ジェニーは僕が目をキラキラさせているのを見て、ゲイルに笑顔を見せた。
「ゲイル? 彼女、あなたのお仕事が気に入ったようよ」
僕は鏡を見ながら言った。「自分を見ているなんて、本当に信じられない」
ゲイルもコメントをした。「私、あなたは素敵な顔立ちをしているって、いつも思っていたの。でも、女性の顔だとは思ってもいなかった。本当に美人の顔立ちをしてるし、体で愛してあげる相手としても、とても楽しくて素敵な人。女同士愛し合うような点で変わったことだというのは全然、問題にならないわ。だって、あなたは実際は、立派な男性なんだから」
ジェニーは僕のパンティの上から股間を掴んだ。「私も、全部ひっくるめて楽しんでるわ。あなたの中にいる女も大好きだけど、男の部分も大好きなの。実際、男と女の2つの世界でも一番良いところを兼ね備えている感じだわよ」
そう言って、素早く僕にキスをし、股間から手を離してくれた。
僕たちは3人揃って、部屋へと戻った。ジェニーとゲイルを両脇にして歩く。スカートが脚に絡まり、さわさわと揺れていた。部屋の中にはドナがいて、すでに身だしなみを元通りに整えた姿でソファに座っていた。そして僕を見つめている。
「まあ、何て素敵なの、ミス・ビッキー」
それに応じて僕も返事した。「ありがとう、ミス・ドナ」
吐息混じりの高めの声で優しく答えた。気づかぬうちに、僕は、話しをするときには男性っぽい声を出さないように意識するようになっていた。いかにも女、というような言葉使いは真似たくなかったが、声の調子や発声の仕方については女性っぽくなるようにしていた。自分の女性としてのイメージは幻想なのは知っているので、むしろ、その幻想を完璧なものにしたいと思っていた。
ドナは、僕の返事に満足して、にっこりと微笑んだ。「本当に素敵よ、ビクトリア」
それからドナはゲイルの方を向いた。「ゲイル? 家に入ってくるときバッグを持っていたのを見たけど、何を持ってきたの?」
ゲイルは少し顔を赤らめた。「私、ちょっと、この前のプレーのときに起きたことが再現されるのかと期待していて、それにふさわしいおもちゃを持ってきちゃったの」
それを聞いて、ジェニーは好奇心に満ちた目つきをし、ドナは、驚いたように目を見開いた。
「まあ、持ってきたものを見せてくれる?」 ドナは、ソファの上、姿勢を正して座りなおした。
ゲイルはバッグのところに行き、持ち帰ってきた。チャックを開け、中から道具を出し始める。手錠、各種の鎖、首輪、何かディルドのように見えるが、サイズが小さいものがいろいろ、黒の目隠し2つ、鎖付きの小さなクリップ。他にもバックから出さなかったアイテムもいくつかあった。
ドナは、興味深そうにアイテムを見ながら、鼻を少し膨らませた。
「それで? このアイテムを誰に使いたいと思っていたの?」 にやりと笑いながら、からかうような口調で尋ねた。
「どなたでも、志願したら・・・」 ゲイルも微笑を返しながら、慎ましく返事した。
4人とも互いの顔を見あった。僕は、痛みを感じるのは良さそうとは思えなかったが、これまでの経験であったような、軽い程度に、人に支配されることについては、とてもエロティックだと思った。それと同時に、支配する方に回るのも興奮しそうだとも。
ドナが口を開いた。「ジェニーと私が支配側で、あなたとビクトリアが受けて側というのはどう?」
ゲイルはにっこりと笑った。「まさに、そう想像していたわ。想像の時にはジェニーはいなかったけど。でも、ジェニーが加わるともっと良さそう。どうかしら、ミス・ビッキー?」
正直、ここで、あまり興奮していないなどとは言えなかった。だが、この美しい3人の女たちと、もっとセクシーなプレーができるという期待は、決して不快なことではない。
前に使った、「私は皆さんになされるがまま」といった表情を使って、それを顔に浮かべながら、返事をした。
「こんなに支配的な女性二人に盾突こうとしても、何かできることはあるの?」
僕の返事を聞くとすぐに、ドナはおもちゃを集め、バッグに戻し、僕たち全員を寝室へと引き連れた。