ブルーノの手下に連れられてブリイは建物の外に出た。手下は、客の車のドアを開け、ブリイは男の顔も見ず、中に乗り込んだ。
ドアが閉まり、車が動き出した。ブリイにとって、ようやく自分の家と思い始めた場所。その場所が後に過ぎていく。そのブリイに、運転をする男が声をかけた。
「もう一度、会えてよかった」
ブリイは、ちょっと、その男の声を前に聞いたことがあるように思った。そして、おもむろに顔を上げ、その声の主を見る。そして叫んだ。
「ビリー!!」
両腕を放り投げるようにして夫に抱きつくブリイ。ビリーは、危うく、車を道脇に乗り上げてしまいそうになった。ブリイは、嬉しそうに啜り泣きをしていた。
「どうやって見つけてくれたの?」
ビリーは、初めの頃は、いくら探しても、まったくうまく行かなかったことを説明した。そして、ようやく、この非合法の世界では、金なしでは何もできないことを悟った。まずは、ビリヤードをして、できるだけ金を稼ぎまくることに集中した。やっとのことで5万ドル稼ぎ出す。
腕っ節の強そうなチンピラを雇って、ジョーンズから、ブリイをどこに売り飛ばしたのか聞きだすのに1万ドルかかった。さらに、もう1万ドルを使って、ブルーノの所までたどり着いたと言う。ブリイを買い戻すのに2万ドルを使ったので、残りは1万ドルだった。ビリーは、ブリイが、彼が結婚したときと同じ、うぶで清楚な娘ではなくなっているのは悟っていた。
「ブリイ? どんな目にあったのか、話してくれる?」
ブリイは、自分の身に起きたことを包み隠さずビリーに話した。さらに、自分の体にもたらされた変化も彼に見せた。
左右の胸の乳首には、バーベル型のピアス(
参考)がつけられ、おへそとクリトリスにはリング型のピアスがついていた。陰毛もすべて剃られ、つるつるにされていた。そして、恥丘の上には「ちんぽ好き」との刺青が彫られていた。ブリイ自身が、そこにその言葉を彫るよう要求したのだが、そのことは、彼女には説明しづらいようだった。「あの時は、そうするのが自分にふさわしいように思ったの」、と彼女は言った。
その日の夜遅く、この新婚夫婦は、とうとう自分たちの家に戻った。二人とも、大変な体験のあまり疲労困憊の状態になっていたので、互いに抱きあったまま、すぐに眠りに落ちてしまった。
翌朝、ビリーはブリイを促して、病院に行き、メディカル・チェックを受けさせた。ブリイは健康体であると知って、二人は安心した。もう一つ、ブリイが妊娠していることも知らされた。ブリイは子供を生みたいと言い、ビリーも、同意し、自分の子供として育てることに決めた。ビリーは、ブリイが帰ってきたことだけで、充分に安心していたのである。その日、日中は充分に休息を取り、ようやく、二人は新婚初夜を迎えられたのだった。
まずは、ブリイがビリーのペニスを愛撫することから始まった。夫の体の中で、一番好きな部分。そこを、最大の愛情で、愛しそうにもてなし、勃起させた。とうとう、その時が来た。ブリイは夫の上にまたがり、自分の体の入り口に向けて、ゆっくりと体を沈め、彼の分身を迎え入れた。
ブリイの悦びは、この上ないものだった。二人はこうなるべきであって、その形に、ようやく結ばれることになったのだ。愛する人と体がつながっている。ブリイは、このまま、永遠につながっていたいと思った。そのまま夫の胸に体を倒し、彼の頬に、愛しそうに頬刷りをした。
二人は、そのままの姿勢で、1時間以上、抱き合っていた。その間、ビリーは、花嫁に自分の分身をゆっくりと出し入れしていた。
しばらく経つと、二人の情熱は徐々に高まりを見せ始め、やがて、ブリイは体を起こし、夫の上で、腰を上げては打ち降ろす動きになっていた。ビリーが、「もう、いきそうだ」とかすれた声で言うと、ブリイは局部を彼のペニスに強く打ち降ろし、同時に唇を彼の唇に重ねた。どくん、どくんと脈を打って、ビリーの体からブリイの体へ注ぎ込まれる。二人は、ようやく、なるべき姿になることができた。
それからは、この夫婦は、すべて順調に進んだと言ってよい。彼らには、明らかにビリーには似ていない最初の子も含めて、子供が3人できた。その子の父親が誰かは、分からなかった。
ビリーも、ブリイ自身も、ブリイは、まさしく、クリトリスの上に彫られた文字の通りの女であることを知った。夫婦生活を始めて2ヶ月ほどで、ブリイは、ビリーだけでは満足できないことを悟ったのだった。ビリーは、彼女の、男遊びにはあまり気乗りがしなかったが、それでも、少なくとも、たいてい、夜には、ブリイが彼が待つ家に帰ってくるのだし、実際、体を売ってかなり裕福な生活ができているのも事実なのである。まあ、そういう二人なのである。
おわり