多分、アモスのペニスは長さ25センチ、直径は12センチはあるだろうとビルは思った。この男の代物に、愛する妻はどんな反応をするだろう?
そしてビルは、アモスが腰を前に突き出すのを見た。ずんぐり太った亀頭がジルの中に入っていく。それを受けてジルは小さな喘ぎ声を上げた。
「あうぅぅぅぅ!」
ジルはそのまま両脚を持ち上げ、年配の黒人男の背中を包み込んだ。両足の白いハイヒールを交差させ、男をもっと深く引き寄せようとする。それを見てビルは息を飲んだ。
「ああぁぁぁぁぁ…………いいッ!…………いいッ!…………もっと………… もっと深くぅぅぅぅっ!」
アモスが太いペニスをジルの肉壺にジワジワと埋め込む。それを受けて喜びの声を上げるジル。ビルは、そのジルの振る舞いがまったく信じられなかった。ベッドでこんなに激しく乱れることができるとは、とても思っていなかったからだ。なのに今、ジルは、踵を交差させて男を自分に引き寄せ、さらに両腕で男の身体を包み込むように抱き、背中に爪を立てている。
「ああ、いいッ!……………い、いいッ、いいッ!……………ああ、感じるぅぅぅぅぅッ!……………も、もっと……………もっとヤッテぇ!……………もっと強く犯してぇぇぇぇッ!」
ビルは、アモスのスタミナにも驚いていた。今アモスはジルに途轍もない速さで強い打ち込みを続けていた。高速ピストンでズンズン突きを送ってる。そして、それを受けとめるジルの反応…。ビルは、ジルたちを見て、こう思うのだった。…畜生! この男、よっぽど上手いのか! クソッ、俺もジルにあんなふうに反応させられたらいいのに!
そのビルの耳に、ジルの叫び声が届く。
「ああッ!……あ、いいッ!………あっ、あっ、あっ、あっ、あっ!…………もっと、もっと……………す、すごいッ…………わ、わたし……アッ、いっくうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
ベッドの上、しっかり抱き合ったふたりの身体が断末魔を迎えたようにのたうちまわっていた。ビルの目にも、ふたりがまったく同時にオーガズムに達していることが明らかだった。
アモスの身体の震える様子、臀部が収縮を繰り返している様子から、彼がジルの子宮に精子を撃ち込んでいるのが分かる。それを見た瞬間、ビルの頭に、ジルが本当にアモスに妊娠させられるかもしれないという恐ろしい考えが浮かんだ。そして、不思議なことに、その考えが浮かぶと同時に、ビルはズボンの中に白濁を噴射したのだった。彼は、男女がこんな淫らな快楽にふけってる姿を見たことがなかった。その興奮から、彼は自分を自制できなくなり、漏らしてしまったのだろう。
射精が終わり、アモスはゆっくりと身体を離した。柔らかくなった太った蛇のようなペニスがレイプされた若妻の陰部からヌルヌルと這い出てくる。
アモスは、今の夢のようなセックスが、本当にこの純真無垢そうに見える美人を相手にして行ったことだったのかと信じられない気持だった。
アモスは息子を振り返り、息子が馬並みのペニスをしごいてるのを見た。
「父ちゃん、今度は俺の番? 本当にそのきれいな先生とヤッテもいいの? 今すぐ先生のビーバーに突っ込んでもいいの、父ちゃん?」
アモスは首を縦に振った。
ジルはアモスとの極上のセックスを終えたばかりで、ただうっとりとした顔で横たわったままだった。ベッドの上、脚を大きく広げたまま、ハアハアと荒い息を続けていた。
その彼女の脚の間にトビーが這い上がった。突然、ジルは恐怖に身体をうち震わせた。アモスの一物を軽く上回る、トビーの極太の亀頭が、たった今したたかに犯され、愛液と精液でびしょ濡れの割れ目に押し付けられたからだ。
「あ、ダメ…………この人のは大き過ぎる。あのレオンのより!…………だ、ダメ…………トビー、ダメよ……………………お願い、ダメだったら……………………あなたのは…………あなたのは私には大きすぎるの……………………ダメぇぇぇぇ、お願いッ!」
ジルは挿入しようとするトビーから逃れようと、身体をくねらせながらベッドを這い上がろうとした。そして、たったいま彼女を強姦した男であるこの若者の父親に顔を向け、必死に懇願した。
「お願い…………アモス…………お願いだから、彼を止めて…………トビーは大き過ぎるの……………………絶対に無理なの…………からだを…………身体を引き裂かれてしまうわ!」
ジルは恐怖に泣きじゃくりながらトビーの黒い大きな肩を押し、挿入されまいと抵抗した。しかし、トビーの力強い両手で、腰をがっちりと押さえこまれた。ジルは助けを求めて、必死の形相でにアモスたちを見た。
「やれ! そいつを突っ込むんだ! 引き裂いてやれ! 可愛いエロ女をめちゃくちゃにしてやるんだ…………たっぷりと犯して、ぼろぼろにしてやれ!」
ジルはその声を聞いて、抵抗する意思が粉々に砕けるのを感じた。アモスが自分の息子を励ましてそう言ったのなら、簡単に理解できただろう…………だが、その声は愛する夫が発した声だったのだった。
「妻として迎えたそのアバズレ女をしこたま犯すんだ! こいつは、俺には一度もあんなふうにしゃぶったり、反応したことなどなかった! この女が他の男にまんこをさせていたのは明らかなんだよ! だから、このオンナは構わない。思う存分、犯してやれ!」
ノボルはデスクの上にファイル入れが置かれたのを見て、顔を上げた。ゲンゾウがお辞儀をして、報告した。
「お求めのものを見出したものと存じます」
ノボルはファイル入れを開け、中から一群の写真を取りだした。その白黒写真には、確かに彼の弟の姿が映っていた。日本軍の軍服を着た男たちの前でお辞儀をしている。
「どういうわけか、あいつが統制派[Toseiha]に取り入ったのを見ても驚かないな」
ノボルはサブローが日本の総理である東條英樹の前に立っている写真を調べた。統制派という名は、超国家主義の皇道派[Kodoha]が嘲りを込めてつけたあだ名であるが、確かに皇道派よりは穏健であったものの、それでも、終戦間際の日本にとって非現実的な目標に頑固にしがみついているグループだった。天皇の切なる求めに対して東條首相は連合国への無条件降伏を拒み、その結果として、2つの地域に原子爆弾による大量虐殺につながったと噂されていた。今となっては、連合軍の要求を完全に受諾することは必然で、受諾自体は単なる形式的手続きになっていた。
「軍部の残虐な性質がサブローのサディスティックな性格に訴えるものがあったのだろう」 とノボルは考えを述べた。
「見たところ、彼は両陣営を手玉に取ってきたようです。そして、様々なザイバツ[zaibatsu]とコネクションを持つことで、かなり裕福な生活をしてきています」 とゲンゾウは言い、少し間を置いた。「……長崎と広島にいる部下たちからは、依然として音信を受けていません。仮に生存しているにしても、今頃は……」
ゲンゾウはノボルの顔に浮かぶ険しい表情を見て、言葉を濁した。
「あんなにたくさん……」
ノボルは信じられない様子で呟いた。彼の配下のおおよそ50名が爆心地にいた。中には、300年以上も彼の元に付き従ってきた者もいた。
「良い仕事だ、ゲンゾウ。今後も引き続き状況を私に伝えてくれ」
「もうひとつ、お伝えすべきことがあります」
「ナニ[Nani]?」
ゲンゾウはためらいがちに伝えた。「私どもが見出した情報は、爆撃の前のものです。今の日本の混沌とした状況では、いま彼がどこにいるか、探し出すのはかなり困難になっております」
ノボルは疲れた様子で頷き、「分かっている。できる限りのことをしてくれ」とだけ言った。
「はっ!」 ゲンゾウはお辞儀をし、部屋を出た。
ノボルはラジオをつけた。ニュース報道の最後の部分が流れていた。
「……本日、連合軍に無条件降伏する文書への署名がなされました。東條総理と軍部の上層部のメンバーは、戦争犯罪の罪で裁判にかけられることになっております。降伏文書には、今後、同様の暴虐が起きることを防ぐために、日本国は軍隊を持つ権利を持たないことになると記されております。また、戦時期に日本が植民地にした地域を独立させることも記されております。それらの地域の中でもとりわけ韓国は、日本によって、占領され……」
ノボルは両手で頭を抱えるようにしてうずくまった。この戦争によって死んだ忠実な部下や、親しい友人たちのために涙を流した。
「みんな、ゴメン[Gomen]…。こんな形よりも、もっと名誉ある死に方をすべき人たちだったのに。戦い返す機会すらなく死ぬことになるとは……」
涙が枯れた後、ノボルは椅子に戻り、目の前の海を眺めた。太平洋の穏やかな波の上、月が輝いていた。その光景は、弟に攻撃した後、牢獄を抜け出た夜のことを彼に思い出させた。
「…ジ・エウン…。とうとう終わったよ。私たちが貪欲なあまり、自分たち自身も崩壊してしまった。そして、その過程で、君たち朝鮮の人々に自由になる手段を与えた。これからは、私たちの手で君たちの威厳を貶されることはなくなるだろう。この知らせで、君が心穏やかになってくれるといいと祈る。今でも毎日、私は君のことを思っているんだ」
ノボルは深呼吸をして自分を落ち着かせ、再びゲンゾウを部屋に呼びよせた。
「サブローは私たちの居場所を知っている以上、この状況を変えるべき時が来たと考える。別の待ちに移動できるよう必要な準備をしてくれ。完全に信頼のおける者たちにだけ、詳細を教えるよう、注意してくれ」
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統制派:東條が属していた日本の政党で、ナチの率いるドイツを社会主義のモデルとして称賛していた。
皇道派:統制派と力を競っていた日本の政党で、その政策は、はるかに過激で熱狂的なほどナショナリスティックであった。
歴史についてのメモ:東條は複数の戦争犯罪で裁判を受け、死刑の判決を受けた。彼は、残虐性については自分だけが責任があると主張した。だが、彼は、国民には天皇裕仁には罪がないように見える状態であることを望んだ政府によって、そのような主張をするよう求められたのではないかとする推測がある。