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誰とやったか知ってるぜ 第3章 (7) 

彼女は、誘惑するような雰囲気で立ち上がり、俺のところに来て、手を差し出した。その手を握ると、立ち上がるように手を引っ張られた。

「そんなに加わりたいなら、ちょっと見物させてあげるわね」

俺は彼女の手を握りながら、にやりと笑っていた。

彼女は事務室の裏手のドアへと向かった。

「この入り口は、会員用の入り口じゃないの。私専用のドア」

電子式のキーパッドに4桁の数字を打ち込むと、小さなブザーの音が鳴った。彼女のマニキュアの指がドアノブを握り、回した。ドアが開くと、下から聞こえてくる音が突然、大きくなった。彼女はちょっと振り向いて、俺に「ついてきて」と声に出さずに言った。

螺旋階段があり、そこを降りていく。下の階は、レストランの地下に当たるところだ。天井は6メートルほどの高さで、普通の地下室よりずっと天井が高い。そこを進んで行くと、また別のドアが出てきた。心臓がドキドキする。

ドアが開き、俺は探していた所にとうとう辿りついたと知った。

多分100人くらいいるのじゃないだろうか。かなり混雑していて、皆、いくつかの小さな丸テーブルの回りに立っていたり、座ったりしている。女の数も何人いるか分からない。服を着たままのから、半裸になっているのから、全裸になっているものまで、様々だった。だが、大半が胸を露わにしていたし、中にはパートナーと性行為をしている女たちもいた。

俺を案内してくれている彼女は、俺をメインステージへと導いて行った。管理者専用のテーブルにつき、俺たちは腰を降ろす。この場所で一番よく見える席だった。そして、そのステージで展開している光景を見て俺は驚いた。

ステージには一組の男女がいた。共に、モデルのような、素晴らしい身体をしている。男の方が、女のパートナーをパッドつきの小さな椅子に座らせた。女の両手首にはパッドつきの手錠が嵌められていて、腕を可能な限り左右に引っ張られている。足首にもパッドつきの拘束具が嵌められ、こちらも左右に引っ張られていた。両手、両脚を大きく広げたまま椅子に座っている形だ。当然、陰部が完全に男にさらけ出されている。

男が女の前にひざまずき、顔を陰部に埋めていくと、スポットライトが灯って、二人に当てられた。その二人を多くの男女が見ている。

ちらりと観客の方を見てみた。驚いたことに、女たちの中には、椅子に座って脚を広げ、忙しそうに指を動かし、自慰をしている者が何人もいた。さらに、別のテーブルでは、3人ほど、女たちが天井から延びている拘束具で両手首を止められ、バンザイをする形で、吊り上げられていた。その女たちに、相手の男がセックスをしている。ほんとにすごいところにきたと思いながら、俺は、ステージに目を戻した。

隣に座る彼女が言った。

「ここの音楽は、普通の音楽とはちょっと違うのよ」 

「どんな風に?」

彼女はタバコを取り出し、火をつけ、一服だけ吸い、すぐに灰皿に置いた。

「ベースの周波数が人間の体のリズムにマッチするようにプログラムされているの・・・」

「・・・その効果として、人は自制心を緩められ、性的に興奮することになるのよ。さらにオルガスムも、他のどんな時よりも強力になるの・・・」

「・・・あまり強烈なので、女たちはしょっちゅう失神してしまうわ」

そう言って彼女はまたタバコに手を伸ばした。

俺は観客の方を振り返った。男たちの中には自分でペニスをしごいているものが何人かいたし、女も何人か自慰の真っ最中になっていた。だが大半の男女は、セックスを始めていて、ステージで行われていることを真似ているようだった。

[2008/10/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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