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寝取られの輪 1 (15:終) 

ブルースは、リンダとジェームズはもう二階の部屋に入った頃かもしれないと思った。

「それで… ここの黒人たちは、その… あなたの家にときどきやってくるの?… なんと言うか… パーティをしに?」

「もちろんですよ。でも、そうなるのは、あなたが公式的にメンバーになってから。それに、クラブに忠誠を誓った後。クラブの男たちにちゃんと礼をつくし、奥様を全面的にサポートするし、ここの男たちだけが奥様が求め、してもらってしかるべきことをしてあげられるのだと認めると、そう奥様に話した後になりますね。その段階にたどり着くまでには、かなり屈辱的な場面に直面しなければいけないですよ。そして、実際に奥様が男と一緒にしてるところを見る。その時、初めて、本当の意味での屈辱というものがどういうことか分かるのです」

ブルースは他の二人の男たちが会話に耳を傾けているのに気づいた。二人ともブルースと同じくらいの年齢だった。

「やあ。ブルースです」

「ラルフ」

「エミットです。どうぞよろしく。私の妻はリロイと一緒にいる」

「うわ… 初めて?」 とラルフが言った。

「ああ、ちょっと嫌なんだけどね。でも妻のロリはすごく興奮していたよ」

「そのリロイって、何かあるの?」 とブルースが訊いた。

ラルフが答えてくれた。「リロイってのは、まだ19歳なんだ。俺たちの子供よりも若い。俺の妻はまだ相手してもらったことがないんだが、ずっとせっせと働きかけているところだよ。エネルギーの限界を知らない男で、一晩中、勃起し続けられるし、睾丸もこんなにでかいんだ。加えて、イケメンで賢いときてる。俺たちは彼に家に来てもらえるよう、狂ったように働きかけているんだ」

その時、また別の夫がパティオに出てきて輪に近づいてきた。

「やあ、みんな! ラルフ、お呼びだよ」

ラルフは立ち上がり、「じゃあ、また」と言い、家へ入っていった。

「やあ、私はブルースです」

「オーウェンです」 と新しく入ってきた男が言った。

「ところで、ラルフはどうして… この輪から出て行ったの?」

「シーツですよ」

「シーツ?」

「ここには初めて?」とオーウェンが訊いた。

「ええ」

「奥さんは誰と一緒?」

「ジェームズです」

「おい、順調じゃないか!」

「え、まあ… ありがとう」

「ジェームズと誰か女の人が階段を上がっていくのを見かけたよ。誰だろうって思ってね。すごく綺麗な奥さんだね」

「二人は二階へ?」

「もちろん。他にどこに行くって? あそこで、あれが始まるのさ」

ブルースは、自分の周りで起きてることすべてに対処するのに苦しんでいた。すべてが知らないことばかりで、もうすでに頭が混乱していた。何より、今この時点でリンダとジェームズは何をしているのかの疑問が彼の頭を占めていた。

「シーツのことについて訊いたよね?」

「あ、そう。それはどういうこと?」

「すべての寝室は、一晩につき、複数回使われるのが普通なんだ。だから、誰かがシーツを換える仕事をしなければいけない。その誰かとは誰かと言うと、俺たち旦那のうちの一人になるわけさ」

「まさか、冗談でしょう!」 ブルースは驚いた。どんどん信じられないことが出てくる。

「いや、ホントだよ。言うまでもないが、部屋に入ると大変だよ。汚れたシーツを新しいのに交換したり、タオルや飲料水のボトル、それにきれいなグラスを揃えたり。ここでは、そういう仕事をまとめて『シーツ』と呼んでいる。シーツ交換が中心的な仕事だからね。俺たちは交代制でやってる。シーツの仕事とバーテン役の仕事が俺たちのメインの仕事だな」

「それってすごく…… いや、分からないけど… 」 とブルースは返事した。

「いや、そんなに大変なわけでもないよ。大半は2階のフロアの暗い隅っこで座って休んでるだけでいいんだ。それに部屋の壁は完全に防音であるわけじゃないしね。だから、時々、濃厚な喘ぎ声やよがり泣きを聞くことができる。うまく行けば、自分の妻が男にやられているときにシーツ仕事の担当になれるときもあるんだ… 」

「…ま、とにかく、カップルが部屋から出てきたら、そのカップルが階段を降りて行くまでじっと待つ。目は伏せ目にしてること。顔を見ちゃいけない。顔を見ると、そのカップルのプライバシーを侵害することになるからね。もし、話しかけられたら、『はい、ご主人様』とか『はい、奥様』と答えること。その人が自分の妻であっても、そうすること。最初は、これはちょっと恥ずかしく感じるはず。特に、まだこのクラブに完全に忠誠を誓った状態にはなっておらず、しきたりに慣れていないときは、そう感じるだろうな」

「ふうー!」 ブルースは唸った。

「…それで、カップルの姿が見えなくなったらすぐに、パントリーに行って新しいシーツとタオルのセットを取ってくること。そして、部屋に入って、シーツを交換し、新しいタオルを揃え、使った飲料水のボトルとグラスを片付けて、パントリーから新しいボトルとグラスを持ってくる。もし、ろうそくが消えていたり、ほぼ消えそうになっていたら、あたらしいろうそくに換える。それが終わったら、自分の椅子に戻って、次の部屋を待ち、それを最初から繰り返すと言うわけさ」

ブルースは椅子の背もたれに背中を預け、いま聞いたことを、もう一度、最初から考えた。それに、なにより、リンダとジェイムズのことも気になってしかたがなかった。リンダは、この日のために新しいセクシーな下着を買ったが、ジェイムズはそれを見てどんな反応をしたのだろう? ここにいる黒人たちにしてみれば、夫たちに妻を連れて来させ、快楽をむさぼるわけだ。さぞかし楽しいだろうな、とブルースは思った。なんだかんだ言っても、ついこの前まで、ブルースと彼の仲間たちも互いの妻を抱いて楽しんでいたのだ。だが、そういうお楽しみは、このパーティでは、少なくともしばらくは起こりそうにないだろう。

つづく



[2010/01/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

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