 053 僕はシシーじゃない。ただ、僕の妻が、僕が可愛い格好をしているのが好きだから。 僕は、自分は良い夫だと思えると気分がいい。よく気をきかすし、話しも聞いてあげる。妻が幸せな気分になれるよう最善を尽くそうとしている。でも、時々、どこかで一線を惹かなくちゃいけないかもしれないと思っている。何と言うか、妻が、僕は体毛を剃るべきと言い張っても、特段、僕は気にしなかったし、ベジタリアンになるべきと言われた時も、そんなの簡単だと思った。一緒にジム(ちなみに、そのジムは女性向けのジム)に行って、一緒にストリッパー風のエアロビを練習しようと言われた時も、言われるがままになった。妻が僕に女性用の下着を買い始めた時も、文句は言わなかった(どう見ても、女性のパンティにしか見えなかったのだが)。でも、今度は、他の男と3人プレーをしましょうと言っているんだけど、これは……。  054 僕はシシーじゃない。ただ、僕はものすごく負けず嫌いなだけ。 他の人が僕について知っていることをひとつだけ挙げるとしたら、僕が間違いなく、とても負けず嫌いだということを挙げるだろう。どうしても人に負けるのが嫌なのだ。そんなのバカバカしいというのは知っている。誰でもいつかは負けなければならないものだから。でも、僕はできる限り、どんなことに関しても勝利を収めるつもりだ。その競争が何であろうと関係ない。 そして、まさにその点から、僕の今の苦境が生じたのだ。彼女が選らんだ仕事はダンス。だけど、何度もその仕事から解雇された後、彼女は僕に言ったのだった。あたしがすることは、あなたには絶対にできっこないわと。僕は、さっき言った通りの人間なので、その発言に反論した。それからいろいろあったけれど、短くまとめると、僕たちは賭けをしたのである。条件は次の通り。僕は(彼女の指導の元)2年以内に、業界で通用するダンサーになるということ。いたって簡単でしょ? ああ簡単だと、僕も思った。でも、簡単だと思ったのは、僕が女性のダンサーになることだと彼女が明示した時まで。もちろん、僕は反論したけど、彼女は、僕を操る方法をよく知っていた。「できないなら、そう言えばいいのに」と、一言。僕は彼女に簡単に操られてしまう。 最初の半年は、ほぼすべて、僕の身体の改造に費やされた。資金はすべて彼女が出してくれた。電気脱毛とか、手術とか……。何かに僕が反対するたび、彼女は同じことを言った。……できなくても、あたしは理解できるから、構わないのよ、と。 まあ、この姿が、賭けをして2年後の僕の姿。初めてのリサイタルに向けてタイツを履いているところ。僕はちゃんと彼女の賭けに勝ったよね?  055 あたしはシシーじゃない。ただ、仲間外れになりたくないだけ。 そうしたかったわけじゃない。本当は。みんなに人気がある女の子たちが、あたしを仲間に入れてくれた時、あたしは、自分も彼女たちが行うことが好きなフリをした。お化粧とか、服とか、男の子に興味があるような振舞いをした。でも、ここまでになるとは、思ってもみなかった。あたしは、男性性の外見をすべて、こんなに捨て去ってしまうことになるとは、100万年かかっても考えなかったはず。大学に通ってる今ですら、あたしは完全に女の子として生活してる。女の子として充分通るのは自覚している。もちろん、デート相手は男子。そういうことを期待されているから。結局、今は、女の子のひとりなのだから。たとえ、今から、元の男子に戻ろうと勇気を奮い起せたとしても、あたしは、もう今の状態をやめられないと思う……  056 僕はシシーなんかじゃない。ただ、ちょっとギャンブルの問題を抱えていただけ。 ええ、この通り僕は女性化されてしまった。豊胸手術を受けたし、女性ホルモンを取っているし、体毛もすべて剃られている。今や小さくなったペニスは何の役にも立っていないし、定期的に男にアナルを犯されている。フェラをする時の喉の拒否反応も克服できていて、かなり大きなおちんちんでもディープ・スロートできるようになっている。でも、僕はゲイではない。シシーでもない。僕はこんなことすべて、自分から欲してはいなかった。 始まりは、ある賭けをしたことだった。何についての賭けだったか、今は思い出すことすらできない。ただ、もし賭けに負けたら(実際そうなったのだけど)、僕はハロウィーンで女装しなければならないということだった。その後、また僕は賭けに負けた。その結果、僕は体毛を剃らなければならなかった。さらに、もうひとつ賭けに負け、僕は1年間、お化粧をしなければならなくなった。さらに、さらに、もう一回、賭けに負け、僕は同じ1年、パンティを履かなければならなくなった。そんなこんなが、その後もいくつも続いた。 賭けに負けたら、1年間、友だちのガールフレンドになるという賭けの時も、僕は大したことじゃないと思っていた。 でも、まだ希望はある。今度のスーパーボールの賭けで勝ったら、僕は彼と(毎晩ではなく)週に1回セックスをすればよいという賭けなのだ。でも、もし負けたら……まあ、それについては考えないことにしよう。だって、今度の賭けについては本当に勝てる気がしてるんだ!  057 彼女は僕のことをとても愛してくれている。僕のルックスを改善するためにとても多くの時間を使ってくれてた。始まりは2年くらい前。彼女が外国に留学して戻ってきた後から。彼女は、外国の生活がどれだけ素晴らしかったか、向こうの男たちがファッションの点でこちらよりどれだけ進んでいるか、たくさん話しを持って戻ってきた。そして、彼女は、時間をかけて、僕もその先進ファッションを試してみるよう、僕を説得した。 体毛を剃るのは大したことじゃなかった。僕はそもそも毛深い方じゃなかったし、体毛についても、特にこだわりがあるわけじゃなかったから。その次に来たのは髪の毛……最初は抗議したけど、最終的に僕は彼女に説得されて、髪の毛を伸ばした。その方がよく似合うと彼女が言うから。それが済むと、今度は新しいタイプのエクササイズに僕を引きずりこんだ。大半はエアロビとヨガ。そして、それから、彼女が「ヨーロッパの食事」と呼んでるモノを食べるようになった……たいてい、普通のサラダだったけど。 そして最後に、彼女は「あなたの服装を変える準備ができたようね」と言った。彼女が用意した服装の大半は、僕の目にはとても女性的なものに見えた。でも、それを言っても、彼女は、ただ鼻で笑うだけだった。「まさにそこが重要な点なのよ」と彼女は言った。「ヨーロッパの男性は、自分の男性性に充分自信をもっているの。だから、たかが女っぽい服を着たって、全然、構わない。それだけ自信があるのよ」と。 そして、いま。僕の変身を始めてから2年が経った。いま僕は素っ裸で日光浴をしても平気だ。ヨーロッパのヌード・ビーチのようにね。すごいと思う? この写真が今の僕。トレ・シック(とてもシックでしょ?) 今は彼女は、僕にもっと健康的になるべきと言っている。この前も僕にビタミン剤を買って来てくれた。僕はそれを飲み始めている。 あっ、あと、それから僕たちの性生活。これはちょっと変化を帯びてきてる。彼女は、今度、彼女の友だちを混ぜて3人プレーをしてみようと言っている。彼女がヨーロッパで知り合った人らしいけど。  058 僕はシシーなんかじゃない。ただ、お酒を飲みすぎただけ。 ちょっと、これって誰にでも起きる可能性があることだよね? つまり、誰でも、ちょっと度が過ぎたために、後悔することをしてしまうことだということ。まあ、僕も……初めから話すことにするよ。 元々、僕はちょっと女性的な体形をしていた。腰が広くて、丸いお尻……わかるだろ? それに顔も、男らしいというわけじゃなかった。もちろん友だちもそれに気づいていて、学校時代は、ちょっとからかわれていた。深刻なモノじゃなくって。ただの男同士でのからかい。 で、大学時代のある夜、僕はすごく酔っぱらってしまったのだった。そして……まあ、ちょっとあることをしてしまったようなのだ。女子たちが自分たちの服を僕に着せて、そして……まあ、長い話しを手短に話すと、朝になって目が覚めたら、お尻が痛くて、それに顔に乾いた精液がついていた。だからと言って、僕がシシーだと言うことにはならないよね? そんなの関係ないよね?  059 彼はスゴイ天才。彼の勃起をしゃぶりながら、彼を見上げるたび、あたしは正しい選択をしたんだって思う。 以前のあたしは、すごく変な男だった。太ってて、人気がなくて、恥ずかしがり屋。でも、彼にはずっと夢中でいたの。彼の最初の詩集を読んだ瞬間、彼に会わなくちゃと思った。大学も、彼が教えている大学に進んで、彼の授業を受けたわ。 でも、彼と会話をしようとした時、彼、あたしのことを無視した。それには落ち込んだわ。あたしのアイドルと思っていた人があたしのことを完全に無視した、って。ちょうどその頃、彼が、クラスの女の子たちについては、あたしと全然違った扱いをしているのに気がついたの。あたしのような、背が低くて、肥満で、ほとんど目立たない男子とは全然違う扱いをしていた。 2ヶ月くらいして、あることがひらめいたの。もしあたしが女の子だったらどうなるだろう、って。彼、あたしに話しかけてくれるかしら? それからほぼ2年(数え切れないほど長時間のエクササイズ、手術、練習)の後、その疑問の答えを得たわ。しっかりとしたイエスって答え。彼、あたしの話しを聞いてくれたけど、それどころじゃなかった。本当にあたしのことを愛してくれてるかもしれない。もちろん、あたしは彼を愛している。今までずっとそうであったように。  060 僕はシシーなんかじゃない。ただホルモンのバランスが悪いだけとお医者さんが言っている。 みんな僕のことを女の子と思うのをヤメテほしい。もちろん、僕は違う。みんな、ちゃんと目が見えていないんじゃないのか? みんなに僕は女の子じゃないと言うと(時々、そのことを証明しなくちゃいけない時もあるんだけど)、今度は、僕は何かシシーみたいなもんだと思うんだ。その状況、想像してみてよ! 確かに、おっぱいがあるよ。大きな点だよ。でも、僕はホルモンのバランスが悪いだけなんだ。前から飲んでる薬は全然、効いていないけど、最後には、効いてくると思ってる。ああ、確かに髪の毛を長くしているよ。でも、最近は、髪を長く伸ばしてる男はたくさんいるだろう? 同じことがお化粧にも当てはまる。あ、パンティは? まあ、これは、とっても可愛いから履いてるんだ。それだけだよ。  061 僕がシシーみたいに見えるって、どういう意味よ? 僕は他の男と同じく普通じゃないか! これが彼。この3年間にわたって変化してきたことに完全に気づいていない彼がここにいる。かつてノーマルだった男が、どうやってこうなってしまったのか? さらに、どうして彼は自分に起きてることを知らないのだろうか? 答えは単純だ……催眠術である。はい、はい! そんなの全部インチキだって皆さんは思っているだろう。これを、このクレイグに言ってみればいい。私は、彼に自分は女性だと思わせようとは思わなかった。……いや、それは簡単すぎるのだ。彼には、依然として自分は男なのだと思っていてほしいのだ。 私は、彼に、男性が乳房を持ったり、パンティやドレス、その他の婦人服を着ることは、完全にノーマルなことだと思わせた。ヘテロセクシュアルな男性が他の男性と寝るのはノーマルなことなのだと思わせた。さらには、彼に女性のように振舞うようにもさせた。その間ずっと、彼は自分がノーマルな男性だと思っている。 どうして? 私にはそれができるからだよ。さて、次は誰かな?
 044 ジェームズは、監禁されていた。覚えている限りでは、ほぼ2年近くも。もっと長かったかもしれない。彼は時間の経過を知る手段がなかったので、はっきりとは分からないのっだった。彼は、捕まって、こんなに長期間、監禁されることになろうとは、思ってもいなかった。だが、実際にそうなってしまったのである。さらに、彼は変えられもした。身体ばかりか、精神も。 かつては、威勢がよく逞しい超エリート・スパイだった彼は、今は女性的なシシーになっている。彼がかつては男だったことを示す証拠は、彼のペニスだけだ。それとて、以前の堂々とした姿は、今はみじんも感じられない。 彼らは彼に非常に多くのことを試みた。催眠術は彼には効かなかった。拷問も無駄だった。だが、女性化を試みた後は…… 彼らは、彼を病院のベッドに半年近く拘束することから始めた。その結果、彼の筋肉が大幅に衰えることになった。体重が87キロから50キロに減った。その間ずっと、多量の女性ホルモンを注入され続けたし、手術も複数回受けさせられた。1年後、彼の身体は以前とはまるで変わっていた。 そして、その後、条件付けが始まった。毎日、彼は男とのセックスを強要された。抵抗しない時に限り、食事を与えられた。拒否すると、飢えに苦しむことになるのである。一方、行為を楽しむような行動を取ると、より良い待遇を提供された。元スパイが口を割るまで半年しかかからなかった。身体の女性化と、絶え間ない心的操作があいまって、拷問では決して成し遂げられないことが実現したのである。 いま彼は大敵のハーレムの一員となっている。彼は幸せなのだろうか? 一応、イエスと言える。だが、彼はいまだに元の人生を思い出すことがある。  045 「ねえ、本当にこれ、紳士用なの?」 「もちろんよ。どうして?」 「分かんないけど、これ、ちょっと僕には女の子っぽい感じで。小さなショーツとか、肩紐もこんな細いし、それにピンク色だし……」 「古臭いこと言わないで、バカね。ピンクを着てる男はいっぱいいるのよ」 「ああ、だけど……」 「それに、それ、とても良く似合ってると思うわ」 「そうかなあ……でも、君が気に入ってるなら……」 チャックの生活は変化していた。急速に変化していた。彼自身でも、それは否定できない。始まりは実に単純なことだった。彼の妻が、彼にちょっと体重を減らしたらとしつこく忠告していたのである。そして、とうとう彼も根負けしたのだった。妻は彼にダイエットをするよう仕向けた(大半は野菜だけの食事)。さらにエアロビ教室にも加わるよう言い張った。最初はちょっと変な感じだった(エアロビ教室には男性は彼だけだったから)。でも、しばらく経つと、彼もエアロビを楽しむようになった。その次に来たのは、衛生面の変化だった。妻のシーラは、毛深い男が嫌いだった。チャックもそれを知っていたが、それでも、シーラが彼の体毛を全部剃ってと言った時には、彼もちょっと驚いた。もちろん、彼は妻の指示に従った。シーラはファッションや最新の流行のことに関しては、最も良いことを知ってるのが普通だったから。その次には、髪の毛を長くしたらと言われた。大したことじゃない、とチャックは思った。そんなに長いわけじゃないし。肩先までの長さだから。シーラにビタミン剤を渡され、飲むように言われた時も、彼は何も考えなかった。そして、その後、今度は衣類が変わり始めたのである。彼のためにと渡された衣類について、シーラは全部、最新流行の服なのよと言ったが、さすがのチャックもちょっと疑い始めた。彼には、全部、婦人物としか見えなかったからである。それに、胸がちょっと膨らんできてもいた。誓ってもいいが、乳房みたいになってきてると思った。いや、たぶん、シーラが言ってるように、もうちょっと運動した方が良いと言うことかもしれない。まあいいや……シーラが気に入ってるなら。重要なのは、その点だけなのだから。  046 ここに写っているのは左から、アンドリュー、スティーブン、そしてポールの3人。もちろん、いま彼らは別の名前で通っている。どうして彼らはこんな姿になってしまったのか……春休みにトップレスでボート遊びをする、パーティ盛り上げガールのような姿に? その話は、男子学生の社交クラブにおける最初の入会の週にさかのぼる。そのような組織の多くでそうであるように、彼らの入会の週も恥辱的なことを山ほどさせられた。最もありふれた儀式のひとつは、女の子のような服装をすると誓約させることである。まあ、たいていの男子学生の場合、それは大したことではない。……どんなに着飾っても、決して女の子には見えっこないからである。だが、この3人の場合は、違った。本当に可愛らしく見えたのであった(女の子として通るには、まだまだではあったが)。 女装をしろと言われた1週間を通して、彼らはみるみる女装の術を上達させていった(女子学生の社交クラブからも手助けを得ていた)。そして、その週が終わるころには、ある程度、女性として通るほどまでなっていた。だが、そこが問題だったのである。そう、その通り。パーティの席で彼らは酔っぱらってしまい、それぞれ、クラブに属する仲間の男子学生とのっぴきならない状況に陥ってしまったのだった。 その2年後へと時間を飛ばそう。3人はそれぞれ自分の女性性を受け入れている。社交クラブのシシー・トリオになるなんて、彼らが成約した時の予定には入っていなかっただろう。だが、そうだとしても、3人は、その後の展開のすべてに満足し、幸せを感じているのである。  047 「はあ? これが彼ってこと? ちょっと信じられないわね。こんな可愛い人が。元は男だったなんて、全然見えない」 「アレックス? ドレスの裾を捲って、こちらの素敵なレディにあなたの元の姿を見せてあげなさい」 「はい、ご主人様。私はアレックス・ロビンソンです。2年前まで男でした」 「あらまあ。それ、前からそんな小さかったの?」 「いや、そうとも言えないけど、でも、近いわね。アレックスはそもそも大きなおちんちんに恵まれていたわけではなかったわ。でも、ホルモンを飲ませてからは、ちょっと小さくなったのは事実」 「でも、どうやって? なんで?」 「訊いてくれて嬉しいわ。高校時代にさかのぼると、アレックスは野球部のスター選手だったの。学校でも一番人気の男子だったわ。高校3年の時、彼、あたしを卒業パーティに誘ってくれたのね。分かると思うけど、あたし、もう有頂天になったの。でも、その興奮が台無しになったのよ。彼ったら、あたしを置き去りにして、友だちと遊びに行っちゃったの。あたし、しばらく落ち込んじゃったわ。自殺しようかとも思ったほど。まあ、結局、立ち直って大学に進んだけどね。大学を出た後、医学系の学校に進んだ。それから間もなく、あたしは整形関係を専門とすることに決めたわ。 そしてすぐに復讐の計画を練り始めたわけ。彼はあたしからたくさん奪い取ったわけだから、あたしも彼から奪い取ろうと思った。男性性を奪って、シシーに変えてやろうと決めたの。 まずは、とてもとても中毒性が強いドラッグにハマるように仕掛けたわ。それは、そんなに難しくはなかった。そうなった後は、彼にドラッグを与える限りは、彼は、あたしが言うことを何でもするようになったわ」 「あなたを怒らせたりしない方が身のためのようね」  048 「何なの?」 とグレッグは聞き返した。少し怒っている。「そこに座ってあたしを見つめているだけ? それともあたしに何か言いたいことがあるんじゃないの? 姉さんのパンティを履いてるから怒ってるんだとしたら……」 彼の姉のアマンダが遮った。「いえ……違うのよ……ただ、こんなふうになるなんて予想していなかったので……」 「何が起こると思っていたの? お姉さんは、あたしがずっと彼に隠れて浮気してたことを告げ口したんでしょ? 彼がどう反応すると思っていたのよ?」 「私……分からないわ」 「あたしがあの奨学金を取れなかったらやっていけないのは、姉さんも知ってるでしょう? それがあたしにどういう意味をもつか知っていたはず。パパもママもいないんだから。あたしは、何もかも自分でしなければならないの。姉さんも、それを分かってよ」 「でも、これって……これはやり過ぎだわ、グレッグ」 「ギャビーよ。あたしの名前は、いまはギャビーなの。あたしのことは心配しないで、姉さん。あたしはもう大きいの。自分のことくらい、自分で世話できるわ」  049 「やだ! パパったら。ノックくらいしてよ!」 とジェイソンは叫んだ。 「お、お前……いったいどうしたんだ……」 ジェイソンの父のロイは唖然として呟いた。 「あら、そんなにメロドラマっぽくならないでよ。パパは気づいていたはずよ。あたし、隠そうとすらしてなかったもの。この何ヶ月か、女の子の服を着ていたことに気づかなかったなんてあり得ないわよね? 確かに、大学に行ってて、実家に戻るのはあんまり頻繁じゃなかったけれど、それでも……」 「パパは、お前が何かの一時的な段階を経ているだけだと思っていたのだが……」 ジェイソンは身体にタオルを巻き、父親の前に立った。「これが一時的なものに見える? あたしの彼女が、こういう姿のあたしの方が好きだと言ってるの。そしてあたしも彼女を愛してる。だから、これが新しいあたしなの。パパも、このあたしに慣れてよね」 そう言い、ジェイソンは浴室から出て、立ち去った。衝撃を受け言葉も出ない父親を後に置いて。  050 トムはクリームのように滑らかな白い脚を広げ、彼の疼くアナルに男性ストリッパーが勃起を押しこむのに合わせて、淫らなヨガリ声をあげた。ストリッパーが彼の首筋にキスをした。トムはパンティがブーツに引っかかっているのを感じている。彼は、横目で、別の男性ストリッパーが彼の妻に似たようなおもてなしをしているのを見た。 こうなった始まりはいつか? トムがそれを知ったのは、すでにもはや覆せない事実となってからだった。それは、いつもの何でもない日だった。その日、彼は、男は女とは違うと、ある種の仕事では、男の方が適してると意見を言ったのである。それが致命的となった。もちろん、彼は別に他意もなく言ったことだったのだが、彼の妻はしっかり記憶したのだった。 今なら彼は分かる。まさにあの日の翌日から彼の妻は彼を女性化し始めたのだと。その翌日から、トムの妻は彼にビタミン剤(実はホルモン剤)を飲ませるようになったし、新しいスタイリッシュな服(極度に女性的な衣類)を彼に買ってくるようになったし、ダイエットとエクササイズを義務付けるようにもなったのである。 トムは、初めて、彼のことを女だと勘違いした男に言い寄られた時、少し当惑した。だが、結局は、そういうことに慣れていった。彼が、男からの注目を期待したり、ある場合には喜んだりするようになるまで、ほぼ1年だった。そして、そうなってからは、あっという間に、彼は女性性を受け入れ、女性になり始めたのだった。 この写真は、彼の(結婚前夜の)女性だけの会で撮られたものである。(そう、その通り。トムは妻と離婚した。その後、彼はハンサムな男性と知り合い、結婚することになったのである)。皮肉なことに、トムの考え方は以前とほとんど変わっていない。彼(いや、たぶん彼女と呼ぶべき)は、伝統を重んじる人間であり、そうであるがゆえに、男女の役割に関する信念は頑強に守り抜いているのである。単に、彼は、以前とは逆の角度から男女の役割を経験しているところなのである。  051 結婚式は完璧だった。ウェディングドレスを着たトミーは素敵だったし、タキシードを着たシンシアは、ハリウッドの男優に負けぬほどハンサムだった。 そして、新婚初夜もこれ以上ないほど素晴らしかった。シンシアはストラップオンを装着し、彼女の新しい花嫁の身体をほしいままにした。 そして新婚旅行にでたふたりだったが、これもまた最高だった。ふたりはヌード・ビーチに行くことに決めた。最初の何分かは、躊躇いがちなふたりだったが、その後、ふたりとも解放的になり、素裸でいることを楽しみ始めた。回りの誰もが裸であることによる当り前さと、興奮と、エッチな気持ち。それがすべて同時に感じることができた。トミーはビキニを着た場合の水着の跡を気にしなくてもよいことが特に気に入った。 夕闇が近づいてきて、ふたりは、この後に待っている夜のことを思った。また今夜も素晴らしいセックスがふたりを待っているのである。  052 僕はシシーじゃない。ただ、今の仕事を失うわけにはいかないだけ…… クレイグは就職するのに必死だった。どんな仕事でも文句はなかった。仕事が必要だったのである。だが、彼は元々、小さな体格だったので、肉体労働には向いていなかった。それに、彼はアピールできるようなスキルもまったくなかった。それゆえ、何らかの仕事を得るのは簡単ではなかった。 とうとう、失業状態で何ヶ月も過ぎた頃、彼の姉が、彼女の職場で求職があることを彼に教えた。後から分かったことだが、その仕事は事務管理のアシスタントだった…… クレイグは応募することに決めた。面接の順番を待っている時、他の応募者がすべて女性だったのを見て、ちょっと恥ずかしかった。ともあれ、彼は、何とかなるさと、気にしないことにした。 面接は良い具合に進み、彼の姉が彼について良い評価を吹き込んでくれた。二日後、彼は職を得た。会社の秘書に対する服装規定を知っていた彼の姉は、就職が決まったその翌日に、彼をショッピングに連れ出した。クレイグは、姉が選んだ服を見て、ちょっといぶかしげに思った。……とても女性的な服に見えたから。でも、彼の姉は何が一番良いか知っているし、彼は心からその仕事に就きたかった。 勤務初日はへとへとに疲れた。だが、多くのことを学んだ。何人か友だちもできた。時を経るにつれて、彼は、自分が男だろうがそうでなかろうが、自分が他の秘書たちと同じように振舞い、同じような服装をするよう期待されていると悟った。それが意味することはというと、スカートを履き、ドレスを着て、ハイヒールを履き、お化粧をすることなのである。彼は女性ホルモンも摂取し始めた。 そして、いつしか彼は、時々、上司のストレスの解消をお手伝いしてるのだった……だが、ともあれ、彼は仕事を得ているのである。
 030 ここにいるふたりの可愛いエロ娘は警官だった。ともあれ、このふたりの正体を知った時、俺は、どうやってこいつらに償いをさせるか、長くそして真剣に考えなければならなかった。このふたりは俺たちの仲間だと偽って、組織に潜入した。だが、その間ずっと俺たちを裏切ることを計画していたのだ。それを思いだしながら、俺は、こいつらの行為にふさわしい仕置きを練り始めた。 おっと、その前に、このふたりは婦人警官ではなかったことをバラしておこう。れっきとした男だったのだ。この角度からだと、ふたりの小さなちんぽは見えないだろうが、実際にはちゃんとついている。もっとも、今は役立たずになっているが。 どうやってふたりをこんなに従順にさせたか? まあ、このふたりには家族があった。右側のベンには妻と娘がひとり、左側のトニーには妹と従妹がいた。俺は、ふたりに、協力しなければ、お前たちが大切に思ってるすべての人が「消え去る」ことになるだろうと言っただけだ。その様子が生で見られるように、お前たちは生かしておく、とな。 何十万ドルもかかったが、豊胸手術とホルモン治療の結果、ふたりは完璧に女性化した。ふたりをパーティに連れて行き、ちょっとした見世物をさせるのが俺の好みだ……毎回、それを観る者たちの行列ができている。  031 変な感じだ。オレはこれをしながら、ちゃんと自分で何をやっているか自覚していた。ゆっくりとだが、確実に、オレはオレのルームメイトを女性化していた。ちゃんと自覚していた。それがオレの目標だったからな。そんなことをする理由も自覚していた。彼はオレの親友で、オレは彼が好きだったのだ。心の奥では、彼の方もオレのことを愛してくれていると思っていた。……だが、ロマンティックな関係とは違う。彼が女の子だったら、あるいは、女の子に近い存在だったら、オレのそばに近寄ってきて、オレを愛してくれるだろうと思っていた。実際、女性化は、それほど難しいことじゃなかった。ちょっと(いや、たくさんか)催眠術をかけたら、後の大半は彼が自分でやったようなものだ。自分からホルモンを取り始めたし、自分から女物の服を着始めた。それらすべて、彼には自然なことのように思えている様子だった。 だが今は……今は、オレは自分で分からなくなっている。オレの手で作り上げたこの生き物を見ているところだが、今の今まで……今になって初めて、彼がとてつもなく女性化していたことにオレは気づいたのだ。オレは、彼がちょっとだけ女性的になったら、オレが彼を思っているように、彼の方もオレのことを思ってくれるんじゃないかと、そう自分に言い聞かせ続けたのだ。 多分、オレは間違ってしまったのかもしれない。多分、愛しあう状態になることは、常に一歩先にあり、永遠に手が届かないのかもしれない。彼とオレの間に立ちふさがっているのは、ジェンダーの問題じゃないのかもしれない。そうじゃなくて、単に、オレと彼は結ばれる関係にはないということなのかも。 愛する彼を元に戻したいと思ったら、人はオレのことを極悪人と思うだろうか? ひょっとすると、本当にオレは極悪人なのかもしれない。時々、その冷酷な可能性がオレの頭をよぎり、どうしようもなくなる。  032 恥ずかしがらないで。ここでスカートをめくりあげるの。お姉さんも手伝ってあげるから。あんたがここまでやるとは信じられないわ…… あんたは、あたしたちのパジャマパーティにまざりたかったみたいだったじゃない? だから、まぜてあげたわ。あんた、あたしたちの真実か挑戦か(参考)のゲームに加わりたいと言うから、まぜてあげた。あんたの番が来た時、あんたは挑戦を選んだわね。あたしたちは、あんたに女の子の服装をするように命令。そしたら、あんた、その通りにしたじゃない! その次にあんたの番が来た時、あんた、また挑戦を選んだ。……ところでさあ、真実を選んでいたら、あたしたち、どんな質問をしたと思う? まあ、それはどうでもいいけど。でも、あんたがその挑戦を受けて、本当に実行するつもりになっるなんて、あたしたちの誰も考えていなかったわよ。女の子の服装で公の場に出かける……しかもパンティを履かずに……。そしてスカートをめくりあげて周りの人にあんたのちっちゃなアレを見せる。それを本当にヤルつもりになるなんて! でも、これだけ女の子っぽくあんたがなったところを見ると、お姉さんもちょっと不思議に思ってきたわ。あんた、これ、やったことがあるんじゃない? あんた、最初から、こうなることを計画していたんじゃないの?  033 毎年、何千人もの男子が大学に進む。そして、男子学生の社交クラブに入って、一生続く人脈を作りたいと思っている。大きなパーティが楽しみで社交クラブに加わる者や、自由奔放で他人に自慢できるルックスの女子学生と知り合いになるのが楽しみで加わる者、新しい友達を得る目的で加わる者も多い。そして、そういう男子学生の大半は、まさにその目的の通りのものを得る。こういう学生は、事実上、ステレオタイプの学生生活を送っていると言ってよい。 だが、社交クラブに加わっても、期待したこととはまったく異なることになる男子学生も多いのである。確かにパーティはたくさんある。他人に自慢できるような女子学生たちもいる。それに、人脈ができるのも確実だ……ただ、彼らが思い描いていたような種類ではない。 どんなふうに始まったか、はっきり知っている人は誰もいないが、社交クラブでシシーが確実に勢力を伸ばしてきているというトレンドを意識することが多くなってきた。アメリカの学生社交クラブで、シシーがいないクラブはほとんどない。そのようなシシーの男子学生は、クラブ加入をどうしても切り捨てられなくて、メンバーになるためなら何でもするような非公認会員の学生である。普通、彼らは、女性的な特徴を有した小柄な体格をしており、社交クラブの他の男子学生たちに性的に身体を使われることになる。 彼らシシーの学生たちは、他の男子学生のオモチャになることに同意する時、自分たちがどんな世界に入ることになるのか分かっていないのが大半だ。彼らは、女性ホルモンの注入や手術を受けさせられ、始終、可能な限り女性的であるように求められる。社交クラブの会場内では、衣類を着ることすら許されない者もいる。 そして、パーティ……まあ、彼らシシーはクラブの他の男子学生の快楽のために存在しているようなものだから、当然、ありとあらゆる変態的で屈辱的な行為に晒されることになる。パーティに来ているメンバー全員が見ている前で(男子学生であれ、女の子であれ、他のシシーであれ)誰かとセックスするシシーを目にすることも珍しくはない。 あるシシーが言った。 「僕は自分より大きなモノに加わりたかっただけなんだ。もし、それが、口とかアナルに一発、撃ち込まれることを意味するとしても、それはそれで構わない。ここで得られるビジネス上の人脈は、将来的に、充分見合ったものになるだろうから」 このようなシシーが広範に出現したことを受けて、政府は、他人より有利になるためだけとはいえ、屈辱的なことに屈する必要はないことを知らせるキャンペーンを開始することになった。このキャンペーンはまだ名前がないが、そんなことは税金の無駄使いだと感じている人も多い。  034 右「この写真、見せちゃいましょう! あたしたち、ふたりともシシーよって書き添えて……どうってことないわ」 左「分かるわ、あたしたちのパパがこの写真を見たら、その言葉を真に受けるわよ」 右「パパたち、あたしたちが女子学生の社交クラブに加入したら、それによってあたしたちが変わってしまうみたいな感じだったものね」 左「そうよねえ。あたしは前と同じ、男なのにね。それに、あたしたち、今は人気抜群になっているのよ」 右「あたし、これまで一度もこんな人気者になったことなかったわ。でも今は、どの男子学生もあたしと付き合いたがってる。ところで、あんたのおっぱい、だんだん良くなってきてるじゃない」 左「ありがと! まだあなたのほどいい感じになっていないけど、もう2ヶ月くらい待っててね。その頃には、あたしたち、すべての最高クラスのパーティに招待を受けることになるわ」 右「そうね。それに、そういうパーティはすごくワイルドになるから。上手に押し込められてる。このやり方を教えてくれた女の子たちに感謝してるの……これだとパンティ姿もずっと良く見える」 左「ええ。あたしのちっちゃなアレも見えないもの。彼女たち、本当に協力的だったわ。あたしたちに、こういう新しいトレンドを教えてくれたんですもの」  035 「ねえ、これって本当に男性用の水着? ちょっと女性的に見えるけど」とサミーが訊いた。 「もちろん男性用よ」とタニヤが答えた。「それを買う時、あたしと一緒だったじゃない? それ、紳士服の売り場に置いてあったわ」 「ええ……でも、君が僕を連れて行ってくれたあの店……どの紳士服も婦人服のようだったなあ。男性向けに売られてるスカートとかドレスとかがあったし」 「もちろん、あのスカートとかはそういうものとして売られてたのよ。アレが、男性ファッションの未来の姿。あなたは流行に乗っていたいでしょ? そうじゃないなら、あのみっともないトランクスの水着に戻ってもいいけど。あなたが望むなら……」 「いや、僕はこの水着が気に入ってるんだ。ただ、人に、僕が何かシシーみたいな人だと思われたくないだけ」 「あら、あなた、誰もそんなこと思わないわ。可愛い男が可愛い水着を着てると、そうとしか見ないって。さあ、そろそろ、その可愛いお尻を車に乗せて」とタニヤは彼のお尻をふざけまじりに叩いた。 サミーはにっこり微笑んだ。「それとも、ストラップオンを出して、ビーチのことは忘れるっていうのは?」  036 あなたは可愛くなるのが好き。あなたは胸があるのが好き。初めはあなたが決めたことじゃないかもしれない。でもあなたは今の姿が大好きになっている。 恥ずかしがらないで。 世界にはあなたと同じような男の子が何百万人といるの。あなたはひとりじゃない。自分の姿を隠そうとしないで。 『シシー・アンド・プラウド』社  037 本当に嬉しい気持ちになったのは何年ぶりかしら。 見ての通り、あたしはとうとう彼を崩壊させた。ようやく、彼を四つん這いにさせて、パンティを降ろさせ、そしてお尻におちんちんを咥えこませてる。そうよ。あなたは読み間違えをしてないわ。彼なの。名前はジェームズ。彼にデートに誘われたのは一度だけ。でもそれであたしの人生は永遠に変わったの。ディナーの時、彼、あたしの飲み物に何かを入れたのよ。そして……まあ、その後の話しは分かるわよね。手短に話せば、あたしが訴えても、警察は何もしなかったわ。ただ、充分な証拠がないとそれしか言わなかった。ジェームズはその場で自由の身に……でも、自由になれたのは少しの間だけだけどね。 あたしは、ほぼ2年間、ぼろぼろ状態だった。あたしが悪かったのかどうか、そもそも、本当に起きた出来事だったのかと自分に問い続けたわ。結局、あたしはセラピストのとことに行った。その女性セラピストはあたしに催眠術をかけて、事実を明らかにしてくれた。つまり、あたしは本当にレ○プされていたという事実。すぐに計画ができたわけじゃない。そのセラピーから計画を立て、とうとう、実行に移すまで、ほぼ1年かかった。最終的に、あたしはジェームズに同じ目に合わせることに決めたの。 まずは、催眠術について、できる限りの知識を得た。サブリミナルのメッセージとか催眠による誘導とか……その手のこと全部。そして、お楽しみの開始。 ジェームズのアパートに忍び込んで、彼のiPodを盗んだ。それに、歌をたくさん入れた。全部、同じ催眠誘導メッセージをともなった歌。あなたは女性的になりたい、女の子のように生活したい、男に抱かれたいと、そういうセリフを吹き込んだ。 その催眠が効力を発揮するまでほぼ7カ月かかった。始まりは、彼が髪を伸ばし始めたこと。そのゆっくり、ほぼ1年半かけて、彼はシシーに変身していった。長い髪。女性服。脱毛。お化粧。成果がでてきた。そうなってから、あたしは彼と再び付き合い始め、ホルモンや顔の手術をうけるように導いた。ただの催眠術では到達できないようなレベルに彼を押し上げたわけ。 そして、今のコレ……彼が生れて初めて本物の男性に犯されるのを手伝っている。明日、あたしがしたことを彼に話すつもり。だって、今のこの瞬間の彼は、喜びすぎてるから。あたしは、彼に、この姿になることを望むようにしたいのだけど、同時に、この姿を悔やむようにもさせたいから。  038 アーロン・ターナーとフランク・ターナーは兄弟で、それぞれ18歳と19歳の時までに、自分の力で百万長者になった。ふたりには何でもある。カネもオンナも権力も。ふたりがそんなカネを得たやり方に関してはかなり手厳しい批判があり、ふたりがさんざん批判されたのは確かだ。だが、ふたりは適当な理屈をつけて自己満足していた。分かると思うが、このふたり、最悪のタイプの強欲主義者なのだ。ふたりは、若く、見栄えのいい(そして普通は酔った)女を利用し、その女が(というか少女にちかいのだが)カメラの前で裸になるビデオを作ったのである。実際、それは、そう難しいことではなかった。単に、パーティを開いて、アルコールをたくさん用意すれば、女の子たちは集まったのである。そして、その女の子たちが酔っぱらうと、服を脱がせていく。それらすべて、ほぼ2年間、完璧に問題なく進行した。 だが、2年たったころ、ターナー兄弟が、女の子が18歳以下と知りながらビデオに撮ったということが暴露されたのだった。ふたりは逮捕され、即刻、裁判にかけられた。もちろん、陪審員はふたりを有罪とし、3年の拘置と判決した。ふたりが不当に稼いだ財産は政府に没収された。 広く知られていることではないが、このような犯罪は、刑務所では決して好意的に見られない。加えて、この若者たちが、女性的な、ほとんど可愛いと言ってよい外見をしていたこともあいまって、ふたりはすぐに、より逞しく、より男性的な囚人たちの相手をするムショ男娼になったのだった。ふたりが釈放された時、彼らは入所した時の若者とはほとんど認識できない姿に変わっていた。入所期間のほぼ全期間を通して女性ホルモンを注入され続け、その効果がはっきり出ていたのである。胸が膨らみ、腰が広がり、お尻も丸くなっていた。そればかりではない。精神的にもふたりは以前とは変わっていた。誰であろうが、毎日欠かすことなくアナルにペニスを入れられ続けて、心が変化しないことなどありえないものだ。ふたりは、入所の間に、徐々に、その行為を喜ぶようになっていたのである。 ふたりは釈放されたものの、何をしてよいか途方に暮れた。無一文の前科者など、容易に人生をやり直せる可能性は少ない。だが、ふたりにはそのカラダがあった。ふたりとも、男たちがどんなことを好むかよく知っていた。そんなわけで、ふたりはそのカラダを使うことに決めたのである。 結局、ふたりは何をすることになったのか? まあ、皆さんも、インターネットで「パーティー」を映した動画を観たことがないだろうか? わずかな衣類しか身にまとっていない酔った女性たちが素っ裸になるような動画だが、どうだろうか? たいてい、そういう動画では、女性たちは最後にクラブの中で男たちに犯されることになる。そういう動画で、女性ふたりが出ていて、その脚の間に小さな役立たずのペニスがついているのを観たことがないだろうか?……まあ、もし、皆さんがそのような動画を見たことがあるとしたら、あなたはターナー兄弟がお仕事をしているところを観たのだなと考えてよい。  039 「ちょっとこいつを見てみろよ。俺たちがこいつを変え始める前から、俺には分かってたんだ。こいつはシシーだってな」 アレンはビデオを見ながら、そう言った。 「それに考えてみろよ。この可愛いエロ娘、昔はうちの二塁手だったんだぜ」 そう言って彼は信じられないと言わんばかりに頭を振った。 「ああ、ハロウィーンの時から、こいつ、ずいぶん変わったもんだよな。えぇ?」 とピートが言った。「何と言うか、当時から、見栄えは良かったが、今は……」 「ああ、その通り。あん時、こいつチアリーダーの仮装をしたんだが、そこにいた男たちの半分は、こいつが女じゃないって分からなかったもんな。そして、こいつが酔っぱらって、あの男とやり始めた時……そう言えば、あの男、何て名前だったっけ?」 「カート」 「そうだ、あいつだ……アレを観た瞬間、俺たちは何をすべきか、俺にははっきり分かったんだ」 ピートがアレンの方に顔を向けた。「じゃあ、今は? こいつを完全に女に変えた今は、俺たちこいつに何をするんだ?」 アレンは肩をすくめた。「いい質問だ」  040 女性化した男の子にとって、生れて初めての男とのセックスは輝かしい出来事である。実際の身体的変化ではなく、まさにこの体験こそが、ほとんど残っていないかもしれないわずかな男性性から彼を解き放つ出来事である。そう考える専門家が多い。 最初は痛みがある。彼をアナルセックスに馴染ませようと、様々なディルドやオモチャで慣らしてからするのを好む男もいるだろう。だが、私は、生れて初めての挿入の痛みは、アナルの処女を生身の男に捧げる時の必然的な痛みと一緒に体験すべきだと思っている。たいていの男の子は、この痛みはあまりにキツク、耐えがたいと感じるものだ。 だが、その後に快感がやってくる。これこそ、女性化したばかりの男の子にとって、最も「ちくしょう!」と感じる瞬間なのだ。彼は、自分は気持ちよくなるべきじゃないと知っている。もっと言えば、感じてしまうことを恥ずべきことと考えている。なのに、心の中では、もっと欲しいと思ってしまうのだ。快感に屈服してしまう瞬間なのである。そして、彼が理性に負けて、それをして欲しいと思うようになれば、あなたは勝ちを収めたと言ってよい。彼がそれをして欲しくてたまらないと感じるようになったら、あなたは、彼から本当の意味で男性性をはく奪できたと言ってよい。そして、彼が他の方法でのセックスなどありえないと思うようになったら、あなたは、彼の女性化は完了し、彼に女性としての新しい人生を歩ませることができたと言ってよい。  041 あなたは、こんなことをしてはダメ 高校時代、ダレンは何でも思いのままだった。みんなの人気を集め、成績もよく、非常に有能な野球選手だった。もっと言えば、その才能ゆえに、少なからぬメジャーリーグの球団からスカウトされてもいたのである。 しかし、よくあることではあるが、彼は積み重なるプレッシャーに負けて、ステロイドの誘惑に屈してしまったのだ。彼の思惑では、ミラクル・ドラッグを飲めば、高校卒業と同時にドラフトしてもらえると。そうしたら、カネは溢れるほど手に入るだろうと。 まあ、確かにクスリの効果はあった。彼はドラフトされた。だが、プロのスポーツリーグには必ずステロイドの検査があるのだとは、誰も彼に教えていなかったのだった。彼は1年近くステロイドを使い続けていたので、検査結果に疑いの余地はなかった。彼は1年間、採用停止になったのだった。 この写真は、その1年後の彼の姿である。ステロイドを服用していた時、その服用していたステロイドのせいで、彼の肉体は、過剰なテストステロンを分泌することを強いられたのである。やがて、時間と共に、彼の肉体は、みずからテストステロンを分泌するのを止めてしまったのだった。彼がステロイドの服用を止めても、彼の身体は、非常に大切なホルモンを再度、分泌し始めることはなかった。その代わり、彼の身体はエストロゲンを分泌し始めたのである。思春期のたいていの女性の肉体が分泌するのと、ほぼ同量のエストロゲンだった。 そのことが彼の身体にもたらした効果は、極めて大きかった。彼はそもそも身体が非常に大きかったわけではない(まさに、それゆえに彼はステロイドの服用を始めたのである)。だが、そんな小柄な身体であるにも関わらず、筋肉自体が劇的に縮小してしまったのだった。その後、彼は女性として生活を始めた。それゆえ、変な目で見られることはない。 今の彼にプロ野球をプレーしてほしがる人がいると思うだろうか?  042 小さなことが重要 パンティのことはどうでもいいの。髪の毛やお化粧も気にしなくていい。ホルモンの効果すら、よいモノサシとは言えないわ。違うの。あなたの彼が充分に、そして本当に女の子になる道を進んでいることが分かるのは、彼が小便をするとき、無意識的に、便座に座ったら。  043 カレンへ。 この手紙を書いているのは、あんたの催眠関係のあれこれはゴミ屑だということを知らせるため。あたし、前にも、そう言ったわよね? あたしが、その生き証人。 ええ、あたし、1年くらい前にあんたの小さなCDを盗んだわ。あれ、どこに行ったんだろうって思ってるんじゃない? まあ、謎が解けたってわけね。あのCDを丸1週間、聞き続けた。あんたが間違ってると証明するためにね。でも、あたし、諦めた。何も悪い効果が出なかったから。あたしは、依然として、前のあたしでしょ? そうそう、あんたは仮説を立てていたわね。普通のヘテロの男をシシーに変えることができるって。普通の男に催眠術をかけて、自分から積極的に女性的で女の子っぽい可愛い存在にどんどん段階を追って変身しているのに、自分自身はすべてがノーマルだと信じ込ませることができるって、あんた、そんなことを考えていたわよね。 はあ? ありえない! そうよ、あたしはあんたの研究成果も盗んだわ。どうしてかって? あんたが高飛車のイヤな女だからよ。あんたはいつも、自分があたしより優れていると思っていた。自分の方が賢いって。はてさて、今はどっちが賢いでしょうか? は? それに、誰もが知ってるわよ。あんたが研究助手の仕事を得られたのは、教授と寝たからだって。 ま、あたしがあたし自身の研究成果を発表して、催眠の力についてのあんたのバカ理論を反証したら、誰もが、どっちが賢いか分かることでしょうね。あたしは、前と変わらずノーマルのままなわけだし、何にも変化がなかったわけ。あたしは依然として、隅からずみまで男のまま。それを証明する写真も同封したわ。 そう。あんたの時代は、もう過去なの。今はあたしの時代。 敬具 あんたの元研究室仲間のジョッシュより
 014 ちゃんと見てくれ。僕はシシーなんかじゃない。ゲイでもない。たまたまアナルをされるのが好きで、それをしてくれる男たちをたくさん惹きつけられるよう、より女性的になることに決めただけだ。何だって? それこそ、僕がシシーでありゲイであることを意味するって? ああ……まあ、そう言うなら。  015 それが何だか分からないけど、ただ、男の中には男になれないようにできてる者もいると思う。例えば、このザック(ザックは、元ガールフレンドふたりが見ている前で、後ろから犯されてる人)。かつて彼は実にマッチョっぽい行動をしていたものだった。ほぼ毎晩、違った女たちと寝て、それについて謝ることもしなかった。彼は男だった……というか、少なくとも、そういうふうに彼は世界から彼のことを見てほしがっていたと言ってよい。 だが、本当に彼は男だったとは思えない。ザックを女性化するのは実に簡単だった。……着服の件で投獄されるかもしれないぞとちょっと脅かしたら、すぐに従順になった。女性化するときも、ほとんど抵抗しようとすらしなかった。俺にフェラをさせた時も、文句すら言わなかった。もっと言えば、彼のアナルを犯した時も、自分から尻を俺に突き上げてきたほどだ。 今やザックは完全にシシーになっている。俺が一言いえば、それだけですぐにパンティを降ろし、尻を突き出してくる。おかしいのは、こいつの元カノたちが、それほど驚いていないことだ。  016 彼らふたりは、本当に長い道をたどってきたと言える。 私と私の親友はずっと前からとても親しくしていた。でも、本当に私たちふたりが運命的といえるほど互いに愛しているかを知ったのは、ふたりともそれぞれ結婚した後だった。結婚して2ヶ月ほど経った後、私たちは全面的なレズビアンの行為を行った。もちろん、私たちふたりとも、それぞれの可哀想な夫をだましてることについて罪悪感を感じた。でも私たちの愛はとても固いものだったので、別れることはふたりとも拒絶したのだった。 しばらく経つと、その罪悪感は積み重なって、とうとう、それぞれの夫に隠しておくことができないところまで来てしまった。ふたりとも夫に話さなければならない……でも、どうやって? とうとうふたりとも夫に告白した。でもどちらの夫も受け入れようとしなかった。私たちに、何度も別れないでくれと懇願してくる。無駄なのに。いくら頼んできても、どうにもならない。彼らは男性だから。そもそも、ジェンダーからして女性が好きな私たちには合わないの。そのことを告げたことは、たぶん間違いだったのかもしれない。でも、まあ……言ってしまったことは仕方がない。 私たちはそれぞれ離婚し、夫の元を離れた。もう二度と会うことはないだろうと思った。でも、それは大きな間違いだった。 1年半ほどした後、ふたりの女性が私たちの玄関先に現れ、元に戻ってほしいと私たちに懇願したのだった。後から分かったことだけど、彼らは、「男である」部分をすべて修復してしまったのだった。手術やホルモンやいろいろ……それこそ、ありとあらゆる手段で。すべて、私たちのためにしたこと。でも、彼らは理解していなかった。私たちが互いに惹かれたのは、単に女性だからというわけではないの。人間として互いに惹かれあったの。 ふたりの元男性は、がっかりした様子で帰って行った(ただ、想像するほど気落ちした感じではなかったけれど)。その半年後、ふたりは自分たち自身で別の関係になっていた。女性化する過程でふたりはかなり親密になっていたのである。ふたりは一緒になったが、それぞれ、非常に女性的な性的欲求を発育させていた。でも、ふたりにとって、そのような欲求を満たすために、逞しい男を見つけるのは、そう難しいことではなかった。まあ、最後にはすべてがうまく行ったと言えるのではないかと思う。  017 未来がどうなるか、そのことは、たいていの人には気づきにくいも。でも、私は、今後どうなるか気づいている。大きな変化の波が襲ってきて、その変化によって、ジェンダー役割についての私たちが思うあらゆる概念がことごとくぬぐい去られることになると思う。ものすごく多くの人々が拒むだろうけど。 何を言ってるのかって? まあ、私を見てみて。そう。その通り。私こそが未来の男性を表している。かつて、私は普通の男だった。それまでの仕事を失い、他の仕事につくことができなかったんだけど、それまでは普通の男だった。当時、さらに悪いことに、私のキャリアが暴落する一方、妻の方は、企業内の出世の階段を急速に登り始めたのだった。すぐにはっきりしたことがあって、それは、私には再就職はほぼ不可能だと言うこと。教育の場では、ずいぶん前から女子の方が男子より平均的に優れている状態が続いていた。そのせいで、女性と競争するとなると私にはとても敵わないことになっていた。能力の点で、女性の方が私より仕事にふさわしいということ。そういうわけで、私は家庭の主夫になった。 それから間もなく、妻は私にどういう服装をすべきか指示するようになった。彼女の方はより男性的に服装をし始めた(彼女が最後に化粧をしたり、スカートを履いたり、ドレスを着たのがいつだったか、記憶にない)。その一方で、妻は、私の服装をますます女性的なものにするよう言い張ったのだった。 いま、私は毎日パンティを履いている。トップもピチピチで、おへそのあたりを露出しているのが普通。妻はスカートまで私に買ってくるようになっている。 そして、私たちの性生活の件も……。詳しいことは言いたくないけど、いまは私はストラップオンのディルドにはずいぶん慣れているとだけは言っておきましょう。 でも、私の言葉を額面通りに受け取って、私に同情するのは間違いよ。私の写真を見てみて。……そう。妻のために修飾の支度をしている私の姿。ショッキングだとは思うわ。でも、女性的な男性という風潮は大きくなっているの。その風潮、どんどん力をつけてきてるわ。思うに、男性が全員、パンティとスカートを履く時代が来るまで、そう長くはないんじゃないかしら。  018 彼ってとても可愛いと思わない? 私たちのプログラムがうまく行ってるのは確かね。ジュリオ・ジュラレズ(彼の友だちの間ではJJで通ってるけど)、彼は前は最悪と言えるギャングの一員だった。暴力と脅迫を使って、なんでも自分の意思を通す男。そんな彼もとうとう逮捕されて、刑務所に入れられた……でも、刑務所で更生するなどありえなくて、さらに凶悪になったわけ。彼こそ、私たちのプログラムを適用する完璧な候補者だった。 私たちは彼を普通の囚人から隔離して、女性化を始めたの。男性ホルモンが、彼の行動における鍵となってる部分だというのが、私たちの仮説。そこで私たちは男性ホルモンを取り除き、代わりに女性ホルモンを注入した。 そのほぼ1年後がいまの彼。もうすぐ釈放されるわ。もはや暴力的なところは皆無で、自由の身になっても昔のギャングに戻る可能性はなくなっている。 このプログラムの成功を受けて、私たちは、すべての暴力的な犯罪者にこのプログラムを適用することを推奨するつもり。  019 このふたり、最近、とても親密になってきている。ほとんどいつも一緒にいて、ふたりのことをカップルと呼んでもいいかもしれないほど。それにちょっと考えてみてほしんだけど、私たちがふたりを捕まえる前は、ふたりは自分たちを男だと思っていたのよ。バカよね。ふたりを見てみてよ。たった1年、ホルモンを与えただけ(それに、小さな手術もあるけど)それだけで、普通、男性と思う人の状態からこんなにもかけ離れた姿になっているの。確かにふたりには(小さいけど)ペニスがついている。でも、それは何の役にも立っていない。ふたりとも今は滅多にそこに触ることもないわ。 どうしてふたりは女性化されたのか、それをお話ししておくべきね。理由はとても簡単。ふたりのうちの片方は、私の夫。もう片方は私の愛人だった男。どっちがどっちだったか。まあ、とにかく、片方がもう片方の男の存在に気づいて、ふたりは喧嘩になったの(その結果、ふたりとも逮捕されちゃったんだけど)。私がふたりとも釈放してもらった後、私は、ふたりともちゃんとさせようと考えたわけね(て言うか、ふたりをすごく屈折させようと考えたと言ってもいいけど)。まずはふたりに、今後も私と付き合ってもいいけど、そうしたかったら、ちゃんと時間を分かち合いなさいと言ったの。それから、ふたりとも互いによく知りあうようにしなきゃダメとも言ったわ。あと、私が言うことも全部しなきゃダメとも。ふたりとも、どんな存在に変えられることになるか気づいていなかったと思う。ふたりが気づいたのは、私がふたりに互いにフェラをさせた時。それを強いられても、ふたりとも私のところから離れなかった。結局、私はふたりにホルモンを摂取させるようになって……。その後はこの通り。でも、変な感じ。ふたりとも、私といるより、ふたりだけでいる方が多くなっているから。  020 ちょっと。君が仕事をクビになったとき、僕はふたりの生活を支えられる仕事を探したんだよね。それで何も見つからなかったとなったら、君は、常識の枠を取り払って考えてみたらと言った。というわけで、君は僕に秘書の仕事についてほしいと言った。僕は男が秘書になるなんて変だなとは思ったけど、仕方ないから秘書になったよ。ボスは、僕がそもそも秘書に志願したという点で、僕のことをシシーだと思ったらしい。それに気づいた時も、僕は文句を言わなかった。実際、出勤する時も、ちょっと女っぽい服装になりすらしたんだ。お金が必要だし、その仕事を辞めたら食っていけないしね。 君が髪の毛を伸ばしたらと言った時も、そんな必要はないと思ったけど、言われた通りにしたよ。君の忠告に従って、体毛も剃り始めたし、お化粧も始めた。秘書の職は少ないのは知っているし、君の方もなかなか新しい仕事が見つらなかったからね。 君が豊胸手術を受けたらと言った時には、さすがに僕も抵抗した。でも、君の説得に負けてしまった。理屈が通っていたから。ボスは僕のことをシシーだと思っていたし(ていうか、僕が知ってる人は誰でもそう思っていたし)、いまさら胸ができたからと言って何の問題もないだろうから。 でも、ボスと寝るのに関しては一線を引いた。僕はゲイじゃないんだ。男が好きなわけじゃない。そもそもシシーじゃないんだから。君は僕の妻なんだから、その点に関しては他の誰よりよく分かってるはずじゃないか。  021 大学生活は、ラッセルが予想したようには進んでいなかった。確かに、山ほどパーティがあるし、酒盛りもたくさんあるけど、そういうパーティでの彼の立場は、思い描いていたことからは、あまりにもかけ離れていたのだった。 始まりは、まさしく学生生活の初日ことだった。彼と仲間の男子学生たちは、女子寮の学生たちが着替えをするところを覗き見してみようとたくらんだのである。当然、彼らは見つかってしまった。だが、どういう運のめぐりあわせか、捕まえられたのはラッセルだけだったのである。 女子学生たちはカンカンに怒った。そして、彼女たちは考えられるうちで最悪の懲罰を彼に課したのである。すなわち、ラッセルを自分たちと同じ女子学生にすること。 最初は、服装だけだった。だが、そのすぐ後にホルモン注入やダイエットやエアロビと続き、豊胸手術と続いた。そして、とうとう、(男性との)デートまで! 2年のハロウィーンの時までには、彼はほぼ完全に女性になっていた(今は小さなおちんちんは除いて)。この写真は、スーパーガールのコスチュームを着た彼の姿である。  022 あなたが興奮してるのも理解できる。自分の息子に会うのが、ほぼ1年ぶりのことなのだから。息子が大学に進み実家を離れて以来のことだから。さらに、彼は付き合ってる女の子をあなたに合わせるために連れてくると言うのだから。とうとう自分の息子もガールフレンドをもつほど成長したかと、感無量になるのも当然だ。 それにしても、息子に彼女ができるとは。それは予想していなかったのは確かだ。青天の霹靂だった。もっと言えば、息子は前からちょっと女っぽいところがあると思っていて、そもそも息子に彼女ができるなんて、あまり期待していなかったのも事実だったのだ。 しかし、息子が大学に進み、毎週のように電話で話しをしていたのであるが、息子は新しくできた彼女に実に興奮している様子だったのだ。「彼女が僕をゲットした」と、そんなことを息子は何度も言っていた。それを聞いてあなたも嬉しかった。 仕事帰りの車の中、あなたは息子が家で帰りを待っているのを知っている。車から降り、家の玄関に近づくと、中から女性の情熱的な喘ぎ声が聞こえてくる。はっきりとアレの時の声と分かる声。父親譲りだな、とあなたは思う。 (中が除ける程度にちょっとだけ)ドアを開ける。あなたを出迎えた光景に、あなたはその場に立ちすくむ。あなたは息子がガールフレンドのストラップオン・ディルドにまたがって上下に動いているのを見たのだ。ドアは大きく開いてしまった。あなたは持っていたブリーフケースを床に落とした。大きな音を立てて床に当たる。だがふたりは行為を止めなかった。 あなたの息子が目を開いた。依然としてディルドにまたがりながら彼は言った。「あ、お父さん! この子がシンシア。僕の彼女だよ!」 そしてあなたは気づく……あのヨガリ声は息子が出していた声だったのだと。  023 「ねえ、本当に、男が職場に行く服装としてこの服装が適切だと思ってる? これって、ひどく女性的すぎると思うけど」 とジョンは言った。 「バカなこと言わないで、ジョン。ショートパンツと、ストッキングとハイヒールの姿になったからと言って、何も意味しないわ」とメアリは答えた。 「でも、ブラは?」 「胸が膨らんでるでしょ? それを支えるものが必要だわ。お医者様がそう言ったでしょう?」 「パンティは?」 「その服装に普通の下着じゃダメじゃない。パンツの中、しわくちゃにもつれ上がってしまうのが分かるでしょう?」 「じゃあ、お化粧は?」 「今の時代、お化粧する男の人はたくさんいるのよ。見たことない?」 「でも、本当にいいのかなあ……」 「ただ受け入れればいいの。そうすれば、すごく最高の秘書になれるから。女性的に見えるかどうかなんてことにあなたの小さな頭を悩ませることなんかないの。ボスが気に入るかどうか。大切なのはそれだけなんだから」  024 あたしは彼氏のロイと一緒にいるのが大好き。あっ、彼は今はその名前で通っていないんだった。彼はエイミと呼ばれるのが好きなっている。確かにその方が合っているとは思うけど、あたしはまだ彼をロイと思っているから。 本当は彼が変化しなかったというわけじゃない。確かに、彼は変わってしまった。彼に初めて会った時からすれば、事実上、別人になったと言ってもいい。……そして、そうしたのはあたしだと思う(と言うか、責任を取るべき人はあたしかも)。彼が元々あんなに女性的だったというわけでもない。ただ単に、彼は元々、すごく男性的なわけではなかったというだけ。実際、そういうところがあったので、あたしは彼に惹かれたわけだし。あたしは、可愛い男の子が好きだから。 彼が普通のおちんちんの大きさだったら、何の問題もなかったのだと思う。つまり……彼のあの小さなモノが、あたしを気持ちよくしてくれる唯一のモノだとしたら、あたし、これからどうやって暮らしていけと言うの? 完全に勃起しても10センチもないんだもの。それを彼に言ったら、あたし、自分を傷つけちゃうことになるけど、彼には正直になるべきだと思っていた。ロイに、あなたにはあたしを気持ち良くするためのモノが備わっていないのと正直に話した。それを言った時の彼の表情……彼の心を粉々にしてしまったみたい。彼はすぐに、その場であたしと別れるだろうなと思った。でも、彼はそうしなかったの。逆に、僕と別れないでくれって泣きついてきたの。 彼をあたしの(時々の)レズ相手に変えること以外、他にどんな選択肢があったかしら?彼にノーとは言えなかったわ。実際、彼のこと好きだったし。大好きだったし。というわけで、あたしと彼は別れずに同性を続けた。そしてあたしは、ゆっくりだけど、確実に、彼を女性化し始めた。2年とちょっと過ぎた頃には、彼の女性化が完了した。 でも、いま、あたしは心配になり始めている。ふたりで男の2人組を引っかけてプレーする時、彼ったら、あたしに対するよりも情熱的に奉仕しているように見えるんだもの。彼は、とうとう、女になる一線を越えたと言うこと? 彼があたしを必要としないとしたら、どうなるの?  025 確かに。「願い事には注意して」という格言は聞いたことがある。でも、私はあまり真剣に考えたことはなかった。それに、その格言を字義通りに解釈したこともなかった。多分、私は、その格言にもっと注意を払うべきだったのだろう。そうすれば、私の夫はいまだに、私の夫のままでい続けたかもしれない。 すべての始まりは、バカな口論からだった……何について口論したかすら、今は覚えていない。当時、私たちはいつも口喧嘩していたから。ともかく、頭がカッとしちゃって、私は頭を冷やそうと家を飛び出した。小さなつまらない意見の違いが何であれ、それについて、プンプン腹を立てながら、私は何時間も外を歩き続けた。そして、最後に、じっくり考えようと、私は公園のベンチに座ったのだった。 そうして2分くらいした時、ある老女が私の隣に座ったのだった。彼女は最初、何も言わなかったけれど、そもそも、彼女には何か話す必要はなかったのかもと思う。それから間もなくして、私は自分の問題について彼女に話していた(たいてい夫のことを中心にした問題)。そして最後に、「彼がもっと私に似てくれればいいのに」と言っていた。 すると老女は、「本当に?」と尋ねた。 もちろん、私は本当にと答えた。老女は微笑み、立ち上がり、去って行った。それから彼女には再び会うことはなかった。私は気持ちが落ち着いた後、家に戻り、夫と仲直りをした。その夜のセックスはすごかった。彼はどこをどうすれば私が燃えるか正確に知っていた……その点に関しては、それまでの彼には滅多にないことだった。そして、その夜が、本当の意味で私に夫がいたと言える最後の夜になった。 翌朝、目が覚め、私たちはいつもように普段の日常生活を始めた。一見して、すべてが普通のように思えた。でも、実際は違ったのだ。今から振り返ると、彼の身のこなしが前と違っていたのを思い出す。……より女性的になっていたのだ。もっと言えば、夫はちょっとナヨナヨしてるように思えた。でも、その時点では、私は何も考えなかった。もっと言えば、ほとんど気づいていなかったと言える。 その夜、夫は全身の体毛を剃ってしまっていたことに気がついた。それについて訊くと、夫はただ肩をすくめ、「君が気に入ると思って」と言った。確かに、いい感じがした。肌がつるつるでセクシーだと思った。 次の日の夜、今度は夫が新しい下着を着てるのに気がついた。女物のような小さな下着。男性向けの下着なのは事実だけど、でも、ちょっと…… それからの半年間をかけて、彼は徐々にどんどん女性的になっていった。薄めの化粧をし始め、ユニセックスの服を着るようになり、髪の毛を伸ばし始めた。眉毛も女性的なアーチ型に剃った。 その1年後、夫は、私と衣類を共有できるほどに体重を落とした(それに応じて筋肉も消えた)。そして、実際、服を共有したのである。その変化はとてもゆっくりと進んで言ったので、真剣に考えた場合を除くと、ほとんどいつも普通のように思えたほどだった。だが、その頃から、彼はホルモン注入を始めたのである。その2年後、彼はほぼ完全に女性として生活するまでに変化してしまった。彼は、私と一緒にフーターズ( 参考)で働き始めてもいる。 身のこなしも自然だった。彼は、生れた時からそうしているかのように、男性みんなに愛嬌をふりまいている。ひょっとして、彼は男性客と寝たこともあるのじゃないかとすら疑っている(証明はできないけど)。ベッドでは支配的な立場になることを拒否している。ふたり、ただ抱き合うだけとか、互いに相手にオモチャを使うことが多くなった。 次第に、私は、あの時の老女は私の願いをかなえたのではないかと思うようになった。彼女は夫を私に似た存在に変えたのだ。身体的に変えたわけではない。ただ、夫にもっと女性的になりたいと思わせるようにしただけ。どんな手段で彼女がそうしたのかは分からないし、なぜ私の願いをかなえようと思ったのかも分からない。でも……まあ、今、私は元の状態に戻ってくれたらいいのにと思っている。 今のたったひとつの願いは、そもそも彼を変えたいと思わなければ良かったのにと、それだけになっている。  026 簡単に決心してしまうことが時々ある。迷った時、まさに目の前に正しい答えがあるということがあるのだ。僕と親友のデリックの間に起きたことがまさにそれだ。僕たちは一緒に大きくなった……幼稚園から高校までずっと。僕は彼のことを充分よく知っているとばかり思っていた。 ふたり高校を出て、別々の大学に進む直前に、僕は彼の家に遊びに行った。彼は玄関に出てこなかったので、僕は勝手に中に入った。階段を登って彼の部屋の前に行き、ドアを開けた。その時、この画像の光景が僕を出迎えたのである。 僕の親友が、女の子のように化粧し、姉のジュエリーを身につけ、素っ裸でいたのだ。彼の滑らかで無毛の身体は、どう見ても女性の身体としか見えなかったので、思わず二度見しなければ、本当に彼だとは分からなかった。彼は何も言わなかったし、僕も言わなかった。彼はただベッドの上で両膝を突き、お尻を持ち上げ、僕をじっと見つめた。その視線は明らかに、「こっちに来て、僕をみっちりと犯して」と言っていた。 彼が女の子ではないのは当然だったけど、僕は、その当然の事実をずっと自分に言い聞かせなければいけなかった。それほど彼は柔らかく、女の子っぽく見えていたから。どうしても堪えられなかった。デリックが欲しいと思った。そして、僕の身体は僕の理性を裏切ったのだった。デリックは僕のペニスがジーンズの中、痛いほど勃起しているのを見て、にっこりとほほ笑んだ。僕は彼に落とされた。そして彼はそれが分かったのだ。彼はお尻をちょっと振って見せた。その瞬間、僕は虜になってしまった。ほとんど瞬間的と言える速さで、僕はジーンズを脱ぎ、親友のアナルをやみくもに突き続けたのだった。互いに身体を突き出すたびに、ベッドが壁に当たり、鈍くドンドンと音を立てた。そしてデリックはエクスタシーのヨガリ声をあげていた。 ふたり愛しあった後、僕は彼を腕の中に抱いた。これで正しいのだとしか感じられなかった。その翌日、僕は大学に登録した。あの決心は本当に簡単だった。  027 私はレズビアン。空の色を変えることができないのと同じで、私はそれを変えることはできない。でも、問題があったの。私の祖父母はとても裕福で、祖父母が亡くなった時、2つの条件が満たされた時に限り、手をつけることができる遺産を残してくれたのだった。ひとつは私が21歳であること。もうひとつは私が結婚してること。何が問題か分かったでしょ? そう、同性同士の結婚はここテキサスでは違法となっている。私に何ができるか? ま、私はちょっと風変わりな解決策を考えついたわけ。女性的だけど(ストレートな)男の子を見つけて、彼と結婚し、その彼を女性になるように仕向けたわけ。完全じゃないのは知っている……いまだに女性の方が好きだから。でも、誰でも、何かは犠牲にしなければいけないものよね。そして、彼も、とても従順に計画に合わせてくれた。時々、彼が本当の女性じゃないことを忘れてしまう時もあるのよ。  028 趣味が同じ兄弟を見るのは楽しい。ええ、確かに、そろって女装が好きで、適当に男を見つけてフェラをするのを楽しんでいる兄弟というのはちょっと変わっているけど、でも、そんなことがあってもおかしくないわよね?  029 時に変化は徐々に生じるものだ。じわじわと這うように変化は私たちに襲いかかり、気づかぬうちに別の人間になってしまう。私にとって、それは当てはまらない。私はごく普通の男から、女っぽいパーティ好きに変わってしまったが、その変化が正確にいつ始まったか、知っている。 始まりは、ある薬品のテストからだった。私は大学院生で、お金が必要だった。皮肉なことに、その薬品は勃起障害を直すものになるものだった。最初、何も変わったことはなかった。でも3週間後、身体がかすかにだけど、とても特殊な点で変化していたことに気がついた。アナルが超敏感になっていたのである。 別に、自分でそれに気づいたとかではない。アナルをいじっていたとか、そういうことでもない。ただシャワーを浴びていただけだった。そこを洗っていた時に、感じたのだった。それまで経験したことがない種類の感覚だった。身体にビリっと電流が走ったような。でも、気持ちいいと言う意味で。 そのうち、アナルをいじっただけでオーガズムを得られることに気がついた。もちろん、私はその研究を行っていた科学者たちにそのことを伝えたが、彼らはただ、それを記入するだけで、後はバイト代を払ってくれてお終いだった。 その2日後、私は生れて初めてディルドを買った。そして……これはぜひ言いたいけど、本当に夢のような快感だった。初めての時だったというのに、半日ディルドを出し入れし続け、ちょっと休んだ後、その日が終わるまで同じく続けたと思う。ヤリっぱなし。実際、アナルに入れたまま眠ってしまったのだ。 しかし、それを2週間ほど続けているうちに、本物のペニスだったらどんな感じになるか気になり始めたのだった。そして、その1か月後、私は初めてゲイ・バーに行った。だが、そこで、私は何とも無礼な形で実態を思い知らされたのである。誰一人として私に誘いをかける人がいなかったし、私も自分から恐れから誰にもアプローチできなかったのである。ひとりとして私を欲する男がいなかった。私はわけが分からなかった。 私には依然としてディルドがあったから、別にいいやと、この出来事をちょっとジョークっぽく書いたけど、でも、心の奥では、何かもっと欲しいと思っていた。オトコが欲しいと。もう一度トライするまで半年近くかかった。でも、その時も運に見放された。私のどこが悪いのだろう? 1か月後、突然、あることにひらめいた。ゲイの男が私を好きじゃないとしたら、ストレートの男を求めてみたらどうだろうかと。私は身体が小さく、顔の特徴も、男らしいというわけではなかった。女の子のような姿になったらどうだろう? 普通の男はそれが好きなものだ。 と言うわけで、私は自分を変える旅に乗りだした。ダイエットをし、女性ホルモンを注入し始め、手術のための貯金を始めた。1年半後、私はこの写真のような姿に変わっていた。まだペニスはつけたままだが、今は小さくなって役に立たない。 自分はちょっと淫乱ぽいところがあるのは自覚している。でも、少なくとも、欲しいと思ったおちんちんは全部ゲットできている。
 001 僕はシシーなんかじゃない。ただ、妻とややこしい関係になっているだけ。彼女の彼氏とも。 ちょっと聞いてくれ。僕と妻は2年くらい前にちょっと問題が起きたんだ。そこで、彼女は3Pを経験してみたらと提案してくれた。もちろん、僕はそのチャンスに飛びついたよ。誰だってそうだろ? 妻と別の女性が僕のありとあらゆる夢にかなうよう奉仕してくれる。そんな想像をしたんだ。ああ、とんでもない間違いだった。 言うまでもなく、(妻と僕が本物の男の前にひざまずいているこの写真から分かるように)、実際は想像通りには行かなかった。妻は、3人目のパートナーとして昔の友達を連れてきた(後でわかったが、その男は妻の元カレ。でも、その時は僕は知らなかったんだ)。僕は元来、そんな逞しい男ではなくて、妻は僕がいかに男らしくないかを証明したくてうずうずしていたようだった。妻に体毛を全部剃られ、カツラもかぶらされた。男は僕が女じゃないことを知っていたが、全然、気にしない様子。その夜、僕は生れて初めてペニスを咥えたよ。その2週間後、生れて初めてアナルセックスをした。もちろん挿される方。それから2年。今は実質上、女になっている。こうなることはひとつも僕が望んだことじゃない。ただ、妻との夫婦生活がうまくいくようにしたかっただけなんだ。  002 ママ? ママが何でパパを女性化したのかは知っているよ。そうする必要はなかったなんて言ったりしないよ。パパは浮気ばっかりしてたからね……。 でも、お願いだから、パパに何か服を着させてやってくれない? ああ、確かにここはヌード・ビーチだけど、あの小さなのをぶら下げてるのをみんなに見られるのは、すごく恥ずかしいよ。 ビキニのパンツだけでもいいからさ。お願いだよ、ママ……僕のために。  003 「それがハロウィーンのコスチュームか」 スティーブンは友だちが言うのが聞こえた。他の友だちふたりも頷いた。 すべて、スティーブンのガールフレンドの考えたことだった。イヤラシイ女子高生になって行ったら? 面白いと思うわ。そう彼女は言い張った。彼女が彼の女装にあんなに真剣にならなかったら、確かに面白かったかもしれない。しかし、彼のガールフレンドは、スティーブンの脚の毛を剃り、化粧をし、本物のように見え、感触も本物っぽい偽の乳房をつけたのだ。 スティーブンは、事情を知っている人じゃなければ、自分と女性を区別できないだろうと思った。彼は友人たちがじろじろ見ているのを感じ、振り向いた。 「おい、どうしてそんな目で僕を見てるんだ?」 彼は、すでに答えは知っていたが、あえてそう尋ねた。  004 「ええっ、マジで、あれビリー?」 「そうみたい……」 「何が起きたの? それに何であのいじめられっ子のトーマスがビリーのお尻にヤッテルのよ?」 「それにあのおっぱいは? これって……」 「何かあったのよ。分かるわ。あたしたち、1年しか離れていなかったのに」 「あ、あたし、全然わからない。あたしたちが出て行った時は、彼、普通だったわよね?」 「ホントに何が起きてるの?」 「お姉さん、さっきも同じこと言ってたわよ」 「知ってるわ……でも、ホントに何が?」 ビリーはいじめっ子だった。ずっと、小学校に入ってから大学に登録するまで、ずっと、イジメを繰り返してきた。そして哀れなトーマスが彼のイジメの対象になるのが普通だった。ビリーが体格が大きいとか強いとかではない。いや、実際にはその正反対である。ビリーはかなり小さな男だった。ただ、ビリーは男っぽいメンタリティを持っていただけなのだ。そして、そのメンタリティこそトーマスに欠けていたのである。だが、トーマスは、攻撃性や気の強さで欠けている部分を頭脳で補った。彼は、他の誰よりも賢くあろうとし、他の者との知能の点での差は時間と共に拡大していったのである。そして、トーマスは、自分をいじめていたヤツをいじめる計画を温め続けた。催眠術、女性ホルモン、そして条件付け。それらを合わせ働かせることにより、トーマスは急速に、ビリーを男に抱かれることを切望する、エヘラエヘラ笑うシシーに変えたのであった。そしてビリーを自分の新しいおもちゃに変えた。はたから見ると、ビリーはこの行為を喜んでいるように見えるだろう。だがトーマスは元いじめっこの精神は変わらないようにさせていた。ビリーは何をされているか知っているし、その行為が嫌でたまらないのである。にもかかわらず、自分を止めることができない。この行為がイヤだと振舞うことすらできないのである。そう言うわけで、元いじめっこは、いじめられっこに変わり、もといじめられっこはいじめっこになったのだった。  005 その通り。この写真は私のリビングの壁に掛けられている。変だというのは知っている。でも、私の状況を理解したら、理屈が分かるだろう。 ああ……本当に知りたい? 本当に? まあ、そうでしょうけど。でも、急いでしなくちゃいけないわね。ベッキーがもうすぐ帰ってくるから。私は夕食の準備をして、彼女の帰りを待っていなくちゃいけないから。 始まりは、とても無邪気なことだったと思う。ベッキーが催眠術に夢中になって、私も試しにやってみてもいいと言ったから。元々は、ベッキーは、催眠術を使って、私が喫煙をやめるのを助けてくれるということだった。でも……まあ、ちょっと方向がずれてしまったということ。 ああ、今のうちに、私は元々、男性だったと言っておくべきかもしれないわ。ええ、今も、小さなおちんちんはついてるの。でも、全然、役に立たなくなっている。例の催眠術は、禁煙を成功させるどころじゃないことをしてしまったと言えば充分だと思うけど。 ベッキーに促されて、ホルモンを摂取するようになったり、手術を受けるようになったり……いろんなことをさせられた。でも、私自身は全然知らなかった。 この写真は、ベッキーが私に自分の立場を認識させるために掛けてある(これを外したいと思っても、そんな力は私にはない)。写真の中の私が驚いているのは、かつては立派だったおちんちんが、前の3分の1くらいにまで小さくなっているのに気づいた瞬間だから。ベッキーはこれを私に見せ続けて、自分が私に対して圧倒的なパワーを持っていることを教えるのが大好き。この写真で私を従順なままにさせ続けている。  006 【左端】 ああ、可愛いアダム…アダムが俺が最初に女性化した男。開始したのは高校時代から。何も大げさなことはしなかった。ただ、あれこれ、ほのめかしただけ。彼はまったく目立たない男だった。俺が、女の子たちは髪を長く伸ばした男が好きなんだよと言うと、簡単に信じてくれた。女の子たちは、体毛がないつるつる肌の男が好きなんだよとも言ったが、彼は質問すらしなかった。さらには軽く化粧をするようにもさせたが、その時も彼は何が起きてるのか知らないようだった。 高校を卒業して6年が過ぎた頃には、彼は完全に女性化していた。彼がようやく自分の立場を受け入れたのは良かった。ともあれ、彼は、男のままだったら、大した人生を送れなかっただろう。何のことを言ってるかと言うと……まあ、彼の小さなペニスを見てみれば分かるだろう(ホルモンを使う前と比べても、今とほとんど変わらないくらい小さかったのだ)。 まあ、実際、ベストの結果になったのじゃないかな。彼は、俺の男の娘ハーレムに加われて幸せなのだから。 【左からふたり目】 可愛いアンディ(元はアンドリュー)……お前は本当に簡単だったよ。こうなるように生れてきたのだろう。確かに、お前はマッチョ野郎のように振舞っていた(お前の体格で? 笑わせる)。だが、お前たち家族が俺の隣に引っ越してきた時から俺には分かっていた。お前の本性に、すぐに気づいたさ。だが、俺はじっと待っていた。お前が高校を出る時まで待って、それから始めた。お前は、俺とはただの友達だと思っていたな……俺がお前のアヌスにちんぽを突っ込んだ最初の時までな。あの瞬間から、お前は俺のモノになったんだよ。 【3番目】 こいつの名前はマリッサ(元はマーク)。彼は、新婚ほやほやの時、俺が彼の奥さんと浮気しているところを押さえて、俺と戦おうとした。結局、彼にとっては残念な結果となったけれどな。こいつを崩壊させるのは簡単だった。2週間くらいしかかからなかったな。彼は、これまでの人生で今ほど幸せな時はないと思ってると思うぜ。それに、本当のことを言うと、彼の方が、彼の奥さんよりずっとエッチ相手として最高なんだ。 【右端】 俺の自慢であり喜びでもあるタミー(元はトム)。俺の元上司だ。(いずれは男の娘になると俺は睨んでいたが)お前が男として仮面をかぶっていた時ですら、お前が男にしては可愛すぎるのは明らかだった。お前は自分の男らしさに自信を持っていたし、自分は女にモテモテの男だと思っていたようだったな。確かに、お前はひとりでベッドに入ることは滅多になかっただろうと思うよ。女たちも、可愛い顔を喜ぶものだしな。 確かにお前は難関だった。お前を、会社を乗っ取る詐欺事件に巻き込まれるように罠を仕掛ける必要があった。だが、投獄されるかもしれない手持ちカードをちらつかせたら、お前は実におとなしく屈服したな。 職場にスカートを履いてくるようにさせたときも、ほとんど抵抗すらしなかった。お前が会社を首になっても、文句すらいわなかった。それに俺の家に引っ越して、同居するようになった時、お前は嬉しそうに笑ってもいた。今、俺は、堂々と言えるぜ。お前が俺のお気に入りの男の娘だとな。お前は、ハーレムの男の娘にふさわしく、俺を喜ばす方法をちゃんと心得ているからな。 【下段】 俺はかなり若いころから、女性化することを始めた。だからと言って、俺は女が嫌いだと言うことではない。俺は女も好きだ。というか、女たちは簡単すぎるのだよ。俺は、女をモノにするのに苦労したことは一度もない。俺にとってやりがいがあることは、男を説得して、変化させ、中に眠っている女性性を目覚めさせ、最後に、表向きの性的指向を変えさせることだ。中には他より、それが簡単な者たちもいる。俺はハーレムにいっぱい抱えることはしない……ハーレムに入れるのはベストの者たちだけだ。今、ハーレムには4人だけ。すぐに、これ以上になることはないと思う。この4人は特別なのだ。  007 「でも、あなた? これってふさわしい感じがしないわ。あたし、すごく露出してる気がして……」 「バカなこと言うなよ。最近は、男はみんなビキニを着てるんだぜ」 「分かってるけど……でも、あたしのアレを…分かるでしょ?…アレを外にぶら下げて出しておかなくちゃいけないの?」 「外に出してて、どっか悪いのか? そいつは何ら性的なことに使われているとも思えんが」 「でも……ああ、もういいわ。あなたには分からないでしょうね。女は男と違ってモノ扱いされないから」 文化的変化は一夜にして起きるわけではない。ほんの小さな社会学的変化でも、それが起きるには何年も、おそらく何十年もかかる。だが、人々の思考の仕方それ自体を変えるような、大きな変化には、1世紀以上もかかるだろう。 ジェンダー役割についてもそうである。歴史を通して、女性は男性の下の位置に留まってきた。だが、19世紀の初期になり女性は自己主張を始めた。1960年代までには、女性は伝統を駆逐し、2000年代の初期までに、女性は男性と平等の地位まで自らを押し上げてきたのだった。 一方、男性は、それとは正反対の方向に進んだ。世界は、より女性的な男性を要求するように変わっていった。それを人々は、ジェンダーの平等と呼んだ。男っぽい男性は、ゆっくりとではあるが確実に、野蛮で乱暴なものというイメージに変わっていった。世界は男性に、柔和で、繊細で、洗練された存在になるよう求めたのだった。そして、男性はそれに応じた。 2020年までに、女性は、学校でも職場でも、男性を上回る存在になっていた。ますます、女性は支配権を主張し始めるように変わっていく。女性は、男性と競争し、身体的にも鍛え、頂上に登りつめるよう推奨された。一方、男性は、受動的になるよう、決して勝利を収めるところを他人に見せないよう、そして自分たちに振りかかることを受け入れるよう教え込まれた。端的に言って、男女のジェンダー役割が逆転するようになっていったのである。 それから間もなく、女性たちは男女の関係においてリード役を持ち始めた。2030年までには、男性が女性をデートに誘うことは希なことになっていた。そうであるので、このような、求愛する者と求愛される者についての新しい役割を、ファッションが反映し始めた。男性の服装は、ますます肌を露出するものに変わり、女性は、より着易さを追求した服装に変わっていった。 そして、その後、寝室における変化が生じた。2035年までに、男女間のセックスに、女性がストラップオンのディルドを使って男性のアヌスを貫く行為が加わるようになった。2040年までには、バギナでの性交渉は歴史のかなたの遺物となっていた。子を産むための交配はラボで行われ、ペニスはもうひとつの盲腸にすぎぬものになっていた。 今、我々はより良い社会にいると言えるのか? そうかもしれないし、そうでないかもしれない。時が答えを出してくれるだろう。  008 これはすごく恥辱的だ。僕は普通の男なのだ……少なくとも、以前はそうだった。今は……今は、自分自身ですら、自分を男だと思うのに苦労する。もはや、自分を男と思えない。彼女が僕にいろいろ行った後の今となっては。 左にいるのが僕。右にいるのが僕の彼女。どうして僕はセクシーな女のようになってるのか? どうしてクラブ通いをする淫乱女のような服装をしているのか? まあ、話しは長くなるんだけどね。 手短に言えと言われたら、僕たちは性役割の交替遊びをしたけど、それがちょっと度が過ぎたのだと言うだろう。始まりは、彼女の方が上になって交わることだった。それは、すぐに、彼女が僕のアナルをいじる行為に進化した。そして、彼女は僕にランジェリを着せることに進む。その後に来たのは、身体の体毛を剃ること。そして彼女はストラップオンのディルドで僕にセックスするようになった、などなど。結局、僕は完全に女性化されるに至ったのだ。 そして今日、彼女は僕を本物の男性に抱かせることを心に決めてるようだ。それゆえ、こんな淫乱な服装なわけ。そして、僕もどうしてもちょっとだけ興奮してしまっているんだけど。  009 スーザンが言ったことは気にしてない。胸が大きくなってるのは知っているし、膨らんできてるのは胸だけで、別に太ってきてるわけじゃないのも知ってる。それに、ペニスが小さくなっているのもちゃんと認識している。元々、小さかったけれどもね。多分、この1年半の間、彼女が僕に飲ませてきたあの錠剤のせいだと思う。彼女はビタミン薬だと言ってるけど、でも…… それに、彼女が僕に与えてきてるあの服も、男物の服じゃないんじゃないかと疑い始めてるんだ。胸を押さえるサポータだといって僕にくれた物も、本当はブラジャじゃないかって確信している。それにあの新しい下着も。僕にはパンティにものすごく似ているようにしか見えないんだけど。それから、彼女が僕に買ってくれたキルトも、本当はスカートなのじゃないかって思い始めているところなんだ。 それに、長い髪の毛もある。彼女は、僕は、髪が長い方がいいと言っている。クールで先端的な感じになると。そんな感じになってるのかどうかは僕には分からない。だけど、わざわざ美容院にまで行くというのはちょっとやりすぎじゃないか。 元々、体毛は濃い方じゃない。でも、スーザンは、元々少ない体毛についても、永久脱毛するよう言い張った。顔についてもだ。 まるで、彼女は僕を何か他の存在にじわじわと変えようとしているのじゃないかって気がしてる。 うすうす、こう感じているんだ。スーザンはレズビアンじゃないかって。そのスーザンと仕組まれた結婚をし、それに合わせていった結果が、今の僕の姿じゃないかと思っているんだ。 分かっているよ。分かっている。そんなレズビアンはいないと言う人がいるのは知ってるよ。でも、まれではあるけど、やっぱりそういうことはあるんだ。最初は、僕は運がいいと思っていたよ。なんだかんだ言っても、スーザンは綺麗な人だから。 でも今は、そもそもスーザンに出会ったことから後悔し始めているところなんだ。  010 ああ、ブラジャーはしたよ。見えるだろ? それにパンティも履いている。 見せるつもりはないけどね。 いいよ。言うよ。ピンク色のソング・パンティだよ。 もちろん、アレは後ろに押し込めてる。盛り上がりは見えてないよな? ああ。どうして僕にこんな格好をさせてるのか、分かってるって。僕自身のためなんだろ? パパみたいに、牢屋に入れられることにならないように、僕の中から「男っぽい」部分を追い出そうとしてるんだよね? オーケー、マーガレット叔母さん。そろそろ学校に行くよ。じゃあね!  011 「向こうに目をやって、何を見てるの?」 「あ、いや。別に……」 「向こうにいるあの男じゃないの? 彼のことを見てるんでしょ?」 「ちょっとね。彼ってとても……」 「男らしい……。分かるわ」 「あたし……」 「信じられないわ。私はね、何もかもあなたのためにしたのよ。あなたのために私は男性性を捨てた。何もかも、あなたが本当は男が好きじゃないと言ったから。男は好きじゃないけど、私のことを愛していると言ったから。だから、今の姿になったのよ。こうなれば一緒に暮らしていけるから、と。なのに、今は……」 「クリス……」 「やめて。いいから、言わないで」  012 「あ、ごめんなさい、お嬢さん。僕は、てっきり……」 ジョンは、小さいが見間違えることがないペニスに気づき、言葉を濁らせた。「僕は……」 その娘(男?)は彼を振り返り、言った。「ジョン? どうしたの?」 「テ、テリー? テリーなのか?」 「もちろん、バカだな。誰だと思ったんだ?」 「でも、あんまり君が……以前と違っていて」 「あれ、気に入ってくれたのか? カレンは、僕がすごく素敵に見えるって言ってくれてるんだ。僕の身体をずっと触っていたいって!」 「でも、テリー……君は女の子にしか見えないよ」 「アハハ!」 テリーは笑った。ジョンは、友人の声がやたら甲高いことに否が応でも気づいた。 「女の子? 僕が? 面白いジョークだな。いや、僕は最近の新しいスタイルを試してるところなんだ。カレンは、これから2年くらいの間に、どの男子も、僕みたいになるだろうって言ってるよ」 時々、あたしたちは、男がどれだけ簡単に操作されるか忘れてしまう。ステレオタイプな連中が何と言おうとも、実際は、男は女と同じくらい頭が空っぽなのだ。その証拠は、もちろん、あたしの夫のテリー。 かつて夫は(かなり細身だったけど)普通の男だった。典型的に男性が好きなもの、つまり、スポーツや酒やもちろん女などを好む男だった。あたしはと言うと、そういうものが大嫌い。長い間ずっと、あたしはそれを我慢してきた。夫が自慢話をするのを我慢して聞いてきた。彼が酔っぱらったり、フットボールを見たりするとき、あたしは顔をそむけてそっぽを向いてきた。彼が他の女の身体をじろじろ見ても、無視してやったりもした。 でも、とうとう、来たるべき時が来てしまったのだ。夫が他の女と寝たのである。あたしはカンカンに怒った。とは言え、それでも彼を愛している。夫と別れることはできなかったし、夫も私と別れることを望まなかった。夫はあたしに懇願した。あたしと一緒でいられるなら何でもするから許してくれと。 あたしはいったん実家に帰り、実母の元で1ヵ月ほど暮らした。その時のことが問題を解決することに役だった。正確に言って、母は、男嫌いであったことは一度もない。だが、ずっと前からちょっと女性上位主義なところがあった。男は好きだが、女性に劣る存在だと思っているのだ。 母は私にあるウェブサイトを教えてくれた。そこでは女性たちが夫に対する支配的立場を主張するストーリーや、自分たちの人生をより良くしたストーリーを語っていた。中には、スカートやドレス、それにランジェリを着た女性化した男性の写真も伴ったものもあった。あたしは興味を持ち、母と過ごした1ヵ月をかけて、どのように男性を女性化するかについて知識を得た。 母のところから戻った時、夫は身だしなみがぼろぼろになっていた。自分自身の世話をまったくしていないのは明らかだった。髪の毛はぼさぼさで、肩まで長くなっていた。 まずは、今後、一度でもあたしを傷つけるようなことをしたら、別れることにすると言った。それを聞いて、夫は窮地を脱したと思った様子。あたしが彼を女性化するつもりでいるとはまったく思わなかったらしい。 実際、女性化自体は簡単だった。ただ、それとなくほのめかすだけ。「あなた、髪の毛が長い方が素敵よ」とか、「その脚の毛、ない方がいいと思わない?」とか、「あたしと一緒にダイエットしない?」とか、「一緒にエアロビを始めましょうよ」とか。男って、すぐ言いなりになるものなのね。そういうことを言うだけで女性化が進んだから。  013 私のハネムーン。もうどう言ってよいか分からない。結婚式は、ホントに完璧。それは疑いようがない。何ら問題なくドレスもぴったり(エアロビのおかげ、ありがとう!)。式も最高で、披露宴も素晴らしく、そして初夜は……何と言うか、あんなに最高だとは、想像をはるかに超えていた。 でも何かが欠けていたのよね。妻ったら、自然なことをすることに固執した。指や舌だけを使うこと、そして身体をまさぐりあうこと。ええ、まさぐりあうことはたくさんやったわ。もちろん私たちは結婚以前にも何度もセックスしていたし、そういうセックスの時はいつも、ごく普通のやり方でしてきた(つまり彼女がストラップオンをつけて、そして私のあそこに……言わずとも分かると思うけど)。だけど、妻は昔堅気なところがある人間で、初夜のベッドではオモチャを使うのは嫌だって言うの。 結婚して初めての夜を特別なものにしたい。そういう私の気持ちを妻はちゃんと知っていたし、実際、特別な夜になったんだけど、さっきも言ったように、私はたくさん貫かれるのに慣れていたわけで、ただまさぐりあうだけじゃモノ足りなくって………。妻は、昔の時代には男の方が貫く側になっていたものよと、そんなことまで言っていた。なんてバカな考えだろうと思う。まるで、あたしのちっちゃなアレで誰かに何かができるとでも考えてるのかしらって。彼女ったら、昔のビデオを保存しているウェブサイトを私に見せたわ。私に言わせれば、「いいえ、結構です」なんだけどね! そういうビデオに出てる男たちって、野蛮っぽくておかまみたい! きもッ! 彼女って私の気持ちをあんまり考えてくれてないのねって思っていたけど、それは、私のスーツケースの中に新しいストラップオンがあるのを見つける前までの気持ち! これを見つけた時の私の笑顔で充分、彼女に伝わったと思う。私の欲求のことをこんなにも考えてくれる人を妻に持てて、私ってすごく幸運な男だと思うわ!
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