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Sexy Kitty 「セクシー・キティ」 

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Sexy Kitty 「セクシーキティ」

「すごい、ローラ。これ全部、すごく本物っぽく感じるよ。キミがこれをボクに着けるところを見てなかったら、接着剤でくっつけられてるなんて絶対に思わなかったと思う。それに、このピアスをつけた乳首も、触った感じがいいよ」

「義肢専門家と付き合ってる特典よ、ジェシー。あたしが『ヒット&ミス』(参考)でした仕事を見ておくべきだったわね。あの模倣ペニスを付けたら、あまりに本物っぽくて、かわいそうにクロエ・セヴィニー(参考)が泣いたのよ」

「その話、もう1000回は聞いたよ。でも、当時キミは単なる助手だったんだよね」

「そんなの関係ないわ。あたし、たくさん仕事したもの。それに、この通り、まだ腕は落ちてないでしょ?」

「まあね。でも、これってちょっとやりすぎだと思わない? て言うか、キミがボクのハロウィーンのコスチュームを決めることには同意したけど、ボクは別に……」

「同意? 違うわよ。あなた、あたしとの賭けに負けたんじゃないの。同意とかの問題じゃないわよ。それに、あなたが何か尋ねる前に言っておくけど、あたし、あなたをこの状態から解放するつもりはないからね。今夜、あなたは、このセクシーなキティ―ちゃんコスチュームで過ごすこと。この件については、これが最終決定」

「でも……」

「でもも何もないわ。あたし、すでにあなたのおっぱいに何時間も時間を使ってきてるのよ。ヘアとメーキャップにも同じくらいの時間をかけてる。まだ、下の方のちっちゃな男の子には着手してないけど。ちなみに、あたしが作る模倣バギナのこと、あなたも気に入るはず。挿入されたりとかはできないけど、本当に本物そっくりに見えるから。あなたがテーブルで素っ裸で踊っても、誰もあなたのこと生まれつきの女じゃないなんて疑わないと思うわよ」

「そりゃあ、よかった、よかった」

「そんなに暗くならないでよ。これって、あなたがあたしのために選らんだコスチュームを、あなたのために正確に複製したもの。ほら、ガチョウにとって良いことは、ガンにとっても良いことって言うじゃない? このコスプレをしたあたしが良いっていうなら、同じコスプレをしたあなたも良いってことよ。すごくエロかわいいし、人気者になるんじゃない? その場にいる男たち全員が、あなたとヤリたいって思う、みたいな」

「それって、ボクをわくわくさせるつもりで言ってるの?」

「いいえ。いや、わからないわ。ひょっとするとそうかも? あなたの脳の中で、どんなフェチが騒いでるかなんて、あたしには分からないもの。まあ、でも、その格好で居心地が悪いとしても、あなたには、それを拒否する選択肢はないわ」

「キミは、その点だけは、しつこいくらいに強調してきたものね」

「あたしの忠告がほしい? それは、ただ、流れに任せて酔っぱらってしまうということ。というか、べろんべろんになってしまうということね。ちゃんとあたしがあなたの面倒を見てあげるし、あなたが極端に愚かなことはしないように気を使うから。そこは約束する。ともかく、酔っ払えば、記憶は飛ぶし、気が付いた時には、全部終わってることになるから」

「ど、どうなんだろう……」

「いいから、あたしを信頼して。誓ってもいいわ。あなた、一生、忘れられない経験をするでしょうね。これが終わったら、あなたは一変するはず」

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[2020/03/30] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

One step after another 「一歩ずつ」 

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One step after another 「一歩ずつ」

本当は、こんなこと望んでいなかった。でも、ボクは、ここにいて、ベッドの上、妻の隣で四つん這いになり、この男たちとの出会いがどのように展開するのか待っている。ボクの相手の男性には、一度も会ったことがないし、おそらく、この後も会うことはないだろう。彼は、今、ボクの後ろにいて姿勢を取っている、いや、むしろ、不気味にそびえ立ち、迫ってきてると言うのが正確だろう。実際に触れなくても、長くて太くて固く勃起したペニスが、ズボンの中、いきり立っているのが分かる。振り返って見るまでもない。これから何がボクに襲ってくるか分かっている。

横にいる妻のテレサに目をやった。彼女はにんまりした顔でボクを見た。にんまりと言うより、にやりと言った感じ? ボクには、どっちなのか絶対に分からないだろう。ボクが抱く不安感がどんなものであれ、テレサはそんな不安感を一切感じていない。これは彼女が望んだことだから。

これがボクの夫婦生活なのか?

かつて……とは言っても、そんな昔のことではないのだけど……かつて、ボクは、実際に4人プレーをしようなんて想像すらできなかった普通の男だった。ましてや、男性からの行為を受ける側になるなんて、夢にも思ったことがなかった。ボクは、こんなにも完璧なまでに性生活が変化してしまうなんて、想像すらしていなかった。

多分、始まりは、誕生日のお祝いとして、彼女の簡単なお願いを聞いてあげたことだったと思う。あの日、ボクはテレサに、ベッドでしてほしいことがあったら何でもしてあげると約束した。そして、それを聞いてテレサが何を求めたかというと、ボクに彼女のパンティを履いてほしいと言ったのだった。確かに少しは抵抗はした。だけど、結局はその要望に従ってしまった。そして、その結果はというと、ふたりにとって、人生で最高と言える素晴らしいセックスになったのである。あの夜、彼女は、終始、攻撃的で支配的にふるまった。あんなになったテレサは初めてだった。そして続く2週間ほど、ボクと彼女のセックスは、いつも彼女が選んでくれたランジェリーをボクが着て、「ちゃんとした身なり」になってからでないと始まらないようになっていた。ボクは、テレサが喜ぶのならと、それに合わせたし、そういう女性的なランジェリを着ても自分は変わらないと示すことになるので、むしろ、改めて、ボク自身の男らしさを証明する行為にもなると自分を納得させていた。それとも、それはテレサが言った言葉だったかもしれない。今は忘れてしまった。

すぐにランジェリーだけでは済まなくなった。まもなく、ボクの毎夜の身支度には、化粧とウィッグと無駄毛処理が加わるようになった。でも、テレサはそれでも足りないと思ったのか、今度はボクにビタミン剤を飲み始めるようにさせた。それを飲むと肌が柔らかくしっとりとするようになると言っていた。当時、ボクはそれが本当は女性ホルモンだと分かっていただろうか? たぶん、心の奥底では分かっていたと思う。だけど、ボクはその薬を飲み続けた。ボクはテレサの言うことを拒否することなんてできなかったし、ボク自身も、彼女を喜ばせていることが嬉しくて、気持ちよく思っていたのだから。でも、気分が良い分、身体の方が犠牲を払っていた。ボクの身体はみるみる女性的な体つきに変わり始め、ボクは必死になって、ビジネススーツや男性服の下にその体を隠していたのだった。

しかし、ホルモンのせいでボクがインポ状態になってるのがはっきりすると、テレサはディルドやバイブなどの性具を使い始めた。ボクは抵抗しようとした。それを使われても気持ちよくないと言おうとした。でも、その頃には、テレサはあまりにも完全にコントロールを握っていたので、ボクがいくら反対しても、簡単に無視されるようになっていたのだった。そしていつしかボクたちは、レスビアンのカップルのような愛し合い方をするようになっていた。でも、自分でも驚いたのだけど、その愛し合い方は、それまでふたりで行ってきた行為と同じくらい、いや、それよりもずっと気持ちよかったのだった。少なくとも、ボクにとってはそうだった。テレサにとっては、というと、不満状態の練習を続けていただけだったかもしれない。テレサは何度も何度も言っていたのだけど、彼女にはたくましい男性が必要で、ボクにはその点での活躍は無理だった。だから、テレサがふたりの寝室を他の人にオープンにしたいと言ったとき、ボクには反論する根拠がひとつもなかったのだった。テレサがどうしてもそうしなくてはいられないのなら仕方ないと同意したのだった。

最初、テレサが他の男性とセックスしていると知りながら生活するのは辛かった。でも、ボクは順応した。少なくとも順応しようと努力した。それでも、どんどんテレサがボクと愛し合うことが少なくなっていって、代わりに別の男とばっかり身体を重ねるようなると、ボクもどうしても不平を漏らしてしまうのだった。テレサの名誉のために言っておくけど、彼女はちゃんとボクの話しを聞いてくれた。彼女はそういうところは前と変わらず素敵なところだ。そしてテレサはボクの悩みに対する解決案をだしたのだった。4人プレーをしようという案。ボクと彼女が一緒にセックスする点で、一体感がある。それと同時に、それぞれがちゃんと満足感も得ることができる。彼女によると、これは一石二鳥の完璧な解決案だと。でも、ボクにとっては? ボクは男となんかセックスしたくない。妻が他の男に抱かれているとき、その同じ部屋にいるなんて、ボクは望まない。だけど、ボクには他に選択する道があっただろうか? やっぱり、ボクはこれに同意したのだった。そして、そんなわけで、今ボクはベッドの上、四つん這いになっている。そして、名前も知らない男のペニスに貫かれるのを待っているのである。


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[2020/03/12] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Need 「欲求」 

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Need 「欲求」

「ここから出してほしいだけなんだけど。あたしが出たがってるのが見えないの?」

「いや、そうかなあ。いたずらっぽく笑ってるから、『出ていかせて』って言ってるように見えないが」

「うるさいわ。あたしがどうしても我慢できないのは分かってるでしょ?」

「我慢できない。それは、ブルースとしてのお前の人生の話しかな? それとも、ブリアンナとしての人生の話し?」

「そ、そんなの、知らないわ。あなた、あたしに何かしたでしょ? あたしは知ってるの。あたしは、絶対に……あれを見るまでは……」

「アレって何かな? ほら。言えるはずだよ。そもそも、お前はずっと恥ずかしがって、自分の気持ちを正直に言っていないだろう。自分の性的嗜好を。でも、恥ずかしがることなんて何もないんだよ。少なくとも、今はそう。今は、ほとんどみんなが知っている。お前は他に隠すことなんか何もなくなっている。だから、ただ口に出して言うだけでいいんだ。俺が聞きたいことは知ってるだろ? それを言うだけでいいんだ。そうしたら、俺もお前が欲しがってるものをやるから」

「そ、そんな……言えっこない」

「いや言えるよ。じゃあ、お前の代わりに俺が話しのきっかけを作ってあげよう。いいね? ジムのロッカールームでお前が俺を見た最初の日のこと。あの瞬間、お前は俺のちんぽに恋をした。違うかな?」

「あ、あれ……すごく大きくて。それにセクシーで。あたし……どうしても、その場にひざまずいて、おしゃぶりさせてってお願いしたくなってしまったの……」

「でも、しなかった。そうだよね? お前は拒んだ。自分に嘘をついたんだよね? お前は、自分は目の前にいる大きくて逞しい男と同じなんだって幻想を守りたくて必死だったんだよね? 自分をイジメてる目の前にいる強い男と同じなんだって。でも、最後には、お前は我慢しきれなくなってしまった。そうだろ?」

「え、ええ……。どうしても我慢できなくって」

「今も、我慢できなくなっている。4年も経ってるのに、まだ、アレを恋しく思ってる。あんまり恋焦がれてしまった結果、お前は、俺が求めることを何でもためらわずにやってきた。自分から進んで、俺にセックスしてもらえるようにと、俺の完璧な可愛いシシーに変身した。今でも、お前が考えているのは俺とのセックスのことだけだろ? ここから行かせてって言ってるけど、本当は、俺のちんぽをアヌスに入れられることを夢見ている。白状してしまうんだよ。そう思ってるから思わず笑みが漏れてしまってると認めるんだよ」

「あたしは……あなたは知ってるくせに……」

「だよな。それが本当だから、お前はどこにも行かないと分かってる。ブリアンナ、お前は別に囚われているわけじゃない。俺はお前の意思に反して、お前をここに留めているわけじゃない。全部、お前自身が決めていることなんだよ。お前は、いつでも好きな時に、出ていけるんだから。だが、お前は決して俺から離れない。それは俺もお前自身も知ってる。俺が、お前の顔の前でちんぽをぶらぶらさせる限り、お前はずっと俺のそばに居続けるんだよ。だから、自分に正直になって、余計な質問はやめるのがいいんだよ。さあ、床にひざまずけ、淫乱! 俺はお前の口に1発出してから出勤したいんだ」

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[2020/03/04] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

A sweet deal 「甘美な取引」 

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A sweet deal 「甘美な取引」

「これは大きな誤解にすぎないよ。キミがどうして理解してくれないか分からない……」

「誤解? コーリー、本気で言ってるのか? これが何で誤解になるって?」

「前にも言ったよ。あの写真は別に……」

「それは分かってる。俺が聞きたいのは、こうなった流れだよ。お前がさっき言ったこと、そのものだよ? だからお願いだ、説明くれ。だって、俺が見てるのは、俺の親友が……自分はゲイでもトランジェンダーでもないと誓っている俺の親友が、どっかの男と裸でキスしている写真だけなんだ。お前が髪を長くしたりとかいろいろしたりするだけでも、うんざりなのに、これだぜ? いったい、俺がどこを誤解してるって言うんだ? 説明してくれ」

「ああ。単純なことだよ。始まりはヘザーだった……」

「ヘザー? お前を捨てたヘザー?」

「別にヘザーはボクを捨てたりしてないよ! それはこれまで100回は言ってきたよね? 彼女はシアトルに引っ越さなくちゃいけなかったし、ボクに彼女をここに留めておくだけの経済力がなかったということだけ。でも、ボクたち大丈夫なんだよ。ちゃんと長距離恋愛を続けているし」

「彼女の最近のSNSによると、そうじゃなさそうだけどね。彼女と最後に話し合ったのは、いつなんだ?」

「半年前だよ。でも、そんなの全然問題じゃないよ。ボクたちいまもつながっているんだ。キミがなんて言おうと、ボクの信念は変わらないからね。とにかく、そんなこと、あの写真に写ってることとは何の関係もないよ。だから、説明させてくれるといいんだけど……」

「分かった。黙って聞こう」

「やっとね。まず、これは、ヘザーがとても良い話を見つけてきたのが始まり。彼女の知り合いの男性から、ひと部屋を貸してもらうという話。その家賃はボクたちの予算に収まるし、住む家が必要だったしで、ボクたち、この話に飛びついたんだ。で、これは素晴らしい話だったよ。その家はとても大きくて、同居することになった男の人もすごくいい人だった。だけど、ちょうどその時、ボクは失業してしまって、家賃を払えなくなってしまったんだ。で……まあ、何というか……ヘザーは彼と取引をしたんだ。つまり……分かると思うけど……家賃として、彼女が彼とナニをするって取引。ボクは気に入らなかったけど、でも、何ていうか、ボクたち他に選択肢がなかったんだ。ボクが新しい就職先を見つけるまでだから、仕方ないかって」

「お前、どっかの金持ち野郎に自分のガールフレンドをヤラせたのか? おい、コーリー、お前たちが住む所くらい、俺が何とかできたのに」

「いや、そういう感じのことじゃないよ。セックスはしてない。ヘザーから何万回となく聞いているんだ。彼はただ寂しかっただけで、ふたりはセックスなしで抱き合ってるだけ。ヘザーは彼の寝室で添い寝してるだけ」

「お前なあ……」

「まあ、しばらくはそれでオーケーだったよ。まあ、ヘザーは以前ほどはボクに愛情を注がなくなってしまったけど、別に愛情が消えたわけじゃなかったし。愛情たっぷりって程じゃなくなったってだけだし。まあ、女の人って、無職になった負け犬の男なんか好きじゃなくなるものだろ? でも、ボクはすごく頑張ったんだ。ヘザーもボクの履歴書を書くのを手伝ってくれたよ。だから、いずれ何もかもうまくいくと思っていたんだよ。ただ、その時、ヘザーは昇進して、よその都市に行かなくちゃいけなくなってしまったんだ。ヘザーに、ボクと一緒に行くことはできないって言われた時は、ボクもすごく落ち込んだよ。何度も何度も連れてってって懇願したけど、彼女はビクともしなかった。だから、ボクだけが残って、彼女はシアトルに行ってしまった。でも、家主の男の人、デビッドって言うんだけど、ボクより彼の方が動転していたんじゃないのかな。だって、その頃までにはヘザーとデビッドは本当に大親友になっていたから」

「まあ、そうだろうさ」

「とにかく、家賃を払わなくちゃいけなくなった時、ボクはどうしてよいか分からなかった。でも、ありがたいことに、デビッドがボクに提案してくれたんだよ。ヘザーの替わりになったら、家賃を無料にしてくれるって話。そればかりじゃないんだ、デビッドがヘザーに与えていたものを全部、同じくボクにもくれるって。お小遣いも、車も、服も。何もかも。ボクはアレはしたくなかったけど、分かるよね?……でも、選択の余地がなかったし。住む場所が必要だったし、ボクにはその話に乗る他なかったしし。それに、添い寝するとかその程度だったし。その程度ならボクにもできかもって」

「それって、添い寝以上のことじゃないのか?」

「どうして分かったの? っていうか、確かにボクもちょっと引いてしまったよ。最初に、彼にさせられたとき……セックス関係のことをね。でも……でも、しばらくしたら、そんなに嫌なことでもなくなってきたんだよ。それに、さっきも言ったけど、彼、ボクにたくさん素敵なモノを買ってくれたし。ちなみに、ボク、いつかヘザーと暮らしていくために、お小遣いを少しづつ貯めてるんだ。ヘザーはボクのメールに返信をしてくれないけど、彼女のことだからきっとボクと一緒になるときを待ち望んでるんだよ。ボクには分かる」

「おいおい……お前に何て言っていいか分からない」

「ボクは分かるよ。すごく甘美な取引だねって言えばいいんじゃない?」


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[2020/03/03] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Get your purse 「ハンドバッグを持って」 

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Get your purse 「ハンドバッグを持って」

「ハンドバッグを持って。遅刻したくないから」

「え? バッグ? どこに行くの?」

「本気で訊いてるの? 前にも話したじゃない。あなたの同窓会よ」

「ぼ、ボクの……同窓会? ボクは行きたくないって言ったよ」

「そして、あたしは、行くべきだって言ったの。そして今も、行くべきだって言ってるの。さあ、バッグを持って」

「こ、こんな格好じゃ行けないよ。髪を切って、スーツを着なくちゃ……」

「あたしは、その服装で完璧だと思うけど? あなた、いつもピンク色が大好きって言ってるじゃない? 恥ずかしがることないから」

「いや、いやだ! というか……ボクは……みんなは……みんなは、ボクがこの数年、何をしてきたか、全然知らないんだよ」

「同窓会報に載る話題とは思えないものね。だから何? きっと、他の人だって変わってるわよ」

「でも、ボクは……キミも知ってるだろ? ボクは、フットボールのクォーターバックだったんだよ。それが今は……」

「シーメールのポルノスター。確かに、それはちょっとショッキングなニュースになるとは思うわ。でも、それはあなたが選んだ人生なの。ちゃんと自分で対処しなくちゃ」

「ぼ、ボクが選んだわけじゃないよ。キミじゃないか」

「あたしの理解とは違うわねえ。でも、どっちにせよ、今のあなたが、あなたなの。隠しても無意味だし、あたしは隠すつもりはないわ。だから、もう一度だけ言うけど、ハンドバッグを持って、車に乗りなさい。遅れたくないの。さあ、早く。そう、そう。やっぱりあなたはいい娘ね」

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[2020/02/29] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Your history 「あなたの履歴」 

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Your history 「あなたの履歴」

うわあ、すごいじゃないの! すごく自慢に思うわ。あっ、ダメ、ダメ。喋らなくていいわ。お口がいっぱいなのは見てわかってるから。特にね。あら、そんな顔しないで。あたしもあなた自身も、あなたがこの手のことをものすごく楽しんでるの、ちゃんと分かってるんだから。ちなみに、あたしも、上と下の両方から攻められるの大好きよ。あなたほどじゃないわね。それははっきりしてる。あなたほどこういうのが大好きだって言える人、誰もいないと思うわ! でも、今はちょっと羨ましい気持ち。

口を尖らせないで。そんな顔すると、あなたの美貌が台無しよ。あなたは、自分ではこういうの好きじゃないと思ってるのは知ってるの。とてもすごく辱めを受けてる気持ちなんでしょ? でも、そんなのバカげてるわ。もう、みんな知ってるもの。すでに、みんな、あなたが嬉しそうに昇天してるところ見てるし。あたし、あのリンクをあなたのフェースブック上の知り合い全員に送ったこと、あなたに謝ったかしら? あら、まだだった? そうねえ、謝っておくべきだったかも。女の子にとってセックスの動画ってプライバシーにかかわるものね? でも、こう言っちゃなんだけど、あなたは今はスターなんでしょ? ポルノスターにはああいうプライバシーって関係あるのかしら?

あっ、すっごく可愛いわ、その怒った顔! その顔を見たら、みんなあなたがこの件について怒ってると思ってしまうかも。でも、これはあなた自身が選んだ道でしょ? あら? あなた、それ否定するの? 誰か、あなたの頭に銃を押し付けたりした? え、何? あたしが? やめてよ、あたし、そういうこと何もしてないわよ。あたしは、ただ、あなたに自分自身の出した条件で生きるべきよって説得しただけ。その条件をあたしが考えてあげたことって、何か関係ある? あなたがそういう条件を求めていなかったことって、何か関係ある? あたしには関係ないわ。それに、他の人にも関係ない。あなたの堕落した姿を見た人たちにはどうでもいいことだもの。

あら、あの催眠術のことなんか、誰も知るわけないじゃない。違う? 他の人は、あなたの恥ずかしいプライベートが明るみに出たと知っただけ。まずは、職場の上司のオフィスの真ん中で彼にフェラチオをしたこと。はしたないわ。ほんと、はしたない人。それから、服装が少しずつ変わっていったこと。髪を伸ばし始めたこと。お化粧も始めたこと。会社のみんなが、あなたがシシーだと知るまで、あっという間だったわね。で、その後には、整形手術でしょ? 大きなおっぱいをして生まれ変わったあなたを見ても、会社の人たち、あんまり驚かなかったんじゃないかって想像するわ。

でも、あなたの変化で一番面白いところがどこだと思う? あたし、あなたの催眠の条件付け、全部解除してもいいの。そう、解除しようと思えばできるのよ。でも、そうしても、あなたにひとつも変化がないということ。あなたは今のまま。もう囚われているのよ。そして、それに対してあなたは何一つできないの。だから、怒りたかったら、好きなだけ怒ればいいわ。嫌がってるふりをしたければ、好きなだけ嫌がりなさい。何にも変わらないから。あなたは決して男には戻れないんだから。

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[2020/02/29] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

An open relationship 「オープンな関係」 

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An open relationship 「オープンな関係」

「あなた、こんなに早く彼にパンティを履かせられたのね、すーごい」とグレッチェンはボクの後ろから手を伸ばして乳首をつねった。「彼、とても可愛い娘になると思うよ。本物のおっぱいをつけたら、きっと」

「え、なんだって?」とボクは悲鳴を上げた。グレッチェンが言ったことが理解を超えていて、ボクはガールフレンドのミッシェルを見つめるだけだった。

ミッシェルはボクにオープンな関係になろうと強く言い張り、ボクはしぶしぶ承諾した。オープンな関係についての彼女の話しを聞くと、ボクはとてつもなく居心地が悪く感じていた。ミッシェルは別に他の男をボクたちの関係に加えたいわけじゃないと言ったけれど、それを聞いても、ボクの不安はほとんど変わらなかった。ミッシェルはバイセクシュアルで、他の女性と性的に一緒になることも考えているのだろう。これは最後通牒だと思い、ボクは同意した。そして、それ以来ずっとボクは同意したことを後悔している。

グレッチェンがボクたちの生活に加わってきて以来、すべてが逆転してしまった。グレッチェンは、ボクのガールフレンドの時間を大半占領してしまった。……いつもボクは邪魔者だ。そればかりか、グレッチェンはボクのことをあからさまに毛嫌いした。すべてのことについて、露骨に嫌悪感をあらわにした。だが、それ以上に、彼女は、あらゆることに関してのボクのガールフレンドの見方を変え始めたのだった。

正直言えば、ボクはもともと男っぽい人間ではない。ボクは背が小さく痩せていて、ハンサムというより可愛い方なので、ミッシェルのような彼女を見つけられてとても運が良かったのは自覚している。だから、ミッシェルがボクに容姿を変えるように言い始めた時、ボクはそれに従った。彼女が突然、本当ならもっといい男と付き合えたかもしれないと悟ったらを思うと怖かったからだ。

髪を伸ばすようにさせられた。化粧をするようになった。それに体毛は全部剃られた。パンティを履くように言われた時も不平すら言わなかった。ミッシェルは「パンティ」とは呼ばなかったが、ボクはそうだと分かっていた。

でも、それだけでは済まなかった。ボクはまだまだ彼女が求める人になっていなかったのだ。いつも、ミッシェルは、ボクとグレッチェンのどちらかを選ぶとなると、グレッチェンの方を選ぶ。その度に、ボクはミッシェルに求められていないということを思い知らされた。いつしか、メインのベッドはミッシェルとグレッチェンが使うようになっていた。そんな状況だったので、必死になったボクは、ふたりのベッドに誘われた時も疑問すら発しなかった。

「この娘がまーだこのちっちゃいのをつけてるのって、残念だわ」とこの家を支配したグレッチェンは言い、ボクのパンティの腰バンドの中に手を入れた。自分でもソレが小さいのは認める。彼女はそれをいじりながら、ニヤリと笑った。「でも、これ変えられるんじゃないかしら? ねえ、ミッシェル? あのケージを持ってきてくれる? この娘があたしたちが考えてることを勘違いしないようにしなきゃいけないと思うの」

ボクは反対しようとしたけど、ふたりは聞こうともしなかった。そして、あっという間に、ミッシェルはボクの前にひざまずき、カチッという音と共にボクの性器には拘束具のようなものが嵌められていたのだった。股間に目を落とすと、ボクのペニスは固いプラスチックの小さなケージに閉じ込められていた。金色の小さなロックでしっかりと留められていた。そのケージの小ささから見て、ボクは決して勃起をすることができなくなったと悟った。

「さあ、これであなたは安全。じゃあ、あたしが期待してることについて話しを始めるわね。でも、がっかりする話しかも……多分、あなた、気に入らないんじゃないかしら」とグレッチェンが言った。

「み、ミッシェル……」

「チェイス、ごめんなさい」とミッシェルは伏せ目になった。「これはあなたのためを思ってのことなの」

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[2020/02/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Your truth 「本当のあなた」 

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Your truth 「本当のあなた」

「これが、あなたが望んだこと。それを忘れないでね」

「ボクはこんなの望んでいなかった、カルラ。ボクがこんなのを望むなんて、どうしてそんなふうに思ったんだ?」

「あなたのインターネットの履歴を見たから。あなたの好みを知ったから。女装とかあれこれ、あなたが投稿した書き込み、全部読んだわ」

「だからキミは勝手にボクに……あれ? 何だ? ボクは怒ろうとしてるのに。怒って当然だと思ってるのに。だって、目が覚めたら、いきなり自分が女になっていると、そんな感じなのだから。ボクは何もかも覚えている。嫌で嫌でたまらなかったし、それは今も変わらない。それなのに、なんでだ? 怒ることができない」

「ええ、それが催眠術。ごめんなさい。でも、あなたじゃ、思い切って飛び込むことができないと思ったから。だから、あなたの代わりにあたしが決めてあげたの」

「き、キミが……ボクの代わりに決めた? カルラ、ボクにはこんな大きなおっぱいができてしまってるんだよ。それに、ボクは……思い出した……ボクが知ってる人みんな、ボクはトランスジェンダーだと思っている。それに、ぼ、ボクは……セックスまでした。あの……あの……」

「あのジョナサンと。でしょ? あれ、あたしが設定したの、忘れた? こんなことを言ってあなたの気持ちが変わるか分からないけど、あなた、ジョナサンに抱かれて、ものすごく喜んでいたわ。他のことは全部忘れてしまっても、あの時のことはしっかり覚えてるんじゃない? あたしはそう踏んでるけど?」

「ぼ、ボクは……そ、それについては話したくない。僕はただ……ただ元に戻りたいだけだ。昔のボクに戻りたいだけだ」

「それは無理ね。でも、これがあなたの一番のお気に入りの願いだったでしょ? これこそ、あなたが日記に書いてたこと。あなたが、自分にはなれないって、あんなに嘆き悲しんでたわねぇ。あれ、なんて書いていたっけ? 確か、本当の自分? 本当に哀れをさそう言葉を綴っていたわ。自分は、それなりに見られる女にすらなれないって。まあ、それにはあたしは同意しなかったけど。実際、あたしが正しかったと分かったし。今のあなた、すごく綺麗だもの」

「ぼ、ボクはそんなつもりじゃ……あれは、違うんだ。本気で書いたものじゃないんだよ、カルラ」

「あら、それは残念だったわね。でも、今のあなたは、この姿なの。どうしようもないの。その姿が好きになれるといいわね」

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Deportation 「国外追放」 

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Deporation 「国外追放」

「あ、ありがたい」 裸を隠せたらいいのにと思いながら返事した。でも、それ以上に、英語を話せたらいいのにと思っている。でも、条件付けはあまりに強力で、私の口からはスペイン語しか出てこなかった。たった1年前まではまったく習ったこともない言語であるのに、今はネイティブのメキシコ人のように話している。「見つけてもらえるとは思ってなかった」

私と同じ移民関税執行局検査官のひとりが、私の体をじろじろ見て言った。「ロブ、この女、何て言ったんだ? 俺のスペイン語はちょっと錆びついてるんで」

私を救出してくれた、もうひとりの検査官がにやりと笑って答えた。「それは、お前がスペイン語をめったに使わないからだよ。お前はただ見回るだけで、書類仕事は全部俺に押し付けるだけだもんな。彼女は、見つけてくれたことにありがとうって言ったんだ。どういう意味でありがたいのか分からんが」

「そいつは新しいな。普通だと、最大の憎悪を向けてくるか、恐怖におののくか、あるいは、『La Migra(移民局官)』と叫んでゴキブリのように一目散に逃げるかだからな」

「私はアメリカ国籍をもっている。当然、正規な扱いを……」

「だが、こういうシーメールは、ますます巧妙化してきてるよ」と、スペイン語が分からない方の、太った検査官が言った。「アレがなかったら、俺には女としか思わなかったぜ」

彼は笑いながら私の脚の間を指さした。私は自分が彼らと同じ検査官であり、誘拐され、意思に反して体を変えられてしまったのだと伝えようとしたが、彼は聞こうともしなかった。もうひとりの、スペイン語が分かる検査官は、ニヤニヤして話を聞いていた。

「バカな話しはもうやめるんだ」と、痩せた方の検査官は私の上腕をつかんだ。「俺たちは、お前の泣き言を一応全部聞いたからな。だが、そんな話、俺たちにはどうでもいいんだ。お前はメキシコに戻る。それだけだ」

「でも、私はアメリカ人だ!」と叫んだ。

「関係ない。お前は今夜国境行きのバスに乗る」

私はようやく、彼を説得するチャンスがないことを悟った。彼ばかりか他の誰をも説得できないだろう。身分証はない。カネもない。自分が誰であるかを示す証拠はどこにもないのだ。その証拠がなければ、どうしようもないのだ。

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Gender Equality 「ジェンダー平等」 

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Gender equality 「ジェンダー平等性」

「ほら、立って。この週末までに、これをマスターしてくれなきゃ困るんだから」

「ちょっと時間くれない? 本当に大変なんだから」

「えぇ? 逞しい大男が、ハイヒールで歩くこともできないって? なるほど、政府があなたたちをそういう身分にしたのも納得だわ。さあ、もう立ち上がって。あと、これ以上、泣き言は言わない」

「泣き言なんか言ってない。それに、あのホルモンのせいでボクが感情的になりやすくなってるのは分かってるだろ?」

「ほら、またそれ。ホルモン。ああ、ホルモンのせいで弱くなってる。ホルモンのせいで泣いてしまう。ホルモンのせいで感情的になってる。アンディは、ホルモンで泣き言を言ったりしないよ。まあ、アンディの場合は、リンダがあの法律が施行された後すぐに彼をリハビリ施設に送り込んだからだけど。施設は、男に行儀を教える方法を知ってるから。正直、あたしも、同じことをしようかと思っているところ」

「お願いだよ、ケイリー、やめて……」

「どうしたらやめてもらえるか分かってるでしょう? 最初から、性に関することばっかり。あとはお化粧。それに髪の毛。あなたは、このどのステップについてもいちいち抵抗してきている。寛大じゃない奥さんなら、2年は前にあなたをジェンダー平等局に通報してると思う。ほんと、あたしはあなたにすごく優しくしすぎているんだわ」

「ぼ、ボクはこれでも頑張ってるんだよ、ケイリー。ただ、これは全部ボクには難しすぎることばかりなんだよ。ぼ、ボクは分かってるよ、これは必要なことだって。ボクたちはこうなって仕方ないんだと。こうなった方が世の中にとって良いことだと。でも……でもね、分かっていても、簡単になるわけじゃないんだ。ボクは、20年分の時間を解くところから始めなくちゃいけないんだから……」

「分かってる。分かってる。もう何回も聞いたから。言い訳にはもう飽き飽き。結果が欲しいの。不平はいらないから結果があればいいの。さあ立って、少しは進歩してることを見せて。さもないと局に明日伺うって予約するわよ。さあ、ほら。どこまでできるようになったか見せなさい」

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Good management 「良い管理」 

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Good management 「良い管理」

「マーク、また新しいやつか? あんた、問題ありかも」

「私には問題には思えないけどね。課題だよ。その課題を資産に変えてる。良い管理に思えるけどね、私には」

「で、この人はどんな話なんだ? ライバル? それとも警察とちょっと仲良くしすぎたギャングメンバー?」

「実は弁護士なんだ。今の彼女を見ると信じられないかもしれないが、以前はフットボール選手もやっていた」

「あんなちっちゃいのに? マジで?」

「ラッセル・エドワーズって名前、聞いたことがないか?」

「クォーターバックの? チームは確か……」

「ネブラスカ。そう。確かにNFLの選手としては小さすぎだったな。だから引退してロースクールに入った。高潔な精神そのもので、悪い奴らをやっつけたいと思ったのだろうな。彼はある地方検事の事務所に入った。そして麻薬との聖戦へと取り掛かったわけだ。そして……まあ、結果的に、ここに連れてこられてしまったということさ」

「おやおや。正真正銘にクリーンな頃の彼なら覚えてるが……」

「もはや今は、全然違う。そこが重要な点かもな。彼女は、世の中のどの淫乱女よりイヤラシイ女になってるよ。今は、こういうふうに、うちの野郎どものストレス解消をしてやる時以外は、クラブで躍らせてる」

「なるほど。あんたを怒らせちゃいけないってことだな。忘れないようにしよう」

「ああ、彼女はその役目も果たしてるな。俺の他の女たちと同じだ。俺や俺の仕事相手がセックスして、後は殺して終わりというわけにはいかない。男なら、その男らしさを奪い、それを周りに見せびらかす。そうすれば誰も俺に逆らうことはなくなるのさ。誰でもな」

「確かに、そうなるね」

「ジェシー、分かってくれてうれしいよ。こういうことを毎回いちいち説明するのが少し面倒くさくなっているんだ。これは頼んでるんだが、分かるかな。私は言葉をやり過ごすことができない性分なんだ」

「え、何? 何のことだ? ま、待てよ。俺を離せ、この野郎! いったいどうしようっていうんだ?」

「警察と仲良くする。お前の言葉だ、ジェシー。私は、お前がアナルを犯されるのを喜ぶようになるよう心から望んでいる。お前は一生そうされることになるわけだからな。こいつを連れていけ。私も、処理を始めるため、すぐに降りていく」

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Pretty Boy Roy 「プリティ・ボーイ・ロイ」 

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Pretty Boy Roy 「プリティ・ボーイ・ロイ」

プリティ・ボーイ・ロイ。彼はいつもそう呼ばれてきた。彼は、そう呼ばれるのをひどく嫌い、町でその名を発しただけで男たちを何人も撃ち殺してきたにもかかわらず、その呼び名はしつこく残った。実は、そのことは、当局があれだけしっかり彼を追跡できた理由のひとつだった。何百も銀行が襲われてきたが、ほんのわずかの銀行しか、プリティ・ボーイ・ロイとその一味に襲われたと言う証人を得られなかった。彼は正真正銘の有名人になり、彼のお尋ね者のポスターが、領地内のあらゆる雑貨店や保安官の居場所の壁を飾った。だがポスターの似顔絵は書き換えられるたびに少しずつ可愛らしい顔に変わっていき、やがて、美しい顔の男なのか野性味ある女なのかであいまいになっていった。その変化の過程で、彼はそもそも「彼」ではないという噂が広まり出したのだった。その噂によれば、彼は、本当は銃の扱いが上手い男装したメキシコ系の女とされていた。

ロイが最初に撃った男は、彼に面と向かってその噂を口にした男だった。ふたり目も同じ。そして3人目も。だが、噂はいつまでも続き、彼の仲間ですら少し引いて彼に接するようになり始めた。それが彼が落ち目になる始まりだった。それが彼の人生の終わりの始まりだった。悪党たる者、自分の仲間を信じられなくなった瞬間、ひとり馬に乗って夕陽に向かって旅立ち、新しいギャング仲間を探しに出るべきである。だが、ロイはそれほど頭が切れなかった。彼は、表向き彼をほめたたえる仲間たちの元に長居しすぎてしまった。そしてその結果を味わわされることになる。

それは急に襲い掛かってきた。裏切りというものは普通いきなり襲い掛かってくるものだ。特に、その裏切りが最も身近な人による場合、そうである。ロイの場合、それはビッグ・アールによるものだった。ビッグ・アールは毛むくじゃらの大男で、馬より臭いうすのろである。ロイが消えれば自分が一味を引き継げると思った彼は、地元の連邦保安官のところに行き、次の標的を襲うロイの計画を密告したのだった。当然、その銀行を襲う時間には、すでに当局が待ち構えていた。銃撃戦は短時間だったが悲惨な結果に終わった。結局、標的になりやすい巨体のビッグ・アールも含めて、ギャングのほとんど全員が撃たれ、死体となって地面に伏したのである。

だが、ロイは逃げた。死にかかった馬に乗り逃げ、別の馬を見つけ、さらにまた別の馬を乗り継ぎ、必死で逃げた。そして、カリフォルニアまで半分ほどのところに来て、とうとう、力尽きて止まったのだった。ここまで逃げてもまだ安全ではないことは知っていた。隠れる必要があった。計画を練る必要があった。連邦保安官はあきらめないだろう。連中は太平洋まで行っても、また戻ってくる。ロイを捕らえ絞首台に上げるまで。

そういうわけで、ロイは身を隠すために何度か使ったことがある山小屋にこもることにした。しばらくの間は大丈夫だった。上手くいったのか、誰も追ってこなかった。最初の2週間が過ぎたころからは、少しは落ち着いて寝ることができるようになった。

だが、順調な日々は長くは続かなかった。ある朝、目を覚ますと頭に銃を突きつけられていたのである。見上げると、あご髭を生やした背の高い筋骨たくましい男がそびえ立っていた。「お前、可愛いヤツだな」と男は言った。「起きろ。立つんだ」

ロイは素っ裸で寝ていたが、両手をあげて抵抗しないことを示しながら男の命令に応じた。男はスリムと名乗った。ロイの男性器を見ると、かすかに笑みをこぼし、「どう見てもデカいとは言えねえ代物だな」と言った。「とてもじゃねえが、デカいとは言えねえ。ちっちぇえな」と。ロイは、わらの寝床から50センチも離れていないところにある自分の拳銃に目をやった。だが、間違った動きをしたら、即、撃ち殺されるのは知っていた。ロイは、男にじろじろ見られるがまま、じっと待った。

しかし、スリムに四つん這いになれと命じられ、さすがにロイは声を荒げた。強い口調で断ったが、口で言ってもどうにもならない。諦めたロイは拳銃のところへと飛んだ。けれども銃を手にすることはできなかった。その前にサムにのしかかられてしまった。ロイは銃の扱いは巧みだが、取っ組み合いに強い男では決してない。まったく相手にならず、簡単にねじ伏せられてしまった。スリムはズボンを緩めながら、ロイに言った。「おとなしくするんだ。諦めて力を抜いてれば、そのうち気持ちよくなってくるって」 ロイはできる限りの力で抵抗したが、無駄だった。

結局、ロイは抵抗を諦めた。そして彼自身、驚いたことだが、実際に気持ちよくなっていった。いや、むしろ、その気になって受け入れるならば気持ちよくなれると分かったと言うべきか。ようやくコトを終えると、満足そうにスリムは言った。

「お前、いつでもあの銃を取ってもいいぜ。だが弾は抜いてある。俺もバカじゃねえからな。それと、俺は今のこと気に入ったぜ」

「お、俺を離せ」とロイは言った。

スリムは笑った。「アハハ。お前と取引をしよう。お前、逃げてるんだよな。俺には分かる。お前、この冬の間、ここにいてもいいぜ。……いいから黙って聞け! お前が出て行くときは、必要なものを何でも用意してやろう。その時まで続いたら、餞別もやろう。100ドルな。だが、俺に抵抗しようとするつもりなら、俺を殺した方がいいぜ。俺はお前が暴れるのは見たくねえ。暴れ始まったら、お前が俺を倒す前に、俺がお前を縛りつける。そしてメキシコにでも売り飛ばすかな」

ロイがスリムの提案に同意するまで2日間かかった。ということは、同じ時間、スリムに犯されたということである。そして、その冬の間、ふたりはぎこちない休戦状態にあった。スリムは満足を得たし、ロイもメキシコ奴隷へ売り飛ばされてはいない。この冬の間に、スリムはロイをローザと呼び始め、何かハーブのようなものを与え続けた。そのハーブによりロイの腰は膨らみ、肌も柔らかくなっていた。冬が終わり春が近づく頃には、ロイは自分をローザと呼ぶようになっていて、前にもまして女性的になっていた。実際、女性と言っていい体つきになっていた。だが、彼の変化は体つきだけではない。彼はスリムとの時間を楽しみに待つようにもなっていた。何度となく、オーガズムに達せられ、恍惚とした状態にさせられてきた。毎回、行為が終わると、ローザは、寝返りを打つことすらできないほどぐったりと疲れ、恥辱の感情に襲われ、少しずつ男としての自我が溶け去っていくように感じた。ではあるが、彼には他に選択肢はない。ここに留まる他ないのだった。

冬が終わると、スリムは、その言葉通り、女性化した無法者にふさわしい衣類を買いに小屋を出た。スリム自身の馬と共にローザの馬も一緒に連れて行った。買い物を済ませ戻ると、玄関前のポーチにローザが裸で待っていた。ブーツを履いただけの格好だった。にっこり微笑みながらゆっくりとしゃがみ、スリムに、これから何をしてほしいか身振りで示した。

「あなたに会えなくて寂しかったわ」とローザは言った。本当にスリムがいなくて寂しかったのかもしれないし、脚の間に入れてもらえなくて寂しかったのかもしれない。スリム自身はただの嫌悪すべき山賊にすぎなかったが、彼のペニスは長く太く、ローザが感じるスポットを余すところなくヒットできる代物だった。「カリフォルニアに行く前にもう一度だけ、あたしを抱いて」

「一度だけ? カリフォルニアまでは2ヶ月近くはかかるぜ」とスリムは言った。すでにベルトのバックルを外しており、重いベルトがどさりと音を立てて地面に落ちた。「道中、毎晩抱いてやるよ。それに、多分、毎朝もな」

ローザは嬉しそうに笑顔になって、ポーチに両膝を着いた。いつもなら、その姿勢でスリムのペニスへと手を伸ばす。だが、この時は違った。ローザは素早い動きで、地面に落ちたベルトから銃を取ったのだった。スリムが反応した時はすでに遅かった。ローザは引き金を引き、彼の腹部に一発撃ち込んでいた。さらにもう一発、そして胸部にもう一発。スリムは地面に倒れ、死んでいた。

ローザはいっそう嬉しそうな笑顔になったが、何も言わなかった。素早く馬のところに行き、サドルからドレスやら他の女物の品物が入ったカバンを取り、小屋に戻って着始めた。女物の服になれていなかったので時間がかかったが、何とかそれなりに身支度ができた。腰にスリムのガンベルトを巻いたドレス姿で小屋を出たローザは、振り返って小屋を一瞥し、新しい人生へと歩き始めた。プリティ・ボーイ・ロイは死んだ。だがローザの人生は始まったばかりなのだ。

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A frank discussion 「率直な話し合い」 

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A frank discussion 「率直な話し合い」

「ちょっと。あなたに話したいことがあるの。でも、怒らないでほしいの」

「いやな話しみたいね」

「ええ。でも、約束して。いい? 話しを聞くって、怒らないって、約束して。この手の話しにあなたがどう思うか知ってるわ。でも、興奮してわめき散らすことだけはやめてほしいの」

「わめき散らす? 本気で言ってるの? 抑圧と不当な扱いに戦うことはわめき散らすこととは違うわよ、イーヴィー。それは正当な活動よ。それに、あたしはすぐにやめるわよ。誰かに自分はトランスジェンダーだと言っても、悪意がこもった目で見られないようになったら、即刻ね。嫌な目にあわされるかもしれないと恐れなくてもいいようになったらね。あるいは、皮肉にもレ〇プされるかもと怖い思いをしなくなったらね。最後のことって、本当に理解できない。男たちって、トランスジェンダーをヘイトするあまり、あたしがそうだと分かったら、同意なしであたしを犯したくなるって思うわけ? ふーん。たいしたアクロバティックな思考をしてるもんだこと。いいこと、あたしはねえ……」

「ステファニー、あなたはあたしを説得する必要はないわ。あたしはずっとあなたに寄り添ってきたし、すべてのことであなたを支援してきた。それに、あたしが愛した男性が実は男性ではなかったということを受け入れることが、あたしにとってどれだけ辛かったことか、あなたも知ってるでしょ。その男性はあたしの親友が仮面をかぶっていただけだったと」

「うまい言い方ね。あたしもあなたの友情をどれだけ感謝してるかを何千回も言ったわ。あなたなしにはここまでできなかったと思う。でも、だからと言って、あなたが何かバカなことを言っても、あたしは怒らないということにはならないの。あたしはそんな人間じゃないの。だから、話したいことを言ってくれない? あたしは、それに対してあたしが思った通りの反応をするだけ」

「いいわ。どうとでも。でも、あなたは怒ると思う。あたしには分かる」

「じゃあ、怒るでしょうね。そういうの初めてのことじゃないし」

「んもう。いいわよ。ブラッドの件よ。あなた、何と言うか、彼への接し方、もう少し和らげなくちゃダメだと思うの」

「本気でそんなこと言ってるの? あなたのお兄さんがあたしになんか問題を抱えてると?」

「いや、そうじゃないの。ただ……」

「あたしがブラッドに、トランスジェンダーへのヘイトをするなって言ったりするわけないじゃない。彼はずっと前からすごく優しくしてくれてるわ。まあ、彼のことについて誰にでも言えるわけじゃないというのは分かるけど……」

「ブラッドはトランスジェンダー嫌いじゃないわ! もう、お願いだから、ちょっと黙って聞いてよ! あたしが言おうとしてるのは、ブラッドがあなたに惚れてるということ。だから、あなたが彼に今までのような接し方を続けていると、彼、後で後悔するようなことをしてしまうかもしれないということ」

「あたしが本当の女じゃないから?」

「もう! 違うわ! ブラッドにはすでに彼女がいるからよ、ステファニー! もし彼が浮気をしたら、彼女はボロボロになってしまうから!」

「あたしは、そんなことはしないわ」

「言ってくれてありがとう。でも、あなた、彼と一緒にいる時、いつものあなたと違うの。あなたも分かってるんじゃない? 注意してても、起きちゃうことはあるの。それに、ブラッドもあなたのことを好きだもの。あなたが……あなたがスティーブだった時も、ブラッドはあなたを崇拝してるようなものだったもの。じゃあ、今は? 今も同じよ。違った形になってるけど。彼がどうしたいか、あたしには分かる。あなたもその気になってると思うわ。ここの皆に気づかれないか、あたし見張ってるのよ」

「いいわ。あたしは何もしない。約束する。あたしは決してブラッドのもう一人のオンナにはならないって」

「そう言われても、本当は、まだあたしは落ち着かないの。聞いて、ステファニー。あたしはあなたのことを知っている。あなたはたくさん我慢してきたし、それにはあたしも同乗しているわ。でも、だからって、その埋め合わせのために、軽率な状況に身を投じなくてはいけないってことにはならないの。だから、お願い。彼から離れて」

「そうするわ。彼が、誰だっけ、その彼女と付き合ってる限りは、あたしは行儀よく振る舞うわ。でも、それが終わったら……」

「どうやら、ここまでが精いっぱいみたいね? いいわ、どうでも。家庭を破壊したいなら、そうすればいいんじゃない? でも、何もかも上手くいかなかったとき、あたしの肩に顔を埋めて泣きに来るのはヤメテよね。あなたは、自分でベッドをメイクしたら、そのベッドで寝なくちゃいけないの」


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A smart girl 「賢い娘」 

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A smart girl 「賢い娘」

「こんな感じ?」

「ああ、完璧だよ、アレックス。これ、すごいことになるぜ」

「じゃあ、どこにも投稿なんかはしないんだよね? この髪に、お化粧に、その他いろいろだろ? ボク、これじゃあ……分かるだろ……ちょっと女の子っぽく見えちゃう」

「お前が? 女の子? バカいうなよ」

「うん。そうだよね? でも、こういう格好しなくても、最近、職場で変な目で見られてるんだ。それに、スターバックスでボクにナンパしてきた男のことは話したよね?」

「変なヤツはどこにでもいるさ。そんなのお世辞として受け取っておけばいいんだよ。そうじゃないと、お前、一生、世の中に適合してないと思いながら生きて行かなくちゃいけなくなるぜ?」

「ボクはちゃんと適合してるよ。キミだって分かってるじゃないか。ボクは高校まで学校では一番人気があったんだ。大学でも、男子学生クラブの会長だったんだ」

「でも、あの事件で追い出されるまでだろ?」

「あれはまったくの誤解だったんだ。なのに、誰も信じてくれなかった。みんなが見たのは、ボクがあの宣誓者のちんぽを咥えてるところだけだったからかなあ。ボクはただ彼に試練をあたえてただけなのに……。なのに、みんなボクの言うことを聞こうともしなかった。頭が固い人間っているんだよね」

「別に俺に言って聞かさなくてもいいよ。俺は、あれが男同士の絆を固めてるところだったって知ってるから」

「その通り。そんなわけでボクたち親友なんだよね、ロビー。キミなら分かってくれる。ボクたち一緒にあれこれヤルからって、ボクたちがゲイってことにはならないんだよ。どっちかっと言ったら、ボクたち超がつくストレートだよ。だって、ボクたちのセクシュアリティについて周りが何て言ってるかなんか気にせずに、ボクたち、ちょっとしたお楽しみができるんだから。ボクがいつも言ってるように……」

「お前がそういうふうに興奮してしゃべるところ、俺、好きだぜ。でも、お願いだ、この写真、最後まで撮らせてくれる? 仕上げたいんだよ」

「あっ。そうだね、いいよ。で、それ、何のためって言ったっけ? もう一度、教えてくれる?」

「ただの写真集めだよ。キミは何も心配することないよ」

「ああ。あのビデオと同じく?」

「そうあれと同じ。キミは頭がいいなあ。だから俺はキミが大好きなんだ」

「ボクも大好きだよ。それに……さっきからお楽しみの話をしてきたからかなあ、ちょっとボク、……その気になってきちゃったんだ。ねえ……後でいいからさあ……また別のビデオ……撮れないかなあ? ふたりで……」

「お前のために? いいよ、いいよ! なんでも! 喜んで!」

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A housewife's job 「主婦の仕事」 

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A housewife's job 「主婦の仕事」

「ああ、すごくキツイな」とロイは言った。「高校時代に、お前がこうだと知っていたら、俺たち、この5年間ずっとこれをやってこれたのにな」

リーナは、ロイにアヌスを突かれながら、小さな喘ぎ声の他は何も言わなかった。ただ、自分がこの状況にいることになってしまったいきさつばかりが何度も頭に浮かんできて、仕方なかった。もちろん、事実は知っている。いろんな出来事の流れは簡単に追える。でも、それ以上の深いことは、ぼんやりとしか思い出せない。かつてはリオという名で、地元の大将格だった自分が、どうして、こんなに容易く女性化に屈してしまったのか? こんなにも自分から進んで? こんなにも完全に?

そもそもの始まりは、卒業してすぐに、学校時代の恋人と結婚した時だった。マンディは完璧な彼女だった。ブロンドの髪、青い瞳、そして、そのためになら死んでもいいと思えるようなプロポーション。しかも頭も良い。リオと違って彼女は大学合格が確実だった。一方、リオは、高校のフットボール部のスター選手であり地元の誇りだった。しかし、どう頑張っても、将来は父親の自動車修理工場でレンチを回すことにしかならないことも知っていた。稼ぎは悪くない。けれど、自分の新妻が大学で学ぶ心理学やら何やら彼の理解を超えたことについて将来の希望を語るのを聞いているうち、リオは少し嫉妬を感じずにはいられなかった。その後、彼女が大学で新しい人々と出会い、特に男子学生の友人ができるようになると、リオの嫉妬心は最高潮に達した。マンディの新しい友人の中に、彼が高校時代に頻繁にイジメていたロイが含まれていると知ったとき、リオの我慢は限界に達した。

もちろんマンディは、ロイとは何でもないと言って彼を安心させようとした。実際、マンディはリオしか愛していなかったのである。だが、リオはそうは思わなかった。そして、ロイがかつての引っ込み思案でガリガリのキモイ男から、堂々とした体格の、ハンサムで、しかも大学生としての知性を持った立派な青年に変身するにつれて、リオの疑念は確信に近づいていく。4年間という短い学生時代であれ、少しばかりの自信を獲得しながら、せっせとジム通いに励むことで、ひとりの男にこれだけの変化をもたらせるとは、驚きだった。そして、リオの方は、自分でも情けないと思いつつも、ロイとは逆方向に変化していたのである。

高校時代のスポーツ活動で育てあげた筋肉は、ビール片手にテレビの前に座る時間が増えるのに合わせて、見事に溶け去っていった。そして筋肉がなくなるのに伴い、彼の自信も消え、さらには性的能力までも衰えていった。もちろん、マンディはそれに気づいていた。どうして気づかないわけがあろうか? 彼女の夫は今や勃起することすらまれになっていたのである。当然、彼の寝室での能力低下はふたりの夫婦関係にも悪影響を及ぼした。

ケンカ。口論。双方とも別れる、別れないと言い出し、離婚の危機が訪れる。しかし、ふたりは別れず、結婚生活にしがみついた。やがてマンディは大学を卒業し、地元の調査会社に就職する。だが、ロイの就職先も同じ会社だった。その事実を知ったとき、リオの男性としてのプライドが粉々に砕け散った。マンディの給与はリオの稼ぎをはるかにしのぎ、彼女の方が世帯の主たる生計主に変わった。マンディとの夫婦関係の維持に貢献する部分が事実上ゼロになったと知ったリオは、この鬱屈した状態から這い上がる機会が消え去ったと悟ったのである。

リオは自分の殻に引き籠った。何にも関心を示さなくなった。ただ、仕事に行き、帰宅し、テレビを見て、眠る。それを来る日も来る日も繰り返す生活。一方のマンディは、ますますロイと親密になっていった。そのうち、マンディにとって夫と過ごす時間より、ロイと一緒に過ごす時間の方がはるかに多くなっていった。一緒にランチを食べ、一緒に仕事をする。仕事帰りに、一緒に飲みに出ることも多かった。さらには、出張の時に一緒になることもかなりの回数に登る。

そんな妻の変化をリオは嫌悪した。だが、それ以上にリオが嫌悪したのは自分自身だった。ロイのような男に嫉妬心を抱くなど、自分にはふさわしくないことだ、と。彼には、高校時代のロイのイメージから抜け出せずにいたのである。しかしながら、マンディが究極の選択を突きつけてきた時、リオもようやく自分よりロイが優れていることを理解した。彼女は、オープンな夫婦関係になるか、さもなければ、家を出て行くと言ったのである。リオは、どちらも拒否したかった。だが、自分は上手に妻を喜ばすことができない。彼はかすれ声でオープンな関係になることに同意したが、心の中、自分なら、いくらでもその気になってる女を見つけられると思っていた。その後、リオとマンディは、それぞれ別々に行動するようになった。

リオにとっては意外だったが、マンディはロイの元に直行することはしなかった。その代わり、彼女は、試験的に女性を相手にし始めたのである。彼女は、女性だと自分の求めることに完璧に答えてくれると何度も話した。そして、そう語るのと同じくらい頻繁に、リオが女性たちから「大事なことをひとつも学ばない」と愚痴を言った。一方のリオは、目論見に反して、セックスパートナーとなる相手を見つける試みにことごとく失敗していた。彼は、かつてのような魅力的な男性ではなくなっていたのである。少し基準を下げれば、運よく相手を見つけられたかもしれないが、リオは一応のプライドを持っていたのだ。彼は相手を見つけようと、しょっちゅう街に出るようになっていた。

だが、突然、その生活が終わる。マンディが、何もかもうんざりしたと言ったのである。それと同時に、彼女は、もしふたりの夫婦生活を持続させるのなら、いくつか変えたいことがあると言った。リオは、その頃までずっと性的なことに飢え続けていたこともあり、マンディが求めることに何でも従うと同意した。

最初は、特に大変なことは何もなかった。熱心な前戯を求められることくらい。もともとリオはセックスが上手くないこともあり、それは予想外ではなかった。それに加えて、外見に多少、注文をつけられるようになった。ダイエットをすることや、エクササイズをすること。極端な要望はなかった。これによって夫婦関係が見違えるように改善したこともあり、リオにとっては妻の要望に沿うことは小さな代償にすぎないと思われた。

時が経ち、それからあまり時間がすぎないうちに、ふたりの間の関係が変わり始めた。いや、むしろ、リオが変わり始めたと言った方が良いかもしれない。最初は、ほとんど気づかなかった。ちょっと肌が柔らかくなったとか、上半身にすこしたるみが出てきたとか、腰やお尻が少し膨らんできたとか、それくらいだった。リオはほとんど気にしなかった。むしろその変化をマンディがとても喜んでいる様子で、なおさら気にしなかった。特に、リオの乳首がどんどん敏感になってきてるのがマンディには嬉しいらしい。リオ自身も、敏感な乳首を喜んでいた。

しかしながら、その後、本格的な変化が始まる。マンディは、リオに修理工場の仕事を辞めるべきだと言ったのである。その仕事には将来性がないと、その仕事を続けるより、もっといいことがあると言う。彼女は、素早く付け加えて、彼の稼ぎはほとんど問題にならないとも指摘した。妻を喜ばせたい一心のリオは、それにも同意した。同意した理由として、マンディが求めることに従う必要があったということもあるが、もっと大きな理由として、彼は元々、少し怠惰なところがあり、家で一日中ごろごろしてるのが魅力的に感じたからでもあった。

しばらくの間、その生活は素晴らしかった。本当に素晴らしかった。リオは、人生でこの時ほどリラックスした時間を過ごしたことはないと思った。だが、その後、事態は変化を迎える。

マンディに完全に依存することは、何らかの期待なしには、提案されないことである。彼女はリオに家の掃除、夕食の準備、そしてリオ自身をこぎれいに保つことを要求した。最初のふたつはそんなに難しいことではない。料理について言えば、楽しいと思うほどだった。だが、最後の要求は、彼に大変な課題を押しつけるべく考えられた要求のように思われた。

マンディは楽しそうに彼に衣類を買ってくるが、そのすべてがリオの持ってる服と比べて、かなり女性的な服ばかりなのである。とは言え、それを着ないと拒絶することはできない。一度、拒絶しようとしたが、マンディは彼を家から追い出すと脅かしたのである。彼は仕方なく、そういう服を着た。そして、いつの間にか、彼は常時、マンディが「中性的」衣服と呼んでいる服を着るようになっていた。彼にとっては女性服にしか見えない服ばかりだった。

リオがマンディの「専業主婦」になって半年が過ぎたころ、マンディは新たな要求を突きつけてきた。整形手術である。もちろん、彼女は「要求を突きつける」という形は取らなかった。家事をしてくれるリオへのクリスマスプレゼントという形を取っての要求であった。リオは断ることはできないのを知っていた。

リオは、手術が終わり、自分の姿を見て、どうして自分はここまで落ちるのを許してしまったのだろうと思わざるを得なかった。自分の乳房……そう、乳房そのものが……マンディのよりも大きい乳房。まさに、「専業主婦」の名前にふさわしい姿になってしまった。顔も女性的にされ、体つきも変えられ、大きな乳房もつけられた。いずれも見事な仕事だった。

しばらくの間、彼は落ち込んだ。裏切られた気分だった。怒り。自己嫌悪。友人でも警察でも、誰でもいい、家を飛び出し、話しを聞いてくれる人に自分の状態を叫びたかった。でも、どこに行けばいいのだろう? すでに友だちは誰もいない。手術についても、自分で同意の署名をした以上、警察が何かしてくれるはずがない。無理。自分は罠に嵌められたのか? ちなみに、マンディは、新しい彼を愛してくれていた。彼というより、彼女と言うべきか。マンディは自分のことをリオの夫と呼んでいるのだから。マンディは彼をリーナという名前で呼んでいる。それもリオは受け入れる他なかった。

それから1年ほど、ふたりの生活は一定のパターンに落ち着いていた。リーナは、深く悩まない限りは、現状にほぼ満足していた。マンディはいっそう明るくなっていて、中流の上クラスの生活を満喫している。良い生活と言えた。少なくともマンディはそう言っている。だが、そんなある日、マンディはふたりの生活にロイも加えるつもりだと言い出した。

リーナは反対した。できる限りの強さで反対した。理解できなかった。自分はマンディとふたりで幸せに暮らしたいと思ってるだけなのに、どうして彼女は? リーナは泣きながら、マンディがいてくれれば、それだけで幸せなのにと訴えた。だが、マンディは同意せず、断固として条件を言い張った。ロイをふたりの生活に加えること。さもなければ離婚すると。それだけのことだと。リーナは選択肢がないことを悟り、同意した。嫌々ながら同意した。

ロイが移り住んできたが、彼が完璧なほど思慮深い人間であるのを知り、リーナは驚いた。彼はマンディとリーナの関係に割り込んでくることはなかった。確かに、彼はマンディと肉体交渉をしてきている。何年も前からそうしてきている。リーナはそれを知っていた。だが、この家に越してきた彼は、一線を越えてリーナの気分を害するような振る舞いをすることは一度もなかった。さらには、マンディと一緒の寝室にリーナを誘うことすらあった。それについては、リーナはいつも断っていたが。

それから8ヶ月が経った。マンディは家から離れてすごす時間が増えていた。彼女はいつも出張だと言っていたけれど、それ以上、詳しいことは何も言わない。その結果、家にはリーナとロイのふたりだけになることが多くなった。リーナもロイも、それぞれ慰安を得る相手がいない状態が続いた。

そんな状態でいたある日、リーナは酔った勢いでまちがいを冒してしまった。酔った勢いで、彼の高校時代のイジメ対象であるロイにフェラチオをしてしまったのである。そう言われたからでもなく、自分から心に決めてしたわけでもなかった。ただ、自然にそうしてしまったのであった。

だがリーナ自身、意外に感じたことだったが、リーナもロイも、それを楽しんだのだった。それから間もなく、その行為はマンディが家を離れている時には普通に行われる行為になった。

そしてある日、マンディがロイとリーナに宣言した。彼女はフランスに引っ越すと、もうロイとリーナとは離れると。リーナはマンディに思いとどまるよう懇願した。ロイも同じことを言ったが、リーナほど心は籠っていなかった。彼はこうなることを知っていたかのようだった。実際、彼は知っていたのだろう。

マンディがフランスに発ってから1週間が過ぎた。リーナはその時になってようやく、ロイとふたりっきりになったことを受け入れた。もはや、行為をフェラチオで終わらせる理由はなくなっていた。

リーナはロイに自分を与えることに決めた。それ以外にすることがあるだろうか? 自分には仕事をするスキルがない。友人もいない。自分に何か期待する家族もいない。自分はロイに依存することしかできないのだ。そして、ご主人様を気持ちよくさせること以外に、専業主婦のすべき大切な仕事はないなのだから。

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