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とうとう本物の泥棒が (8) 


「まったくよお、お前の奥さんのイキっぷりったらなかったぜ。汗だくになって、俺にもポタポタ振りかけてたぜ。イッた後は俺の上に倒れ込んでぐったりだ。俺は奥さんをひっくり返して、仰向けにした。そして思う存分突きまくったぜ。奥さんは、俺に突かれながらさらに何回かイッたみたいだったな。奥さん、これまでまともにイッたことがないような感じだったぜ? すげえ興奮してたなあ……

「まあ、旦那さん、あんたには感謝したい気持ちだな。何しろ、あんたは20年間も奥さんを満足してない状態にしてきてて、俺みたいなのが来るのをベッドで待たせてきたわけだからなあ。そうだと分かってたら、もっと早くここに来てやったのになあ」

そう言って男は股間に手をやり、ペニスを握り、ゆっくりとズボンの中にしまい、チャックを閉じた。夫は無言のまま、それを見つめていた。

「奥さん、多分、このちんぽのことを一生忘れないだろうな。そいつは信じていいぜ」

男は何度も「奥さん」ということで、嗜虐的な興奮を覚えていた。

夫は少しだけうなだれ、呟いた。「寝室のふたりの声は聞こえていた。妻は……楽しんでいたような声を出していたよ。認めたくないけど、それは本当だな」

夫はやつれきった顔をしていた。椅子に縛り付けられ、永遠とも思える時間、妻が寝室で知らぬ男に犯されている音を聞かされ続けたのだ。彼はすべてを聞いたわけではない。妻が自分からキスを求めたことや、自分が上になるといったことまでは聞いていなかった。しかし、夫は充分以上のことを聞いていた。その音や声から、男と妻の肉体が互いに求めあって、ぶつけ合っていたことは容易に想像できた。

妻は信じられないほど大きな声を上げていた。「その黒くて大きいので突きまくって!」とか、その後の声とか。それに加えて、言葉ではなかったが、妻のうめき声やヨガリ泣きの声とか喘ぎ声とか、すべて聞こえていた。ふたりとも体をつなげて快楽をむさぼっていたことは明らかだった。

男は、夫がすべてを聞いていたことを知ったうえで言った。「旦那の言うとおりだぜ。あんたの奥さんは、締まりのいいマンコを持ちながら俺みたいな男が来るのを20年も待っていたんだ。健気すぎて泣けてくるぜ。だけど、俺がヤッテやったおかげで、奥さんも、待った甲斐があったと思ってると思うぜ」

男は夫のペニスを指さした。それは小さいながらも今までないほど勃起していた。

「あんた、奥さんが初めて黒人男に抱かれて喜びまくったって話しを聞いて、ちんぽを固くしてるようだな。多分、俺が出て行った後、その哀れなちんぽを奥さん相手に使いたくなるんじゃねえか? でもなあ、多分、奥さんは旦那さんのことを前ほど感じられないかもしれねえぜ。まあ、いずれにせよ、旦那さんも、白いドロドロを俺が出したスペルマにちょっとは混ぜることができるかもしれないだろうけどな」

男は笑いながら、ズボンの前をこすって見せ、何を言いたいかを伝えた。「改めて、いろいろありがとう。感謝するぜ。アハハ」

男は笑いながら玄関へと向かった。


[2019/04/18] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Secretary's day 「秘書の日」 

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Secreatry's day 「秘書の日」

「はい、それで? ちょっと気が変になりそうだよ、カレン」

「何が?」

「全部だよ。この偽おっぱいから、全身毛剃りから、化粧から何もかも、一種のジョークだよ、どう見ても。なんでこんなことを……」

「ジョークじゃないわよ。これは、士気を高めるためのこと。それに、これを言うのは最後だけど、模範例を示すのはあなたの仕事じゃないの? 彼らはみんな、あなたの従業員。あなた自身がちょっとは努力してるところを示さなかったら、みんなに羽を伸ばしてリラックスするように言えるわけないじゃない?」

「分かってるよ。でも……」

「でも、何? それに、その姿、最高よ。あなた、みんなを圧倒するわよ」

「ああ、だけど、ボクは、丸1週間ずっとこんな格好でいなくちゃいけないのか、まだ理解できてないんだけど」

「従業員のみんなに、あなたは自分自身のことを従業員より上にいる人間だとは思っていないことを見せてあげるためよ。それに、訊かれる前に言うけど、その通り、あなたは丸1週間、秘書にならなくちゃいけないの。そもそも、『秘書の日』のお祝いのためのこと。あなたは、上司として、命令ばっかりしてるわけじゃなくって、自分自身もちゃんと体を動かして仕事をするのだと。それを示すのに、ふさわしいとしか言えない姿だと思うわ」

「ああ……分かったよ、カレン。やるよ」

「その後に『でも……』って言いたそうな顔をしてるわね」

「でも、何て言うか、この格好を見て、誰かがボクを本当の秘書と勘違いしたらどうする?」

「だから? そうなったらなったで、良いことじゃない?」

「こ、こんなの狂ってるよ、カレン。狂ってる」

「むしろ、だからこそ、完璧にうまくいくといえるのよ。あなたが従業員を支援するために、こういうこともするのを見たら、みんな、絶対あなたのことを尊敬するから。約束する。あたしの言うことを信じて」

「分かったよ。すでに、途中まで女装してるわけだしね。女装しても問題にはならないだろう」

「素晴らしい! じゃあ、赤いドレスを着てね。あの、胸元のラインがざっくり開いてるドレス。みんなにあなたの女らしい胸元を見てほしいから」

「ああ、やっぱりうまくいくはずがないよ。そんな予感しかしない」

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[2019/04/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Revelation 「本当の自分」 

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Revelation 「本当の自分」

「で? そのズボンの盛り上がりから察すると、新しいあたしを気に入ってるみたいだけど? どう?」

「え? 何? 俺は……なんで?」

「なんで、あたしが変化してきたのを見てなかったの? というか、あたしがこういうふうになってるのに、なんで気づかなかったの?」

「両方とも、俺は知らないよ、チェイス。それに、頼むから何か服を着てくれないか? ちょっと、俺、居心地が悪いよ」

「もうチェイスじゃないわ。今はキャラっていうの。それに、イヤよ。あんたにちゃんと見てほしいから。しばらくの間、あんたは本当に盲目なんじゃないかと思ってたほどなんだから」

「ちょっと待ってくれ。なんだって? 俺は別に……」

「あんたの一番の親友が、もう1年半近く、女性ホルモンを摂取してきてるのに、あんたは、全然、気づかなかった。気づいてくれないこともカチンとくるものよ」

「でも、別の理由もあるし……」

「ええ、あるわね。バギーのスウェットシャツを着たり、野球帽をかぶったり。そういう格好ばかりしていたから。正直言って、あんたはすぐに気づいてくれると思っていたのよ。それに、あんたがあたしの髪の毛について話し始めたとき、ようやく、いろんなことをつないで気づいてくれると思ったものよ。だけど、違った。あんたは、本当に何も見ていないって感じであたしと付き合ってきた」

「俺は、お前がわざと、ちょっと変人っぽい振る舞いをしてるだけなんだろうと思っていたんだよ。まさか、こんなふうになってるなんて思ってもいなかったんだよ」

「いいわよ。まあね、一度、試しに、自分が間違った体をもって生まれてきたと思ってみるといいわよ。誰も、新しい自分を受け入れようとしないと悩んでみるといいわよ。体を変える決心をしたとして、それを両親が受け入れてくれるかどうか、毎晩、悩んでみるといいわよ。そいうことをしてたら、あんたも、少し変人っぽくなるかもね」

「た、多分、言ってることは理解できると思う。それで? 今からどうしろと?」

「どういう意味?」

「何て言うか、お前、愛し合いたいとか、何かそういうことを言ってるのかなあって? この手のことがあったら、そういうふうになるのが普通だよな?」

「やめてよ! いや、あんたのことは好きだよ。これからも友達でいたいと思ってる。でも……うぇっ……それは、兄弟みたいな付き合いをしたいってことで。いや、ダメ……。本当に。そもそも、何でそんなことを聞くのよ?」

「そんなの知らねえよ。俺はここに来て、いきなり見せられてるわけだぜ? お前は俺の真ん前に立って、素っ裸でいる。しかも、可愛い。だから……なんつうか……この状況をどう持って行っていいか分からないんだよ。分かる? だから、ちょっとは時間をくれよ」

「ああ、そうねえ……この状況が何か曖昧なメッセージを送ってるかもしれないわね。多分、素っ裸になったことが間違っているのかも。でも、あたしが言いたいことは、依然として成立してるわよ。あたしは、あんたに、このあたしの状態が一時的なものとか、そういうものじゃないと分かってほしかったの。これが本当のあたしだと」

「ああ、それは分かった。だから、頼むから服を着てくれない? お前、本当に可愛いよ。分かったよ。ドレスか何か着てくれよ」

「女の子の誰もがドレスを着るわけじゃないわ」

「じゃあ、ジーンズでいいよ! どっちでもいいんだ。ともかく、頼むから、服を着てくれ」

「いいわ。でも、もう一度でも、あたしと愛し合いたい、みたいなことを言ったら、あんたとは付き合わないからね」

「まったく……お前とやりたいなんて言ってないだろ!」

「うん、それでいいわ……ちゃんと聞いたからね」

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[2019/04/15] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Better in this way 「今のままが良いのに」 

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Better this way 「今のままがいいのに」

「もう、何とかしてよ、アレックス。そんな大したことじゃないでしょ?」

「大したことじゃないって? マジで言ってんの? どうしてそんなことが言えるんだろう? ボクは変態女みたいに見えてるんだよ!」

「それってそんなにイヤなこと? あんた、とんでもない性差別主義者なのね」

「ボクは差別主義者なんかじゃないよ。女の子になりたくないって言っただけで、差別主義者にならないだろ」

「その気になれば、あんたを変えて、今の自分の姿を好きにすることもできるのよ。また催眠状態に戻して、アレクシスを普通の人格にすることができるの。そうなれば、そんなに不幸に感じなくなるんじゃない? あんた、この1年、ずっとアレクシスになっていたんだから」

「やめてくれ。本当に! またボクを精神的に犯すなんて、何で口に出せるのか信じられないよ!」

「自分で求めたことでしょ。忘れたの?」

「姉さんは、ボクをだましたんだよ。自分でも知ってるはずだよ。どうやったって、催眠術が本物だって分かるはずがなかったじゃないか。それに、たとえ姉さんがいうことが本当だと思ったとしても、どうして、催眠術でボクをこんな姿にするなんて分かりようがなかったじゃないか?」

「あたしのせいじゃないわ。あんたが心を閉ざしていたんじゃないの。それにね、あんた、今の格好の方がずっとクールだわ。今はお友達がいっぱいいるじゃない? それって、昔のあんたみたいな超オタクからしたら、180度の大変化よ。それに、あんた、前は、学校のあの逞しい男たちのことばっかり話していたけど、その人たち、今はあんたに夢中になってるわ」

「だって、あいつらボクと……分かるだろ?……ボクとやりたがってるからだよ!」

「ますます、あんた、可愛いエッチな女の子になるとしか考えられない」

「ボクを元通りにするつもりなんか、ないんだろ? そうだね?」

「ちょっといい? あんたを元に戻す条件はただひとつ。もう何ヶ月か、あたしの妹になっていること。そして、その状態を本気で楽しもうとすること。それで、今年の終わりになってもまだ元に戻りたいというなら、その時は、条件付けを全部解除して、元の普通の状態に戻してあげるわ。そうなったら、可愛い服を着たいと思ったり、男子たちと遊び回りたいと思ったりしなくなるでしょうね。また、あのバカみたいなキモいオタクに戻ると。それでいい?」

「それこそボクが望んでいることだよ。いいよ。何でも。もうすでに1年はこんな調子で生きてきたんだし。あと数か月なんか、どうってことないよ」

「オーケー。この話ししてる間、あんたずっと素っ裸でいたってこと、早く話すべきだったかもしれないわね。すぐに身支度を整えて。出かけるわよ」

「え?! ヤダ! あたしの服、どこ?」

「これから先、すごく面白いことになりそう!」

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[2019/04/14] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Undercover 「潜行捜査」 

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Undercover 「潜行捜査」
「じゃあ、これは何だ?」 エリックはそう言って私の方を向いた。彼が手にもつ物を見た途端、心臓が飛び出しそうになった。自分の昔の生活を示す証拠はひとつ残らずこのアパートから片づけたのに。なのに、いったいどうして、こんなにあからさまな物を見逃してしまったのだろう? あれを忘れるなんて、ひょっとすると、銃とバッチもキッチンカウンタに置きっぱなしにしていたかもしれない。

頭の中、恐怖感やら、不安感やら、すべてが悪い状態になったときの計画やらが渦巻いていたけれど、あたしは笑顔になってエリックの手から昔の自分の警官帽を取り上げた。そして、その場の閃きで、こう答えた。「あたしはストリッパーよ。というか、あなたがあたしをあの生活から脱出させてくれた前までは、ストリッパーだったのよ。これはその時のコスチュームのひとつ」

彼は、あたしが帽子をかぶるのを見ながら目を細めた。「ずいぶん本物っぽい帽子だけどな」

「だって、あたし、クラブの常連だった警察官から盗んだんだもの」 その場で話しをでっち上げた。「本物を使うとちょっとはショーがリアルなものになるんじゃないかと思って」

エリックは長い間あたしを睨み付けていたが、突然、彼も笑い出した。そしてあたしの方に両手を伸ばし、豊満な乳房をギュッと握った。「本物らしさが欲しいのは、こいつだけだぜ」

安堵の溜息が出そうになるのを何とかこらえた。エリックはあたしの作り話に乗ってくれたから良いものの、下手すれば破滅していたところだったのだ。小さなミスをひとつするだけで、このほぼ2年にわたる潜行捜査が無に帰してしまう。自分をトランスジェンダーのストリッパーであり娼婦であるトリクシーという名の女と偽ってきた2年間。薄汚れたストリップ・クラブに勤めていたあの時期も、一緒に寝た男たちも、手術も、女になるためにつぎ込んだ努力も何もかも失われてしまうのだ。加えて、エリックがあたしは実際のところ彼の風変わりな性的嗜好を満たす愛人などではなかったと知ったときに、彼がどんなことをするか。それも考慮しなければならない。あたしが実際は警官であることを知ったら、エリックは何らためらうことなくあたしを殺すだろう。

エリックはあたしを抱き寄せ、ねっとりとキスをした。彼が何を求めているか分かる。時には断ることもできないわけではないけど、この時ばかりは、彼の気を逸らす必要があった。そのため、床にひざまずき、スラックスのボタンを外し、中からペニスを出して咥えた。

「お前は実に可愛い淫乱だな」と、エリックはあたしの後頭部に手を添えた。「たとえ、警官だとしても」

その言葉がズシンと響き、あたしは顔を引こうとした。だけどエリックは頭を押さえ、さらに奥深くペニスを突き入れてきた。喉がふさがる。「ダメだ、続けろ。俺は知ってたんだとお前に教えたいだけだ。お前を殺すつもりはない。そんなことしたらもったいないからな。お前を俺のそばに置いておく。お前は俺の可愛い淫乱おもちゃにしてやろう。それに、みんなにお前が以前なにをしていたか教えてやるつもりだ。分かったか?」

ペニスに喉奥を突かれ、目に涙を浮かべながら頷いた。

「よろしい。逃げようとしたら、お前を殺す。俺が命じることを断ったら、お前を殺す。お前の家族もだ。地元で待ってるあの、可愛い奥さんはどうなる? 死ぬ。ミネソタにいるお前の弟は? 死ぬ。お前のママやパパは? 全員死ぬ。もし俺を満足させそこなったら、そのことがお前を待ってることになる。だから、つまらん仕事はやめることだな。抵抗もナシだ。ただ、今まで通りの役を演じ続けていればいいのだよ」

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[2019/04/13] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

A wild night 「激しい夜」 

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A wild night 「激しい夜」

「な、何だこれは……」 俺はつぶやきながら体を起こした。髪の毛が顔にかかった。そのこと自体、とても変なことであるのを理解するのに、かなり時間がかかってしまった。「一体何なんだよ?」

「そのカツラ、外そうとしても無駄だぞ」 馴染みのある声が聞こえた。親友のカイルの声だった。俺は声の方を振り返った。だが、そこにいたのは、俺の長年の親友と即座に認識できる人間ではなかった。カイルがいるべきところには、美しい女性がいた。カイルの妹か何かに似てる顔立ちをした女だった。ランジェリーだけの格好で、長い黒髪をしている。そして、何気に股間へと目を向けると、パンティの中、かなり大きな盛り上がりができていた。「俺もやったよ。だが、外せなかった」

「き、君は誰だ? 俺はどこにいる? それに、な、何が……」 ようやく五感に脳が追いついてきた俺は、自分が何かを着ているのに気づいた。目を落とすと、俺は全裸状態で、ただ黒いブラジャーだけを身に着けていた。「うわっ、何だこれ? 一体何だよ、これは!」

「そうだろうな」とカイルの声をした女が言った。「多分覚えていないだろうと思う」

「何を覚えてないと?」 依然としてショック状態のまま俺はつぶやいた。

「昨日の夜、起こった事さ。俺もしばらくかかったが、最後にはすべて思い出したよ」と彼女は言った。

「くそッ、俺は出て行くぞ!」 と俺は立ち上がった。だが、立ち上がると同時に、強烈なめまいが襲ってきてバランス感覚を失い、俺は仰向けにベッドに倒れてしまった。「おい、本当に……何が起きてるんだ?」

「出て行けないよ。俺もお前も」

「何が起きたのか教えてくれ。それに、あんたは誰なんだ?」

「まあ、こんな格好になってるので、多分、俺のことが分からないだろうな。お前自身、前のお前とはとても見えない。化粧かな。俺には分からない。ともあれ、俺はカイルだよ。そして、忘れてるかもしれないから言うが、お前はブレットだ。で、何が起きたかというと……」

その後、彼女は、昨夜の出来事を話した。ふたりで酒を飲んでいたが、ある女と知り合い、最後にはその女のアパートに行ったこと。そこで女は俺たちに催眠術を掛けさせてと言ってきたこと。多分、ふざけ混じりのパーティ遊びのようなもののはずだった。ただのゲーム。だが、女は催眠術で俺たちに何でも言うことを聞く奴隷にしてしまったとのこと。ドレスを着させ、シシーのように振る舞わせたと。

その話を聞いているうちに、昨夜の出来事が頭の中によみがえってきた。女物の服、化粧、そしてセックス……ああ、すごいセックスだった。女は俺たちふたりを玩具のように扱い、ストラップオンで犯し、俺たちに俺たち同士でプレーさせた。そして、どう見ても、俺たちはその行為を楽しんでいたようなのだ。

「どうして逃げ出せないんだ? さっき立ち上がったらめまいがしたが……」

「めまいはすぐに消えるよ。2時間くらいでな」と彼女が言った。

「じゃあ、その後なら逃げれるな?」

彼女、いや彼か。彼は笑った。「ダメだ。昨日の夜にしたことすべてをインターネットに貼られまくって欲しいというのなら話は別だが。あの女は、あと何分かしたら戻ってくるだろう。そして俺たちに何をさせたいか、すべて説明するんじゃないかな。ところで、パンティなが、いくつかあるぜ」

彼女は俺のブラにマッチしたソング・パンティを投げてよこした。「それ履いとけよ。履いてないと、あの女、怒ると思うぜ」

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[2019/04/13] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

We all scream 「みんなアイスを出せと叫んでる」 

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We all scream 「みんなアイスを出せと叫んでる」

「姉さん、こんなこと上手くいくわけないよ」

「もう上手くいってるじゃないの、ジャック? それともジャッキーと呼ぶべきかしら。あんたの勤務時間がもうすぐ始まるわ。だから、その格好にふさわしい心の枠に収まらなくちゃダメよ。いい?」

「ボクは姉さんのことをすごく憎んでるよ。それは知ってるよね?」

「これはあんたが考えたことなのよ。何となくあたしに利用されてるんじゃないかと思うたびに、そのことを思い出してちょうだい」

「いや、誓ってもいいけど、これはボクが考えたことじゃないよ! 何回それを言わなくちゃいけないんだろう。姉さんがすべてを捻じ曲げてしまったんじゃないか。姉さん自身、それを知ってるはずだよ!」

「あら、じゃあ、女の子が全員セクシーな服を着てるアイスクリームのお店を開きたいっていうのはOKだけど、男女の立場を逆転した途端に、あんたはぶつくさ文句をいう訳ね。ふーん。あんた、とんでもない偽善者だわ、ジャッキー」

「ボクは偽善者なんかじゃない! ボクが……ボクが男の服を着るんだったら、全然、問題じゃないんだ。だけど……」

「ああいう服を着たら、あんた、すごく変に見えるって。今の格好の方がずっと似あってるのに」

「ああ、どうしてこんなことを話してるのか、理解できない」

「他の男の人たちは皆、全然文句を言ってないわ。ともかく、これが上手くいってるのを喜んだら? あんたは、パパとママのアイスクリーム店を守る方法を探していたのよね? まあ、これがその方法だったってこと。今までになかったほど人気が出てる。従業員たちも楽しそうにしてるし、店も順調。どうしてあんたが文句を言い続けてるのか、さっぱり分からないわ」

「まるでシシーみたいな格好をさせられるからだよ!」

「だから何? いや、真剣に訊いてるんだけど、それを気にしてる人が誰かいる? あんたもずいぶんチップを稼いでるし、この調子なら、すぐに支店を開くことができるようになるわ。まさに、これこそ、あたしたちがずっと探し求めていた答えなんじゃない? そして、それは全部、あんたのアイデアだった」

「じゃあ、どうしてボクは、店の儲けを全然もらえないんだ? もらえるのはつまんないチップだけなのはどうしてなの?」

「それは、パパとママがこの店をあたしに残してくれたから。でも、心配しないで。もう2年位、あんたでもちゃんとできると示してくれたら、割り込ませてあげるから。約束するわよ。さあ、その可愛いお尻を上げて、仕事に出て。男子寮の男の子たちが何人か来たところよ。今の時間はちょっとスタッフが足りない時間なんだから」

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[2019/04/13] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

A dark time 「暗い時代」 

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A dark time 「暗い時代」

チアリーダー。このただの単語を見るだけで、心にとても特定的なイメージが浮かんでくるんじゃない? 小さなカラダ。セクシーな衣装。長いブロンドの髪。愛らしい顔。この言葉を聞くと、みんな誰でも、元気はつらつでチーム・スピリット満々の素敵な男の子たちを想像する。でも、そう遠くない昔には、男性のチアリーダーなんてほとんど考えられないことだったと言ったら、ましてや、この子のように、肌を露出した衣装を着る男性チアリーダなんて考えられない存在だったと言ったら、皆さん、何て言うかしら? バカバカしいことのように聞こえるかもしれないわね。でも、それは本当のことだったの。

みんな知ってる通り、かつては、フットボールのフィールドは、当時でもケダモノと言えた、強靭な筋肉ムキムキの体の大きな男たちの場所だった。そんな体が大きすぎる男子たちのことは、みんな、高校のクラスの誰もがバカにしてからかってるんじゃない? でも、そういう男子が、まさにその体の大きさや運動能力のおかげで、みんなに崇め奉られていた時代があったの。それに、その時代は、小さな体のくせに過剰に胸が大きい女子も、当時の、女性らしさと美しさについての間違った考えのおかげで、ひたすら崇め奉られていた時代でもあった。あたしたちの基準からすれば、後進的な時代だったわけだけど、だからと言って、そんな時代はなかったというわけではないわ。

それで、何が起きたか? どんなふうに、当時の考え方が変わったのか? 21世紀の初頭は、自動化はまだ生まれたばかりだったけれど、すぐに、それは急速に拡大して、あたしたちが現在知ってるような機械的な労働力へと成長していった。肉体労働の仕事は消滅し、何百万人も職場から追い払われた。このため、多くの所帯において、その追い払われた男たちの妻たちが、所得を稼ぐ主要な存在になったわけ。その時点ですでに、女性の方が何年も前から高等教育の世界では男性より優れた成績を収めるようになっていたから。そして、これも、誰でも知ってるように、誰であれおカネを稼ぐ人間がルールを決めるもの。すぐに、ほとんどすべての権力を持つ地位に就く女性の方が、男性より多くなった。そして、そのような支配関係を女性たちも好んだ。

21世紀も中期に差し掛かると、投票権は、支払った税金に基づいて付与されるため、男性の投票権はほぼ完全にはく奪されていた。ごくわずかの例外を除いて、男性たちは、妻やガールフレンドに完全に依存するようになり、社会全体も、それに応じて変化した。大きく強靭な肉体に対しての価値はますます減少していき、それに置き換わるようにして、家族やパートナーをいたわり、世話をする能力をはぐくむ要請が強調されるようになっていった。さらに、どんな人間関係でもそうであるように、従属的な立場にいるものとして、彼らは、できるだけ魅力的な外見を持つことを期待されるようになっていた。

と言うわけで、その後、一連の出来事が続いて、あたしたちの今の世界に至ったと考えるのは、そんなに難しいことじゃないわよね。ほぼ100年の時間の流れの中で、男性たちは今の役割に落ち着いたと。これ以上、幸福感に満ちた世界はありえないほど、幸せな世界になったと。

だけど、あたしたちの社会にも、今の記録的な犯罪率の低さや、前例のない世界平和や、豊かな経済活動を捨て、代わりに、かつての古臭い時代に後退しようと思う人たちもいるの。彼らは、「男性は下に押さえつけ続けよ」と命ずる法律を撤廃したがっている。彼らは「平等」を求めている。だから、いざという時が来たら……多分来ると思うけど……その時には、こんなに良い時代ばかりじゃなかったということを思い出すこと。男性が支配していた時代は、世界が破滅に瀕していたということを思い出すこと。それを何とか直したのは、あたしたちなのだ、と。だけど、あんな暗い時代なんか戻ってくるわけがないと思い込むのは、バカげたことでしょうね。

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[2019/04/11] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Perfect man 「完璧な男性」 

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Perfect man 「完璧な男性」

完璧な男なんか存在しないなんて、誰が言ってる?

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[2019/04/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Skinny dipping 「裸の水浴び」 

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Skinny-dipping 「裸の水浴び」

「さあ、これでどう? 次はキミだよ、いい? それにさ、そんな目つきでボクを見るの止めてくれない?」

「そんな目つきって?」

「知らないけどさ、まるでボクが女の子みたいな感じで見てるよ。キモイよ、それ」

「そうか? ごめん」

「そうだよ。それに、この、裸になって水浴びするってのも、ちょっと変だよ。キミも本当はそう思ってるんだろ? なんて言うか、女の子たちに服を脱いで泳ごうよって言い寄るっていうのなら話は分かるよ。その手のことなら、ボクも付き合うよ。でも、キミはもう事実上1ヶ月近く、ボクにそうしようって言い続けてきてるんだよ」

「ごめん」

「謝ってばかりだね」

「ああ、でも、トニー。本当のことを言えば、キミは本当に女の子のように見えてるんだ」

「ええ? バカなことを言うのはヤメテよ」

「俺はマジで言ってるよ。その長い髪の毛のせいだけじゃないよ。というか、最近は、みんな、同じことを言ってるんだよ。もし、そのカラダに膨らんだ胸がついたら、もう、どう見たって女の子にしか見えなくなるよ」

「くだらないよ、カレブ。ほんとに馬鹿げてる。このボクのことについて話してるんだよね? どうしてこのボクが女の子に見えるっていうの?」

「ああ、分かってるよ。俺だって気が狂いそうだ。だけど、去年1年の間に、キミの体重がどんどん減り始めただろう? どうやって、そんなに減らせたのか分からないけど……ともかく、キミが痩せ始めてから、キミのカラダは、どんどん女性的になってきてるじゃないか。むしろ、キミ自身がそれに気づかないのが俺には分からないよ」

「バカげてることだから、そもそも気づきようがないんじゃない? とんでもない冗談だよ、カレブ。ほんと気が狂ってるって。なのに、そんなに真面目に受け取るなんて、キミもどうかしてるよ」

「ああ、でも、俺は……」

「あれ? そのズボンの中のモノ。ボクになんとかしてほしいと思ってる? だったら、してあげてもいいよ。ふたりで泳いでる間、しょっちゅうキミの勃起でカラダを突っつかれるのはゴメンだもん」

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[2019/04/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Normal 「普通」 

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Normal 「普通」
「ちょっと、パパ、マジ? 少しはプライバシーを守ってよ。ボクはもう18歳だよ。パパも、ボクを大人として扱い始めなきゃダメだよ」

「ああ。確かに。その通りだな。すまない。だけど……お、お前、ブラをつけてるのか?」

「もちろん。これについては話し合ったよね、パパ? 最近、ボクはちょっと胸を抑えなくちゃいけなくなったって」

「ああ、分かってる。ただ……その……お前はこれが普通のことだと思ってるのか?」

「胸が膨らんだ人はブラジャーを着けるもの。そしてボクも胸が膨らんできた。ゆえに、これは普通のことだよ。パパは何を考えてるの? まるで、あのチアリーダーの話しを、また、最初からやり直してるみたいだよ」

「パパはいまだに、お前がどうしてスカートを履くようにならなくちゃいけなかったか理解できていないんだよ。確かに男のチアリーダーは見たことがあるけど、その男子たちは、誰もスカートなんか……」

「そういうふうになってるってだけの話しだよ、パパ。ああ、パパは本当に頭が古いんだから。パパが次に何を言い出すか分かるよ。次は、ボクのプロム・パーティのドレスにも文句をつけるんだ」

「ど、ドレス?」

「ああ、そうだよ、パパ。パパは、流行に敏感な息子を持ったという事実と折り合いをつけなくちゃいけないよ。醜いスーツとか着て行かなくちゃいけないとか、そんなふうに考えているみたいだよ、パパは」

「私は古臭い人間じゃないよ。ただ理解できていないだけだ。どうして、何もかもが……この1年くらいの間に本当に何もかもが変わってしまったのは、どうしてなのかが分からないのだよ。以前のお前は……お前は普通だっただろ? それが今は……。パパの友だちは、ほとんど、お前のことをシシーかなんかだと思ってるんだ」

「それで? パパはどう思ってるの?」

「パパはお前のことを愛している。だからこそお前のことを心配してるんだよ。本当に心配してるんだ」

「じゃあ、心配しないで、パパ。ボクは大丈夫。普通の男子だよ。だからお願い。心配するのはやめて」

「心配を止められるとは思えないよ」

「それはありがとう。でも、ちょっといい? ボクは着替えをしなくちゃいけないの。マーカスが車で迎えに来るから。彼が来た時、一番ステキに見えるようになっていたいから」

「マーカス? お前、お、男とデートするのか?」

「もう、頼むよ、パパ。彼はボクの友だち。ボクと彼とでディナーを食べて映画を観て、それから彼の家に行くの。デートじゃないよ。ボクはゲイとかじゃないもん」

「わ、分かった。まあ……まあ、楽しんできてくれ。それに、安全にな」

「うん。バッグいっぱいにコンドームを持っていくから大丈夫」

「な、何を持っていくって?!」

「冗談だよ、パパ。ただの冗談。持っていくのは2個か3個。別に乱交するつもりはないから」

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[2019/04/09] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Worthwhile 「してみる価値」 

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Worthwhile 「してみる価値」

「そんなに目立たないわよね? ていうか、故郷に戻ったとき、人に気づかれない? ほんとに?」

「あなたが、あたしの夫というよりも、あたしの妻のように見えてるってことに? ええ、大丈夫よ。確実にレーダーに見つからずに行けるわ」

「でも……」

「心配しないで。もう1000回は行ったと思うけど、他の人がどう思おうが関係ないの。重要なのは、あなたがいま幸せでいるかという点。で、あなたはいま幸せなんでしょう? 違うの?」

「多分……そうだと思う」

「そうだと思う? そんな言い方はヤメテ。あなたのことはちゃんと分かってるの。あたしは、最初からずっとあなたのそばにいた。あなたが初めてパンティを履いたときのあなたの顔を見たわ。美容院に初めて行った後のあなたの表情をずっと見ていた。あなたのあそこからストラップオンを引き抜くたびに、あなたがもっと、もっととおねだりするのを聞いてきた。ここまで来るまで、100万くらいの小さな段階を経てきたけれど、その小さな段階をクリアするたびに、あなたは、あたしに、これこそあなたが求めていることだと身をもって示してきたのよ」

「わ、分かってる……でも、すごく不安なの。分かるでしょう? みんなはどう思うだろう? ママ。パパ。友だち……」

「みんな、あなたが幸せになってるのを知って嬉しく思うんじゃない?」

「あなたは、あたしの友だちのことを知らないから……」

「本当にあなたのお友達なら、今のその姿がどれだけあなたにふさわしいカラダか分かるんじゃない? あなたがようやく自分自身を見つけたんだと喜んでくれるんじゃない? 海外で過ごしたこの1年は、あたしたちふたりにとって最高の1年だった。あなた自身にとっても最高の1年だった。あなたも知ってるでしょ?」

「でも、簡単じゃないの。簡単にはいかないって分かるわ」

「何事もしてみる価値があることは簡単にはいかないものだわ。それに、あなたにはあたしが、あたしにはあなたがいるでしょ? それだけで充分なはずよ?」

「た、多分……。いや、そうだね。ええ確かにそうよね。それに、もし、この体が新しいあたしだということを受け入れることができない人がいらた、まあ、その時は……多分……そういう人は、そもそもあたしの人生には必要のない人たちだと。そういうことよね?」

「その意気よ。そう、その意気!」

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[2019/04/07] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

An honest self-appraisal 「正直な自己評価」 

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An honest self-appraisal 「正直な自己評価」

「早く! お願い! キミが望むことをすべてやったよ。だから、そのストラップオンを装着して、ボクに……」

「すべて?」

「や、やったよ? ウィッグを被ったし、体毛を全部剃ったよ。キミがくれるあのビタミン剤も飲み始めてるよ」

「でも、あなたに買ってあげたあのスーツを着て仕事に行く話になったら、誰かさん、怖気づいたの、あたし覚えてる気がするけど?」

「で、でも、あれは女物のスーツだったんだよ。スカートを履いて仕事に行くなんてできないよ。みんながボクのことを……」

「シシーだと思うと?」

「そ、そうだよ」

「可笑しいわね。だって、まさに誰でもそう思うのが当然だと思うけど?」

「マリア、ボクはシシーじゃないよ。ボクはただ……」

「四つん這いになって、アナルをやってってせがんでるのに? あたしの化粧品を使って、キレイにお化粧してるのに? 体毛もなくて、全身ツルツルなのに? あたしが立ってるところから見ると、あなたはまさにシシーそのものだわ。でも、それはそれでいいの。あたしは、そういうあなたが好きなんだから。でも、ひとつだけ言っておくことがあるわ。あたしは、このことを秘密にしておくつもりはないということ。あたしとあなたの間では、あなたがシシーだと分かっている。今後は、あなたがシシーとしてフルタイムで生活し始めるか、それとも、今後一切、あなたにおちんちんを入れてあげないことにするか、そのどっちか。いい? 分かった?」

「ええ?」

「簡単なことよ。あなたの醜い紳士物の服を全部捨てて、新しい服を買ってあげるわ。そうなったら最高だわ。そして、あたしとあなた、レズビアンとして愛し合うの」

「ぼ、ボクにはできないよ、マリア。そんなのムリだよ」

「いいわ。じゃあ、このまえ買った、この新しいストラップオンは欲しくないって言ってるのね。多分、返品できるから問題ないわ。まだ、箱から出してないもの」

「ダメ! ダメだよ。そんなのって……うーん……わ、分かったよ。ボクは……うーん……あたしはあなたのシシーのガールフレンドになるわ。だから、お願い! それでヤッテ!」

「ああ、その言葉こそ聞きたかった言葉。さあ、お尻を出しなさい。ママがあなたのために新しいおもちゃを買ってきておいたの。これを使うとすごく気持ちよくなれるはずよ。すっごく気持ちよく」




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[2019/04/06] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Tradition 「伝統」 



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Tradition 「伝統」

「これ、本気なの、ミランダ? ちょっとバカになった感じだよ」

「バカなこと言わないの。あなた、最高よ」

「ボクが言ってるのは、そのことじゃないよ。ボクはキミのプロムに行くけど、万が一、ボクだけが……分かるよね?……ボクだけがドレス姿だったらイヤなんだよ」

「だって伝統なのよ。知ってるでしょ。男子は全員、ドレス姿になる伝統」

「ああ、でも……あのねえ……キミのお兄さんに相談したんだ。そしたら、お兄さんは、そんな伝統、聞いたことないって言ってたんだよ。女装のプロム? 何が言いたいかって言うと、これって……ちょっと……なんて言うか、ちょっと変だよ」

「あら、あたしにしてみれば、男子がタキシードを着てダンスする方がよっぽど変だわ。でも、それは、あたしがあなたの学校のダンスパーティに行った時に、あたし、指摘しなかったかしら?」

「いや、でも、それって……ちょっと違うよ。男子は、やっぱり、タキシードを……」

「ちょっといい? この伝統が存在している理由は、まさに、その点にあるのよ。男子であれ女子であれ、何か特定の服装をすべきだと決まってるわけじゃないのよ、チェイス。服装なんて恣意的な決まり事なのよ。だからこそ、こういうことをするわけ。あなたたち男子には、キレイに着飾る機会を、そしてあたしたち女子には、ちょっとラフになってズボンを履く機会を設けるわけ。完全に理にかなっているでしょ?」

「ま、まあね。でも……なんて言うか……それでも、ちょっと極端に走ってる気がするんだよ。気持ちは分かってる。本当に。男子はドレスとかを着て着飾ると。でも、これは着ける必要があるのかなあ。このおっぱいだよ? それに、このランジェリーも?」

「それも、全部、衣装の一部よ。加えて、プロムの後に起きる出来事に備えて、あなたも最高のルックスでいたいと思うんじゃないかしら? あたしが言ってる意味が分かればの話しだけど」

「プロムの後?」

「ちょっと、頼むわよ、あなた。聞いたことあるでしょ? プロムってのは、男子にとっては、まさに初体験をする夜のようなもの。あたしも、その時の仕事に備えて、完璧な道具を用意してあるわ。でも、それ以上のことは今は何も言いたくないわ。だって、サプライズの出来事にしてあげたいもの。さあ、分かったら、ぐずぐずしないで。出かける前に、山ほど写真を撮らなくちゃ」

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Coming home 「帰宅」 

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70_Coming home 「帰宅」
「お願いだから、何か言ってくれ」とボクは彼女の前に座って言った。別の人生の道を辿っていたら、彼女はボクの妻になっていたかもしれない女性だ。「カーラ、お願いだから……」

「何て言ってほしいの? あなたは死んだと思っていた。消えてしまったと。みんなで葬式も挙げたわ。あたし……本当に辛かったのよ。でも、あたしは前に進んだ。なのに、今になってあなたは帰ってきた。しかも、そんな姿になって」

わざわざうつむいて下を見なくても、彼女が何のことを言っているのかは分かっていた。ボクは3年間、囚われ、性奴隷となっていたのだった。モルドバの親戚を訪ねにモルドバに行った時に拉致された。そして女体化され、性奉仕を強要された。ようやく、脱出してきたのだけれども、女性化の証拠は拭い去ることができなかった。そもそも、自分でも本当に消し去りたいと思っているのかも分からない。

「ごめん」

「あなたのせいじゃないわ」と彼女は涙ぐんだ。「あなたがそうなることを望んだわけじゃないのだから」

ボクは、ボクも涙が溢れてくるのを感じ、彼女から目をそらした。「でも、うまくやっていきたいと思っている」と言って、鼻をすすった。「キミがそう思っていないとしたら、それは理解できるよ。でも、まだキミの中にボクを愛してくれている部分が残っているなら、ボクの今の存在を愛することができる部分が残っているなら……それなら……ボクにチャンスをくれないかって思ってるんだ」

「どうしろって言うの? あなたは女になってるの。でも、あたしはレズビアンじゃないの」

「わ……分からない。ボクもレズビアンじゃないし。変なのは分かってる。本当に。でも、ボクは向こうにいた間に、ずいぶん……ずいぶん変わったんだよ。いろんな点で変わったんだ」

彼女は返事をしなかった。その沈黙のためにボクはひとり自分で考えをまとめなければならなかった。不可能なことなのだと分かっていた。ボクたちは以前のボクたちの関係に戻ることはできない。もはや無理なコト。

何分か経ち、彼女が口を開いた。「あなたの体を見たいわ。あなたのすべてを」

「え、何?」 ボクは急に沈黙が破れたのに驚いて訊き返した。

「服を脱いで。あなたがどんなことをされたのか見なくちゃいけないの」

ボクはそれ以上ためらうことはしなかった。すぐにボクは素っ裸になっていた。「こ、これが今のボクだよ」

「まだ、ついてるのね」と彼女はボクの股間を見つめて言った。「小さくなってるけど、まだついてる」

「そんなの関係がある? もうほとんど役に立っていなんだよ?」

「どうかしら。そうかもしれないし、そうでないかもしれないわ。でも、今は、昔のあなたの名残がちゃんと残ってるように見えるわ。かつてのあなたとあたしの名残。それを見てると、ちょっと試してみてもいいかもしれないと思うの」

望み薄なのは分かってる。彼女が、ボクに、男性としてのカケラでも期待してるなら、確実に失望することになるだろう。でも、今この瞬間は、それは関係なかった。彼女が試してみたいと思ってる。それだけ聞けばボクには充分だった。


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