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デス・バイ・ファッキング 第3章 (10) 

正直、私は、これまでのどの交際の場合も、付き合っている男性の要求に合わせてきた女だった。どんなことについても、私が何か意見を言っても、彼らに大きな影響を与えたことがあったことは一度もなかったと思う。大半、私が話しを合わせていたし、彼らが私の意見を求める時は、彼らが用意していた意見を私に言わせるのが、たいていだった。

でも、私は頭が良い人間なの。そう言って、全然恥ずかしくなんかない。デューク大学からMBAを取得したし、博士号取得にも手が届く状態。なのに、男性との交際においては、いつも、私は、自分がまるで知的に劣っているような存在として扱われてきた。南部だったからというのもあるかもしれない。付き合ってた男の2倍は稼いでいても、いつも、子供のように扱われてた。私がそういう交際をやめてしまうのも、全然、驚くべきことじゃないと思うのだけど。どうかしら? 私は、そういう環境で生きていくのは得意じゃない。

そして、今、ここにいるアンドリューは、彼の男女交際が、まさに正反対の理由で破綻してきたと私に語っている。この人は、完全なパートナーを求めているのだ。彼が付き合ってきた女性は、みな、伝統的な男性優位の関係を求めていたのだろう。アンドリューは、まさに、それが不満なのだ。この人は、とても優しくて、とても思慮深くて、とても賢くて、そして、完全なパートナーを希求している。

私は怖くなってきた。彼は、完璧すぎる。こんな完璧な人って、ありえるのかしら? どうして、私たちは、こんなぴったりの関係になっているのだろう? 私と彼は、まるで、互いの人生のジグソー・パズルにぴったりと嵌まりあって、お互いを完全なものにしあう、そんなパズルのピースのよう。

どうしても妹のドニーに話さなくてはいけないと思った。アンドリューは、私のことを全部、明かしてくれることを求めている。彼は、誠実さだけを求めている。それ以外は何も求めていない。正直、私は彼に完全に正直になっているわけではなかった。意図的に嘘をついているということではなくて、話していないことがあるということだけど、それでも、誠実になっていないという点では変わりがない。

ドニーと話し合った後で、全部、明かすかどうか決めよう。うちの家族は変わっているから。アンドリューが、あの事実に対処できるかどうか分からないから。でも、これまでの私の人生で出会ってきた男性の中で、アンドリューこそ、あるがままの私を、あるがままの私たちの家族を受け入れてくれる可能性が一番高い男性のように思えた。

怖くなってきた。彼が私たちを受け入れられないと感じて怖くなっているのか、彼が受け入れられそうだと感じて怖くなっているのか、自分でも分からない。

私たちは、しばらく、笑ったりおしゃべりをしたりしていた。アンドリューは笑うのが大好きのよう。どんなことにも、ユーモラスな点を見つけ出す人だ。私たち二人は、この夜を一緒に過ごし、いつも笑っているか、愛し合っているかのどちらかだった。彼は、一緒にいる時間をすべて、楽しいことだけで埋め尽くすことができる人だ。


[2008/12/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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