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ポルノ・クイーンの誕生 第5章 (16:終) 

トレーシーはヘレンと朝食を食べた後、自分でエネマを行い、その後、ヘレンと一緒にバスタブに入った。ヘレンはエネマを使わなかったし、トレーシーに「使ってみる?」と訊かれたとき、恥ずかしそうな顔をしていた。

二人がバスに浸かっている間、私は寝室に行って、ベッドのシーツを取り替えたりと、ベッドメイキングを行った。それから寝室内の掃除もした。その時、ベッドの横にストラップ・オン(参考)のディルドが落ちているのを見つけた。私が初めてこの家に働きに来た夜にトレーシーが使ったディルドだった。トレーシーとヘレンのどちらかが、もう片方に対して使ったのは確かだけど、どちらがどちらに使ったかは分からなかった。でも、すぐに、トレーシーが使ったに違いないと思った。ヘレンがそれをつけた姿が想像できなかったから。

トレーシーたちはバスタブの中、お湯に浸かってじゃれあった後、バスから出た。その二人のお手伝いをして、バスタオルで、二人の身体を拭いてあげる。それから、二人の肌にモイスチャライザーを擦り込んであげた。この時が、この日の朝では、マークにキスされて、昨夜はとても素敵だったよと言われた時に次いで、私にはとても楽しいひと時だった。

トレーシーとヘレンの体から水気を拭き取り、全身にモイスチャライザーを塗って、しっとりとした肌にしてあげた後、私は、食事後の汚れた食器と洗濯物を持って、寝室を出た。バスから上がった二人が、その後、何をしようとしているか分からなかったし、二人がしたいと思った場合、私はその場にいない方が良さそうと思ったから。

キッチンへ入ると、マリアとローレルがキッチンテーブルに並んで座っていた。ローレルは、マリアをおしゃべりをしながら朝食を食べていた。それに二人は手を握り合っていて、膝頭を触れ合わせているのにも気づいた。それを見て、二人は一緒に素敵な夜を過ごしたのだと分かった。

私も朝食を済ませ、その後、洗濯機をセットし、ダイニング・ルームの掃除に取りかかった。ちり払いをしていると、ヘレンが入ってきた。彼女は、私の手を両手で握って、言った。

「もう出かけるわ。1時間以内にセットに行かなくちゃいけないの。でも、出る前に訊いておきたいことがあって。つまり、私とトレーシーがああいう風になったこと、気にしている? あんな風に振舞っちゃって、ごめんなさい。あなたを傷つけるつもりはなかったのよ」

ヘレンは、トレーシーと夜を過ごしたことに罪悪感を感じているのが分かった。でも、私には彼女が罪悪感を感じる必要はまったくないと思っていた。私はヘレンの手を口に引き寄せ、優しくキスをした。

「全然、傷ついてなんかいないわ。それに罪悪感なんか感じるべきじゃないわよ」

「本当? 私は、あなたと一緒にここに来たのに、気がついたら、他の女の人と一緒の部屋に閉じこもって愛し合っていたの。こんなこと、これまで一度もなかったのに」

「昨日の夜は、楽しんだ?」

そう訊くと、ヘレンは顔を赤らめ、恥ずかしそうに頷いた。

「なら、それを訊いて私も幸せよ。それに、土曜日にあなたとしたことは、とても素敵で、もう一度したいと思っているの。もっと言うと、今度の金曜日に、またできたら良いなって。一緒にディナーを食べて、映画を見に行くということだけど・・・」

ヘレンは顔を上げて私を見た。眼に悲しそうな表情を浮かべていた。

「ということは、もう私たちセックスできないということ?」

私は笑い出してしまった。

「いいえ、もちろん、またできるわ。私がセックスのことしか考えていないように思われたくなかったから、そう言っただけ。友達としてあなたのことが好きだし、あなたと出歩くことが好きなの。友達関係を大事に思ってることを知って欲しかったから」

ヘレンは私を抱きしめた。

「私もあなたに友達になって欲しいわ。私たちの友情関係は何にも邪魔されたくないとも思ってるの。でも、私が望んでいるのは、エッチできる間柄の友達関係になること。私、あなたと一緒に寝たとき、最高だと思ったし、それは続けたいの。でも、あなたが良かったら、できればトレーシーともセックスをしたいと思っているの」

「問題ないわ。だって、私もトレーシーやマークとセックスを続けるつもりなんだもの。それについて、あなたも問題ないと思ってくれると助かるけど・・・」

ヘレンは私を見上げて、にっこり微笑み、顔を赤らめた。

「実は言っておかなくちゃいけないと思うんだけど、トレーシーが言ってたの。今度一緒に夜を過ごす時は、マークも一緒にベッドに入るだろうって。彼女、愛する相手はいつもマークと共有することにしてるって言ってたわ。それに、今朝、マークのことじっくり見てから、私、そうなることが楽しみになっているの」

私たちは声に出して笑い、それからキスをした。ヘレンは、もう行かなくちゃと言った。彼女を玄関まで見送りながら、今度の金曜日にデートをする約束をした。玄関先にはトレーシーが待っていて、彼女もヘレンにキスをして、彼女を送り出した。

ヘレンが出て行った後、トレーシーは私の手を握って言った。

「昨日の夜のこと、気にしてないわよね?」

「ええ、もちろん。お二人が楽しい夜を過ごされたこと、とても喜んでいます」

「ヘレンに飛びつく前に、あなたに少し伝えておくべきだったかもしれないと思ってるの。あなたたち一緒に寝たわけだから、もう二人は他人が割り込めない間柄かもしれない。そうだとしたら、どうしようって・・・」

私はトレーシーが真剣に考えているのが見て取れた。彼女の心配を消してあげなければと思った。

「私、自分はそんなに早く誰かとすごく親密になれないと思っているんです。ヘレンのことはとても大好きだけど、一度寝ただけで、そんなに早く、約束しあうような間柄になれるとは思っていないんですよ」

「私もそういう気持ちだったわ。マークに出会うまでは。幸い、マークは、私に一夫一婦の関係を決して求めなかった。ともかく、マークと出会わなかったらどうなっていたか分からないわね。それはそうと、一緒に来てちょうだい。あなたに仕事があるの。それから、今日の午後は、私のベッドにも来て欲しいわ、ステフィー。女の子同士で遊びたいから」

その「女の子同士の遊び」は、大半、オーラル・セックスになった。でも、トレーシーは、私を犯せるようにとストラップ・オンも装着していた。確かに、それも気持ちよかったけれど、トレーシーは、やはりマークとは違う。そのディルドを相手に、私はアナルの筋肉を使って締め付ける練習を行った。今度、マークに抱かれる時に、このテクニックを使って彼に私がどれだけ感じているか伝えられるかもしれない。

そして、そのチャンスはすぐにやってきたのだった。次の日の夜、私はトレーシーとマークの寝室に招かれたのだった。

つづく

[2008/08/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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