レオはパニックになっていた。前日、スカートを買うのを忘れてしまったからだ。できれば、フィリップス氏が気にしなければいいんだけど。念のため、レオは一番セクシーな、タイトなドレススーツを着た。
会社に行き、デスクに座って、たった30分後のことだった。フィリップス氏にオフィスに来るよう呼び出されたのだった。
「ミセス・スペンサーに非公式の服装規定について話しをされたはずだが?」
「はい、でも……」
フィリップス氏は途中で遮った。「だが、お前は服装規定を無視することにしたということだな?」
レオが答えられずにいると、フィリップス氏は続けた。「まあ、規則を破ったら、処罰を受けなければならない。こっちへ来たまえ」
レオが近づくと、フィリップス氏は命令した。
「ズボンを脱ぎなさい」
ためらっていると、さらに強い口調が飛んできた。
「今すぐ!」
レオは言われた通りにした。幸い、今日はパンティを履いていた(ピンク色のソング・パンティ)。フィリップス氏はレオを掴み、太ももの上に覆い被らせた。
そして彼はスパンキングを始めた。かなり強く。レオは最初はもがき逃れようとしたが、フィリップス氏の方がはるかに強かった。結局、レオはしくしく泣きながら、甘んじて叩かれるままになった。
「オフィスガールは」 ピシャリ! 「決して」 ピシャリ! 「ズボンを」 ピシャリ! 「履かぬこと」 ピシャリ!
フィリップス氏から解放された時には、レオのお尻は真っ赤になっていた。レオはパンティ姿でめそめそ泣きながら立った。
「今すぐ、店に行き、ミニスカートとストッキングを買ってくること。それに着替えたら戻って来なさい。こういうことは二度としたくないものだ」
「承知しました」
レオはズボンを履き、オフィスを出て、ハンドバッグを取って店に向かった(ちなみに、彼が履くズボンにはポケットがないので、いつからか、彼はハンドバッグを持つようになっていた)。
お尻がヒリヒリしていなかったら、レオはこのショッピングを楽しんだことだろう。彼は曜日ごとに変えられるよう、5着選び購入した。すべてミニスカートで、タイトなものとゆったりとしたものを混ぜた。これならフィリップス氏に許容してもらえるのではと期待した。
レオは一番キュートと思ったスカートを履き、職場に戻った。
フィリップス氏はスパンキングのことにまったく触れず、何事もなかったような顔をしていた。
*
その夜、クラブでの仕事は前日と同じように進行した。仕事終わりのフェラチオも含めてである。レオは家に戻るとすぐにディルドを使って自慰をし、その後、バブルバスに入ってくつろいだ。お風呂からあがったら、お化粧の練習を始めようと思った。その一時間後、彼はすっかり化粧のコツを飲み込み、その結果に極めて満足した。
それから髪の毛を何とかしようと試みた。長さは今はあごのあたりまでに伸びている。前から伸ばし続けてきたのだが、どういうふうにスタイルを決めてよいか分からなかった。結局、ヘアサロンに行くことに決め、翌日行く予約を取った。
少なくとも今日は金曜の夜。だから翌朝はゆっくり眠ることができる。レオは、ベッドに入りながらフィリップス氏にされたスパンキングのことを思い出していた。不思議なことに彼の乳首は勃起していた。
*
翌日、レオはヘアサロンに行った。サロンの女性がどういうふうにするのか分からず、彼は、ただ、「いい感じに決めて」とだけ伝えた。サロンの美容師はその要望通りの仕事をした。彼は結果に満足だった。
その後、レオはまたも買い物をした。彼は、この日の夜、ある大きなことをしようと計画しており、それにふさわしい服装が必要だったのである。
選んだ服は、丈の短いピンク色のドレス(彼はピンク色が大好きになっていた)。胸元は極端に切れ込んでいる(ほとんど、おへそのところまで前が開いている)し、背中もほとんど丸見えになっているデザインだった。この丈の短さなら、前屈みになればお尻の下のところがすっかり見えるだろう。彼は、このドレスにマッチするストラップのハイヒールも買った。
次に、レオは耳とおへそにピアスをした。クラブで働く女の子たちのたいていがおへそにピアスをしているのを見ていて、とてもセクシーだと思ったのだ。
ピアス店の男性店員に勧められて、彼はお尻の少し上に小さな星のタトゥもしてもらった。お尻の割れ目が始まるすぐ上のところにであった。
買い物を終え、レオは家に戻り、香水入りのバブルバスに入った。念のためと、「あそこ」をしっかりきれいにしておくべきだと思い、浣腸をした。
ようやくすべてが準備完了となり、レオは鏡を見た。鏡の中、まさに望んでいた姿があった。とてもセクシーなクラブ好きの遊び女(もっとも胸は平らだったけど)。
*
ずんずん突きを送りながら、彼女に覆いかぶさって、首筋にキスや甘噛みをした。両手をトップの中に滑りこませ、捲り上げて、コリコリ状態に固くなった乳首に触れた。そう言えば、ローラが、さっき、痛いのが気持ちいいって言ってたのを思い出した。俺は彼女の乳首を強くつねり、捩りながら前に引っぱった。
「ああっ! いいッ! それ感じるぅぅッ! もっと、もっと! 突いて! 突いて! あっ、あっ、あっ。ああっ! イキそう!」
ローラのあそこがキュウーっと締まり始めるのを感じた。ペニスをぎゅうぎゅう締めつけてる。よほど感じてるのか、身体をぐらぐら揺らして、安定しない。なので、さらに強く乳首をつねった。すると今度はぶるぶると身体を震わせ始めた。俺は彼女の首の根元の筋肉にかなり強く噛みついた。
その畳みかけるような痛みのせいで、ローラは限界を超えたようだ。突然、彼女の膣肉が狂ったような動きを始めた。身体はじっと固まり動かないのだが、あそこの中が激しく動き、俺のペニスを締めつけ、強力なミルク絞りを始めたのだった。ローラは、絶頂に達した時、まったく声を上げなかった。ただ首の筋肉が完全に張りつめ、顔がみるみる赤くなっていった。
ローラは20秒ほどそのままでいて、その後、大きく溜息をついて喘ぎ声を上げると共に、がっくりと前のめりに倒れ込んだ。身体の骨がなくなったみたいにぐったりとなっていた。強烈なオーガズムにエネルギーを使い果たしたみたいだ。
回復しようと何度も大きく空気を吸い込んでいて、俺が抜け出ると、それ感じたのか、ううんと小さな声を上げた。俺の方を振り向いて、にっこり笑ったが、すっかり呆けた顔をしていて、言葉も酒に酔ったような言い方になっていた。
「あーん! こんなオーガズム、初めてよ! いつもだと自分でクリをいじらなくちゃいけないのに、今のは全然。全部、身体の中から! わーお! わーお、としか言えない! あう、ああ、可哀想に、まだイッテなかったのね。それ、今もらってもいいでしょ、ね?」
ローラは滑るように床に座り込み、愛液で濡れたままの俺のペニスを口に入れた。さっきまでローラに打ち込んでいたわけだし、彼女の舌の快感もあって、俺も膝から力が抜けて、床にへたり込んでしまった。
ローラは根元までゆっくり飲みこんで、そこで留まり、またゆっくり吐き出すのを繰り返した。さっきの一戦は、爆発的で急速だったが、今回は興奮を徐々に高めて行く感じだった。
両手を俺の太ももの内側に添えて、睾丸をほとんどくすぐるような指の動きで刺激する。その繊細な刺激に背筋に電流が走った。
指が1本、偶然、アヌスに近いところを擦り、思わず、うめき声を上げて、脚を広げた。「ああーん!」と可愛い女の声が出ていた。さっきが男モードだったとしたら、今回は女モードでいきたかった。俺は彼女の大きな瞳を覗きこんで、おねだりした。
「お願い、指でお尻をやって。もう少しでイキそうなの。すごく近いの。だから指で犯して、お願い!」
俺のペニスを咥えながらも彼女がニッコリ笑うのが見えた。そして、彼女の指が触れるのを感じた。アヌスが自然と濡れていて、それを柔らかい指が円を描くように撫でて、湿り気をまぶしてる。ローラは俺のそこが濡れてるのに気づいてビックリしていたが、だからといって止めることはなかった。
指を1本、根元まで入れて、俺が痛そうな顔をしてないのを見ると、さらにもう1本、そしてさらに3本目も入れて、出し入れの動きを始めた。
フェラのスピードにあわせて、徐々に指も速く出し入れしていく。その時、ローラは指を中に入れたまま、指を上方に曲げた。まさに前立腺を直撃だった。その瞬間、超高速列車のごとく、俺は絶頂に達した!
「い、いっくぅぅぅぅぅぅッ!!」
ローラとは違って、イッタ瞬間、大きな声で叫んでいた。両手で彼女の頭を押さえ、ペニスを咥えたままにさせ、何度も何度も腰を上下させ、多量に発射した。しかも彼女の喉奥に直に。ローラは俺の射精の勢いに追いつかず、半分くらいが口から溢れ、あごを濡らし、さらには俺の肉茎を伝って流れた。
無理やり、こんな形で飲ませたので、ローラは怒ったかもしれないと思ったが、杞憂だった。ローラはにっこり明るい笑顔で、言った。
「これ、美味しいわ! いつか、もっと私に飲ませて。じゃないと怒るから」
そう言って、俺のペニスをべろべと音を立てて舐め、きれいにした。すっかり満足するとローラは俺の身体に這い上がって、キスをし、俺に覆いかぶさった。
その時、急にドアをノックする音が聞こえた。びっくりして、恐怖にひきつった顔をしたが、ローラは笑っていた。
「大丈夫。ドアにはカギをしてあるから。私、最初からあなたを誘惑しようと思っていたのよ」
俺は頷き、微笑んだ。「ほんとに誘惑されちゃった」
「えへへ、そうよ。でも服を着た方がよさそうね。ランチ・クラスの生徒たちだと思うの。私が教えてるクラス」
俺はサマーセータを頭からかぶり、トランクスに足を入れた。ローラもパンティを履き、ズボンも履いて、トップを直した。ふたりとも人前に出ても恥ずかしくない格好になった。俺は彼女にはにかんだ顔を見せ、訊いてみた。
「あの…、もし今夜、暇だったら、ディナーを一緒に食べに家に来てくれると嬉しいんだけど…。どう?」
ローラは満面の笑顔になった。「もちろん、最高! さあ、フロント・デスクまで案内するわ。そこに住所を書いて。7時ごろはどう? それだと、いったん家に戻ってシャワーを浴びることができるから、助かるんだけど」
「うん、7時に!」
******
ダイアナと別れた後の1週間、感情的には起伏の激しい週だった。アンジーと私は、ポールの指導のもと最後のリハーサルをした。ポールによると、ダイアナは別の時にポールに会ったらしい。来たる週末に対して、興奮もしていたし、恐れも感じていた。
この週はトレーディングの仕事には完全に近づかないようにした。こういった精神状態では自分の直感を信じることができないから。
ダイアナに何度か電話し、留守番電話にメッセージを残した。ダイアナはかけ直してくれなかった。金曜日、その日の大半を職場のオフィスの窓際に立って過ごした。腕を胸の前に組んで、ラサール通り(
参考)を眺めて過ごした。
午後4時ごろ。アンジーが私の後ろに近づいていたことすら気がつかなかった。アンジーは両腕を私の脇に差し込み、後ろから優しく抱きしめてくれた。その人間的な接触をありがたく感じ、私は後ろのアンジーに身体を預けた。
「ミーハ(
参考)、こんなところで時間を潰してたのね」 と彼女は甘い声で言い私を落ち着かせた。「今のあなた、1000マイルも遠くにいるみたい。ロブもジムもシャーリーも、もう出かけているわ。スタッフの大半がむしゃむしゃ食べてるところ。この週末のイベントに備えてね。私たちだけで、このお祭り騒ぎの打ち上げを前もってやっちゃうのはどう? ノース・ピア(
参考)に行って、ディックズ・ラスト・リゾート(
参考)で脂っこいあばら肉を食べて、ハリケーン(
参考)を飲んで楽しむの。それから、互いの指を舐めあってきれいにし、天井の扇風機にナプキンを投げて、あそこのウェイターたちのように他のお客さんたちを侮辱するの。それとも、船着き場に行って、ボートを見てもいいわ。一番良さそうなボートを選んで、オーナーに何気なく話しかけて、こう持ちかけるのよ。私たち一番露出度の高いビキニを着て、デッキで日光浴するから、私たちを乗せてクルーズしてって。そうしたら、そのオーナーさんすごくクールに見えると思うけど、どう? ってね。その後、街に戻ってあなたの家に行って、あなたと私で気を失うまでセックスするの。どう? いいプランだと思わない?」
もう本当に、良さそうなアイデア。何から何まで。この5日間、ずっと感じてきた緊張感。それをほぐす何かが欲しかった。ディックズでハリケーンを飲んで酔っ払い、大騒ぎをしたら、確かに緊張がほぐれるだろう。もしここに戻ってくる時に、酔っぱらってグラスを落として割ったりしなかったら、キッチンの食器棚にどんどん増えてるチューリップ・グラスのコレクションにまた新たなコレクションを加えることもできる。アンジーとセックスするというのも、すごく良さそうに思った。こんなことを考えるなんて、何て私は酷い人間だろう。たった5日前に、ダイアナとベッドを共にし、彼女を愛していると言ったのに。なのに今は、アンジーを家に連れ込んで、彼女を揺さぶりたい、あるいは彼女に揺さぶらられたいと思ってるなんて。私は誰を裏切ってるの? ダイアナ? アンジー? それとも両方を?
私はアンジーの方に向き直って、彼女を抱きしめた。
「アンジー、本当に楽しそう。ラム酒を飲んで、エッチっぽくなったあなたを抱いたり、そんなあなたに抱かれたりすること、何もかも。でも、あなたと安っぽく、意味もなくセックスするというのは今は良い考えかどうか、はっきりしないの。これまで、誰か他の人を考えたことはないの? 誰か、もっと……」
仕事において、アンジーとずいぶん長いこと一緒に働いてきたけど、こんなふうに泣き崩れる彼女を見たことがなかった。彼女は私の抱擁を振り払い、泣きながら私のオフィスから走り去った。私も、ハイヒールを履いていたけれど、彼女を追いかけて走った。追いついた時には、アンジーはすでにバッグを持って、デスクにカギをかけているところだった。彼女の腕に手を添えると、彼女は私に目もくれず、私の手を払いのけた。今度は彼女の両腕をしっかり押さえ、こっちを向かせた。ヒールを履いていても、私たちはほとんど同じ背の高さだった。
「どういうこと?」 と私は強く訊いた。
アンジーは私の視線を避け、もがいて逃れようとし、かな切り声を上げた。「離して! 誰か他の遊べる女を探しなさいよ!」