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デス・バイ・ファッキング 第14章 (9) 

「でも、あの子たちどんなふうにそれをしてるの? どうして私たち気づかなかったのかしら?」 とドニーが口を挟んだ。

「子供たちがテレパシー的に他人の行動をコントロールできる何らかの能力を持っているのに気づくとすぐに、僕は無法な行為についてのいろいろな文章を子供たちに読み聞かせたんだ。子供たちには、君たち二人や僕に決して何もしないように約束させた。それをしようとするところを見かけたら、こっぴどくお仕置きすることにするよって言ったよ」

ディ・ディは笑いだした。「アハハ、そんなこと、私が知ってるうちでも一番意味のない脅かしだわ! あの子たちなら、あなたのこと、赤子の小指をひねるように簡単にだましているから。あなたには、躾けという単語の意味をぜんぜん分かっていないもの」

「ちゃんと知ってるさ! その単語は中学レベルのワード・ウェルスに載ってる単語だよ。ちゃんと意味を知っている。ただ、僕はあまり躾けが上手でないだけだよ」

ドニーが言った。「まあ、私には、普通と違ったことをしてる気がしないわ。アンドリューは、しょっちゅうおバカなことをするけど、子供たちが生まれる前から、それはおんなじだもの」

「おい、おい、おい! この話し合いは僕のことじゃなかったはずだよ。子供たちについて話しあっているはず。昨日の夜のことについて話し合わなきゃいけない。昨日、家に押し入って、娘をさらおうとしたあの男のこと。運転免許証にはジョセフ・ウィリアムズとあった」

ディアドラは急に恐怖の表情になった。「あの男、娘をさらってどうしようとしたのかしら? あなたは幼児暴行犯と言っていたけど本当なの?」

僕は頭を横に振った。

「いや違う。事態は見かけとは違うようだ。あの男の名前はジョセフ・ウィリアムズではない。免許証は偽物だった。本当の名前はラルフ・モリス。政府関係の仕事をしている。具体的には、司法長官の元で働いている男だ」

ディ・ディもドニーも愕然とした。

「司法長官が私たちの子供に何をしようというの? それに、どうしてこんな極端なことをしようとしたのかしら? そもそも、あなたはこのことをどうやって知ったの?」

「多分、連中は僕たちのシステムの防御を突破できなかったので、こんな極端なまねをしたのだと思う。ちょっと前、僕はウチのEガールたちに、あらゆるファイアーウォールに勝るファイアーウォールのプログラミングを始めさせた。実際、多層式のシステムを完成したよ。実際のプログラミングの大半はエディーとエッダがしたんだけど、アイデア自体はエマのアイデアだ。ああいうのを思いつくには、エマのような邪悪な心が必要なのだと思う…」

「…ファイアーウォールを突破させないようにする代わりに、ちょっと罠をしかけた。つまり有能なハッカーなら簡単に突破できるようにしてやったのだ。連中がファイアーウォールを破り侵入してきたら、自由に情報を見せてやる。ただ、その情報はすべてもっともらしく見える情報だが、全部、間違った情報になっている…」

「…ハッカーたちがどれくらいくまなく調べるかによるけど、場合によっては、連中はその偽情報を得たら、引き下がっていくかもしれない。ただ、連中は、いったん情報が偽物だと分かったら、多分、もう一度戻ってきて、前より深く掘り下げようとするだろう。そこで、僕たちは、その先にもう3つ障壁のファイヤーウォールを設けておいた。どの壁にも、それを突破したら、その先にたくさん情報を置いておく。ただ、その情報も偽物だ。ちなみに、偽情報は娘たちと一緒に考えたんだけど、とても楽しかったよ…」

「…どの壁も、次第に突破するのが難しくなるようにしている。頑張り屋のハッカーがいて、そいつが仮に4つの壁を全部突破したら、そいつに賞品をやってもいいと思ってるほど。まあ無理だと思うが」

「賞品? どんな賞品なの?」 とディ・ディが訊いた。

返事をしたが、たぶん僕はちょっと済まなそうな顔をしていたかもしれない。

「ドニーの裸の写真…。うちの可愛い娘たちがプログラムした4つのファイヤーウォールを全部突破するだけ有能な人ならだれでも、何か特別なものを授けられて当然だもの」

ドニーが僕の肩を叩いた。

「ひどい人! 娘たちにはあの写真見せなかったでしょうねえ? あの写真は、あなたにだけなのは知っているでしょう?」

「ああ、娘たちは全部見ているよ。何でも知っている。それは避けようがないんだ。だから、君たちもそういう状態に慣れてしまう方がよいと思う。あの子たちは、僕らとは違う種族なんだから。それも受け入れてしまった方がいいと思う。でもね、どこかの哀れなバカ者が僕たちのサーバーに侵入しようとさんざん苦労するとしたらだよ、少なくとも、何かワクワクするようなスリルを味わわせてあげるというのが、そいつのために僕たちができることじゃないのかな」

ドニーは顔を赤らめたが、少し安心した顔になっていた。



[2012/08/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)