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ジャッキー 第15章 (7:終) 


皆さんは、ダンが来る夜について僕が不安に思っていたと思うかもしれない。だけど、実際はそう不安ではなかった。確かに、ダンが、僕を侮辱するためにどの程度のことまでやろうとしているかが分からず、そこはちょっと心配だったけれど、ダンに殺されることはないし、ダンはゲイでもないのは確信してた。少なくとも彼に調子をあわせている限りは、きわめて安全だと思われた。願わくば、ダンがアンジーや僕に暴力をふるうことだけはないようにと、それだけを思っていた。

アンジーの話しからすると、ダンが痛みを感じるほどアンジーを殴ったのは、僕が彼のペニスを手にするのをためらった時だけだったらしい。僕は、もうためらったりはしないと心に決めた。今回は、どんなことを要求されても、できるだけ素早く、それに応えようと決めた。

金曜日。僕は一日の大半を家の掃除に費やした。アンジーと僕の夕食を作るのも時間の無駄だと分かっていた。ダンが来れば、アンジーは彼への奉仕で、夕食どころではなく、土曜の朝まで何も食べることができないだろう。それに、僕としても、体重が増えて胸に肉がついたらしいので、食事を抜いても構わなかった。

その日の午後2時、ダンが来るのに備えて、僕はジャックの姿に戻る作業を始めた。それが完了したのと同じころ、アンジーが帰ってきた。午後5時半だった。軽くキスを交わした後、シャワーを浴びて着替えるため、ふたりで二階に上がった。

僕はすでに2時間ほど前にシャワーを浴びていたけど、アンジーはもう一度、一緒にシャワーを浴びるよう、言い張った。バスルームに入ると、アンジーは自分で浣腸して洗浄し、僕にも洗浄するよう言った。そうする必要性があるのか分からなかったけど、浣腸自体は、アンジーがストラップオンを使うようになってからは、毎日の行事のようになっていたし、アンジーの要求にあわせて洗浄した。

アンジーが膣内洗浄をした後、ふたりでシャワールームに入った。シャワーでは、互いに身体を洗いながらプレーを楽しんだけれど、過度に夢中になる前に切り上げ、シャワーを出て、互いに身体を拭きあった。

再びアンジーの強い求めに応じて、余分な体毛を処理した後、寝室に戻った。先に寝室に戻っていたアンジーは、すでにお化粧を始めていた。ベッドに目をやると、その夜、僕が着るための衣類が広げられていた。

サテンのコルセットに、黒いシースルーのシームつき絹ストッキング。それにレースのパンティだった。コルセットとパンティは赤と黒の配色。それに加えて、黒いズボンとシャツ、それにソックスもあった。

1年前だったら、本気で僕にこれを着せたいのかとアンジーに訊いたと思うけど、今は僕も、改めて彼女に訊きなおすほど野暮ではない。アンジーは、本気でなければ、このように用意したりする人ではないのだから。ダンが来る時間が迫っていることもあり、僕は何も言わず、コルセットを着始めた。

コルセットはかなりきつめで、改めて、自分が太り始めているのだと気づかされた。その一方で、パンティやストッキングはピッタリにフィットした。そのランジェリ類を着て、鏡の前に立った時、初めて、僕は、増えた体重部分がどういうわけか胸に集中していることに気がついた。コルセットに締めつけられ、胸元に小さく二つの肉丘が盛り上がっている。小さな乳房のように見える。

アンジーに、コルセットの背中の紐を調節してほしいと頼んだけど、彼女は僕の方を見ることもせず、「ごめんなさい、今は無理。あと20分もすればダンが来るわ。それまでに準備していなければいけないの。間に合わなかったら、どうなるか分かるでしょう?」 と言った。

もちろん、アンジーの言うことは正しかった。玄関のチャイムを鳴らした時に、僕が玄関先にいなかったら、ダンは何をするか、分かったものではない。

7時5分前。アンジーはリビングルームでダンが来るのを待っていた。そして僕は玄関のホールで待っていた。僕はズボンを履き、シャツを着ていたけれど、アンジーはダンに言われたとおり、裸になって待っていた。アンジーをおいて玄関に行く時、彼女の様子を見たけど、かなりおどおどしていて、特に両手のやり場に困っているようだった。僕は、彼女を落ち着かせようとしたけど、ほとんど効果はなかった。

7時3分前。家の前に車が来た音が聞こえた。ドアの覗き穴から見たら、予想していたピックアップ・トラックではなく、リンカーンのスポーツ・カーだった。とは言え、そのスポーツカーから降りて出てきた人は、確かにダンだった。ダンは工事現場から直接ここに来たのではなく、家に立ち寄ってきたに違いない。上品なスラックスを履き、タートルネックのシャツと革のジャケットを着ていた。靴もファッショナブルだった。

つづく

[2013/04/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)