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デス・バイ・ファッキング 第5章 (2) 

ディ・ディとドニーは、僕を真ん中にして席に座り、僕たちは軽い会話をし、食事の注文をした。僕は、マムのコルドン・ルージュ(参考)を1本、オーダーした。この機会は、僕の限られた経験(と予算)が許す限りで最良のシャンパンがお似合いだと思ったから。

ジュリア・チャイルド(参考)いわく、シャンパンならどんな時でも適切だとのこと。人の心の壁をちょっとだけ降ろさせるのに、ほんの少しの泡のお酒ほど役立つものは他にない。彼女たちも同じように思っていたと思う。

僕はラムの肋肉(ばら肉)を注文した。これをメニューに載せているレベルのレストランに行ったときは、僕はいつもこれを注文する。そんなの普通のレストランならどこでもあるじゃないかって? 知るか、そんなこと。僕がお子様なのは知ってるよ。この手のことについて、僕が知ってることなんてそんなものだ。

椅子につくとすぐに、小さな手が伸びてきて僕の股間を優しく撫でているのを感じた。こうされると僕が気が狂いそうになるのをディ・ディは知っている。そのことについては誰も何も言わなかった。それに僕も、わざわざ、声に出して指摘する必要を感じていなかったのは確かだ。ともかく、「一流のサービス」という言葉に、まったく新しい意味が加わったように思った。

ディ・ディとドニーは、二人とも、サーモンの料理を注文した。ピーカンナッツ(参考)で覆ってカリカリに焼いたとか、そういう料理だった。僕の全然知らない料理だったが、二人とも食べるものをちゃんと心得ている様子だった。二人とも半ばベジタリアンであることを知ったのはその時だった。魚は食べるが、肉はいっさい食べない。

「へえ? ということは、タコスも食べないっていうこと? 義務でもないのに、ずいぶん犠牲を払ってるんだね」

「アンドリュー? 肉なしでもタコスは作れるのよ。知ってると思うけど」

「ああ、知ってるよ。でも、だから? 僕は肉入りを食べるけどね」

料理が来て、早速、食べ始めた。ラム肉はからし色にこんがりと焼けていた。ミディアム・レアで、実に美味しかった。まだ若く食経験は少ない。こんなに美味しいのは食べたことがなかった。僕は、手を出し、右手に座るブロンド美人の手に触れた。

「ねえ、ディ・ディ。ちょっと、僕のラムを食べてごらん? 美味しいよ」

彼女は、びっくりした顔をした。頭を左右に振るだけ。

僕は左側を向き、ドニーに言った。

「ドニー? 君はどう? ラムのばら肉。美味しいよ。どうかな?」

やはり頭を振っている。僕は二人をからかっていた。二人とも、このベジタリアン生活とやらにずいぶん熱心になっているようだ。

突然、一人が、「ちょっと、化粧室に行くわ」と言った。そしてもう一人に向かって、「一緒に行く?」と訊いた。

結局、二人とも立ち上がり、トイレの方へ歩いていってしまった。美味しい肉のことでちょっと浮かれてしまい、彼女たちを怒らせてしまったかなと思った。僕は、ほとんど戦闘的と言って良いような肉嫌いのベジタリアンを知っている。だけど、そういう人は普通は完璧な菜食主義者で、魚を食べるような変節はしていないものだ。なのに・・・本当に、女性の心の中で何が起きてるか、分かる人なんているのだろうか?

2分ほどして二人が戻ってきて、席に着いた。何秒も経たないうちに、あの手がまた僕の勃起に戻ってくるのを感じた。これを続けられたら、いつかは、こういうふうにディナーを食べることに慣れられるかもしれない。でも、やっぱり今は、言わなくちゃいけないと思った。

右側に座るブロンド美女を向いて言った。

「何?・・・その席は『アンドリューの勃起握り専用席』と指定されているの? 君たち二人、変すぎるよ。僕は兄弟は好きだよ。でも、例えば、兄が途中まで食べた料理の前に座って、続きを食べ始めるなんてことはしないと思う」

突然、二人とも身体を起こし、大きく溜息をついた。それから、わあっと泣き出し、左右同時に僕の腕にすがりついた。4つ星の高級レストランの真ん中だというのに、二人のゴージャスな美女に顔を左右の肩にこすりつけられながら号泣されているのだ。

僕が言ったことの何が彼女たちをこうさせたのか、まったく分からなかった。二人とも、すっかり感情的になっている。

僕は状況を静めようとした。

「ごめん。二人とも変すぎるなんて言うつもりはなかったんだ。ただ、僕はちょっと変に思っちゃって」

ディ・ディは少し落ち着いたようだった。「知ってたくせに!」

何のことか、手がかりすらなかった。「知ってたって、何を?」

「私だって知ってたくせに!」

いまや、いったいどういう意味か分からなくなっていた。これまでの人生で奇妙な体験は何度かしてきたが、今回のは謎すぎる。

「だって、君は君だろう?」

「私はドニーだったかもしれないのよ」

二人とも泣いていなければ、僕は、二人にからかわれていたと思っただろう。二人とも同じ服装をしていて、同じ料理を注文し、ディナーの途中で席を交替した。僕をからかっているわけでないにしても、何かゲームをしているんじゃないかと。

僕はドニーを見た。

「ドニー? ディ・ディが何を言ってるのか、どうか教えてくれないか?」

ドニーはすでに号泣を終えていて、今は、涙をうまく堪えられる状態になっていた。

「私たちを見分けられるわよね?」

「もちろん。見分けられる。昼と夜ほど、歴然と違いがあるよ。あ、いや、深夜12時と午前1時ほどの違いかな。ともかく、違いは分かるよ。僕に見分けられないはずがあるわけないじゃないか」

ディ・ディが言った。

「誰も見分けられないわ。ママもできない。パパもどっちがどっちだか、さっぱり。誰もみんな、私たちを同一人物だと思ってる。でも、私たちは違うのよ、アンドリュー。私たちは別個の人間なの。二人いるの。誰もそれを分かってくれない」

僕は二人をなだめようとした。

「もちろん、君たちは別個の人間だよ。明らかじゃないか。他の人がどう思おうと気にしちゃいけないよ。僕は二人とも素晴らしい女性だと思っているんだから」


[2009/11/10] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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