プールサイドに行くと、ヘレンはすでにそこにいて、寝椅子に横になっているのが見えた。トレーシーも、ヘレンの隣の寝椅子に横たわっている。ヘレンの反対側の椅子には誰も座っていなかった。
トレーシーは私が出てくるのを見て言った。
「ステフィ、ヘレンの隣の寝椅子に横になるといいわ。あなたの背中にローションを塗ってあげるから」
横になるとすぐに、トレーシーは、私の背中に、彼女の特別製のローションを塗り始めた。どうしてか分からないけど、トレーシーは、私のためにローションを塗っていたというより、むしろヘレンのために塗って見せているような気がした。その感じは正解だったようで、トレーシーは私の背中を塗り終わると、ヘレンの方に目を向けた。
「ヘレン? あなたの背中にローションを塗ってもいい? これ、私の特別製のローションなの。肌が、とても良く、金色がかった茶色に焼けるのよ」
「ええ、ご迷惑じゃなかったら、そうしていただけますか?」
「ご迷惑だなんて言わないで」 トレーシーはそう言いながら、ヘレンの方へ体の向きを変えた。
トレーシーはヘレンの背中、そして脚にローションを塗っていた。はっきりとは分からないけれど、トレーシーの手が微妙に震えていたと思う。トレーシーはヘレンの肌にローションを塗るだけでなく、指を使って、肌に擦りこんでいるようだった。それを続けるトレーシーの乳首が固くなっていたことは、はっきりと見て取れた。
トレーシーは背中と脚にローションを塗り終えると、ヘレンに声を掛けた。
「ねえ、ヘレン? ちょっと訊いてもいい?」
ヘレンは、首をひねって、肩越しにトレーシーへ顔を向けた。 「ええ・・・」
トレーシーはヘレンの背中の真ん中に手のひらを当てながら言った。
「あのね、マークと私は、ヌードで日光浴をするのが好きなの。今、そういう格好になったら、あなた、気分を害するかしら? 私、あなたを嫌な気持ちにさせたくないのよ」
ヘレンは笑い出した。「うふふ。ステフィーから話しは聞いていたんですが、私、彼女の言うことを信じなかったんですよ。いいえ、気分を害するなんて、全然。だって、私は、セットでは、毎日、裸の人を見ているわけだし」
ヘレンが最後の言葉を言い終わらないうちに、トレーシーは立ち上がり、ビキニを脱ぎ始めていた。ヘレンは、トレーシーの姿から目が離せないようで、トレーシーが全裸になり、長椅子に戻るのを、じっと目で追っていた。トレーシーは、ヘレンに体を向けたまま自分で体に日焼けローションを垂らし、首、胸、そしてお腹へとローションを塗りこみ、それから横になって、日光浴を始めた。そこまでヘレンはずっと彼女を見ていた。
ヘレンは、マーク、マリア、そしてローレルが裸になるところも見ていた。マリアとローレルは一緒になって、まるでショーをして見せるように、マークの体にローションを塗り、その後、二人は互いの体に塗りあった。マリアもローレルも、全然、興奮した様子を見せていなかったのが、私には理解できなかった。二人とも、全然、勃起していなかった。