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ポルノ・クイーンの誕生 最終章 (7) 

トレーシーがロープの向こうに戻り、10メートルほど離れた場所に腰を降ろすのを見届けて、リチャードが言った。

「じゃ、ステフ? 僕が言うとおりにするんだよ。そうすれば楽しくできる」

リチャードは、私が遠くの方をぼんやり見ているポーズから始めた。次に、手をローブの中や腰に当てるポーズをさせた。その間、彼はシャッターを押しっぱなしだった。ほとんど、ノンストップでシャッター音が鳴っていた感じだった。

メモリーカードの交換になると、長椅子に座るように言われた。最初は、椅子に脚を伸ばす感じで座り、そのまま両膝を上げて、あごにつけるようにした。彼は、そういう感じのポーズで、私にいろいろな角度に頭を傾けさせたりして20枚ほど撮った。

さらに、ローブを脱いで仰向けになった写真も撮った。仰向けの形から身体を半転させて、うつぶせになる。また、肩越しに振り向いて、いろんな角度に首を曲げるポーズもさせられた。

もう何十万枚も撮ったのじゃないかと思った頃だった。リチャードが言ってくれた。

「初心者にしては、素晴らしいよ。ちょっと経験を積めば、もっと面白くなるよ」

リチャードがカメラを下ろしたのを見て、トレーシーはこちらに来ていた。リチャードはトレーシーに向かって言った。

「彼女、最高だね。僕はいま撮影した写真をコンピュータに落としに行かなければいけないんだ。30分ほどしたら部屋に会いに行くよ」

「良かった。じゃあ、彼女のメイクを直したり、小道具を片付ける時間があるわね」

私は、すぐに、メイク室に戻され、再びパティの有能な手でメイクを直されていた。私がお化粧を直している間、トレーシーは隣の小道具部屋に行った。彼女は、雑誌2冊と、ディルドを2本持って戻ってきた。

ディルドのうち、1本は、トレーシーがストラップ・オンで使っているのと同じくらいの長さだった。もう1本の方は、もっと太く、5センチほど長いものだった。現場の人たちは、小さい方をゼリーと呼んでいた。透明な青色をしているので、そう呼ばれているのだろう。長い方は、真っ黒だった。

私のメイクが完了すると、みんなでエレベータに乗り、3階に上がった。私の部屋は5階だったので、どうして3階なのだろうと不思議に思った。

エレベータを降りると、向かいの壁に掲示があって、「俳優専用」と書いてあった。後で知ったことだけれども、2階と3階はセックスシーンを撮影するフロアだった。

一つの部屋に入ると、トレーシーはディルドと雑誌をナイトスタンドに置いて、私の顔を見た。

「さあ、服を脱いで。次の写真撮影は、あなたがシャワーを浴びるところ。その後、あなたはベッドに移動する。シャワーでは、たくさんソープを使ってね。泡がたくさん出して欲しいから。でも髪の毛と顔は濡らしちゃダメ。お化粧が台無しになってしまうから」

指示通り、ビキニを脱ぎ始めた。けれど、だんだん不安になってきていた。つまり、リチャードに初めて裸体を曝して見せるわけで、それがちょっと神経をすり減らすことのように思ったのだった。

リチャードが部屋に入ってきてカメラの準備を整えるとすぐに、私はシャワーに入った。シャワールームには、普通の壁に備え付けのソープ・スプレーに加えて、手持ちのソープ・スプレーもあった。これはとても便利で、頭や顔を気にせずに簡単に身体を濡らすことができた。

私が使ったソープは、特別製だったに違いない。というのも、驚くほど泡が出て、その泡が私の肌にくっついて、簡単には落ちにくかったから。

リチャードはたくさん写真を撮った。私に立っている時の姿勢や、両手をどう動かして身体を洗うかなど、細かく指示してくれた。リチャードたちの意図通りかどうかは分からないけれど、シャワーを終えたときには、私は勃起をしていた。

シャワーが終わると、シャワールームから出て、身体を拭くように言われた。身体を拭いている間も写真は撮られていた。その後、身体全体にモイスチャライザーを塗るように言われ、その時も何枚か撮られた。

次は、寝室に移った。寝室では、ベッドに横寝になって雑誌を眺めるように言われた。予想していたことだったけれど、その雑誌は、全裸やセミヌードの男たちが載ってる雑誌だった。リチャードは、私に、雑誌の写真の何枚かを指さすようにさせた。それから、誘惑的に舌なめずりして見せるようにと。

裸の男の写真を眺めているところを10枚以上撮影した後、今度はディルドを取り出して、さらに雑誌を眺めながら扇情的にディルドで遊ぶように言われた。さらに、ディルドを舐めしゃぶったり、最後の方では、口の中に入れたりもさせられた。


[2009/11/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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