女性化してほぼ4週間が過ぎた頃、僕は常時、パンティの中にナプキンを仕込ませるようになった。生理が始まり、所かまわず血液を垂れ流してしまうかもしれないと恐れていたからである。最初、生理が始まるのを知らせる兆候が察知できるかもしれないとあてにしていていたが、それでも、実際に始まってみるまでは暗中模索状態だった。
10日が過ぎたが、何も始まらなかった。だんだん心配になってきた。もし生理にならないとしたら、それは、僕の体内の、赤ちゃん製造装置に何か異常がある可能性を意味する。さらに4日ほど過ぎた。その頃には、午後になると決まって嘔吐するようになっていた。もしかして……
直感に従って、薬局に行き、妊娠テスト剤を買った。結果はプラスだった。信じられず、もう一度、行き、さらにふたつ買ってきた。そして、その2回のテストも僕が妊娠していることを示したのだった。
「つわり」のことを「朝の吐き気(morning sickness)」と言うが、これはとんでもないネーミングであることが判明した。これは一日のどの時間でも起こりうる症状だった。
カレンに言わなければならない。と言うか、妊娠こそが、このジェンダー変更の最終目標だったのだから。ただ、カレンに伝える時、ちょっと楽しいことができるかもしれないと思った。僕はまたも買い物に出かけ、「世界で一番のパパ」とあるTシャツを買い、ギフト・ボックスに入れラッピングしてもらった。カレンなら、このユーモアを喜んでくれるだろう。
先の休暇の時に使ったデジタル・ビデオカメラを掘り出し、メモリーカードが空になっているのをチェックした後、ディナーテーブルでカレンが座るところが中心になるようセットした。この位置にセットすれば、彼女が多少動き回っても、彼女の反応が収められるだろうと期待して。
僕はカメラの隣に立って、カレンが帰ってくるのをそわそわしながら待った。そして、ようやく、玄関の外、キーがじゃらじゃらなる音が聞こえた。僕は素早くカメラを録画状態にし、カメラのそばから急いで離れた。彼女には、僕がこのビッグニュースを知ったときの彼女の反応を録画していることを知られたくなかった。
カレンが家に入ってきた。笑顔でまっすぐ僕のところに来て、ただいまのキスをした。同時に、ちょっとだけ僕の乳房をいじってくる。
「おかえりなさい。仕事はどうだった?」
「順調だったわ! 夕食は何?」
カレンはいつも帰ってきた時はお腹を空かせている。だから、彼女がすぐに夕食のことを言っても、僕は全然気を害さなかった。多分、この知らせを聞いたら彼女はお祝いのために外に食事に行きたがるのではと思い、夕食のことは何も計画していなかった。
「カレン、ちょっと座って。君にプレゼントがあるんだ」 そう言って彼女がちゃんと予定したところに座るのを確認した後で、寝室にギフトボックスを取りに行った。
プレゼントを彼女の前に置いた。彼女がラッピングを剥がし、中を覗くのを見ながら、僕はワクワクして思わず小躍りするように動いていた。
カレンは安物のTシャツを両手に持って掲げた。しばらく、困惑したような顔で前面の文字を読んでいた。すると、みるみる彼女の目が潤んできて、両手を震わせ始めた。それに合わせて掲げたTシャツが震えている。
「こ、これって……あたしが思ってることを意味してるの?」
僕は笑顔で自分のお腹を擦って見せた。「そうだよ。子供ができたんだ。君は僕を孕ませたんだよ」
僕はカレンが歓声を上げると思っていた。キャーッと金切り声を上げるかもと。だが彼女は、そうではなく、心の深いところから絞り出すようなすすり泣きを始めた。そして涙でよく見えないのか、やみくもに両手を広げた。ハグを求めてる。シャツが手から床に落ちた。
僕は彼女に近づき、彼女は両腕で僕の体を包んだ。顔を僕のお腹のところに埋め、泣き続けている。熱い涙が僕のドレスの生地に染み込み、肌に伝わった。
ブリイはこれまでこんなことをしてくれたことはなく、我慢しようとしても刺激が強すぎ、とうとう耐えきれなくなり彼女の喉へと噴射した。ブリイは、亀頭だけが口に収まるところまで顔を引き、淫らっぽい手つきで肉茎をしごき、わざとなのかズルズルと音を出して最後まで飲み下した。
僕は、彼女の口が僕の口に並ぶところまで彼女を抱き上げた。ブリイは顔を背けようとしたが、僕はそれを許さず、ビロードのように柔らかな唇に自分の唇を押し付け、強引にキスをした。それを受けてブリイは僕にしがみついた。僕の分身を根元まで飲み込んだ時に出た涙が拭き取られずに残っていて、彼女は涙で潤んでいた。
「ああ、ブリイ……こんなこと、どこで覚えたんだ?」と囁いた。
「職場の女の子にやり方を教わって、ディルドで練習したのよ」と彼女は囁き返した。
僕は切羽詰まった口調で返した。「ありがとう。今度は僕の番だ!」
彼女を抱きかかえたままくるりと反転し、ブリイをベッドに仰向けにさせた。抵抗できないように、左右の手首をつかんでベッドに押し付けた。甲高い悲鳴を上げたが、無視して、あの長く細い首に沿ってキスをしながら降りていった。ブリイは官能が高まったのか、ぐっと背を反らせた。そのために胸を僕に突き出す格好になる。彼女の左右の乳首はスパイクのように固くなっていて、僕の胸板を突いてくる。まるで、すぐに触ってと訴えているように。もちろん、僕はその求めに喜んで応じた。