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バースデイ・プレゼント 第10章 (5) 


可愛い顔をした店員が近づいてきた。僕のかつらやハイヒール、それにブラジャーが中からTシャツを押し上げているのを見て、彼女はにんまりと笑い、僕の手を取った。

「お2人のどちらがメーキャップをなさりたいのか分かりますわ」

彼女は、僕のあごに手を掛け、僕の頭を左右に傾けて、顔を詳しく調べた。

「女性の中には、このような顔の構造をしていたら死んでもいいのにと思われる方もいらっしゃると思いますよ。これですと、仕事はとても簡単になるでしょう。ほんと、お金を頂くのが気が引けてしまいそうなくらい」

それからTシャツとジーンズに眼をやった。

「写真撮影の時に、ご自由に着ていただける、衣類を各種そろえておりますので、衣類の方は問題ありませんから」

ドナが話しかけた。

「私たち、最初にメーキャップをしてもらうことにするわ。その後で、服を買いに行くつもり。撮影の時間には戻ってくるけど。それで良いかしら?」

「ええ、全然、問題ありません。それじゃあ、始めることにしましょうね。私、デビーです。お客様の担当をさせていただきます」

そういうとデビーは僕の手を握り、メーキャップ用のブースへと連れて行った。ドナは椅子を引き寄せ、腰を降ろして、僕への化粧を見ることにした。ブースの中、椅子に座ると、デビーはヘア・クリップを取り出し、僕の髪の毛を留め、顔にかからないようにした。それから、新しい洗顔用の布を出し、それをお湯で濡らした。細部にも気を配りながら丁寧に僕の顔を洗い、その後、濡れを拭き取る。綺麗な女性に顔に手を入れてもらうことは、もうすでに僕にはおなじみのプロセスになっていた。

何人かの客たちが僕の方をじろじろと見ていたのに気づいていたし、あるカップルなどはくすくす笑いを抑えようとして、結局、笑い声を漏らしてしまったのにも気づいていたが、僕は、ゆったりと椅子に落ち着き、リラックスしようと思った。僕を知ってる人がいないことだけを願った。モールの中では知り合いの顔は見かけなかったし、僕も知り合いがいないか眼を見張っていたのは確かだ。誰か知ってる人を見かけたら、素早く身を屈めて隠れようと思っていた。

ドナは、作業をずっと見守り続けていた。終わりに差し掛かると、ドナは徐々に嬉しそうな笑顔になっていた。

最後に、デビーは椅子に手を掛け、くるりと回して、僕を鏡に向かわせた。自分の目が信じられなかった。まるで、モデルか映画スターのよう。無意識的に手を頬へ上げて、本当に自分の顔なのか、確かめていた。

確かにドナにしてもらったときも素晴らしく変身できたが、これは、何か、何レベルも上の仕事のように思った。自分の顔の細部を確かめていると、ペニスが固くなってくるのを感じた。これまでの人生で毎日、僕が鏡の中で見てきた顔から、このような顔になるのが可能だとは! まったく想像できていなかった。

デビーが僕の股間に眼を落とし、にっこり微笑むのを見た。すでに女の子の股間とは明らかに違った形になっていた。デビーはドナの方を見て、彼女の視線を捉え、また僕の股間に眼をやった。

「どうやら、彼女も喜んでいただいてるようですわね?」 と言って、ドナに笑みを見せる。

「あら、ほんと! そのようね!」 とドナも店員に微笑み返した。

[2008/06/10] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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