「そんなことは言ってません。分かってるはず・・・」 イサベラは、額に少ししわをよせ、呟いた。
だが、レオンはお構いなしに、彼女のスカートの中をじわじわ這い上がり、敏感な膝裏の肌に口をつけた。
イサベラは、唇を噛んで耐えるものの、自然と喘ぎ始めていた。レオンの唇が震える太ももに沿って、焦らしのキスを繰り返し、徐々に彼女の熱く濡れた部分へと近づいてくる。身体全体が熱してくる。
次はどこにキスをされるのだろう? そう想像すると、体の奥から、勝手に期待感が湧き上がり、その性急さに息が乱れていく。イサベラは、そんな自分の反応を押さえ込もうと必死だった。
レオンの温かい息が、太ももの頂点にある赤毛の繊毛に優しく吹きかけられた。イサベラは思わず溜息を漏らした。
「あっ・・・レオン・・・」
レオンが、鼻から息を吸って、私の香りを嗅ぐかもしれない。そう想像しイサベラは顔をピンク色に染めた。脚を閉じたいという意思はあるのだが、彼の幅広の肩がしっかりと脚の間に嵌っているので、それもできない。彼の優しい探査に身を任せることしかできない。
レオンは、繊細な手つきでイサベラのぬめった肉襞を左右に開いた。
「何だね?」 かすれた声で呟く。
イサベラは目を閉じた。そうでもしなければ、レオンが欲情に蕩けた瞳で、自分の淫猥に光沢を帯びた肉唇をじっとりと見つめている光景が頭に浮かんでしまうから。だが、目を閉じることにより、なお一層、鮮明にその光景が浮かび上がってしまうのだった。
「あなたは、おっしゃったはず・・・」
とイサベラは言いかけたが、次の瞬間、「ああっ!」と声を上げた。
レオンが彼女の割れ目の全体をべろりと舐めたからだった。イサベラは、何かに耐えるかのように、ベンチの端を握り締めた。
イサベラは息を継ぐ暇もなかった。レオンは、真昼の陽の熱で融けかかっているアイスクリームを舐めるように、彼女の秘密の部分をぺろぺろと舐め始めている。彼の舌が、そこに湧き出る滴を一滴も漏らすまいと、濡れた肉畳の中をほじり始めた。イサベラは血液が脚の間に集まり、低く脈動音を鳴らすのを感じた。
「時が来るのを待つとおっしゃったはず・・・」
舌で肉芽をいたぶられ、イサベラの言葉はほとんど声になっていなかった。それでもレオンの耳には届いたらしい。激しくむさぼり続ける口が、一瞬、動きを止めた。
「ああ、確かに言ったが」 その声はスカートの中からなので、くぐもって聞こえた。
話しを続けられると思っていたイサベラは、突然、その狭い肉鞘に指を挿し込まれ、心臓が止まりそうになった。
「レオン!」
その指が濡れて熱を帯びた部分を探りまわる。イサベラは全身を強張らせ、悲鳴を上げた。腰が自然とベンチから浮き上がっていた。そのため、かえって濡れた部分をレオンの口に押し付ける格好になってしまう。肉筒を指で愛撫され、ひくひくと脈動する肉芽を口に吸われる。
「お願い、やめて・・・」
突然、レオンは上半身を起こし、幾重にも重なったスカートの布地の中から目を輝かせながら顔を出した。イサベラは、途中で止められたことによる欲求不満から歯軋りしそうな気持ちになった。
「待つとは言ったが、おとなしく待っているとは言っておらんぞ」
「あ、あなたって・・・あなたって人は!」
「何だ?」 レオンは、まるで大人が子供を立たせるときのように、優しくイサベラのスカートを擦り、布地の皺を伸ばしながら、くすくす笑った。
「・・・ならず者か? それとも、ごろつきか?」
レオンは急に前かがみになって、イサベラの唇に強く口を当ててキスをした。突然のキスにイサベラは、ハッと声を出しそうになる。レオンは、その後、イサベラに背を向け、ぎこちない足取りでゆっくりと歩き出した。
「いやな人!」
イサベラは息を切らしながらレオンの背中に叫んだ。レオンはただ声を上げて笑うばかりで、背の高い生垣の向こうに姿を消した。
* * *