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67_Regret 「後悔」
あの男が入ってきた。見るだけで吐き気がしそうな笑みを浮かべて。「やあ、俺の可愛い娘ちゃんたち」 彼はズボンのベルトを緩めながら近づいた。「俺のプリンセスたちは、今日はどんな一日を過ごしたのかな?」
それは修辞疑問文だ。この男と2年近く過ごしてきて、この3人の兄弟姉妹にもそれくらいは分かるようになっていた。それに、いかなる形であれ、反抗は許されないことも叩き込まれてきていた。ちょっと言い返すだけでも、即座に残虐な懲罰を受けることになる。だから、3人とも何も言わず両脚を広げるのだった。早く済んでほしいとの一心から。
「イーニイ」 男は左側のアビゲイルの体に触った。アビゲイルは高校の卒業生総代も務めたトップの生徒だった。だが、いま彼女はただ前を見つめているだけ。この義父が自分を選ばないことだけを願いながら。
「ミーニイ」 彼は今度は右側のジョアナの体を触り、ニヤついた。ジョアナはアビゲイルの姉である。アビゲイルと同じく、ジョアナも素晴らしい人生への道を進んでいた。イェール大学をトップクラスで卒業し、ビジネス界の頂点へ続く道をまっしぐらに進んでいた。それが今は、妹と同じく、何も考えないスレイブになっている。何も考えない方が楽なのだ。
「マイニイ」 男は続いて、真ん中のチェイスの体を撫で始めた。肌を撫でまわす時間は他のふたりより長く、彼の手は、チェイスの太ももへと降り、かろうじて男性であったことを示す証拠に触れた。男はにんまりとし、それを見たチェイスは心臓が喉奥から飛び出そうになるのを感じた。多くの場合そうだったように、今回も、義父は自分を選ぶだろうと分かっていた。左側と右側をちらりと見て、彼は、次に起こることに備えて覚悟を決めた。自分が相手した方がいいのだ。自分は強い。こんなことでも耐えることができる、と。
男は相手を選ぶフリをする茶番をやめ、チェイスの左右の足首を掴み、ベッドの端へと引っ張った。そして乱暴にチェイスの中に突き入れた。チェイスは下唇を噛み、「パパ、ありがとう」と言った。
その間、この3人の母親は、部屋のドア近くに立っていた。両手首、両足首とも使い古された革製の拘束具で縛られていた。目にやるせない後悔の表情を湛えながら、口に嵌められた赤いボールギャグを噛んだ。彼女はこの男の魔法の言葉で陥落し、この家に招き入れてしまったのである。彼女は、自分の子供たち3人が、この男の手により巧妙に性奴隷へと変えられていくのを、ただ黙って見続けてきた。ひとり息子が女性へと変えられていく様もただ傍観してきたのだった。
そして今も、この母親は、自分の夫が義理の息子を情け容赦なく犯しているにも関わらず、どうしても、そのふたりの姿から目を離せずにいるのであった。
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67_Reconditioned 「再調教」
「壁に両手をついて、位置につきなさい」 ララは両腕を組みながら命令した。
ハロルドはためらうことなく命令に従った。壁を向き、両手を壁につく。背中を反らせ、恥ずかしい部分を元妻のララと彼女の友人に見せた。
「完全に重々じゃない?」 とその女性が言った。
ララは頷いた。「間違いなく。彼が再調教から戻ってきた時は、正直、あたしも驚いたわ」
女性はクスクス笑った。「島の住民たちも、大半は同じ。自分で言うのもなんだけど、あのプログラムの効果が完璧で嬉しいわ」
「異論の余地がないわね」とララは答えた。「結果は歴然としてるもの」
ハロルドは、ふたりが彼の再調教の結果について話すのを黙って聞いていた。再調教……彼が島の規則に従うのを拒否した結果、受けさせられた処置。精神的にも肉体的にも拷問といえるものだった。そして、3ヶ月も抵抗し続けた後、彼はとうとう屈服した。さらにその後2ヶ月にわたりトレーニングを受け、ようやく解放された。彼は、6ヶ月にも満たない期間で、男性から、明らかに女性的な存在へと変身させられたのだった。
「今夜、彼を家に連れ帰るつもり?」 と女性が聞いた。
ララは頷いた。「ええ。ハリソンさん? 本当のことを言っちゃうと、あたし、島に招待された時、ちょっと、躊躇したの。規則があまりに普通じゃなくって。それに島に着いたら、シシーたちがいっぱいいて、みんなニコニコ笑顔で、裸同然の格好で歩き回っていた。それを見た瞬間、すぐに帰ろうと思ったくらい。でも、今なら恥ずかしがらずに言えるわ。あの時のあたしは、この場所について完全に間違っていたと。ここは本当に素晴らしい場所」
ハリソンは笑った。「それって、そんな珍しい反応じゃないわよ。ここに来る女性は、外の、男性支配の世界しか知らないんだから。ここの様子を見たり、物事が行われる様子を見たら、それは大変なショックのはず。でも、ここの住民になった人で、離れていった人はひとりもいないの。誰も元の世界に戻ろうとしない。なぜなら、ここはあらゆる意味でユートピアだから」
ララは夫の女性化した体を見つめた。「確かに、そうだと思う。それに今ならはっきり言えるわ。あたしもここを出たいと思う理由がない、と」
ハロルドはそれを聞いて気が消沈した。再調教を受けていた何ヶ月か、彼は、今や支配的な女王様に変身してしまった元妻が、自分の奴隷同然の状態を見て驚愕するだろうと、その点に一縷の望みをかけてきた。このような姿になってしまった自分を見て、一刻も早くこの島から逃げ出そうと思うのではないか。そう期待していたのだった。しかし、いま彼女の声を聴いて、そこに純粋に淫らな調子が籠っているのを感知し、そんな期待をしていた自分がバカだったと知ったのだった。決してここから出ることはできないだろう。もう二度と、本物の男性には戻れないだろうと。