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誰とやったか知ってるぜ 第4章 (3) 

「お願いだから、もうこんなゲームはやめて!! あなたのせいで、私の人生が滅茶苦茶になっちゃう!!! 結婚指輪を返して! そうしたらあなたに何の迷惑もかけないって約束するから。私の人生を元の普通の状態に戻したいだけなの。私の真意を知りたいなら、教えてあげるわよ。確かに最高だったわ。そう、あんなセックス初めてだった。あんなに激しく、何度も達したことなかった。何度、いったか、数え切れない。でも、こんなことをするのは、完全に間違っているのよ。あまりにも危険が多すぎる。こんなことは今すぐやめるべきなの。だから指輪を返して。そうしてくれたら、全部、秘密にしておけるから。お願いしているの。分かって!!!」

先生のメールを読みながら、その感情があからさまな言葉に、むしろ感動すらしていた。俺は、先生がこれまで経験した中で一番の男というのが分かった。俺が計画していることを先生も知ったらいいのに。先生を完全に俺の所有物にするのだ! 返信文を打ちながら、俺は邪悪な笑いを浮かべていた。

「ようやく先生も分かったようだな。言っただろう? 俺の愛奴隷となる身分を受け入れるのは難しいことではないと。俺も、お前のことを十分に気遣う、実に愛に満ちた優しいご主人様なのだよ。お前が、ようやく、旦那のセックステクニックに比べて俺の方が格段に優れていることを認めるというハードルを越えられて、俺は実に満足している。お前と俺の間に、確かな絆ができつつあると感じないか? 俺の言うことに従い続けるのだよ。そうすれば、お前は際限なく喜びを与えられることになるだろう。だが、再度、忠告しておくぞ、グラフ先生! 不服従があれば、その度に調教がますます厳しくなっていくだろうということだ。お前はまだ入り口に差し掛かったばかりだから、調教は軽度なのだよ。過ちをすることで調教を受け、それによって学んでいくのだ。服従を拒み続けたなら、調教が厳しさと激しさを増していくことを忘れるなよ ご主人様より」

メールを送信し、パソコンを落とした。ベッドにもぐりこみ、すぐに、明日の朝、どうやってあのレストランの女子トイレに忍び込むかを考えた。例のクラブにいた人の姿が頭に浮かぶ。それに、あのケイトという、いかした女マネージャーの姿も。

・・・テストがあると言うが、どんなテストなんだ? 天井を見ながら考えた。・・・病気があるかを調べる検査か? それとも何か別の?・・・

何度も寝返りを打った。時計を見ると、もうかなり遅くなっているのが分かった。目覚ましを7時にセットし、眠るために、何か他のことを考えようとした。

***

目覚ましベルに、飛び起きた。素早くバスルームに行き、シャワーを浴びた。両親はすでに仕事に出た後だった。普段着のジーンズとTシャツに着替え、ガレージに走り、自転車に飛び乗った。ブラッドの母親に見つからないようにと願いながら、例のレストラン、つまりシーサイド・ダイナーに向かった。

レストランの前に着いた後、何気なさを装いながら、道路を挟んでレストランの向かい側にあるコーヒーショップに入った。ほぼ満員だったが、幸い、窓側の席が一つ空いていた。そこに座る。

ウェイトレスが来て注文を聞いた。俺は顔を上げ、彼女の胸についている名札を見た。

「トリスタ・・・可愛い名前だね」 ウェイトレスの愛らしい緑色の瞳を覗き込みながら言った。。

「ありがとう」

彼女は、顔にかかっていたブロンドの髪をかき上げながらにっこりと笑った。俺のコメントが気に入ったのだろう。そして注文を書くパッドとペンを出した。

「ジェリー・ドーナッツを一つと、コーヒーをもらおうかな」 セクシーな緑の瞳を覗き込みながら注文した。

俺は、奥の厨房へ戻っていくトリスタを目で追った。お尻の辺りも形がよく、目を吸い寄せられる。なぜか、そのまま彼女のジーンズの尻を見つめてしまっていたのだが、彼女が肩越しに振り返り、俺に微笑みかけるのを見て、俺は顔が赤らんでしまった。

ここに来た用件を思い出し、窓の外、シーサイド・ダイナーに注意を集中させた。時計を見る。そろそろステファニが金を持ってくる時間だ。

テーブルにコーヒーが置かれる音がして初めてトリスタが着ていたことに気がついた。顔を上げ、彼女の瞳をまっすぐに見る。トリスタは、相変わらず笑顔を見せながらドーナッツをテーブルに置いた。

「他に何かいかがですか?」 まだニコニコしている。

「いや。どうもありがとう」 丁寧に答え、窓の外に視線を戻した。

ブラッドの母親が来るのを辛抱強く待った。1分が1時間に思える。時計を確認し、窓の外を見ながら、ドーナッツを食べ、コーヒーをすすった。約束の時間が過ぎ、俺は次第に落胆し始めた。

その時、一台の車がレストランの駐車場に来るのが見えた。運転者は見えなかったが、ブラッドの母親の車のように見える。ドアが開き、中から人が出てきた。ステファニだった。

車から出たステファニは後ろのトランクに周り、素早くあたりを見回した。トランクを開け、もう一度、あたりを見回す。それからトランクの中に上半身を傾け、再び体を起こし、またも、あたりを見回した。そしてレストランの入り口へと早足で向かった。俺の指示通りに、茶色の紙袋を持っている。

「何か他にご注文は、いかがですか?」 突然、俺の背後から声がした。

ステファニに意識を集中させていたので、俺はトリスタが来ていたことに気がつかなかったらしい。

「いや、もう結構・・・もうちょっとしたら出るので」 できるだけ優しく返事した。

トリスタは請求書をテーブルの上に置き、離れていった。俺はポケットの中から5ドル札をだし、請求書の上に置いた。それから、再び、窓の外に意識を集中させる。ステファニが出てくるのを待った。

少し経ち、レストランのドアが開いた。中からブラッドの母親が出てくる。手には白い発泡スチロールのカップを持っていた。多分、コーヒーだろう。もっと重要なことは、茶色の紙袋を持っていないことだ。

心臓がどきどきし始めるのを感じた。額に汗がにじんでくる。あと何分かしたら、例のクラブに入会するための金が手に入るのだ。

ステファニは車のドアにキーを差し込み、それから、もう一度あたりを見回した後、運転席に座った。

彼女の車が走り去るのが見えた。ステファニーがこの近辺を何回か周回する可能性も考え、俺は、何分か待つことにした。

15分後、とうとう行くことに決めた。コーヒーショップから出て、素早く、向かい側のレストランへ向かった。あたりを見回し、ステファニがどこかで見ていないか確かめた。大丈夫だ、危険性はない。十分確認した後、シーサイド・ダイナーの入り口のハンドルを引き、中に入った。


[2009/07/24] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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