキーという23歳のブロンド小娘を選んだ後ですら、私は、まだ、そう信じていたのだった。

でも、トムはトムで、私から離れる理由はあったのだろうと思った。実際、私は、5年間、トムのことで悩み続けると共に、彼にチクチク文句を言うことしかしていなかったから。

妹のエイミィは、心の底ではいつも私のことを超人だと思っていたけれど、私の行動に腹を立て、ずいぶん取り乱していた。友達のニナとジムは、私が辛い期間ずっと私のそばに寄り添ってくれていて、正直、二人がいなかったら、私はあの状態から立ち直れなかったと思う。

でも、ともかく、私はようやくトムのことを最低の男だと思うようになった。そして、ニナは、私が、心を惹かれた職場の男性のことを彼女に話したとき、もうすっかり傷も癒えたわねと言ってくれた。

彼の名前はロバート。彼は一度も私をデートに誘ったりとかしていない。でも、私はすでに、彼にだけ意図的にちょっと多めに気を使うようにし始めていた。その私の気遣いから、どんな結果が出てくるか確かめているところ。彼のことを想い、どんなことが起きるか楽しみに待って、過ごしていた。

ニナとジムは、私の古くからの友達だ。実際、二人を結びつけたのは私だと感じている。ジムは、小学校のときからずっと、私の家の2軒先のところに住んでいて、私たちはいつも一緒にいて、互いに助け合ってきた間柄だ。もっとも、互いにロマンティックな興味を抱いたことはなかった。

ニナの方は、高校の時の親友。彼女は、こげ茶色の髪の毛をしてて、細身で小柄な美人で、それは昔も今も変わらない。いつも男性たちに振り返られている。ジムは、私に、ニナのことに惹かれていると告白し、ニナはどう思っていだろうるかと訊いたことがあった。私は、ニナがジムのことについて何か言うのを聞いたことがなかったけれども、ジムには、ぜひ彼女にアタックすべきよと返事した。その後、どうなったかと言うと、ご覧の通り、二人は結ばれた。それ以来、二人ともずっと私の真の友人でいてくれている。

ともかく、ニナは、私に、心の傷が癒えたわねと言った後、さらに付け加えて、こう言ったのだった。

「あなたが『完全に離婚』した状態になって、私、ものすごくワクワクしてるわ。これから、いろいろ冒険ができるわけだから」

その時、私は、ニナの使った言葉に興味を引かれたけど、何も返事をしなかった。

それから少し経ったある夜、私とニナは二人で映画を見に行って、その後、バーに寄って、お酒を飲みながら噂話をした。バーを出た後、気がつくと、ニナは車を私の家の方へは走らせていないことに気がついた。家に送ってくれているとばかり思っていたのに。それに、ニナの家の方角とも違う。

「ニナ、どこに向かっているの?」

ニナは少し笑って、すぐに分かるわと答えるだけで、その後は、それまでしていたおしゃべりの話題に戻ってしまった。私は少し気が散ってしまい、会話を上手く続けることができなかったけれど、ニナは全然気にしていないようだった。


[2008/04/10] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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