「ごめんなさい、ちょっと銀行に寄らなきゃいけなかったから」
ブラッドの母親は廊下の角を曲がりながら、そう言って姿を消した。それを聞いて、俺は思わず咳き込んでしまった。
「おい、大丈夫か?」 心配してブラッドが俺に訊いた。
「ああ」 さらに2、3回、咳をした。だが、これで答えが分かった。ステファニは、金を用意したのだ!
3分ほどして、ステファニは着替えをして戻ってきた。下はムッチリのショートパンツで、上もすごく丈の短いタンクトップだ。へそのあたりが露出している。ただ、シャツの下、ブラジャーのストラップが見え、ちょっとがっかりした。ステファニはキッチンに行き、夕食の準備を始めた。俺たちはテレビでビデオを見ている。
何分かして、「夕食ができたわよ」と声がかかった。
ブラッドの母親は、顔をのぞかせ、俺に、一緒に食べていく?と訊いた。俺はもう少し彼女の様子を観察したかったので、夕食に呼ばれることにした。
ブラッドの父親と俺はテーブルに着き、ブラッドは飲み物を出してくれた。俺が座った位置はベスト・ポジションと言えた。真正面にブラッドの母親が座ったからだ。
チキン・ナゲットとポテトを食べながらステファニの様子を観察した。確かに時々、落ちつかなそうにはなるが、他は普段と変わらない。
・・・ひょっとすると、ステファニは、あの不倫相手と、俺が知ってる以上のことがあるのかもしれない。6000ドル近く銀行から降ろしたと言うのに、かなり平然としている。あんなちょっとした秘密なのに、それを守るためでも、それだけの金を出す価値があると言うことか? ・・・
食事が終わり、ステファニは後片付けを始めた。彼女が俺の食器に手を伸ばしたとき、手がかなり震えているのに気がついた。
「おまえ、具合が悪いのか?」 ブラッドの父親が訊いた。ステファニは、シンクに水を流したまま、しばらく黙っていた。
「いえ、大丈夫よ。今日はちょっと仕事が大変だったら。それだけ」
彼女は俺たちに背中を向けたまま食器を洗い続けた。キュートなピンク色のショートパンツに包まれたムッチリとした尻が、何とも言えずそそられる。
「テレビでも見ようぜ」 ブラッドが立ち上がり、俺も一緒にリビングへ移動した。リクライニングの椅子に座ってビデオを見る。だが、画面を見ながら、俺の頭は例の秘密クラブのことを考えていた。
10分くらいすると、ステファニもリビングに来て一緒にビデオを見始めた。ブラッドの父親はブラッドと一緒にソファに座っており、ステファニはラブシートに横寝になり、両脚を端からぶらぶらさせていた。俺の目の前に、完璧とも言える美脚がぶらぶらしてて、とてもビデオに集中などできなかった。何度も、彼女の脚の方に目をやってしまう。
そんな風にちらちら見ていたら、一度、ブラッドの母親が窓の外をぼんやり見ているのに気がついた。例のことでも考えているのかな、と思う。ともかく一つ確信できる。明日になれば、あの秘密クラブに入る金が手に入るということだ。
テレビを見ながら雑談を続けていたが、かなり時間が遅くなっていた。ステファニはおしゃべりには全然加わらず、ただ、窓の外、庭を眺めているだけだった。尻の近くまで露出した生脚の眺めは、俺の体にも効果をもたらし始め、勃起してくるのを感じる。足先を包むピンクの可愛いソックスもたまらない。この美脚でセクシーなハイヒールを履いた姿を想像する。
勃起がヤバくなってきたので、俺は立ち上がり、「もう遅いので家に帰ります」と言った。ブラッドとブラッドの父親は、俺の自転車のところまで送ってくれた。ステファニはラブシートから動かなかった。
家に向かってペダルをこぐ。頭からは秘密クラブのことが離れなかった。
裏門から家に入ったが、両親はまだ起きていた。時計を見上げ、まだ、そんなに遅くなっていないことに気づく。まあ、いずれにせよ、明日の朝早く、シーサイド・ダイナーに金を回収しに行かなければならないので、今夜は早く寝るつもりだ。
リビングのところで両親とちょっと雑談した後、二階に上がり、シャワーを浴びて寝る準備をした。寝る前にコンピュータを立ち上げ、メールをチェックする。思ったとおり、グラフ先生からメールが来ていた。