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無垢の人質 第6章 (8) 


* * *

その3日後のことだった。

イサベラは廊下を歩いていた。すると、突然、大きな手が伸びてきて腰をつかまれたのだった。悲鳴を上げたものの、強引に狭く暗い部屋へと連れ込まれた。

イサベラはレオンの身体の熱を感じ、びゃくだんとムッとする男臭さが混じった匂いをかぎ、官能をくすぐられるのを感じた。ドアが蹴られ、背後で音をたてて閉まった。すぐに硬い壁のような胸板に押され、身動きできなくされる。

ほとんど息をする間もなく、唇に荒々しく唇を押しつけられた。それに押され、頭の後ろがドアに当たった。その間もレオンは無情にイサベラの口の奥へと舌を伸ばし、荒らしまわった。イサベラは口をふさがれつつも、か弱いうめき声をあげ、レオンの金色の髪の毛に指を絡め、引き離そうとした。

「イサベラ・・・」 レオンはイサベラのスカートの裾に両手をかけ、手繰り上げた。冷たい空気がイサベラの膝の間を吹き渡る。「・・・お前に触れたい」

レオンの手がスカートの中にもぐりこんだ。あの熱を帯びた場所を求めて進む。だが絹のシュミーズに指が絡まって進めない。

「くそっ」 苛立ったレオンは毒づきながら、イサベラのシュミーズを引きちぎった。その間も体を押し付け、彼女の首筋に顔を擦りつけていた。

イサベラは、二人の身体の間でレオンがシュミーズの薄衣を不器用に手繰るのを感じた。そして、その後、太ももの付け根、彼女の秘密の部分に火の如く熱く、脈動する硬いものがぐいぐいと突くのを感じた。

「レオン・・・」

イサベラはつぶやき、必死に理性を取り戻そうとした。だがレオンの唇が彼女の唇を再び奪い、またも痺れるような感覚に頭が麻痺していく。

「ん!・・・いや・・・」

イサベラはレオンが彼女の臀部を両手でつかんだのを感じ、唇を振りほどき、弱々しい泣き声をあげた。レオンは、下腹部で彼女の背後を扉に押しつけながら、イサベラを抱えあげた。

「両脚を俺の腰に巻きつけるんだ」

イサベラは抵抗することなどまったく頭に浮かべなかった。命令されたとおりに両脚をレオンの体に巻きつけた。身体が密着し、彼女のうち震える胸が固い壁のようなレオンの胸板に押しつぶされていた。その間もレオンの舌はイサベラの舌を愛撫し続けた。

やがて、イサベラは、滴をたたえた肉の入口をレオンが突くのを感じ、ハッと体の動きを止めた。

「レオン・・・」 彼の唇を振りほどき、力なくつぶやく。

「俺を許してくれ」

レオンはそう言って、唸り声をあげ、同時に肉茎をイサベラの奥深くへと一気に根元まで突き刺した。

イサベラは極太の肉茎に串刺しにされ、狭い肉壁がめりめりと拡張されるのを感じた。レオンが素早く引きに入った時にかろうじて息継ぎができたが、再び強引に突き刺される。

「レオン・・・お願い・・や、やめて・・・」

脚を激しく前後する彼の腰にしっかりと絡め、彼の体にしがみつきながら、イサベラは喘いだ。

「イサベラ・・・」 レオンは汗ばんだ額を彼女の額に押しつけ、うめいた。

扉に体を押し付けられ、まるで身体を引き裂くように鋭い突きを何度も受け止めつつ、イサベラは絶え間なく、悩ましい泣き声を上げ続けた。だが、彼女の肉体は、この残虐な抜き差しを嬉しく受け止めてたのは明らかだった。イサベラは、二人の身体が結合している部分に淫らに湿った熱が集中してくるのを感じていた。

「いや・・・やめて・・・」

口ではそう懇願し、意識の上では高まってくる快感の波とあらがいつつも、イサベラの女の部分の筋肉はレオンの分身を包み絞り、収縮を繰り返すのだった。

だが、この行為は、始められた時も唐突であったが、それと同じほど唐突に中断されたのだった。

「ちくしょう!」 

レオンはかすれ声でうめいた。両手でイサベラの柔らかい尻肉をつかみ、指先を肉肌に食い込ませる。太い肉茎は彼女の熱く濡れた部分に完全に埋め込んだまま。

何秒か緊張間に満ちた時間が過ぎた。その間、レオンは自制心を求めて必死に内面で戦っていたのだった。一方、イサベラは、ただ彼にしがみついているだけだった。扉に体を押し付けられ、彼の脈動する肉茎で満たされている喜びだけを感じながら。

だが、恐ろしいことに、彼はゆっくりと彼女の中から抜け出ていった。無意識的に、イサベラの唇から惜しむような溜息が漏れた。

「行け」 レオンにはその言葉を言うのが精いっぱいだった。

床に下ろされ、イサベラは脚を震わせながら立った。レオンは、わざと彼女から顔をそむけた。

「俺の気が変って、お前をサカリのついたけだもののように犯す前に、出ていくんだ!」

イサベラは、振り返らず、部屋を飛び出た。

* * *


[2010/01/11] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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