熱いシャワーをたっぷり浴びた後、アンジーと二人で着替えして、外に出た。彼女は黒革のズボンに白いボタンダウンのブラウスを着て、その下には、ストッキング、白レースのパンティとガーターベルト、そしてそれにマッチしたレース・ブラを身につけた。 僕は、ランジェリーでは黒レースのパンティとガーターベルト、それにマッチしたキャミソール。ストッキングを履き、その上にソックスも履いた。その上からドレッシーな黒いスラックスを履き、上には暗い赤色のポロシャツを着た。アンジーは革ジャケットを羽織り、僕の手を取り、車へ導いた。 その時まで何度か、どうして今日は休みにしたのか訊いたのだけど、アンジーは、私たちはときどき休暇を取る権利があるのよ、としか答えてくれなかった。それに加えて、彼女自身、この前の週末に予定していたことがあったのだけど、僕が土曜日にサプライズの行動に出たので、それができなかったのだとも言っていた。彼女の言い方には、不平を言うような調子はまったくないけど、それでも、彼女は予定していたことをいまだにしたがっているのは、ありありとしていた。 まず、二人であるレストランに行き、そこで朝食を食べた。その後、アンジーは公園へと車を飛ばした。あのケルト人のお祭りが開かれた場所だ。公園へ着くと、アンジーは車から降り、警備員に話しをし、公園内に車を乗り入れるのを許可してもらった。数分、公園内を回った後、彼女が言った。 「ここがあの場所だったと思うわ。ねえ、車から出て、ちょっと歩きましょ」 僕が返事をする間もなく、アンジーは車から出てしまった。 外は寒かった。氷点下2、3度になっていたと思う。地面には雪が積もっていて、見たところ10センチ以上はありそうだった。この2週間ほど雪は降らなかったから、この雪は前に降った雪が解けずに残っていたものに違いない。 アンジーは辺りを見回した。何か目印となるものを探しているようだった。ようやく、彼女は僕の手を取り、言った。 「この場所だと思う」 「何の場所?」 「この場所で私は恋に落ちたのよ。私があなたに初めてスカートを履かせたのが、この場所」 僕は辺りを見回した。そして、この場所にテントが立っていたのを思い出した。そこで彼女にスコットランドのキルトを履くように言われたのである。僕は顔を上げ、彼女の瞳を見つめた。 「あの時は、キルトであって、スカートじゃないと言っていたと思うけど?」 アンジーはヒール高10センチの革ブーツを履いていた。その結果、僕より15センチは背が高くなっていた。どうしてか分からなかったけれど、彼女は、その日、僕より背が高くなるようにわざとブーツを履いてきたような気がした。裸足でも5センチ近く彼女の方が背が高いので、彼女が10センチのブーツを履くと、完全に僕より背が高くなる。 アンジーは僕を見下ろし、あの眩しいような笑みを浮かべた。 「もちろん、あれはキルトよ。でも、あの時、あなたは心の中ではスカートを履いているような気持ちだったんじゃない? あなたが私のためにあのスカートを履いてくれた瞬間、私はあなたに深く心を惹かれたの。あなたこそ、私が探していた男性だと分かったの。私を完全に満たしてくれる人だと」 アンジーは僕を抱き寄せ、強く唇を重ねてきた。そのキスは、どこか切迫していて、彼女が何かを恐れているような雰囲気があった。実際、彼女が小さく震えているのも感じられた。おそらく寒さのせいで震えているのだろうと思ったけど、同時に、そうとも思えない感覚があった。 アンジーはキスを解くと、こう言った。 「ジャック? こういうことは、男性であるあなたが言いだすものというのは知ってるけど、分かってる通り、私たちの関係はそういう風になっていないわ。あなたも私も、提案するのは私で、それに従うか、従わないかを言うのがあなた、という関係であるのを了解している。だから、この件でも、私が一歩先に進めることにするわね。ジャック? 私と結婚してくれない?」 アンジーの素敵な唇から出てきた、この言葉が信じられなかった。前にも言ったけど、実際、僕自身、この件を何回か思ったことはあったけど、真剣に考えたことは一度もなかった。土曜日に、アンジーは結婚の件にちょっと触れたけど、彼女が結婚のことを考えていたこと自体、僕にはまったくの驚きだった。 そして今、彼女が実際に結婚を申し出たのを耳にして、僕は完全にショック状態になっていた。小さな声で「イエス」とだけ言うのが精いっぱいで、それもほとんど聞こえない小さな声になっていた。
地獄の第5段階は、来る日も来る日も、この先ずっと、この分裂した自我と直面して生きていかなければいけないと認識すること。「ランス」として玄関を出ても、ありとあらゆる局面で、前夜の「リサ」の記憶が忍び寄ってくるのだから。 ダイアナと愛し合っているとき、ダイアナは、よく、爪で私の乳首を掻いて愛撫してくれる。これがとても気持ちいい! それをするとき彼女は私の背中に胸を押し付けてくる。そんな時、快感の嵐に揉まれた私の心は、ちょっと変な幻覚を思い浮かべてしまうのだ。その幻覚では、彼女のあの美しい乳房が背中から私の身体に入り、そこを通り過ぎ、私自身の乳房になり変わっているのである。 思い出すのは、前にした話しあい。Tガールたちが目的を達成するために使う、手術とか、ホルモンとか、その他の身体改造について話し合ったこと。現実的に考えて、豊胸手術やその他の後戻りできない大きな身体改造を受けるなんて私には考えられないことだ。少なくとも、ファッションショーのためにもっと女性的に見えるためといった理由からでは、それはあり得ない。メモリアル・デーの週末までは、たった14週しかないのである。その期間的条件を考えたら、問診とか、手術前のテストとか、手術自体、そして、その後の術後の長い回復期間といった長期にわたる厄介なプロセスを受けることなど、真っ先に排除されることである。 だけど、なぜか、それをしたらどうなるだろうと考えてしまうのだ。2週間ほど前なら、私は、そんな思いをにべもなく「馬鹿げてる」と言っただろう。そもそも、私が突然Dカップ、あるいはそれ以上の胸で職場に現れたとして、同僚たちにどう説明すべきかという問題もあるし、計画中のもう一つの仕事についても問題を起こすのは言うまでもない。それでも、どういうわけか、その可能性には興味をそそられてしまう… 地獄の第6段階はというと、職場に行くたび、オフィスビルの外で私を待ち構えている存在だ。スーザンである。彼女は、このところ。ずっとそうやって私を待ち構えているのだ。彼女はすでに、言い訳と言ったり、拒絶したり、しつこくせがんだり、脅迫したり、侮辱したりする作戦は試みてきていて、いずれも失敗に終わっている。現在は、最大限の魅力をふりまく作戦に出てきている。 トレンチコートの前を開けたままにして、その中には丈の短い、タイトなスーツを着ている。ビジネス服にしては、ほんのちょっとだけ派手な感じの服装だが、ストッキングとヒール高12センチのスティレットが動かぬ証拠だ。大芝居をしてもらえる人間はジェフ・スペンサーだけではなかったという話しだ。私のこの元妻がにっこり微笑めば、ラサール通り( 参考)の水銀灯の街灯は不要になるだろう。 「あなた?」 と猫なで声で声をかけてくる。「どうしてた? こんな形で待ち伏せして、ごめんなさい。でも、他に方法がなかったから。ねえ、話しを聞いて。今度のこと、本当に申し訳ないと思っているのよ。私がちょっと……ちょっと脇道にそれてしまったことについて、全然、あなたに話さなかった。だって、あなたがどれだけ傷つくか分かっていたから、言えなかったの。あなたを傷つけたくなかったの…」 笑えるな。スーザンは、そもそも自分が浮気したのが悪かったとは言っていない。それに、ジェフ・スペンサーと会うのをやめるとも言っていない。 「あなたの言うとおりね。あなたは、今も、私が初めて会った日と同じく女性には魅力的だわ。あなたが魅力をふりまいたら、拒みきれる女っているのかしら? 特に、あなたが私にしてくれたように、あなたが本気で女に甘えさせて、わがままを通させ始めたら、どんな女もイチコロだと思うの。ねえ、現実を直視しましょうよ。私たちは二人とも美しい存在なの。私たち、これまでもずっとそうだったように、一緒の世界に属しているのよ。だから、こんなバカげたケンカはやめにして。お願い。私と一緒に家に帰って。あなたがいなくて寂しいの」 話しだけ聞いてると、実にもっともらしく聞こえる。だが、事実は半分で、残りの半分は嘘であることや、故意に誘導していることを無視すればの話しだ。 こういったシナリオもあり得ると、私の弁護士が忠告してくれていた。小難しい法律用語を言い変えて咀嚼すれば、結局、こういうことになる。つまり、事実を知りつつ、この時点でスーザンを家に連れ帰ったなら、その行為は、法廷の目には、彼女の不貞を暗黙のうちに認めたことと解釈されるということだ。そうなったら、離婚のための確固とした根拠は一瞬のうちに霧散してしまい、結果として、私には、引き続き離婚訴訟を続けることで彼女に経済的にレイプされ続けるか、あるいは、和解したあげく寝取られ夫になるかのどちらかの認めがたい選択肢しか残らないことになるのだ。 「僕も君がいなくて寂しいよ」 これは嘘ではない。大半が幸福に包まれていた8年間を忘れ去るのは簡単ではない。それでも、彼女が一方的に行った言語道断と言える裏切りを受け入れるつもりはない。たとえ、彼女にどんな理由があったとしても。それに、未来のことは分からないにせよ、私は独りきりの未来になるとも、正直、思っていなかった。 「二日ほど、真剣に考えてみるよ。その後で、どうするか伝えることにする。約束だ」 とそう言って、話しを打ち切った。 スーザンは私の腕をぎゅっと握り、頬に軽くキスをした。彼女が私に抱きつこうとしなかったのは幸いだった。厚いコートを着ていても、抱きつかれたりしたら、問題となることを彼女が「発見して」しまうことになっただろうから。
「でも、私たちの本物の情報の方はどうなの? そっちは本当に安全?」とディ・ディが訊いた。 「アハハ。さらに超がつく天才でも現れない限り、僕たちの情報に近づくことはできないだろう。そもそも、肝心のデータベースはサーバーに置いていないんだ。もっと言えば、コンピュータ室の中にも置いていない。連中は、ここに侵入してきて、僕たちのハードウェアを全部押収するかもしれない。けど、そうしても僕たちのデータベースは得られないわけだ。ウチには世界で一番賢いプログラマーたちがいて、セキュリティ担当になっているんだ。セキュリティは決着した仕事と思っている」 「でも、そもそも、あなたはどうしてこういうことが分かったの?」 「覚えているかな? あの時、僕はモリスにいくつか質問しただろ? 僕は娘たちに、その時のモリスの心の中での返答に耳を傾けるように指示しておいたんだ。あいつは何も隠せなかったよ。できるわけがない。エマには、必要なら、ちょっと懲らしめて情報を惹き出しても良いと知らせておいた。エマはあいつの脳をちょっといじって、懲らしめた。数分もしないうちに、あいつは落ちたよ。全部、白状した」 今度はドニーが訊いた。「そう…。でも、政府はあの男を解放するんじゃない? 私たちの子を誘拐しようとした後でも、釈放されて、自由に歩き回るようになるんじゃ?」 「いや、そうはならないと思う。僕たちは、ここバロック郡でいちばん政治献金をしている者たちと言えるんだよ。僕たちは、郡警察の長を選出する時に援助をした。市長の選出でも援助をした。判事の選出でも援助をしたし、郡行政委員の選出でも援助をした。そろそろ、見返りを要求しても良い時期だ」 ディ・ディはいぶかしげな顔をした。「どうしてあなたはあんなにお金を出すんだろうって、ずっと前から不思議に思っていたわ。あなたは政治家を嫌っていたじゃない?」 「いや、地方政治家は良い仕事をしているんだよ。僕が知る限り、地方行政体は、たいてい、地元の有権者のために一生懸命働いてくれている。ここの郡でも同じだ。地方の政治家たちは良い人だ。僕が軽蔑してるのは、国レベルの中央の政治家たち。どの政党に属しいようと、関係ない。中央政治家はほとんど全員、どうしようもない連中だ。だけど、僕は彼らを責めたりはしない。なんだかんだ言っても、この腐れ切った政治体制を作ったのは僕たちなんだから。彼らは与えられた手札でプレーしているだけ。だから連中を責めたりはしない。ただ、それでも軽蔑はしているけど」 ドニーが口を挟んだ。「ディ・ディ? あなた、またアンドリューを脇道に逸らせてしまったみたいよ。私たちは、あの男のことを話していたのよ。何て言ったっけ、あの男の名前? モリス?」 「このモリスという男は、わざわざ、家に押し入り、誘拐をしようとした。これは大変な重罪だ。僕たちは、あいつに、真相を話さなければ、かなり長期の刑期を課されることになるとしっかり認識させようと思う。そうさせるのは簡単だ。あいつが法廷に出てきた時、エマが一番いいけど、子供たちの誰かがあいつの近くにいるようにすれば、簡単だ。家の子供があいつに白状させる」 「それにしても、司法長官が私たちに何の用だったのかしら? 私たち、ぜんぜん波風を立てていないはずでしょう?」 とディ・ディが訊いた。 僕はうんと頷いた。「でも、僕たちにはすでに200名近くの子供がいて、その全員がテレパス能力を持っているんだ。そういった情報が権力の中枢に届かないといったことは、たぶんあり得ない。母親たちには全員、すべてのことを黙っているようにと言ってあるけど、90名の母親全員について、口を閉ざしているかをチェックするなんてできないから」 ドニーは納得しなかった。「アンドリュー? 罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい、という教えがあるわよ。あなたが話した女性には、私が知ってる女性がたくさんいるの。男女差別的なことを言うのはやめて、あなたが考えている一番新しい理論で話しを続けて」 「ああ、僕たちが連中のお尋ね者になっている理由は、2つあると思う。ひとつは、僕たちが宗教的権利を気にする人たちには、あまり人気がないだろうということ。僕は、新能力をもった子供たち全員の父となっていることもあるし、僕には妻が二人いることも大半が知っている。テレパシーをもった子供たちのことを別としても、一夫多妻を実行している僕に反感を持っていて、僕を憎悪を向ける対象リストの最上位に据えたいと思う極端な宗教信者は必ずいると思うんだ。そういう人の中には、今の行政府に圧力をかけるかもしれない。それに行政府の中には重要な地位についてる宗教狂はたくさんいるからね…」 「…もうひとつは、連中が娘たちを狙ってきたということ。それは連中が何か知っていることを意味している。娘たちのIQが高いからという、それだけの理由かもしれない。超天才の子供をさらって、どんなことができるかを調べたいと。あるいは、テレパシー能力がバレているのかもしれない。モリスは、娘を誘拐する理由については知らなかった。だから、この点については僕の推測でしかないのだけど」 「これから、どうする?」 とディ・ディが訊いた。 僕はにっこり微笑んだ。「子供のころ、リトルリーグのコーチがいつも言っていたよ。完璧な守りこそが最大の攻撃になるって。向こうには税務署もあれば、ナパーム弾もあるだろうけど、こっちにもエマがいる。そろそろ、エマを解き放ってもいい頃じゃないかと思ってるんだよ」 つづく
ケイトが身を傾け、俺の耳元に優しく囁いた。 「準備はいい?」 「ああ、いいよ」 と俺は手を出し、彼女の手に重ねた。 ケイトはステージの二人を見ながら段取りを説明した。 「あの人たちが終わりにさしかかったら、私とステージに上がって、あのカーテンの後ろに行くこと。あの人たちが終わったら、カーテンが下りてステージが隠れるわ。その間に舞台係が次のステージの準備をするから」 ステージを見ると、マルチナは、すでにブロンド女の拘束を外していて、彼女を仰向けに寝かせていた。いまマルチナは女の上にまたがって、彼女の口のすぐ上で陰部を漂わせている。 「不信心な淫売! 私のマンコを舐めなさい!」 マルチナは苛立った口調でそう言い、女の頭を掴んだ。 マルチナは女の顔を股間に引きつけながら、同時に女の股間に手を伸ばし、そこを撫で始めた。なかなかいい光景だ。女の舌が蛇のようにマルチナの女陰に出たり入ったりをするのが見えた。マルチナは頭を後ろに倒して、快感を受けとめている。 「そろそろ、行きましょう」 とケイトは俺の手を握り、スツールから立った。 ケイトに連れられて、ステージに上がるサブの階段を上がり、それからカーテンへと向かった。カーテンをくぐった先を見て、驚いた。そこには、様々なシーンや妄想に対応できるよう、あらゆる種類の小道具が置いてあった。 「ここに座ってて」 とケイトは小さな黒皮の椅子を軽く叩いた。 俺は振り向き、言われたとおりに椅子に座り、カーテンの隙間からステージの様子を見続けた。ケイトは俺の後ろに立ち、俺の肩を揉み始めた。 「早くも、もう、おカネの匂いがしてくるわ」 とケイトは俺の耳元に囁いた。 肩越しに振りかえると、ケイトの顔がすぐそこにあり、すぐに俺たちは唇を重ね、心をこめた落ち着いたキスをした。その後、ケイトは身体を起こした。 「後はショーのために取っておきましょう」 とケイトは言い、また俺の肩を揉み始めた。何度も丹念に揉んで、俺をリラックスさせようとしているらしい。 またカーテンの隙間からステージを見た。いまは、マルチナは立っていて、ブロンド女はひざまずいていた。俺のいる場所からだと、ブロンド女の姿勢は、トリスタの母親がワインボトルでしこたま自慰をした後、祭壇の前でひざまずた時の格好とそっくりに見える。ブロンド女は、その後、ゆっくりと立ちあ上がり、ステージの脇へと歩き始めた。 すると突然、大きな黒いカーテンが下りてきて、ステージ全体を隠した。男が二人、ステージ上を歩いてきて、もうひとつのカーテンの中に入った。小道具類が置いてある場所だ。 男たちはすぐに出てきたが、何か、大きな曇りガラスの窓のようなものを持って出てきた。かなり重そうで、二人がかりで苦労しながら運び、ステージの中央に置いた。それを置いた後、舞台にしっかりと固定する作業に入った。 肩越しに振りかえり、ケイトを見上げると、彼女は興奮してるように目を輝かせていた。ふたりの小道具係は、再び、子道具置き場に入り、また別の巨大な窓を持って出てきた。二人は、それをすでに立てた窓のところへ持って行き、二つの窓を90度の角度でつなげた。 「私がどんなことを計画したか、信じられないでしょうね」 とケイトは俺の肩を揉みながら言い、その後、両手を滑らせるようにして俺の胸へと擦り降ろしてきた。 男たちは再び小道具部屋に入り、またも大きな窓を持ってきた。それを別の二つの窓のところに運び、立て懸ける。どうやら、窓枠で箱型を作るようだった。4面のうちの3面だけの箱型である。二人は軽く押したりして具合を確かめ、しっかり固定されていることを確認していた。 次に男たちは祭壇のような大きなテーブルを持ってきた。それを窓枠の箱型の向こう側に設置する。その向こうで何をしているかは分からなかった。窓枠のせいで良く見えなかったからである。 その後二人は、駆け足で行ったり来たりを繰り返し、キャンドルが数本ついたスタンドをいくつか運び、並べた。キャンドルスタンドは祭壇の左右両側に設置しているようだ。ひとりの男がテーブルの上に大きな白い布を広げ、その間、もう一人はすべてのキャンドルに火をともした。 「準備ができたようね」 とケイトは手を差し出し、俺を立たせた。
ビルは興奮に身体を震わせていた。そして、愛する妻の濡れた割れ目に亀頭を押し込んだ。その妻が小さな淫ら声をあげるのを聞き、彼はわざと煽る言葉を吹きかけた。 「そうだ、お前は俺専用の淫売だ。俺が言うことを何でもする女! 何なら、お前を街に立たせて、その可愛い身体を売らせることにしようか? どう思う、ええっ?」 ビルはクリスの桃尻をしっかり押さえ固定した。クリスが自分から腰を突き出し、一気に挿入させてしまうのを防ぐためである。そうしたうえで、じわじわと少しずつ肉棒を押し込みながら、ビルはからかい、煽った。 「ええっ? どうなんだ? 答えろ、淫売!」 娼婦にしようか、との言葉。それこそ、まさにクリスが言われたいと願っていた言葉だった。それを聞いて、この行為に何の心配もなく心から没頭できると思った。興奮して、大変なことを口走ってしまっても、この性的ロールプレイのせいにできると分かったからである。 「ああぁぁぁ……。ええ、いいわ………だから、お願い。…………………。何でも…………………どんなことでも! …………………どんなことでもするから!…………………だから、ヤッテ…………………。お願い、私を犯して…………………やってください!」 クリスは本心から喘ぎ答えた。腰をビルに押さえつけられているので、挿入されてる部分は、ほんのわずかだった。ではあっても、クリスは何とか必死に腰を動かし、そのわずかな長さの部分で自分の肉筒を擦りたてた。 ビルは、一度も口に出したことはなかったが、いつも、ある密かな思いを抱いていた。それは、この美しい妻が他の男の腕に抱かれているのを見たらどんな感じになるのだろうという思いである。 心の奥では、そんなことは単なる淫らな妄想にすぎないと思っていた。とりわけ、クリスは並はずれて純真でうぶな性格であるのだから、決してありえないこと。それに、貞節な妻が、実際に、他の男の身体に快楽を求めたとしたら、確実に自分は立ちあがれないほど傷心することになるだろう。そうと分かっていたので、ビルは、そういう考えが頭に浮かんできても、すぐに頭から振りはらってしまうのが普通だった。 だが、このロールプレイは、彼の夢にまさに願ったり叶ったりの状況を提示している。ビルは、この機会を逃すまいと、煽る言葉を続けた。 「さすが淫売だ! お前を街に立たせて、いくらかカネを稼がせることにしよう! お前は、このセクシーな尻を客に差し出して、思う存分に使ってもらうことだな! 50ドル持ってるヤツなら、浮浪者だろうが、酔っぱらいだろうが、誰にでも身体を売る女になるんだ!」 「はい…………そうします…………。あなたのいうことならどんなことでも! だから、やってください…………。ただ、やってくれるだけでいいの…………お願いです!」 クリスの返事を聞いて、ビルの一物はヒクヒク痙攣し、ますます固さを増した。 クリスはこのプレーを心から楽しんでいた。ただ、どこか物足りなさを感じていた。もう少しだけでもペニスを入れてくれたらいいのに…。クリスは、夫の一物の存在をもっと感じようと、両太ももをできるだけ固く閉じ、陰部を締めつけた。わずかしか与えられていないにせよ、自ら尻を前後に動かし、満たされぬ思いに歯を食いしばりつつ、喘いだ。 「ああ、どうか……どうかお願い……。浮浪者でもアル中にでも身体を売るから……………。悪そうな巨漢の黒人にでも身体を売るから! だから、もっと下さい……………もっとやって、お願い!」 「お前は、本当にエロ好きのオンナなんだな。身体がデカイだけのいかつい顔の黒人野郎にも、喜んで抱かれたいとは!」 ビルは有頂天になっていた。愛する妻のヌルヌルになった陰部。そこに、ようやくペニスの全長を埋め込んだところだった。その狭い肉筒がきゅうきゅうと締めつけをしてきて、彼はゾクゾクと背筋に震えが走った。 目を閉じ、ある光景を思い浮かべた。愛する妻の美しい白肌が、真っ黒な皮膚の逞しい身体をした黒人に覆われている光景だった。その光景を思いつつ、彼は意識せずに出し入れの動きが速くなっていった。そして、それから間もなく、ビルは唸り声を上げ始めた。 「ああぁぁ………………。うううぅぅぅぅ………………。い、イキそうだ!……ああっ、い、イクよ、イクよ! おおおおぉぉぉ!」 だが、ビルはあまりに夢中になり、興奮しすぎていた。長いとは決して言えない一物を引き抜きすぎたのである。その結果、彼の分身は、クリスの愛に飢えた肉筒から滑り抜けてしまい、クリーム色の尻頬に上がってしまったのである。それと同時に、その先端から白濁が噴射し始めた。 次から次へと白濁がむなしく宙に舞う。彼の熱い体液は、愛する妻の中へ撃ちこまれる代わりに、大半が彼女の背中にボトッ、ボトッと着地した。ビルはあわてて肉棒を握り、クリスの中へ入れ直そうとしたが、それは無駄な試みだった。あまりの興奮に、彼の分身はまったくコントロールが効かず、無駄玉を打ち出し続けたのである。結局、クリスの臀部と太ももを精液で覆うことにしかならなかった。 一方、クリスは必死に尻を動かし続けていた。何とかして、狭い肉筒にペニスを入れ直してもらおうと必死に動かしていた。狂ったようになっていた。 「いやっ!……………いや、いやっ!……………もっと! …………… ああ、どうして……………まだなのに……………まだなのに……………。私の中に戻して! ああ………もう…………… いや…………… いやぁぁぁ…………………………私もイキたいのにぃぃ!」 クリスは、四つん這いのまま、絶望して頭をうなだれた。夫がぐったりとして自分の上に覆いかぶさってくるのを感じた。夫のペニスが最後の残り汁を尻頬に塗りつけるのを感じた。そして、そのペニスもやがて力を失い、だらりとなり、身体から離れて行くのを感じた。それと入れ替わりに、かなり水っぽい精液が割れ目から流れ出すのを感じた。粘着性の薄い、水のような液体がツツーっと太ももを伝い、ストッキングへと流れて行くのを感じた。
「淫乱ママ」 第7章 Slut Mommie Ch. 07 by fantasy69 出所
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これまでのあらすじ
息子と娘の二児の母ケイト。写真好きの息子トミーにモデルを頼まれ、撮影されているうちに興奮し、ケイトの淫乱願望を見抜いた息子に求められ肉体関係を結んでしまう。娘のことも淫らに想像しながら…。バーや公園でも息子と性行為をし、靴屋で若い女店員とレズ行為も経験。淫らな姿を他人に見られるのも好きなのである。それにアナルセックスも。ある日、息子のカメラ仲間の撮影会に参加し、フランクという強引な若者に脅迫され犯され、後悔する。さらに息子たちのパーティでマリファナを吸い、若い娘たちと淫らな行為に耽ってしまう。
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翌朝、目が覚めたけど、大変な二日酔い状態だった。頭がズキズキして、お口がカラカラ。寝返って、夫を見たけど、まだベッドでぐっすり眠っている。 今は何時なの? 確か夫は、わたしが息子を迎えに行く前に眠りについたはず。なのに、まだ眠ってるなんて! 息子のことを思ったら、昨日の夜の出来事が鮮明に頭に浮かんできた。ああ、なんてことなの! あの二人の若い女の子たちの前で、あんなに身体を露出してしまった。ほとんど知らない娘さんたちなのに! 本当に起きたことなのかしら? それに、あの娘さんたちの前で、わたしは息子におしゃぶりをしてた。ああ、それを思い出したら、心臓がドキドキしてしまう。 どうしてあんなことを? あんなことをするなんて、とってもいけないことなのに! あまりに、危険すぎる。 あの娘たちが誰かに何か言ったら、どうなるの? わたしと息子の関係をバラしてしまったら、いったいどうなるの? でも…。でも、そんなことが気にならなくなるようなことがあったのも確か! わたしは…、わたしはジーナのあそこを舐めていた! まだ18歳になったばかりのジーナ。わたしの娘としてもおかしくない若い娘さん。そんなジーナやエレーンが見ている前で息子のおちんちんをお口に入れたわたし。 思い出しても、身体が熱くなる。興奮してしまう。…身体の奥が性的に刺激されていく…。 それにわたしはジーナにあんなこともしていたし、それにエレーンにあんなこともされていた。その数々が頭に浮かんでくる。 ああ、もう…。どうして、わたしはあんなことをしたの? それは、あの忌々しいマリファナのせい。あれを吸って、同時にずっとアルコールを飲み続けていたせいで、わたしの理性があんなに曇ってしまったんだわ! ええ、そう。誰かに訊かれたら、そういって弁解しよう。ジーナとエレーンに後になってから問い詰められたら、そう言って弁解しよう。もうこれからは、あの娘たちがいるところでは、決してマリファナを吸ったり、お酒を飲んだりしないよう心に誓った。 夫を起こさないよう、ゆっくりと身体を回して、ベッドから出た。そして階下に降りて、コーヒーの用意をした。 その間、ずっと息子やジーナやエレーンのことを考えていた。それにスージーのことも。うーん、スージー…。わたしが初めて相手した女の子。とても可愛くて、若い娘。彼女、あの日のことがあった後、わたしのことを想ってくれたことがあるかしら…。そんなことを夢見るような気持ちで思っていた。 食器棚の中を漁って、お気に入りのコーヒーマグを探したけど、見つからなかった。 ああ、そうそう。あれは夫が一番下の棚にしまったんだわ。 床に四つん這いになって、食器棚の一番下の棚を見てみた。一番奥のところにマグがあるのが見えた。 手を伸ばしても届かない。仕方なく、ほとんど腹這いになるような感じになって手を伸ばして、やっと掴んだ。ほとんど、お尻だけを突き上げてるような格好で。幸い、裾の長いナイト・シャツを着てたので、お尻は隠れていたけど。 「ママ!… ヒューッ! いいわねえ… とてもいい格好!」 突然、声をかけられ、ビックリしてしまった。急に身体を起こしたので、食器棚に頭をぶつけてしまった。 「痛っ!」 声をかけたのは娘のクリスティ。わたしの真後ろに立っているんだわ。 「ママ、そこで何をしてるの?」 「コーヒーマグを探しているのよ。ママがいつも使っているの。知ってるでしょう?」 何だか、シャツがズリあがってきている気がした。もう、この姿勢から逃れなきゃ。娘に露出しすぎることになったら困るし。 そう思って、腹這いに近い姿勢のまま、じわじわと後ずさりを始めた。そうしたら、シャツが上の方にある何かに引っかかってしまったように感じた。後ずさりするのに合わせて、シャツがズリあがってくる。 お尻が丸出しになってる感じになった。シャツが腰のところまで捲れてしまっている。娘が、小さな声で、「うわっ」とか言っているのが聞こえた。 あわててパニックになったりしたくなかった。それにシャツを破いてしまうのも嫌。 「ああ、困ったわ。何かに引っかかって動けなくなったみたい。ねえ、クリスティ、お願いだからママを助けて?」
この女はイサベラに鞭を振るった。とうとう、その本人と面と向かい、レオンは体中に憎しみの炎が燃え上がるのを感じた。とはいえ、その憎しみを抑え込み、冷静さを保ってはいた。もちろん、マリイの命令に従うつもりはまったくない。 レオンは素裸であることも気にせず、立ちあがった。長い一物が、獅子のような優雅さで左右に揺れていた。 マリイは、視線を下げ、レオンの太ももの間に揺れる逞しい男性自身へと向け、同時に腕に緊張を走らせた。手に持つ剣の剣先を持ち上げ、レオンの太ももの間へ向ける。 「何か楽しい夢でも見ていたの?」 と呟き、舌で唇を湿らせた。 「このような名誉なことをされるに値することを何か、私はしたかな?」 とレオンはそっけなく尋ねた。勃起は収まりかかってはいたものの、わざわざシーツで隠そうともしなかった。 「あなたが私を探していると聞いたものでね…」 とマリイはベッドに近づきながら片眉を持ち上げて、答えた。「…だから、ここに来たの」 「何と都合のよい…」 とレオンは落ち着き払って言った。 マリイの熟れた臀部をタイトに包む黒革のパンツと、長い太ももと腰回りにまとわりつき、見事に成熟した胸のふくらみを見せつけるチュニック( 参考)に目をやりつつも、今のレオンには何ら感情をもたらすものではなかった。 「…お前を捕まえたら金貨を1万枚払うと約束したが、お前が自ら出向いてくれたおかげで、それを払う手間が省けたのだからな」 「あら、私はもっと都合のよい女になれるかもしれないのよ」 とマリイは冷たく笑い、レオンの下半身に視線を走らせた。 レオンは、マリイの顔をじっと睨みながら、腹の奥がムカムカするのを感じていた。 「お前は…、お前は俺の父の妻だった女だ」 とレオンは吐き捨てるように言った。必死に怒りを押さえこもうとしていた。「マリイ、俺とお前の間には何ら都合のよいことなどあり得ない。妊娠したイサベラが最も身体を守らねばならぬ時に、お前はイサベラの背にベルトで鞭打ちしたのだぞ…」 マリイは邪悪そうに目を細めた。 「あの女はあなたを求めていないというのに、あなたは、あの女をずいぶん守ろうとなさるのね? あのアバズレは、いったん手篭めにされた後は、あなたに身をゆだねるようになっただろうけど、それも、目的は修道院に戻るため。そのためなら喜んであなたに身をゆだねるようになっただけ。それを知っていながら、あなたはあの女と楽しみを続けている。でもね、修道院があの女を受け入れないことは誰でも知ってることなのよ。お腹を大きくして帰ったら、あなたの罪の証拠が誰の目にも明らかになるわけだから。あなたは、あの女がどうして結婚を拒んでいるのか分からないようだけど、答えは簡単。イサベラはあなたの子を産んで、傍目からは前と変わらなくなるまで、単に時間稼ぎをしているだけなのよ」 「消えろ、マリイ! その命と一緒に!」 レオンは冷たく言い放った。目を怒りにギラギラと輝かせ、マリイを睨みつける。そして、立ち上がり、彼女の前にそびえたった。レオンのマリイへの憎しみは、目に見えて明らかだった。マリイに剣を向けられても、無視した。 マリイは剣の握りを固くした。「私は、得たいものを得るまでは、出て行かないわ」 「それで? お前が得たいものというのは何だ、マリイ?」 レオンは不気味に落ち着きはらって尋ねた。 マリイの目がきらりと光った。そして、残忍そうに唇を歪めた。 「あなたを苦しめること」 「どうやって? 俺に、お前の熟れた肉体を楽しませないようにしてか?」 レオンは無表情のままだった。
「ライジング・サン&モーニング・カーム」 第6章 The Rising Sun & The Morning Calm Ch. 06 by vinkb *****
これまでのあらすじ
16世紀、釜山。地元の娘ジウンは日本人のノボルと知り合い、ふたりは結ばれた。しかし翌朝、ジウンはノボルの弟三郎らに強姦され、自害する。ノボルは怒りに兵を殺すが拘束され、秀吉に不死の刑を科される。ノボルは狐使いの美女と交わり、その結果、人間ではなくなってしまったのだった。時代は変わり現代。シカゴ。女医のアンジェラはたまたま入ったレストランで不思議な魅力があるノブ(ノボル)と知り合い、デートに誘われた。そしてそのデートで、アンジェラはノブとのセックスで失神するほどの快感を味わう。翌朝、ノブはアンジェラに自分が半人半獣であることを打ち明けた。
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これは、何か悪い夢を見ているんだわ… 目の前に立つ巨大な生き物。その姿を見ながらアンジェラは思った。 ノブは今や身長220センチあまりになっていた。腰のサイズは前と変わらないが、肩も背中も、そして胸板もはるかに大きくなっていた。全身は銀色の毛で覆われていた。身体の前部の毛は短いものの、特に肩と背中の毛は、馬のたてがみのように長く伸びていた。ひょっとして尾が生えているかもと思って見たが、どうやら、それは、なさそう。だが両手も強靭そうに巨大化していて、太い指の先には恐ろしいかぎ爪が生えていた。その手はひっきりなしに握ったり緩めたりを繰り返している。 何よりアンジェラを驚かせたのは彼の顔だった。自分を見つめるその青い瞳には、少し不安の色が浮かんでいるものの、しっかりと知性を湛えていたのであった。ノブは身体的には大きく変わってしまったものの、あの驚くべき瞳の後ろには、依然として彼が存在しているのだ。不思議とアンジェラにはそれが分かった。 ノボルは、心臓があまりに早鳴りしすぎ、破裂してしまうのではないかと感じていた。アンジェラが言葉を発するのを待ちきれなくなり、彼は口を開いた。 「ア、アンジェラ…、私は…」 そう言いかけたノボルだったが、アンジェラは彼の言葉を遮った。ノボルは、その時の彼女の反応に驚いた。これ以上驚きようがないほどの驚きだった。 アンジェラは、ほとんどベッドのマットレスにお腹をつけたままの姿勢で前に這い進み、ノボルのペニスに愛しそうに唇をなぞりつけ、その敏感な先端部の皮膚を軽く唇で挟みつけたのである。 彼女はノボルを焦らして楽しんでるのは明らかだった。その彼女の様子にノボルの目は釘付けになっていた。 彼が勃起し、最大サイズになると、アンジェラは、その大きくなった陰部をじっと見つめ、物欲しそうに舌舐めずりした。そして、後ろを振り返り、脚を大きく広げて見せた。ノボルを求めてそうしているのは明らかだった。 「ノブ…。私を犯して…」 アンジェラの反応に興奮し、ノボルは不安な気持ちをすっかり忘れてしまった。笑みを浮かべ、アンジェラの後ろにまわり、かぎ爪の両手で彼女の腰をがっちり押さえこんだ。そして、アンジェラの白肌に爪を食い込ませながら、巨大化した分身をじわじわとねじ込み始めた。まさに拷問を行っているかのように。 アンジェラは部屋の向こう側にあるドレッサーに目をやっていた。そこにある大きな鏡に映るふたりの姿を見ていたのである。鏡の中、巨大な獣が己の快楽を求めて、アンジェラの身体をまさに道具のように使っている光景が映っていた。しかし、それゆえアンジェラはいっそう興奮し、陰部が濡れてくるのを感じていた。 やがて、アンジェラは尻肉がノボルの下腹部に触れるまでになったのを感じた。彼女は、あまりに内部をいっぱいにされすぎ、身体をよじらせることすらできなかった。鏡の中、ノボルの顔を見ると、唇を歪ませ、歯をむき出しているのが見えた。真白で、先端が剃刀のように鋭い牙が光っているのが見えた。 今のノボルの身体の大きさは、アンジェラのほぼ2倍はある。そして、彼のペニスは長さも太さも倍以上になっているように感じられる。
「ジャッキー」 第12章 Jackie Pt. 03 by Scribler **********
これまでのあらすじ
ジャックは妻アンジーの浮気現場を見てショックを受け、彼女と知り合った頃を回想する。彼は法律事務所のバイト、アンジーはそこの上司。仕事を通じ親密になった二人は交際を始め、その過程でジャックは女装の手ほどきを受け、ジャッキーという呼び名をもらう。アンジーとは女性としてデートし、外出もした。そしてアンジーに初めてアナルセックスをされ、オーガズムに狂う。やがて二人は同棲を始めた。ジャッキーはバレンタインデーの贈り物として一日アンジーのためにメイドとなるが、期待に反してまるで性奴隷のように扱われたのだった。
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翌朝、目が覚めたが、目覚まし時計が鳴っていなかったのに気づいた。時間を知ろうと時計を見ると、すでに9時半。僕は驚いて、息つぐ間もなく跳ね起き、ベッドから飛び出した。何から始めてよいか分からず、部屋の中を駆け回りながらアンジーに声をかけた。 「アンジー、時間だよ。もう遅くなっている。目覚ましをセットしたと思ったんだけど…」 「いいえ、大丈夫よ。ねえジャック、ベッドに戻って、私を抱いて…」 アンジーは眠そうな声を上げた。 「嘘じゃないよ。アンジー。もう9時半なんだ」 と僕は大きな声を出した。 「分かってるわよ。あなたが飛び起きた時、時計を見たもの。そんなこといいから、こっちに来なさい!」 アンジーはちょっと命令口調になって言った。 ちょっと考えて、どうやらアンジーは何か隠し事をしているらしいと気づいた。普段なら、一番にベッドから出るのは彼女の方だったから。普段なら、時間より30分も余裕がある時ですら、アンジーは、もう遅れてると文句をいうはずだった。 ベッドに入りなおすとすぐに、アンジーは僕にすり寄ってきた。 「うーん、この方がいいわ。起きるのは、もう少し、こうやって一緒にぬくぬくしてからでいいの」 言われたとおり、しばらくそのまま一緒に抱き合っていた。実際は、そんなに長くではなかったかもしれない。1分も経たないうちに、僕は彼女に訊いていた。 「いったいどういうこと? 普通のアンジーなら、僕より早く起きるはずなのに?」 アンジーは目を開け、溜息まじりに答えた。「多分、私は、仕事より、ジャッキーの方が好きだから。少なくともジャッキーは、私とこうやって抱き合っているが好きなはずよ。彼女なら、仕事に行かなくちゃなんてぜんぜん気にしないだろうし…」 僕は笑ってしまった。「だって、彼女の場合は、そもそも出勤しなくちゃいけないような仕事を持っていないわけだし」 「それも羨ましいことだわ。ジャッキーなら何も仕事をしないだろうし。彼女が会社にいても、職場の男たちを追いかけまわしてパンティの中に誘い込もうとして、一日過ごすかもね」 確かに、ジャッキーが男たちの注目を惹きつける存在だということは分かっていた。 アンジーと一緒にクラブへ出かければ、必ずと言ってよいほど、アンジーと同じくらい、男たちからダンスの誘いを受けてきた。そういう誘いがあった場合、ジャッキーはたいていは上品にその誘いを受け、一緒に踊った。ただ、相手の男が妙に馴れ馴れしい手つきで身体に触れてきた場合は、拒否をしなければならないこともあったが、そういうことはそう数は多くなかった。 クラブが終了の時間になると、家まで車で送ろうとか、一緒に朝食を食べようとかの誘いを何度も、何度も受けてきた。そのような誘いについては、ジャッキーは一切断ってきている。男性とダンスをするのはアリでも、その男と一緒に寝ると言うのは完全に問題外だった。とはいえ、男たちの注目を浴びることは、とても嬉しいことだというのは、否定できない。 クラブで男たちの注目を浴びることについて、そんなことを思っていたら、不意にアンジーが問いかけた。 「ねえ、ジャック? ちょっと立場をスイッチしてみるのを想像してみて?」 「イヤだ!」 意識せず大きな声になっていた。ちょっと防御的な声に聞こえたかも知れない。 「うふふ…、たぶんジャックならそう言うでしょうね。でも、ジャッキーはどうかしら? 適切な男とだったら、そうは言わないように思うわ…」 僕は、男に気があるように取られるのは心外だと、向きになって反論した。多分、自分はストレートなのだと強調しすぎてる言い方になっていたと思う。その間、アンジーはずっとあけすけに笑いっぱなしだった。 「さあ、そろそろ起きましょう。シャワーを浴びなくちゃ」 僕たちが、いつからジャックとジャッキーを二つの別個の人格のように呼ぶようになったのか、はっきりしない。僕がアンジーのところに越してきた頃だったと思うけど、正確な日付は分からなかった。これも、そもそも、決まった日から始まったことではないのかもしれない。徐々に変化が進行し、いつの間にかこの段階に到達していた、というのが本当なのかもしれない。 ただ、ジャックとジャッキーの間にははっきりした違いがあるのは確かだった。ジャックの方は、規範を重んじるタイプだ。物事を決まったやり方で片づけるのが好きだし、決められた時間までに、あるいはそれより前に片づけるのを好む。一方、ジャッキーの方はずっと自由なタイプだった。どんな形であれアンジーが望む形にするのが好きで、喜んでそうする。言うまでもなく、ジャッキーの方がはるかに女性的で、一緒に抱き合ったり、たくさんキスし合ったりするのが好きだった。事情が許すなら、一日中でもアンジーとベッドの中で過ごすこともでき、決してそれに飽きることもない。ジャックにはそれができないと言ってるわけではないけど、ジャックにはそうするチャンスはまったくなかった。週末はジャッキーの時間であり、ウィークデイはジャックの時間だったからである。 自分の心のこのような動き。多分、精神科医にかかることにしたら、僕の心は、その医者に優れた事例を提供することになるだろうと思う。もっとも、僕は、精神医にかかろうという必要性は全然感じていなかった。自分の身に起きていることが、心から気に入っていたし、その状態を変える気などまったくなかったからである。
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