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ポルノ・クイーンの誕生 第6章 (4) 

その週の残りは何事もなく過ぎた。火曜日には、お昼まで家の仕事をし、お昼からトレーシーに連れられて新しいドレスを買いに出かけた。最終的に私が選んだドレスは、私が持っているどの服よりも、ちょっと、地味な感じのものだった。

黒のシルク・ドレスで、ほぼ1週間分の給料全額に当たるほどかかった。首回りが閉じる感じになっていて、喉仏がうまい具合に隠れる。スカート部分もついていて、裾が膝頭に触れるほどの丈だった。それから、新しい靴と、ドレスにマッチしたハンドバッグも買った。

この頃までは、かなりお金が貯まっていたので、衣服に使ったお金のことは気にならなかった。豊胸手術は、1万5千ドルほどかかるのは知っていたし、その分のお金はもう少しで貯まる予定だった。トレーシーからもらう給与に加えて、マークの仕事のためにフラッファーとして働いているおかげで、ほとんど不自由なく暮らせている。

この3ヶ月ほど、私はヘレンと一緒に、20本以上の映画の撮影に参加していた。ヘレンは、バイ・セクシュアルが関わらない映画でも働いていた。その種類のポルノ映画では、私は参加が許されなかった。多分、ストレートな役者だと、私のような女の子が回りにいると、ゲイのように見えてしまうので、好まないのだろうと思う。実際は、ストレートな俳優の大半はバイセクシュアルなのだけど、他の人にそのことを知られたくないのだろうと思う。

マークがゲイ映画を作るときには、私も参加した。ゲイの俳優は、他の俳優とはまったく異なった人種だった。私がシーメールなためだろうけれど、私と社交的に仲良くなる気がまったくないようだったが、次のシーンのために勃起をしておこうと、私のフェラを歓迎してくれるのが普通だった。もっとも、結局のところ、あの人たちが私のことを、他とあまりに違っているために嫌悪しているのは、うすうす感じ取れた。

そのことは全然気にならなかった。というのも、私の方もゲイの男の人には関心がなかったから。私が好きなのは、バイの気がある男の人。ともあれ、実際は、この仕事をする理由は、やはりお金のためであることは変わらない。

3ヶ月ほどの内に、ほぼ1万5千ドル貯まっていた。でも、一度、豊胸手術をしたら、その貯まったお金は一気になくなってしまう。だから、また蓄えを作るためにも、男優へのフラッファーは続けなければならないのは分かっていた。

[2008/10/17] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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