Talent is not enough 「才能では足りない」
「大丈夫か? ちょっと集中してないように見えるが」
「大丈夫。たぶん」
「どういうことだ? 大丈夫じゃないと言ってるように聞こえるが」
「ちょっと考えていただけ」
「そいつは良い兆候じゃないな」
「笑える返答ね。でも、マジな話、これって、とてつもない間違いじゃないかって感覚がぬぐえないだけ。というか、誰かが、本当のことを暴露するかもって」
「間違いなんかじゃない。お前も分かってるはず。お前の最初のシングルは大ヒットだったし、すべてが、次回作はさらに良くなると示していた。お前はスターなんだよ、何もかもこれから良くなるばかりなんだ」
「分かってる。ただ……みんなが、このペルソナが何もかもウソだったと察したらどうなるんだろうと思って。あたしがこれをしてる理由が、ひとえに、男性歌手だとまったく吸引力を持てないからだと知ったら? なんて言うか、そうなったら、みんな、あたしのことに魅力を感じないと思わない?」
「いや、思わない。名声なんて変なもんだ。ファンなんて変な奴らだ。ファンなんて、いったん、お前のことが好きと思ったら、お前がどんなことをやっても、それを受け入れるんだよ。ファンが受け入れられないことが出てきたら、今度は、それは本当のことじゃないと思い込むものだ。とんでもないことをしでかした有名人がいっぱいいるだろ、そいつらを見てみろよ。ひどく選択を間違った有名人たちを見てみろよ。その大半が、そこそこ以上の活躍をしているんだ。そしてお前もそうなるって」
「本当にそう思う?」
「そんなの事実だ。お前は愛らしい。お前には才能がある。そして、お前は生まれつきのパフォーマーだ」
「あ、あたし……ありがとう。本当に。あなたがいなかったら、どうしていいか分からなかったわ」
「まあ、お前は、まだ、ユーチューブでフォロワー100人くらいで留まっている。まあ、それはそれでいいんだが。ともあれ俺はお前のマネジャーだ。これが俺の仕事だ」
「それでも、ありがとう。本当にありがとう」
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A Bit of Sacrifice Goes a Long Way 「小さな犠牲が大きな結果を生むことになる」
「ねえ、これ本気でするのかなあ、僕たち?」
「もちろん。あなたもこの話に乗ってると思っていたけど?」
「うん、乗ってる。というか、乗ったと思っていた。ただ……もっと良い方法があるはずだと思うんだけど。そうじゃない? 君の友達はどうだろう? 君の友達の中に、ひとりはこういうことをしそうな人がいるのは確かだと思うんだけど。それなら全然、気まずいことにはならないだろうって思うんだ」
「もう言ったでしょ? 彼は特にあなたを求めているの。彼は、去年のハロウィーンでのあなたのあの写真を見て、あなたのことをトランスジェンダーだと思ったわけ。彼はその手の人が好みだから。そんなわけで彼は母親に頼んだわけ。それでもって、彼の母親はあたしにあなたと彼の間を取り持つように頼んできたの。これがあたしの仕事についてどういうことを意味するか、あなたにも分かるでしょう? 彼の母親は、あたしの上司の上司なの。これがうまくいったら、あたしがずっと求めてきた大きなブレイクになるかもしれないのよ。で、そのためには、あなたがあの男と2,3回デートするだけでいいの」
「分かってるよ。でも、レオのことは僕も知っているんだ。ある程度ね。あいつは、女の子について、とてつもなく妄想を抱いてるタイプなんだよ」
「だからって、何か変わる? 変わらないでしょ? あなたは、これをやるって言ったわ。その交換条件として、あなたはこの1年間、あたしと一緒に一切負担なしに暮らせると。頭ごなしに何もかも決めつけてくる両親のことを、もう気にしなくてもいい。あなたも大人でしょ、ジェス。今は、あなたも一人前の大人らしく生きることができるのよ。それに必要なことは、ほんの小さな犠牲だけ」
「でも、もし彼が……分かるだろ?……もし彼が何かしようとしてきたら、僕はどうしたらいいんだ? もし、キスしようとしてきたら? それとも、もっと悪いことになったら……」
「それはあなた次第よ。あたしは、昇進できるまで、彼と付き合ってもらえれば、それでいいの。あるいは彼があなたに飽きるまででもいいわ。だから、どうなろうとも、それさえ実現すれば、それでいいのよ」
「あまり良さそうなことにはならない感じだ」
「あのねえ、女はこの手の犠牲をいつも払ってるの。それとは別に、あなたも、これを気にいるようになるかもしれないじゃない? 実際、あなたはずっと前から、ハロウィーンや集まりには女装していくのを楽しんできたじゃない。あなたが何か隠し事をしてるのか知らないけど、この機会は、あなたのそういう気持ちを深堀りしてみる機会になるかもしれないわよ? 楽しめばいいの。自分を解放して」
「あのね、ぼ、僕は違うよ……ゲイとかトランスとかじゃないよ。それは言ったはずだよ」
「確かに。そうね。そう言ってたわね。でも、今は、ドレスを着て、男とのデートに行こうとしてる。だから……ひょっとすると、あなたの中に、ちょっとだけそういう側面が隠れているのかもね? まあ、いろいろ考えてみるためのきっかけということで」
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