翌日、職場にて。僕はマーサに話しかけることに極度に緊張していた。マーサは、ただちに、僕の態度を察知したようだ。というのも、廊下でおはようと言った直後、彼女は僕のオフィスにどかどかと押し入ってきて、僕を捕まえ、ドアを閉めて言ったから。
「私、昨夜のことで、私たちの友情関係を台無しにするつもりはないの! だから、あなた、ちゃんと私に話しかけなさいよ!」 真剣な口調だった。
「はい、分かりました」
そう言うと、彼女は僕を叩いた。まあ、軽くではあったけど。
その後、マーサは笑い出した。「アハハ。まあ、最初はそれでいいわ。でも、決して私のことを恐れるような態度をしないで。もう、どんなことがあっても、アレをすることは、もうないから」
「もう一回」 これを言った時、僕は、自分の声だと信じられなかった。
「え? 何て?!」
「もう一度、する必要があると思う。君はセックスの経験をしたかったんだろう? 最初のは、数には入れられないよ」 自分の口から出るまで、こんな考えはしていなかったと思う。
マーサは苦笑いをした。
「調子のいい作り話をしているの? ・・・未熟な女王様に?」
「未熟だなんて。君は天性の才能を持っているよ」 僕は、マーサの顔に浮かんだ、あの無防備な笑顔が好きだ。
「じゃあ、もう次のランデブーも計画してあるの?」
「ああ、フェイスが土曜日の午前中、妹とショッピングに行くと言っていたんだ」
「女王様は、受け取れるものは受け取らなければならないということね」
「女王様って! 僕は君には別の言葉を使うよ。ともかく、君は乗り気なんだね?」
土曜日、フェイスが出て行くとすぐに僕は狂ったようにマーサのところへ車を飛ばした。マーサは玄関で僕を見て、満面の笑みを浮かべていた。すぐさま僕の手を引っ張って、彼女の寝室へと僕を連れて行く。
寝室はカーテンが目一杯引かれていて、ほとんど真っ暗に近かった。そして寝室に入ると同時に、マーサは僕に襲い掛かり、ぐいっと僕を引き寄せ、キスをしてきた。キスを休んだのは、二人、ベッドに上がる時だけ。ベッドの中に入った後も何分かキスが続いた。
ようやくマーサはキスを解き、僕の股間をまさぐった。前と同じ勃起した状態の僕のペニスを探り当てる。彼女は、それを確かめた後、僕の服を脱がし始めた。とは言え、僕も、彼女の成すがままになっていたわけではなく、僕も、同時に彼女の服を脱がしていた。
この時は、前と比べて、マーサの身体を良く見ることができた。少なくとも、カーテンからかすかに漏れ入る日光により、前とは違う形で彼女を見ることができた。マーサは依然として、嬉しそうに笑みを浮かべたままで、もはや、自分の裸体がはっきりと見えていても、少しも恥ずかしがるようなところはなくなっていた。
「私が上になるのを試してみても、いい?」
驚くべき天性の才能だと思った。とても、反論することなどできなかった。どうやら、マーサは、その体位の方が女性にとってうまく行くと、人から聞いたか、何かで読んだのだろうと思う。