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最後のテスト (3:終) 

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その最初の性的な出会いの後、私は完全に女性化することに決めた。ええ、それまでもその努力はしてきたけど、それはあまり真剣ではなかった。でも、アナルにしてもらって(狂うほど感じまくった)後は、それまであった男性性の小さなかけらも消えたと分かった。それに、再び男性に戻りたいとも思わなくなった。

でも、それって何を意味するんだろう?

私の場合、それが意味することは、生活のすべてを女性の観点から見始めるようになったということ。私の外見のあらゆる細かな部分部分が男性を見つける可能性にどう影響するかを考えるようになった。女性を性的な関係を結ぶ可能性のある存在として見るのをやめた(しばらく前から、そんな目で女性を見ることは真剣にはしていなかったけれど、古くからの習慣はしぶといものだから)。そうする代わりに、他の女性を見て、そのスタイルが私のよりどの点で良いかを考えるようになった。

要するに、脚の間に小さなペニスはあるものの、私は女性になったのだった。

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12
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ザーメンの塩辛い味には、とても興奮させるものが含まれている。それを飲まされると、変化を経てきた私のすべてが肯定されたように感じられる。誰も、口いっぱいにザーメンを注ぎ込まれて、自分は男だと感じる人はいないだろう。

ともかく、変化が完結して2年ほど経ったとき、ある科学者から一通の手紙を受け取った。

その科学者のことは聞いたことがあった。実際、ノーベル賞を取った人だった。名前はオマール・ベル博士。博士は私に説明した。変化が始まる2週間ほど前に実験的な遺伝子治療薬が研究室から盗まれたと。そして、それを盗んだ者たちを追跡するのにほぼ2年間かかってしまったと。後から分かったことだけど、その泥棒たちは私を襲った二人組だった。

彼らが私に使った吸入器には遺伝子治療薬が含まれており、私はそれを飲まされたらしい。彼はこの件について、心から申し訳なさそうに述べていたが、同時に、からだの変化などについて報告することに同意してくれないかと述べていた。また私のからだを調べるのも許可してくれと。彼はそうしてくれたら金銭的に充分、報酬を提供すると言っていた。もちろん、私は同意した(なんだかんだ言ってもお金が必要だったし、その点に関してはベル博士は非常に気前が良かったから)。以上がその研究の結果である。

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13
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テストは完了し、圧倒的な成功を収めた。すべての被験者が似た反応をしていた。これは不思議と言える。大半が医師から逃れた(ひとりだけ例外があり、その人物に関しては我々は干渉した)。そして大半が女性としての生活を始めた。医師との接触を続けたひとり(被験者25番)は、医師から、これはホルモンのバランスの不調であり、身体的変化を別にすれば、生活に影響はないだろうと告げられた。もちろん彼はこれを事実として受け入れ、その後は医師と会うことはなかった。

ひとつ、予想しなかった副作用があり、それは、全員が性的に活発になったということである。ほんの些細なことでも興奮してしまい、その興奮状態に導かれて、自然の結末の行為に至ってしまうのが普通であった。しかしながら、その状態は徐々に落ち着きをみせて行くようである。おそらく一時的なものであろう。時間と共に、普通の性的興奮のレベルを獲得していくようである。

そのような問題点はあるものの、これらのテストにより、例の化合物を現実に放出する準備は整ったことが確証された。放出は2段階を踏む。第1段階では、大気に放出する(世界各地に113の放出地点を設ける)。第2段階では、世界の水資源に放出する(722地点)。化合物は最初は不活性状態であるが、64日後に活性化することになる。

その後、変化は急速に開始するだろう。私は警告文を書こうと思っている(ただし、化合物を止めるのには遅すぎる時間になってからだが)。そうすることによって、おそらく、心的な変化が促進されるに違いない(彼らが変化を不可避なものとして認識するだろうから)。どちらにせよ、私のライフワークが間もなく完成を見るに至るのだ。

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最後のテスト (2) 

06
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変化が始まってから9か月後、僕は学校を辞めた。その頃には、僕はいまみんなが見ているような姿になっていた。胸がないけどおちんちんがついてる女の子のようなからだ。

ああ、それにお尻のこともある。あそこが敏感になったと言うだけでは、全然、言いたりない。分かってるよ。どうしてそれが分かったんだと思っているだろう? シャワーを浴びていて、お尻を洗った時だった。まあ、ちょっと指を中に入れたんだ。そして、気づいた時には、指でせっせと自慰をしていたよ。

自慢して言うわけじゃないけど、ものすごく気持ち良かった。それにしばらく前からおちんちんの方はあまり自慰に向かなくなっていたから。何か別の方法で欲求を発散する必要があったんだ。

それから2週間後、僕はオンラインでディルドを買った。指でアレだけ気持ちいいなら、ディルドだったら圧倒的にすごいんじゃないかと。

思った通りだった。そしてすぐに、ペニスに指一本触れなくても、簡単にオーガズムに達せることが分かったんだ。しかも、何回でも。

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07
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大学からドロップアウトして、さらに家族とも連絡を遮断した(どう説明していいか分からないだろう?) その結果、何か仕事につく必要がでてきた。

唯一の問題は、僕が女の子のように見えるということ。しかも、少しだけ女の子っぽいと言うんじゃなくて、まるっきり女の子っぽいということ。僕みたいに女の子としか見えないのに、男だと言う人を誰が雇ってくれるだろう?

唯一の現実的な選択肢は、女の子になることだった。僕は女の子のような服装をし、女の子のような振舞いをした。実際は、それが最初だったというわけではない。すでに以前からどんどん女性的になっていたのは事実。部分的に女装するのは大変なことではないから。

そして、間もなく、僕は普通の女性とほとんど見わけがつかないようになっていた。そこで秘書の仕事に就いた(ああ、ありきたりなのは知ってるけど)。しばらくの間は、かなり上品な生活をしていた。というか、少なくとも、普通のありきたりな生活と言ったほうがいいかな。朝起きて、職場に行って、帰宅して、少しテレビを見て、ディルドでオナニーして、眠りにつく。そんな生活。

でもしばらく経つと、男たちの視線を感じるようになっていた。多分、男たちにはちゃんとした道具がからだについていると知っていたという事実のせいかもしれないし、それとも、僕が女性のように振舞っていたという事実のせいかもしれないけど、僕は男たちに惹かれると気づいたんだ。

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08
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自分のそんな気持ちを素直に認める勇気を振り絞って、自分は男性が好きと認めるまでには、かなり時間がかかった。

でも、それを認めた時は、一気に全部吐き出した。

以前の僕は女性のどんなところが好きだったんだろうと思いだし、それをまねることにした。

前は、トランプ・スタンプ(参考)をした女の子が好きだった(ああ、知ってるよ、でも……)。そこで、僕も腰の後ろに彫ってもらった(それに他の女性向きのタトゥ―をいくつか)。お化粧も完璧にマスターすることにした。あと、女性用のアクセサリーもつけ始めた。

でも、いちばん力を入れたところは、男たちに媚を売る方法を学び始めたこと。

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09
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初めての男性との性的な出会いは、一言で言って、特別だったと言える。いや、ロマンティックなことではない。全然違う。

そうしようと決め、実行した。明確にオトコを引っかける目的でクラブに行った。そして、実際、あの男を引っかけたのだった。

彼の名前は覚えていない。もっと言えば、名前を教えてもらっていないと思う。ただ、セクシーな男だったのは知っている。彼はからだが大きく(ええ、大きい男が大好き)、スポーツマンのような体形で、そして何よりおちんちんが大きかった。ああ、そう。彼は黒人。どうしてなのか分からないけど、なぜか、黒人男性にしか惹かれない。

彼とふたりで部屋に帰った時、どうしてふたりきりで部屋にいるのか、疑いようがなかった。玄関を入ってすぐ、彼に抱きついていた。そして数秒後、彼の前にひざまずき、ズボンのチャックを降ろしてた。

フェラチオには、女性性に訴えかける何か特別なことがある。からだの変化や心の変化がいろいろあったけど、フェラチオをすることが僕をいちばん変えたと思う。

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10
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やっぱり僕じゃなく私と言った方がしっくりくる。

ここまで読んで皆さんが何を考えているか分かる。私の小さなおちんちんはどうなったと思ってるはず。 たいていの男は、それを見たら怒りだすんじゃないかと?

答えはノーだった。私が服を脱ぐ段階まで来ると、たいていの男たちは私の脚の間についてるモノなんか気にしなくなっているものだと分かった。多分、その理由は、私が明白に女性的だということかもしれない。そのため、私のことを男だと考えられないからだと。よく分からないけど。ともあれ、いままで、私はたくさんの男たちと付き合ってきたけど、誰一人として私がかつて男だったことを気にしているようではない。

最初の男のことに話しを戻すと、彼は裸になった私をすぐに四つん這いにさせて、後ろから突っ込んできた。そしてバンバン突かれた。その時の感じは……完璧だったとしか言えない。ディルドを知るまでは、自分の指が気持ち良いいと思っていた。そして、最初の男に深々と突きまわされるまでは、ディルドが最高と思っていた。今は、これ以外のセックスなんか考えられなくなっている。

アナルセックスには潤滑液が必要だと聞いたことがあった。だけど、私のからだにどんな変化が起きたか分からないけど、私は興奮すると自然に潤滑液を分泌するからだになっていた。振り返ると、そういったからだの変化が何を意図したものか、理解するのはそれほど難しくないと思う。


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最後のテスト(1) 

01
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02
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これは被験者番号23についての説明である。このテストの目的は、例の化合物が被験者を変えるかどうかを決定することではない。被験者が変化することは、これまでの複数の被験者から、すでに確定している。その変化が望んだスケジュールで発生するよう、化合物の調整も行ってある。しかし、このテストの目的は、脳に若干の変化を加えることが必要かどうかを決定することにある。

その必要はないというのが仮説だ。性的指向の変化を促進させるには、身体的変化、ホルモンの変化、そしてフェロモンの変化だけで充分であるはずであるということだ。

現実の生活状況を再現しようとする代わりに、普通の白人男性に化合物を与えるという単純な方法を取った。

2年間を置いて、この人物を再訪する。その際には、どうして問題の化合物を彼に用いたかについて捏造した言い訳を伝えるつもりだ。

個々人による変動を排除するため、同じ実験を他のもう4人(24番,25番,26番,27番)に対しても行うだろう。

私の仮説が正しければ、2年半以内に例の化合物を世界に放つ準備ができるだろう。

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03
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僕はおちんちんが大好き。この通り。言った通り。こんなことをするなんて考えたことがなかったけれど、でも、やっている。


でも、これはどんな意味があるだろう? これをして僕はどうなるのか? つまり、何と言うか……僕はこんなことをするべきじゃないはずなのに。そもそも僕は女の子ではないし、ゲイでもない……少なくとも自分ではそう思っている。つい何ヶ月か前までは、違っていた。

多分、説明が必要。ああ、これは僕。知っているよ…男には見えないことは。前はこんなじゃなかったし、こんなふうになりたいと思ったことももちろんなかった。

最初から話すべきなんだろうと思う。僕の名前はシェーン。数か月前までは、ごく普通の男子学生だった。男子寮に入って、スポーツをしたり、筋肉トレーニングをしたり。そして、もちろん女の子が好きだった。

以前は身長185センチで体重も90キロ以上あったなんて信じがたいでしょ? 時々、自分でも信じられなくなる。でも今は鏡を見ると……

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04
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こんなこと好きになってはいけないとは分かってるけど、おちんちんを口に入れると、何というか……すごく当然のことをしてるように感じる。

ともあれ、僕は普通の男だったんだけど、ある日、男子寮に歩いて帰る時、知らないふたりの黒人男に襲われたのだった。もちろん抵抗して払いのけようとしたけど、相手はふたりだから。そして、妙な展開になったのだ。

彼らのひとりが吸入器(喘息の人が使うようなやつ)を僕の口に当て、もうひとりが僕を抑えこんでボタンを押したのである。そして……僕はその場で気を失ってしまった。でも、連中は僕をその場に放置して去って行った。お金すら取らずに。まったく妙な出来事だった。

2日ほど経って、僕はそんな事件のことは忘れていた……声が変わるまで。ついさっきまで、普通のバリトンの声だったのが、次の瞬間、女の子の声みたいに高い声に変わったんだ。言うまでもなく、病院に行った。医者は多分、風邪でもひいたんだろうと言った。僕もこの通りウブな人間だから、その医者の言うことを信じた。

それから2週間ほど経ち、今度はからだじゅうの体毛が抜け落ちてるのに気づいた。多分、何日か、あるいは何週間かに渡って進行していたんだろうけど、それに気づいたのは一瞬の出来事だった。

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僕はまた病院に行った。医者は僕が彼の邪魔をして、何か良からぬことを企んでいると思ったんじゃないかと思う。なので、僕は、その件は放っておくことにした。

その後は病院には行っていない。でも、からだの変化についてリストアップし始めた。……そうして見ると、実際、変化が生じていることに気づいたんだ。

それから半年に渡って、僕の全身が変化しているように思えた。身長は158センチまで縮んだし、体重も46キロまで減ってしまった。からだの形も変わっていた。お尻がちょっと丸くなっていて、腰幅が大きくなっていた。

それに、ペニスも……以前のサイズの半分以下にまで小さくなっていたんだ。

僕は怖くなった。だけど、医者に診てもらいに行く気にはならなかった。体調が悪くなったわけではないし、こんなからだになって恥ずかしかったから。

今から思うと、医者が僕のからだを診ても何もできなかっただろうなと思う。

[2015/07/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)