_coming_backs.jpg) 70_Coming back 「帰還」 「どこが悪いの?」 ボクは脚を広げて訊いた。バカな質問だ。ボクたち、ふたりともちゃんと何が悪いかを知っている。でも、ボクは彼女は気にしないと思い込みたかったし、ふたりともどうにか何とかやっていけるだろうと思い込みたかったのだと思う。なんだかんだ言っても、ふたりとも愛を味方につけてるのでは? 愛があれば、どんな障害も乗り越えられるのでは? 「ご、ごめんなさい」とメラニーは言った。「あたし……あたし、こういうのどう対処していいか分からないの」 彼女の表情を見て、ボクたちは、愛がすべてを征服するおとぎ話の世界で生きてるわけではないのを悟った。何でもオーケーになるわけではない。そしてふたりは末永く幸せに暮らしました、ってことになるわけではない、と。 「分かった」と、ボクは脚を閉じた。「キモすぎて、とてもついていけないということだよね?」 彼女は頭を左右に振った。「考えたわ…どうなったらいいかと考えたし希望ももった……だけど、どうしてもだめなの」 すでに彼女はすすり泣いていた。「そうできたらいいんだけど。本当に。でも……でも、できないの」 「それはいいよ」 今までいろいろな困難を乗り越えてきた時の内に秘めたチカラをかき集めようと頑張った。不思議なことは、この現実世界に戻ってきた今の方が大変だということだった。急に、すべてがバカバカしい感じになってしまい、ボクは笑い出した。 「な、なんなの?」 「何でもない。ただ、可笑しくなってしまって。ボクが向こうに行っていた間ずっと、この……このボクたちの関係のこと……君との関係があってこそ、ボクは乗り切ってくることができた。前に進むチカラを得てきたんだ」 そこまで話してボクは頭を左右に振った。「彼らに捕まったときも、ボクは一切の希望を失いかけた。でも、君のことを思いさえすれば、1歩ずつでも前に進むことができた。毎日、今日一日だけでも生き延びようと思うことができた」 「そして、あなたはこのように家に戻ってきてくれた」と彼女は言った。 「ボクは兵士だったんだよ、メラニー。当然、拷問を受ける覚悟はできていた。いつでも死ねる覚悟はできていた。でも、こんな姿に変えられるなんて? きっと君は想像すらしたくないだろうけど、ボクはいろんなことをしなければならなかった。でも、いつの日か君のいる家に戻ってこれるかもしれないと、ボクはどんなこともやってきたんだ。そして今は? 目の前にキミがいて、ボクはキミと愛し合いたいと思っている。前のように愛し合いたいと思っている」 「でも、今は違うわ」と彼女は言った。 「その通り。ごめん。君はできないし、ボクも同じくできない。連中はボクを変えてしまった。カラダばかりか心まで変えられてしまった。魂の根っこのところまですべて変えられてしまった。以前のボクに戻ることもないだろうと思ってる」 彼女は体を起こした。「それで?……今はどうするつもり?」 「分からない。本当に分からない。多分、死ぬまで女として生きていくだろうと思う。でも、それ以外のことは何もかも、本当に分からないんだ」
_cold_feets.jpg) Cold feet 「ためらい」 「ジェニー、……こんなことしたくないよ。本当にやりたくない」とボクは言った。 「ただ、不安になってるだけよ」とジェニーは言った。「ためらい。結婚式の当日になって、そうなってしまう女の人はたくさんいるわ」 「本当に嫌なんだよ!」 ボクは繰り返した。目がしらに涙が溢れてくるのを感じた。「イヤなの。何でこの場に自分がいるのかすら分からない」 「あなたがここにいるのは、あなたがそうしたいと思ったからでしょ?」 ジェニーは冷淡な声で言った。「それこそが、こうしてる理由。あなたのフェチ。あなたの計画。これはすべてあなたが考えたことなの。あたしはただ手助けをしただけじゃないの」 ボクは彼女に背を向け、うなだれ、床を見つめた。「これは、ボクが望んだことじゃない。ただの好奇心から……」 「あなたが女装して、街のクラブで男を漁ってるところを見つけた。まさに、その場であなたと離婚すべきだったかもしれないわ。でも、あたしは理解しようと努めたの。怪しいけど大目に見てあげようと思ったの。そして、あたしは、あなたが本当のあなた自身を発見するのを手伝ってきたわ」 「でも、これは本当のボクじゃない。あれはただの……現実的なことじゃなかったんだよ。ただの……ただのフェチだったんだよ。残りの人生を女性として生きていくなんてことじゃなかったんだよ。ましてや、誰か男と結婚するなんて。ボクはただ……」 「あなたは自分が何を求めているか分かっていないのよ」とジェニーは当然のことのような口調で言った。「でも、あなたが気持ちを落ち着けることができるなら、なんなら、1年か2年間だけ、あの男と結婚するのでもいいのよ。彼と別れる時に彼の財産を分与してもらえるだけの期間だけ結婚していればいいの。それが計画でしょ、マンディ?」 ボクは自分の新しい名前を耳にし、思わず泣きそうになった。「だけど、それでもボクは……」 「あなたに選択肢はないわ。あなたも分かってるでしょ? いろんな手術。医療費。あなたが無職でいるという事実。そのすべてで、借金が山のようになってるの。こうしなきゃダメなのよ。そして、すべてが終わったら、あたしたち、また一緒になれるわ。そうするって約束するわ」 「き、キミはまだボクを愛してくれてるの?」 ボクはちょっと驚いた。 「もちろん」 彼女は躊躇いなく答えた。「でも今は、それは重要なことじゃないわ。あなたが考えなくてはいけないことは、ただ一つ。新しい夫を幸せにしてあげることだけ。だから、式場に行って、誓いの言葉を言って、新婚旅行に出かけなさい。そして、新妻として、精いっぱいご主人に尽くしてあげるの」 「わ、分かったよ……そうする。そうするよ」 「あたしはあなたのことを一秒たりとも疑わなかったわ」
_chooses.jpg) Choose 「選んで」 「デイル、こんなこと続けられないわ。誰かにバレたら……」 「僕は恥ずかしいと思っていないよ。キミは?」 「あたしも思ってないわ。そのことを言いたいんじゃないの。何て言うか、あなたは自分の将来のことを考えてみて、と」 「僕は考えているよ。そして将来も君と一緒でいると思っているよ」 「優しいのね。本当に、嬉しいわ。でも、お互い、周りの人たちがこのことを見逃すなんてあり得ないの。あたしは恥ずかしいとは思っていないわ。でも、みんなにバレたら……あたしが……」 「キミが1年近くホルモンを摂取してきたことを? それとも、キミが、他の人がいない時に、僕の秘書のような服装になるのが好きなことを? それとも、僕たちは1年以上も、一緒に寝てきていることを? ケイシー、僕はそんなこと気にしないよ。本当に。バレるならバレてもいいんだよ。むしろ、全部オープンにしたら、今より良くなると思う。キミも女性化を最後までやり遂げられるだろうし、それに……」 「あなたの奥さんについては?」 「彼女について、何?」 「もし、奥さんにバレたら? すごいショックになるわよ。あなたも、そうなるって知ってるはず。本気であたしのために奥さんと別れるつもりでいるの?」 「そこは……そこはちょっと厄介なところなんだ」 「そこよ。その点をあたしは考えたの。デイル、あなたは大きなことを言う。いつもいいことばかり言う。そして、あたしも時々そんなあなたの言葉を信じてしまうことがあるわ。でも、毎回、毎回、最後にはあなたはバネッサとの何の曇りもないささやかな生活に戻ってしまう。あなたは、あたしのようなトランス女と火遊びできるようにと、今の状態を掻き回そうとは決してしないのよ」 「そんな言い方、フェアじゃないよ。キミだって分かってるだろ? これって……」 「分かってるからと言って、事実じゃないことにはならないわ。そういう状態になっているのは事実だわ」 「そうじゃないとしたら? いや、僕は真剣に言ってるよ。もし、僕が彼女と別れたら? もし……」 「もしもの話は関係ないわ。仮定の話しなんかどうでもいいの。もしあなたがあたしと一緒にいたいのなら、それは素晴らしいわ。あたしも同じ気持ちだから。でも、あたしは、もうこれ以上、2番目でいるつもりはないの。この状態を秘密にしておきたいという気持ちはないの。もう、これ以上はイヤ。だから、デイル、ちゃんと決心して」 「そんなに簡単なことだったらどんなに良いか」 「簡単なことよ。あたしか彼女のどっちなのか。今すぐ選んで」
_choicess.jpg) Choices 「選択肢」 「もう……もう、こんなこと続けられない。彼女にバレてしまう」 「そんなの誰が気にするの? あなたは彼女を愛してないんでしょ? 元々、彼女を愛したことなんかなかった」 「もっと複雑なんだ。それは分かってるはずだよ、ライリー。彼女とは高校時代から一緒だったんだから」 「それはあたしたちも同じでしょ? それに、彼女がカウチで眠ってる隙に、あなたがあたしの部屋に忍び込んできたことを覚えてないの? あたしとふたりで釣りをしに行くと言って、何度も一緒に旅行したことを忘れてしまったの? それに……」 「全部覚えているよ。でも、彼女は俺の妻なんだ」 「彼女のことを愛していないばかりか、そもそも、好意すらもっていないのに? これまであなたは、何回、彼女と離婚したいと思ってきたっていうの? 分かってるでしょ? あたしたち、やろうと思えばいつでもできるの。ふたりで荷物をまとめて家を出ればいいのよ。何も気にすることなんか……」 「一緒にどこに行くの? 俺にはここでの生活がある。それは君も同じだろ?」 「あたしはそんなのどうでもいい」 「でも、俺はどうでもよくはないんだ」 「あたしが本当の女だったら、あなたは躊躇ったりしないんでしょうね」 「そんなこと言わないでくれ」 「あなたはいつもそれを問題にしてきた。あなたはあたしのことを女として見ていないのよ。どんなに胸を大きくしても、どんなに女性的な服を着ても、あたしは、あなたにとってはずっとカレンの可愛い弟のままなのよ」 「俺は、そんな……それは違う……そうじゃないんだ」 「じゃあ、そうだと証明して見せて。あたしと一緒に逃げて。彼女にちゃんと理由も言って。そうすれば、あたしたち本当に一緒になれる。こそこそ隠れて会うこともなくなる。だましたりすることもなくなる。あなたとあたしのふたりだけ。ずっと」 「俺は……ああ、俺に選択をさせないでくれ、ライリー」 「あたしかカレンのどっちかなの。両方はありえない。片方を選んで。あなたが選ばないなら、あたしが代わりに決めてあげるわ。あたしは出て行く。そしてあなたとは二度と会わない。でも、どちらにせよ、あなたは、今日、どちらか片方を失うことになるの」 「俺には……できないよ」 「だったら、あたしが出て行くわ。あなたの最愛のパートナーさんに、あたしの代わりにさようならを言ってね。それに、あたしがあなたのためにしてきたこと、それと同じことをカレンにやらせられるよう、幸運を祈ってるわ」
_Chloes.jpg) 70_Chloe 「クロエ」 「でも、すごく居心地が悪いんだよ! いつもズリ上がってきて……」 「とても素敵に見えてると思うわ。それに、ついでに言えば、あたしたちは美のためならちょっとくらい居心地の良さなんて犠牲にしなくちゃいけない時があるものなの」 「これ、本当に男性用のモノなの? 誓ってもいいけど、これにそっくりなのを女性物売り場で見たと思うんだけど」 「男の子供向けのモノよ、クロエ。もう何百万回、同じことを言わせるの?」 「それはボクの名前じゃないよ」 「もう、どうしてこうなのかしら。クロエはニックネームよ。『あなた』とか「お前』とかと同じようなもの。別にクロエって呼んでも害はないでしょ?」 「でも、ボクの名前じゃない!」 「そうかもしれないけど、あたしに言わせてもらえれば、クロエの方がパトリックなんて名前よりずっといい感じだと思うわ。あなたにフィットしてるとも思うし」 「そ、それって、どういう意味?」 「マジで分かってないの? 鏡を見たら、そこには、もう、以前のパトリックはいないでしょ? もちろんそうよね。あなたはパトリックで通すには、ずっとずっと可愛らしくなっているから。だからクロエの方がいいのよ。すっといいわ。あなたも同意するはず」 「いや、ぼ、ボクは……」 「本気でこの話を続けたいなら、後で話し合わない? でも、今は持ち物をもって出かけましょう。遅れてしまいそうよ」 「ぼ、ボクは……ボクは行きたくないよ。こ、こんな格好じゃイヤだ」 「もうこれ以上は言わないからね。最後にもう一回だけ言っておくわよ。これは選択で着ることじゃないの。あの人たちは、あなたのお友だち。そして、そのお友達があなたをパーティに招待してくれたの。それに行かないなんて失礼だわ。少なくとも顔くらい出さなきゃダメよ」 「でも……」 「『でも』はもうヤメテ、クロエ。荷物を持って車に乗る。話し合う余地はナシ」 「わ、分かったよ。でも、みんなにからかわれたら……」 「何もすることないわよ。男っていうのは時々、バカになるものなの。でも、そんなバカな男たちも役に立つことはあるのよ。行けば分かるわ」 「そ、それも意味が分からないよ」 「いま言ったでしょ。行けば分かるって」
_adjustments.jpg) 70_Adjustment 「適応」 「ほら、どうしたの? そんなに変なことじゃないわよ」 「よくそんなことが言えるなあ? 君は素っ裸で目の前に座ってるんだ。ああ、それにおっぱいまである。それが変じゃないって言うなら、変なことって他にあるかって思うよ」 「まず第一に、これはただ着衣をしてないだけ。たいしたことじゃないわ。第二に、これをおっぱいと呼ばないで。そんな言い方すると、まるで間抜けな学生みたいに聞こえるわよ。そして第三に、あなたは、あたしがこういう胸になってる正確なワケを知ってるんじゃない?」 「でも、君はその胸を元通りにするつもりだとばかり思っていたんだ。前に言っていた手術は……?」 「手術しないことに決めたの」 「彼女のせいだね? そうだろ? 彼女は君に男に戻って欲しくないのだと」 「エリンは、あたしに幸せになって欲しいと思ってるだけ。多分、あたしはバカだったのね。あたしの一番の親友も、エリンと同じく、あたしに幸せになって欲しいと思ってると思い込むなんて」 「いや、僕だって君に幸せになって欲しいよ。本気だ。でも、ただ、これって……」 「あなたは、あたしになって欲しい姿になって欲しいって、ただ、それだけでしょ? それはそれでいいの。あの薬の反応が出た後、あたしも同じことを願ったわ。元の自分に戻りたいと思った。あの時期はあたしにとって最悪の時期だったわ、ジョン。今から思えばだけど、あの時期、すぐ死ぬと思ってた。今まで生きてるなんて思っていなかった。でも、あの時、エリンに出会ったのよ。あたしがどんどん女性化していく。彼女はそれを受け入れて感謝すべきって、あたしに教えてくれたの。心身ともにそれを受け入れるといいって教えてくれたの。そして、今、あたしは幸せよ。あなたも同じように思ってくれたらいいと思ってるの」 「分かってるよ。同じように思ってるんだ。……ただ、全部、受け入れるのって大変なんだよ……」 「分かるわ。でも、あなたはそこまで到達したのよ。あっという間に、あたしが男だった時のことなんてすべて忘れるはず」
「淫乱ママ」 第13章 Slut Mommie Ch. 13 by fantasy69 「あら、今日は蒸し暑いみたいだわ」 あたしはガラスの引き戸を開け、悩ましい声をあげた。 うちの庭にはろくに植木もなくて、手入れもあまりしていない。庭にプールを作ろうと決めたものの、誰も、そのために何かしようという気持ちは失せてしまったみたいで、ただ、プール建設が始まるのを待ってることしかしていない。でも、残念なことに、夏が来たために業者は忙しいらしくて、すぐには始まりそうもなかった。だから、工事が始まってもいないのに、あたしたちはただ待ってるだけの状態だった。 外出する気が失せ、あたしは引き戸を閉めた後、まだバスローブ姿だったこともあり、2階にあがって、今日着る服を決めることにした。クリスティのこと、昨日の夜、クリスティとエッチしてしまったことを思いながら、クローゼットの中を何を着たらよいかと漁った。悲しいけど、今日はジョンは、出張の報告書の準備をしなくちゃいけないと、すでに出社してたし、クリスティも遊びに出かけていた。トミーは友達のティムとジェイソンに会いに行ってる。何でも、ネットに掲載しようとしてる写真を選ぶんだとか。だから、今日は、あたしひとり家にいる。 「なんだか退屈……」 一日中、独りでいなくちゃいけないのを思い、呟いた。 今日は何ができるかと考えながらクローゼットの中を漁ってたら、隅のところに、小さな青いドレスが目に入り、あたしは溜息をついた。これは、あたしがジョンと結婚した時、彼が買ってくれたドレス。彼と愛し合い、娘のクリスティが生まれることになった時に着ていたドレス。ああ、もう、ずっと大昔のことみたい! 手を伸ばし、両手でその薄い生地を撫でた。すごく柔らかい。光沢のある生地。そのドレスを顔に当て、匂いを嗅いだ。あたしの香水に混じって、少しだけ夫の匂いもした。何度洗濯しても、このドレスにはあたしと夫の体臭が残ってる。 ベッドに行き、注意深く、そのドレスをマットレスの上に広げた。これを最後に着てからもう何年も経っている。まだ、体に合うかしら? ずいぶん前だから、今のファッションとはちょっと違ってるし、当時は今と違って、あまり体を露出しない服を着てたし、ゆるゆるな感じで、今みたいに体にぴっちりじゃないし、でも、当時ゆるかったということは、今のあたしの体なら。もしかして………もしかして、今のあたしにはピッタリかもしれないわ! ローブのベルトを解いた。肩からスルスルとローブが落ちて行く。そのままドレッサーのところに歩いていって鏡の前に立つ。一糸まとわぬ素っ裸のあたし。客観的に自分の体をチェックする。 おっぱいは大きいと思う。それに年の割に垂れていないのが自慢。お腹も引き締まってると思う。ちょっとぽっちゃり膨らんでるけど。ヒップは……今はこんなに大きくなってる。でも、いいんじゃない? もっと言えば、セクシーと言えるんじゃない? 下着は何にしよう? ブラは問題外。外は暑すぎるもの。ブラはやめてパンティの引き出しへと注意を向ける。あそこの唇が隠れる程度の紐パンティを取り上げ、掲げてみたけど、あたしは頭を左右に振った。 「これって淫乱っぽすぎ!」 息子と一緒とか、クリスティと一緒で街に出るなら話は別だけど、今日はねえ……家の近所でこの下着はダメ。あたしはダメっぽいパンティを脇によけ、自分でも持っていたと知らなかったパンティを見つけ、目の前に掲げた。 「これ、どこで?」 見知らぬパンティを掲げながらつぶやいた。 赤いレースで、小さいけど、前には三角形がしっかりある。後ろにかけては細い紐だし、腰回りも細い。何より特徴的なのは、股間部分の三角形に細い切れ目がある点。まさに、女性のアソコの長さに合った長さの切れ目で、左右の生地でふたがされるようになっている。前後の合わせ地はしっかりしてるけど、簡単に扉を開けられるようになっている。これって……これって、履いたままエッチするためのパンティじゃない?!
ウェンディが何をしようとしてるのか、あたしには分からなかった。ともかく、あたしは、夢中になってジーナの塩辛いおちんちんを咥えてて、舌でタマタマを舐め続けていたけど、ウェンディには、お尻を持ち上げられるままになっていた。今は、両脚で立ってるものの、腰を曲げて、ジーナのアレを咥えたままの姿勢になっている。ウェンディも、あたしがジーナを咥えてるのを止めさせようとはしていない。 もっと言えば、この姿勢、嬉しい副作用があって、ジーナのおちんちんをより深く喉奥に取り込むことができるようになっていた。でも、お尻は高々と持ち上げられてる。そして、ウェンディがあたしのお尻のところを揉んで、お尻の両頬を広げてるのを感じた。 ちょっとだけ、ジーナのおちんちんを口から出して、後ろのウェンディの方を振り返った。ジーナが少し切なそうな悶え声をあげたので、あたしは、涎れで濡れた彼女のおちんちんをしごいて、彼女を満足した状態に保ち続けた。 ともあれ、肩越しに後ろを見ると、ウェンディは片手で固くなったおちんちんを握ってた。もう片手はというと、口のところに持ちあげた。彼女の素敵が乳房がぶるんと揺れる。ウェンディは、その手のひらに唾を吐きかけた。さらに口の中に溜まってたスペルマの塊もドロッと吐きかける。ウェンディの口元は、あんなに可愛い形をしてるのに、その唇の中からドロッと白いのが出てくる。そのイヤラシイことと言ったら、言葉では言い表せない。 ウェンディはその手をあたしのお尻に降ろして、濡れてドロドロのまま、あたしのお尻の穴に擦りつけた。思わずブルブルと体が震えた。彼女が何をしようとしてるのか、はっきり分かったから。あたしは、これは、多分、あたしが一生経験することのない行為だろうなと思っていた。でも、今は、それをされるのを嫌悪してないばかりか、むしろ、やって欲しいと切望してる。あたしは、自分からお尻を突き出して、態度で、してほしいとおねだりして見せた。 同時にジーナの方に向き直って、再び、彼女のおちんちんを口の中に突き入れた。ぐっと一気に喉奥へと突き入れ、ジーナが嬉しそうな溜息をつくのを聞いた。 ジーナのおちんちんをしゃぶり続けるあたし。でも、意識はお尻のとこに集中していた。アヌスを少し強く押されるのを感じ、次の瞬間、ウェンディの指が入ってくるのを感じた。ヌルヌルを塗りこめるようにしている。と同時に、腰をぐっと引き寄せられるのを感じた。ウェンディのおちんちんの頭のところが、あたしの女の穴の方の入口を上下に擦り始めるのを感じる。指が後ろの穴に出入りし始めるのを感じる。 「ラリッサ、とても可愛いわ。最初はこっちからいただかせて」 ウェンディが言うのが聞こえた。あたしはしゃにむに頭を上下に振って、ジーナをしゃぶり続けてた。 次の瞬間、ぬるっと太いモノがあそこに入ってくるのを感じた。 「ああっ………」 あたしの声だけじゃなかった。ウェンディも同時に同じような声を上げていた。あたしの声は、何か強く逞しいものに屈服してしまった時のような、屈服して嬉しいと訴えるような声。一方、ウェンディの声は我慢し続けていた快感をやっとのことで得られたような、安らぎを得た時のような声。 あたしは女としても経験がなくって、これが初めてだったけれど、不思議と痛みは全然なかった。もちろんきつくて狭いところに太いモノを入れられた圧迫感はすごかったけれど、鋭い痛みは全然なくって、むしろ入れられるべきところに入れられて嬉しい気持ちが大きかった。ひょっとして、そこのところも体が変わっていたのかも。 「ラリッサ、すごく気持ちいいわ。何でこんなに狭いの? ぎゅうぎゅう締め付けてくる」 ゆっくりと動き始めたウェンディが息を荒げながら言った。 もしかして、と思い、ジーナのあそこの方に指を伸ばした。ツルツル肌の肉棒、その下の大きな二つの球体。そして、その下はというと、クリトリスらしいのはどこにもなかった。クリトリスの代わりにおちんちんになったのかも。そして、新しくできたおちんちんやタマタマに圧迫されて、普通のあたしたちが知ってるのと比べると小さくなった割れ目があった。子供は生めなくなった分、入口がずいぶん狭くなっているみたい。その分、ここにおちんちんを入れると気持ちよさが倍加してるのかもしれない。 でも、冷静に分析なんかしてるわけにはいかなかった。ウェンディにとっても、その刺激は初めてで、どうしても体を動かしてしまうのだろうけど、ぐいぐい出し入れの強さを増してきていたし、それと呼応して、あたしの方も体の奥から何か燃えるような熱い快感が募ってきてた。 「ああん……あああん……あっ、あっ、ああああっ!」 女の喜びってこういうのかって思ったし、堪えようとしても、どうしても悩ましい声を上げたくなってしまう。 「ふたりとも、ずるいわ。私にもちょうだい!」 いつの間にかジーナのことがおろそかになっていたみたい。ジーナが不満げな声であたしたちに言った。
男は、いまだキッチンで椅子に縛り付けられたままの夫の横を通り過ぎる時、わざと自分の性器が夫に見えるようにさせた。そのペニスは、依然として半立ち状態で、だらりと長く垂れ下がり、彼の妻が出した体液でテカテカに光っていた。外見からでも、夫の目には、男のその道具が実際に使用されたものであり、しかも、たっぷりと使用されたものであることは明白だった。そして、この強盗は自分に、妻が受け入れていた代物を見せたがっている。 この泥棒は、最近、監獄から出てきたばかりで、世の中の体制側の存在を憎んでいた。ここにいる白人男、小綺麗な家に住み、金髪の小綺麗な妻を持つこの白人男は、男にとって、まさに体制を代表するような存在だった。そんな体制側に仕返しをしてやりたい。 「旦那さんよ、あんたの奥さん、さっきまで俺のコイツを咥えこんでいたんだぜ。勃起したら、今よりずっと大きくなる。奥さんが初めてコイツを見た時の顔、あんたにも見せてやりたかったぜ。目を真ん丸にして見つめてた。俺が最初に、コイツを奥さんの中に入れようとしたとき、奥さん、何て言ったか知りたいか? 奥さんの小さいまんこには太すぎたかもな」 夫は、男が自分の妻のバギナを「小さなまんこ」と言うのを聞いて、歯ぎしりしつつも、その目は依然として男の垂れ下がるペニスを見つめていた。椅子に縛り付けられている夫の、まさに、目の高さに、そのペニスがあった。まだ少し濡れてテカっているように見えた。そして、そのテカリは妻の陰部によるものだと分かっていた。 男は、妻がどんな反応をしたかについて言いたいのだろうが、夫はそれを聞かされるのを恐れていた。しかし、その一方で、その話を聞きたいとも思っていた。すべて聞きたいと。夫は顔を上げ、男の目を見た。そして震える声で言った。「なんて……妻は何て言ったんだ?」 男はにやりとした。彼も夫のペニスを見ていた。そして、その夫の、椅子にだらりと横たわっているペニスが、前に見た時よりも長くなっているのを見た。さらに、ペニスの頭部が触れている椅子の側面にプレカムの小さな溜りができているのも見た。 ……なんてこった。このおっさん勃起してるぞ。しかも、勃起して、これだけかよ…… どう見ても、夫が、妻が犯されているのを聞きながら、しかも2回犯されているのを聞きながら、勃起し、プレカムを流していたのは明らかだった。男はそれを知りほくそ笑み、寝取られ夫にもっと話してやろうと思った。 「俺のみたいに太いのは初めてだったのか、奥さん、俺に入れられるとき大変だったみたいでね、最初は、自分が上になりたいって言いだしたんだ。そうしたら、自分のスピードでヤレルからって。多分、あんたも聞いただろう? 最初の喘ぎ声、あれは、奥さんが初めて俺の亀頭を受け入れた瞬間に出した声だ……。 しかし何だな、奥さんのまんこ、本当にきつかったぜ。まるで、一度もちんぽを入れられたことがないまんこみたいな感じだったよ。でも、奥さんが、ようやく、根元まで咥えこんだあと、どんなふうに俺の上で動いていたか、あんたにも見せたかったな。本当に楽しんでいたようにしか見えなかったぜ」 男は夫の顔を見てにんまりした。どう見ても、この話しを聞いて興奮しているようにしか見えなかった。 「もっと聞きたいか?」 「ああ、頼む」 夫は、自分から認めてしまい、顔を赤らめた。
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