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Easier 「ずっと気楽」 

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Easier 「ずっと気楽」

あたしの前に立つ男が、いやらしい目であたしの裸を見ながら言った。「おやおや、これはいったい誰だろうねえ?」

彼はあたしだと気づいていない。気づくわけがない。あたしは、彼にとって、一番再会するとは考えられない人間であるし、それに加えて、あたしは彼と最後に会ってから非常に、非常に姿を変えてしまったから。それでも、自分自身の兄にじろじろ裸を見られるのは、気持ちが乱れることだった。それに、これからどんなことを行うよう期待されてるか、そうするためにどれだけのカネをもらっているかを思うと、恐怖心すら湧いてくる。だけど、それは避けられないことだった。この件について、あたしには選べる立場にはない。

ハリーと会ってからどのくらい経っただろう? 2年? 3年? 当時、あたしはこの世の中で自分がどんな居場所にいるべきかまったく分からなかった。迷いはぐれた、痩せた若者だった。それ以来、あたしは自分自身についていろんな発見をしてきた。その中でも特に、あたしは自分がトランスジェンダーであることを知った。整形手術とホルモン剤のおかげで、自分にふさわしいと納得できる肉体を手に入れることができた。でも、この肉体は、決して安価に手に入れられるものではなく、仕方なく、性産業に従事してそのおカネを捻出してきた。

最初は、ライブチャット。しばらくの間は、それで充分だった。流行に乗っていたこともあり、ワクワクする仕事とすら思えた。でも、手術代がかさむにつれ、それ以上のことをしなければならないことを悟った。そんなわけで、特に熱心なファンたちを相手に個人的な時間をもつようになった。それは結局のところ売春婦になるのと同じことである。そのことは分かっていた。セックスをしておカネをもらうわけなのだから、売春婦以外にありえない。でも、あたしは、自分は本物の娼婦とは違うと自分に言い聞かせた。ちょっと、今だけ。ピンチだから、と。

それは、便利な嘘だった。

手術がすべて終わり、その支払いを済ませた後も、あたしはこの仕事を続けた。やめられなくなっていた。やめたくもなかった。セックスが好きだったから。男たちにカラダを使われるのが好きだったから。おカネにもなるし。そう、あたしはやめるつもりはなかったのだった。好きなことをしておカネになる。やめる理由がどこにもない。

でも今、シーメールにハマった実の兄を目の前にして、あたしは分からなくなっていた。これは、越えてはいけない一線だというのは知っていた。これを超えたら、自分は永遠に変わってしまうだろうと。だけど、これは仕事であり、ちゃんと遂行する義務がある。兄は客として、多額のおカネを払っているのだから。どうして兄を拒むことができるだろうか?

結局、あたしは、支払われたおカネに見合う仕事をした。それは、想像したほど難しいことではなかった。なぜ、難しくなかったかというと、多分、あたしが、今の自分は過去の自分と同じ人間だと思っていないからだったのだろうと思う。彼は、あたしの兄ではないのだ。他のお客さんと同じ、ただのお客さん。そういうふうに考えることで、ずっと気楽になれたからだろうと思う。

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Anything at all 「どんなことでも」 

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Anything at all 「どんなことでも」

「おや、おや、おや……。お前、本当に来るのかなあって思っていたところだぜ」

「ハーイ! シーン、どんな調子?」

「どんな調子? 面白い質問だな。それをお前が訊くのかって。お前、前は、俺が何しようが全然気にしなかったじゃねえか。でも、お前が変わったのはそれだけじゃなさそうだな。だろ? いろいろ話しは聞いていたが、ここまでとはな。正直、予想していなかったぜ」

「話し? どんな話し?」

「お前がトランスジェンダーだって話しだ。まあ、見りゃわかるが。正直言えば、お前はすごいなと誇りに思うか、お前の面と向かって大笑いするか、迷ってるところだよ。俺も、人間だれしも、本来の自分になるべきだと思ってる。だから、お前を誇りに思うよ。だけど、その一方で、俺は……お前のことをクソ野郎と思ってるんだ。だから、ザック・ミラーが、俺のことを殴りまくって、俺をオカマ野郎と呼んだあのザック・ミラーが、トランスだと判明して面白いと感じる俺もいるんだ。ああ、確かに、俺、頭の中、ふたつに分かれているな」

「ぼ、ボク……トランスジェンダーじゃないよ……」

「あれ? そうなの? じゃあ、俺は、そのドレスに惑わされてるのか? それとも、ドレスの上からも見えるパンティラインに惑わされてるのか? それとも、その胸の小さな盛り上がりに惑わされてるのか?……」

「違うよ! 本当だよ、シーン。全部、ただの勘違いなんだから。クロエがずっと前から言ってるけど、ボクにはホルモンの問題があるんだ。でも、誰もボクが男だと思ってくれないので、むしろこういう格好をした方が良いんじゃないかってクロエが言うもんだから。それに……ぼ、ボクは……よく分からないんだよ。何が自分に起きてるのか分からないんだ。シーン、キミは医学生だよね? キミならボクを助けられるんじゃないかな。クロエは、ボクを病院に行かせてくれないので、だから……」

「助ける? どうして、俺がお前を助けると?」

「だ、だって、……なんて言うか……キミはいい人だと思うから!」

「俺が? 俺は役立たずのオカマじゃなかったっけ? ちんぽ吸い? オトコ女? あと何だっけ。でもいいか、ひとつ言っておくぞ、ザック……」

「クロエが、ボクは今はゾーイと名乗らなきゃダメと言ってるんだ。ちゃんとホルモンの調子が良くなるまでは、そうしなきゃダメって……」

「ゾーイか。そっちの方が似合ってるな。いいか、ゾーイ。俺はゲイじゃない。俺はバイセクシュアルだ。女も男もOK。分かるよな? 俺には区別はどうでもいいんだ。でも、ひとつ取引をしよう。お前は気に入らないかもしれないが、その条件なら、お前を助けてあげられるかもしれないぜ」

「取引? 何でもするよ!」

「よろしい。いま言ったことを忘れるなよ。じゃあ、今夜、俺のところに来い。住所は後でメールする。それと、何かセクシーな服を着てくるのを忘れるなよ」

「え、何?」

「俺の助けが欲しいんだろ? だったら、俺のルールに従えって。俺の言うことを聞くこと。それがイヤなら、自分で何とかしろ、ということ」

「わ、分かったよ。とてもキュートな黒いドレスがあるから。それに……」

「おっと、その先は言うな。今夜、見たいから。8時な。それに忘れるなよ。何でもするって言ったよな? どんなことでも、って」


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Dream come true 「夢の実現」 

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Dream come true 「夢の実現」

「あなた、おちついて」とシモーヌはあたしの体を抱きながら言った。「心臓がドキドキしてるの、感じるわよ」

「ち、ちょっと……興奮してるだけ」 あたしは荒い息で答えた。興奮と言うより恐怖なのかも。多分、その両方。あたしはとうとう、ここまで来た。こんな短期間でここまで。ここまで来た過程もほとんど頭から消えている。ましてや、あたしたちの前に立つ男性をまっすぐに見ることなどできない。その気になって目をらんらんと輝かせている男性。

「その気になってる」 その言葉では言い足りないだろう。彼も、あたしや妻と同じく、全裸で立っている。男性のシンボルが船のマストのように股間から直立している。太くて大きく、固くなっているためか、ぶるんぶるんと揺れている。でも、それ以上に目を惹くのは、好色そうな笑みを浮かべた彼の表情。勃起したペニスを見なくても、その彼の表情を見ただけで、何を頭に浮かべているか手に取るように分かる。あたしの中に、嫌悪感に嘔吐したくなる部分があった。でも、それと並んで、いや、それよりも大きな部分を占めて、彼の笑みにお返しをしてあげたいと思う自分がいた。

あたしは、いったい、どうなってしまったのだろうか? 過去1年間、この疑問を何百万回も繰り返してきた。あたしの「人生を賭けた決断」のために、手術、ホルモン摂取、家族や友人からの排斥の辛さを耐えながら、あたしは、自分が本当に正気なのか、何度も問い続けた。そして、いまだに答えをひとつも得ていない。

かつて、あたしは自分を普通の男性を思っていた。そもそも、この世の中、変な嗜好を持たない人などひとりもいない。あたしも、その点、人並みに変わった嗜好を持っていた。ただ、その嗜好は背景に隠れていて、その嗜好に応じて人生のかじ取りをすることなど、一度もなかった。しかし、ある日、当時のガールフレンドが、あたしが女性化に対してフェチを持っていることを発見したのだった。彼女は、あたしのその恥ずかしい性的趣味に何か引っかかりを覚えたらしい。あたしの趣味を理解するだけでは、彼女には物足りなかったようで、彼女は、その趣味を実践するよう求めたのだった。彼女はあたしに、あたしが何度も読んでいたいくつかの物語の通りの生活をしてみるように求めたのだった。

そして、あたしは彼女の求めに応じた。本当に。始まりはとても簡単だった。パンティを履いてベッドに入ること。それだけだった。でも、それから間もなく、あたしは、仕事に着ていくスーツの下にランジェリーを着ていくようになったし、毎晩、彼女のストラップオンを受け入れるようになっていた。ホルモンを摂取するよう言われた時、さすがに、止めかかった。止めかかったけれど、止めなかった。それほど依存性のあることだった。物語を読んだり、動画を見たりすることより、ずっとずっと刺激に満ちていた。心の奥や体の芯に訴えかけるものがあった。あたしにとっては、これこそが現実だと。これこそがあたしの人生だと。

あたしは、抵抗するのを止めた。完全に、いかなるためらいも捨て去った。そして、それから1年で、あたしは完全に変身を遂げた。もはや、あたしを男性だと言う人は愚か者しかいないだろう。どんな人も、何かの拍子に、今は萎えて役立たずになっているあたしの男性の印を目にすることがない限り、あたしがかつて男性であったかもと思う人はいない。それは光栄なことだ。本当に、光栄なことだと思っている。あたしの抱いていたフェチがとうとう現実のものになったのだと。これから毎日、この光栄を感じながら生きていけると。

確かに、両親や友人、それに同僚たちにカミングアウトするのは辛かった。だけど、その辛さは、得られる喜びに対する代償として、喜んで耐え忍んだ。それも乗り越え、とうとう、望んでいた状態をほぼ手に入れた。その通り、「ほぼ」手に入れた。残るのは最後のステップ。そして、これを始めてからずっと避け続けてきたステップでもある。

それこそ、ここにいる好色を絵に描いたような男性が表しているコト。ひとつドアを閉めれば、別のドアが開く。これまで、ひとつひとつドアを進んできた。歩みだすたびに、不安は消えていった。あたしは、それをすることを欲している。それをすることを必要としている。それをしてこそ、あたしの夢が実現する。

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A debt 「負債」 

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A debt 「負債」

「さあ、起きて。来週、新しい仕事を始めるまでに、ハイヒールをちゃんと履けるようになってもらいたいんだから」

「お願いだよ、カルラ。もう、ボクはじゅうぶん教訓は得たよ。もう、こんなことをする必要はないよ」

「教訓?」

「ボクは浮気をすべきじゃなかった……あのダンサーと。ボクは……」

「ストリッパーと呼んだ方が良いんじゃない? それとも、お望みなら、売春婦とでも呼べば。どっちの呼び方も当たってるし。なんだかんだ言って、あの女、カネのためにあんたと寝たんだから」

「ボクはいろいろ前のように戻したいだけなんだよ」

「前のように……どうやったら戻れると思ってるの?」

「い、医者の所に戻るとか。この手術を全部、元の状態に戻すとか。こ、このタトゥも消してもらうとか……男に戻れるんじゃないかって」

「面白いことを考えるのね。ねえ、話してくれる、アレックス? 男に戻ったら、そのおちんちんで何をするつもり? 良い子でいると思ってるの? それとも、前の状態に戻るつもり? 言いたくはないけど、あなたの過去の行状からすると、とても、前者になる確信は得られそうもないわね」

「い、いい娘に、いや、いい子になるよ! いい子だよ。カルラ、君のためにいい子になる。本当だよ! 誓って、ボクは完璧な夫になる。そして……」

「妥協案があると思ってるの」

「だ、妥協案?」

「ええ。あなたを元に戻してあげる。ただし、あなたがその費用を全部稼ぎ出すまで、それはお預け」

「費用を全部? 元々、あのおカネはボクの……」

「あなたがあの娼婦と出会ったあのストリップ・クラブで働くことね。ちなみに、それがあなたの新しい仕事よ。まだ、話していなかったかしら? 元々は、死ぬまであなたをあそこで働かせるつもりだったけれど、あたしも少しは慈悲の心を感じたの。あなたは、あたしがこの教訓をあなたに与えるために使った全額を払い戻してくれる時まで、あそこで働くこと。それに、もちろん、その逆のことをするのにかかる費用も加えてね。それは忘れないようにしなきゃいけないわね」

「で、でも、それだと何十万ドルにもなるよ。ボクはずっとあそこで働かなくちゃいけなくなる……」

「何年も。そうよ、何年も。多分、それが全部終わったら、あなたもずっと良い人になっているでしょうね。まだ、疑っているけど。でも、多分、あなたはあたしを驚かせてくれるような気がするわ」

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Willing slave 「進んで奴隷になる」 

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Willing slavery 「進んで奴隷になる」

「ああん、そこ、そこ!」 ローラが悩ましい声を上げた。「どんどん上手になってくるわね」

ボクは返事をしなかった。この行為を中断することになるから。そんなことは、許されないことだろう。それはずいぶん前に学んでいて、繰り返し教え込まれる必要はなかった。とは言え、彼女のお尻に舌を這わせながら、ボクの心は迷い始める。

ボクと彼女が付き合い始めた頃だったら、ローラはボクの奉仕に応えてくれただろうと思う。彼女の口唇愛撫は、今のボクのそれと同じく、とても巧みだった。でも、今は、その頃の快感はほとんど覚えていない。彼女は、もう何ヶ月も、肉体的な快感をひとかけらすらボクに与えてくれていない。そんなことは重要じゃないの、とローラは言う。彼女に奉仕することで充分な快感を得るはずだと言う。その行為で満足するはずだと。

そして、確かに、たいてい、ボクはそれで満足してしまうのだった。その事実が悔しいし、今のような姿になってしまった自分にも腹立たしい。でも、他にどんな選択肢があっただろう? もしローラが求めることをしなかったら、彼女はボクを捨てていた。ボクにはそれに耐えられる力がない。この前、彼女がボクの元から去ったとき、ボクはほとんど死にそうな気分になった。もちろん、ローラはそれを知っている。知ってて、そのことを使って、ボクを操っている。

でも、ローラは決してそのことをあからさまに口に出したりはしない。それほどの悪女ではないのだ。でも、もしボクがしなかったら、彼女が望むことをしてあげなかったら、彼女はボクを捨てて出て行くだろう。彼女に捨てられたら、ボクの世界は崩壊してしまう。食事もできなくなるし、眠ることもできなくなる。目が覚めている時は、ずっとめそめそ泣き続けるだろうし、眠っている時は彼女の夢ばかり見ることになるだろう。ほとんど、彼女がまだそばにいると勘違いするほど、毎晩、夢を見ることになるだろう。そして、挙句の果てには、発狂しそうになるのだ。ボクは彼女なしには生きていけない。端的に言って、そういうことなのだ。

だから、ボクは彼女が求めることをしてあげる。男らしさといえることも、誇りも、すべてあきらめた。動物のように四つん這いになって、彼女や彼女の友だちに奉仕し続ける。その間ずっと、彼女たちは、ボクが存在していないかのように、ボクのことについておしゃべりを続ける。それに、彼女たちが話すことと言ったら……かつて、彼女たちは、ボクのことをシシーの奴隷と言ったら傷つくかもしれないわねと言ってたけど、今は、まさにその通りになっている。

でも、毎朝、目が覚め、ローラの顔を見ると、彼女がボクを見下ろして、優しく微笑むのを見るたび、彼女がちょっとだけボクのことを誉めてくれたりするたび、こういう生活をしてきてよかったと感じてしまう。失ったものなんか気にならなくなる。彼女を喜ばすことしか、頭になくなってしまう。ボクは、彼女を喜ばすことだけに喜びを見出す奴隷なのだ。これしかボクの生きていく道はないと思うのだ。

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A start 「始まり」 

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A start 「始まり」

「その調子! 練習すれば、いずれ完璧になるわ!」

「彼、あなたのことを憎んでるような顔をしてるわよ」

「あら、その通りね。でも、もちろん、あんな顔したって、何も変わらないけどね。それとも、なに? あなた、あたしが迷ってるシシーを手なずける能力がないとでも思ってるの?」

「いや、違う。違う。もちろん、そうじゃないわよ。ちょっとふざけて言っただけ」

「これは冗談にできることじゃないの。あたしたち、もうすぐ、このシシーを世界に放つのよ。とうとう、あたしたちの計画が実現するの。そうすれば、あたしたちは、正当な立場に立てるの。世界がちゃんと正されることになるの」

「本気で信じてるのね? たったひとりの男で……男というか……」

「男じゃないわ。シシー。彼が以前にスーツを着て威張って歩いてたかどうかなんて、関係ないの。男たちなんて、本当は、全員、シシーなの。まだそれを大半が自覚していないだけ」

「え、ええ……でも、たったひとりのシシーが? 彼が影響力のある人だというのは知ってるわ。影響力のある人だったというべきかも。でも、本当に彼にはそれだけのインパクトがあると思う?」

「疑問に思うのは当然だわね。でも、あたし、あなたのことを買いかぶっていたみたい。本当にそう思うわ。でも、そんなことはどうでもいいの。彼は、もうすぐ、世の中に発表される。そうなったら、彼は男らしさというものを地面にひざまずかせるでしょうね。彼は、男たち全員に、本当は自分たちがどんな存在なのかを、しっかり見せつけることになるんだから」

「でも、どうやって?」

「彼は、王冠こそ被っていなかったけれど、キングだった。偽りの男らしさの輝くシンボルだった。男たちは、みな、彼を尊敬していた。みんな、彼のようになりたいと思っていた。みんな彼に従っていた。そんな男たちが、今の彼の姿を見たら、直ちに彼の真似をする者が出てくるわ。しばらくは抵抗する者も出てくるだろうけど、でも、最後には、そういう男たちの仮面も剥がれ、みんな、正体を露わにするでしょう。それは避けられない道なのよ」

「あなたの自信、あやかりたいものね」

「まあね。でも、あなたが悪いわけじゃないわ。あなたは、心を、間違った男尊女卑の観念に汚されて育ったのだもの。感染していたんだもの。その治療が始まったところなの。まだ始まったばかり。これが始まりなの。そう、始まり」

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Swept away 「流されて」 

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Swept away 「流されて」

こんなはずじゃなかった……。ああ、こんなことを言うと、すごく責任回避してるように聞こえてしまうかも? 分かってる。でも、別の言い方をしても、同じだ。自分の人生がこんなふうになるなんて、思ってもいなかった。あたしがこんなふうになるなんて、予想すらしてなかった。でも、分かっている。全部、自分で決めてきた結果が今の自分。自分で進む道を選んできた。それに、振り返ってみると、やり直せるとしても、別の生き方をするとは思えない。こういう生き方をしたかったから、そうしてきたのだと思う。だから、やり直す機会があっても、多分、同じ道を選ぶと思う。

でも、それを愛と呼ぶかどうかは、ためらってしまう。愛のように感じる時もあるけど、愛って、苦痛に感じる時があるほど強力なものなのだろうか? 多分、愛という言葉より執着の方が適切な言葉だと思う。でも、別に、そのふたつの違いが分かったからといって、あまり役には立たない。愛と執着の違いなんて、頭の奥で、ぼんやり漂ってるただの事実のひとつにすぎない。役に立たなくて、いつでも無視できる事実にすぎない。あたしがかつてどんな人間だったかの記憶と同じく、役に立たないと思う。

ちょっと努力すれば、すぐに思い出せる……別に今となっては本気で思い出したいわけではないが。あたしが辿ってきた道。それは最初からずっと、苦痛と拒絶の連続だった。あたしはストレートだった? あたしは男性だった? 当時はそう思っていた。完全にそう思い込んでいた。ガールフレンドもいたし、友だちもいた。それなりの人生があった。でも、今は、もうない。彼と出会ってからは、なくなってしまった。

彼と初めて会ったその日に、あたしは彼のペニスを口に咥えていた。彼は、わざと、あたしに「しゃぶらせてください」と懇願させた。そして、あたしはトイレの床にひざまずいて、それをしたのだった。ああ、あの時の音が今でも耳に聞こえる。あの時、彼があたしの中に何を見たのか、いまだに分からない。あの日のことを思い出すたび、体が震えてくる。どうして、あたしがあんなにずうずうしくなれたのか、分からない。あたしは彼が欲しがるようなタイプではなかった。それはあたしも知っていた。あたしは、あまりにも……何と言うか……男っぽさを残していたから。それにもかかわらず、彼はあたしにおしゃぶりをさせてくれた。彼のペニスを唇で包み込みながら、嬉しくて涙が出そうになっていた。あたしの口の中に出してくれた時は? まさにエクスタシーだった。あたしは全部飲み下した。

その時になって、彼はあたしに、あたしの中に大きな可能性があるのを見たと言ったのだった。

「2つか3つ、容姿に変化を加えてくれたら、もう一度、おしゃぶりさせてやってもいいぜ」

あたしは、彼のスペルマの強い味を舌に感じながら、彼を見上げた。彼の目には、「場合によっては、もっとたくさんしてやってもいいぜ」と言う表情が浮かんでいた。

「何でもするから」

そう言うと、彼は微笑んで、「そのうち連絡するから」と言った。

彼がトイレから出て行った後、あたしは恥ずかしさが急に溢れてくるのを感じた。自分は何てことをしてしまったんだろう? 自分はゲイじゃない。別に男が好きなわけではない。なのに、彼のペニスを美味しそうにしゃぶったし、実際、それをしている間、気持ち良くてたまらなかった。それはどういうことを意味しているんだろう? それに加えて、自分がもっとそういうことがしたいと思ったことは何を意味しているんだろう?

次の1週間、あたしはずっと電話をチェックし続けた。早く連絡を入れて欲しくてたまらなかった。でも、それと同時に、恐ろしさも感じていた。

初めての出会いから2週間後、彼からメールが送られてきた。「いくつかパンティを買え」とあった。瞬間、拒絶したいと思った。本当にそう思った。だけど、その日の昼休み時間には、あたしはビクトリアズ・シークレットに行き、山ほどランジェリーを買い込んでいたのだった。レジ係の女の子は、あたしが何をしているかちゃんと分かっている顔で、あたしを見ていた。あたしは頬が熱くなるのを感じながら、支払いを済ませた。

でも、ともかく、あたしは彼が言うとおりにした。そして、言うとおりにしたと彼にメールした。次の指示は、ランジェリーを着た写真を送れということだった。それも言うとおりにした。次の段階は、ウイッグをつけること。その次はお化粧をすること。そしてドレスを着ること。次から次へと指示が着て、最後には、あたしは女の子のような姿になっていた。どの段階でも、あたしは一瞬もためらうことなく指示に従った。ためらうことなど、頭に浮かぶこともなかった。彼から、とあるホテルで会うよう言われた時も、断ることなど、まったく考えなかった。ホテルに行けばどうなるか知っていた。そうなるものだと考えていた。

そして、彼は、あたしがまさに予想していたことをしてくれた。もちろん、痛みはあった。だけど、それも予想していたことだった。でも、その痛みの中に、何か違う感覚が埋め込まれていた。快感? 確かにそれはあった。満足感? それもあった。でも、それ以上の何かがあった。あたしの心の中、何か、うまくカチッと嵌るような何かがあった。そして、その瞬間から、あたしは彼が求めることをどんなことでもすることになるだろうと思った。彼があたしをどんな人間にしようと望んでも、その通りの人間にあたしはなるだろうと思った。

そして、あたしはその通りにした。ホルモン摂取、整形手術、友だちや職場の同僚へのカミングアウト、ガールフレンドとの別れ。どのステップでも、それをクリアするたびに、彼は信じられないほど素晴らしいセックスをしてくれた。このことも、あたしは一度も後悔していない。どうして後悔などするだろう? あたしは幸せだった。彼はあたしが欲するすべてを与えてくれたし、あたしも彼が欲するすべてを与えた。

もちろん、いつも、迷いはあった。あたしは本当に女になりたいと思っていたのだろうか? 彼のオンナになりたいと? 今は分からない。答えを分かっていると思いたい。少なくとも、普段はそう思っていたい。でも、どうしてあたしはこんなに変わってしまったのだろう、こんなに急速に変わってしまったのだろう? そう不思議に思わずにはいられない時がある。こんなふうになるはずじゃなかったはずでは? いや、こうなるようになっていたのかしら? あたしには分からない。

もちろん、悩みや迷いがあったからと言って、状況が変わるわけではない。彼が望むことに、これほどまで執着していなかったとしても、あたしはこの状況から逃げ出すことはできなかっただろう。逃げたいと思っても、どこに行けるだろう? あたしはどんな人間になれるというのだろう? いや、今の生活をやめる理由がどこにもない。抗う理由が何もない。多分、あたしはこういうふうになるはずではなかったかもしれないし、こうなるべくしてなったのかもしれない。その答えは分からない。けれど、それはどうでもよいことなのだ。あたしが、今のあたしであることには変りがない。これがあたしなのだから。

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Ends and means 「目的と手段」 

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Ends and means 「目的と手段」
昔は、どうしても罪悪感を感じていた。普通の道徳観からすれば、私がしたことは間違ったことだし、許されないほど間違ったことである。私がそのような道徳観を持っていなかったら、どうだっただろう? 平気だっただろうか? 確かに言えるのは、世の中に対しては平気だっただろうということ。それは分かっていた。でも、私自身の気持ちとしては……。とは言え、その罪悪感は長くは続かなかった。自分のしていることは正しいのだと思うようになっていった。

私は否定的な人たちから離れた。あの子にとって何が最善なのかを知っているのは、私だけだと思った。どうすればあの子を幸せにできるか、私だけが知っていると。そうじゃないと言う人や、私は間違っていると言う人は、何も分かっていないのだと。誰が何と言おうと、あの子は私の息子なのだ。私が、あの子は息子ではなく娘となった方がふさわしいと思ったとしても、そう思うのは母親としての私が持っている特権なのだと。

当時は、その論理はとてもシンプルに思えた。私は精神的にも身体的にも、虐待を受けて育ってきた。虐待の犠牲者だった。本来なら信頼できたはずの男性たちの手で虐待を受けてきたのだった。当時の夫が私に同じようなことを始めるのは、時間の問題だった。彼の目を見れば、彼の行動ひとつひとつを見れば、そうなることがすぐに分かった。嫌なことを考えているのが、彼の顔を見ればすぐに分かった。口論をするたび、夫が私を虐待し始めるだろうという思いが私に重くのしかかるように感じた。いつか、私はその重さに押しつぶされてしまうだろうと。でも、もうそれ以上、虐待の犠牲者になるのは嫌だった。だから、私はその状況を変えることをしたのだった。

警察を呼んで、夫が私を殴ったと思わせるのは、そう難しくはなかった。警察に夫をモンスターと思わせることができた。まだ奥に埋もれていて、表に噴出してはきていないが、いずれ怪物のようになると。私自身がつけたわずかな傷跡を見せ、すすり泣いて作り話をしただけで、夫を私から隔離するのに充分だった。私の言い分が認められた。安全になったと思いかけた。

でも完全ではなかった。もうひとつの問題があった。自明と言える問題。息子のことだった。子供の頃は、息子を見ても、最後には息子も他の男たちのようになるとは想像しがたかったけれども、息子の遺伝子にその種が入っている。しかも、息子の父親からのモンスター遺伝子に加えて,私の父親から引き継いだ遺伝子もある。息子がおもちゃのブロックを遊びで蹴散らすのを見るたび、私は震えあがった。おもちゃ屋に行き、息子が兵士のおもちゃを見て興奮するたび、私は泣きそうになった。どうしていいか分からなかった。少なくとも最初は、どうしていいか分からなかった。でも、その時、思いついたのだった。別に私は男の子を育てなくてもいいのじゃないかと。今は別にそうしなくてもいいのではいいのではないかと。いや、ずっと、そうしなくてもいいのではないかと。

そこで私は計画を立て実行し始めた。それほど複雑なことではない。心理学の基本程度を理解している人なら誰でも分かることだった。ブロックの代わりにお人形をあてがった。ズボンの代わりにドレスをあてがった。ブリーフパンツの代わりにパンティを。常時というわけではないけれど、種をまく程度には頻繁に、そういう置き換えを行った。そして、息子がそういう女性的なものに囲まれている時は、彼が幸せに感じるように気を使った。そういう時にはアイスクリームを与えるとか。そういう時には関心を向けてもらえるとか、愛されていると分かるとか。男の子に戻ったときには、それらをまったく行わない。息子は、すぐに、幸福感と女性性とを結び付けるようになっていた。

私の人生で最もうれしかった日は、息子がトランスジェンダーとカムアウトした日。息子は8歳だった。その日、私は息子に一番の可愛い服を着させなかった。息子は大泣きし、もう男の子に戻りたいなんて思わないからと訴えた。でも、私は、息子が本気でそう思うまでドレスを着させなかった。ジリジリ追い詰めた。わざと、どうするか迷っているような素振りをして見せた。内心では、その逆。新しく誕生した私の娘。彼女は私をがっかりさせたことは一度もない。

それから11年が経った。その間、私は、自分がしたことに後悔したことがほとんどない。確かに罪悪感はあったし、迷ったことも少なくはない。学校でいじめにあったと言って帰ってきた時、心臓がよじれるような気持ちになった。しくしく泣く娘を見て、私も声を立てず泣いてしまった。でも、もう、サイは投げられているのだ。娘の運命は定められているのだ。もはや、男の子に戻るなんて考えることすらできないようになっているのだ。それに、私自身、娘が男に戻るなんて耐えられそうもなかった。

そして、今、娘は大人になった。強く、自立心を持った大人の女性になっている。そのようになりたい女性たちの見本のような女性。男性を必要としないビジネス・ウーマン。私が彼女を作り上げた。私が鋳型に嵌めてあげた。そして、そういう目的が達成されたという点で、そこに至る手段は正当化されていると思う。そうであるべきだと思う。

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弱みにつけ込む上司 (31:終) 

リチャードは思った。この日の夜まで自分は王様だった。セックスについてモニカが知ってることのほとんどすべてを自分が教え込んだと言ってよい。旦那のジェフは女を喜ばす方法についてはまったくのウブなのだから。リチャードは、新しいことを教え込むたびにモニカが見せた反応が愛しかった。

そして、今夜、モニカはフレッドと体を重ねた。どう見ても、彼女がフレッドとのセックスを楽しんだのは明らかだった。自分は知らなかったが、フレッドは巨根の持ち主で、しかも、その道具の使い方を熟知した男だった。リチャードは、果たして彼にモニカを抱かせたことが良かったことなのか分からなくなっていた。

自分のモノでないものを100ドルで売ったなら、そいつは良いことだ。だが、モニカは俺のモノになっていたのだ。それをフレッドに奪われたような気持だった。ある意味、自分よりはるかに大きなペニスを持った男に最愛の女を寝取られた気分だった。

もはや、前の状態を取り戻すには遅すぎる。すでに行われてしまったのだから。とりわけ、たった1週間前に誘惑してセックスにこぎつけたモニカだったのだが、彼女はもはや、あの時のウブで可愛い女の子ではなくなってしまった。

モニカがトイレに入ってから長い時間が経っていた……多分、アソコからスペルマを洗い流しているのに違いないが、こんなに時間がかかるということは、よっぽど多量に中出しされたということか? ちくしょう、フレッドのヤツ、モニカを散々にヤリまくりやがって!

そんなことを思いながらリチャードは、もう一服、タバコを吸った。頭の中、フレッドがあの逞しいペニスをモニカに使う光景が浮かんで消えなかった。悔しくもありエロティックでもある光景に、リチャードはどうしても苦々しい笑みを浮かべてしまうのだった。

モニカとヤレるのは、もう2週間くらいかなとリチャードは思った。そのうち彼女の腹が膨らんでくるだろうし、そうなったらモニカを彼女の実家に帰そうと考えた。旦那のジェフはどうするか? それについてはすでに計画を立てていたリチャードだった。

ギャング集団では、若いメンバーを犠牲にして逮捕させらせ、ちょっとだけ刑務所暮らしをさせることが標準的だ。締め付けたりせずとも、文句も言わずムショ入りして刑務を務めあげたら、一人前のメンバーとして受け入れらるという次第である。

リチャード自身、ムショ入りした経験があった。1年以上の刑期だった。リチャードは考えていた。間もなく、ジェフにその番が回ってくる、と。そうなったら、その間、自分はモニカを自由にできることになる。もしかすると、モニカを使ってちょっと小遣い稼ぎもできるかもしれない、と。

小遣い稼ぎ? その言葉に、リチャードはあることを思った。もっと外の世界に目を向けたら、妊娠している美人の10代の娘とセックスできるなら大金を惜しまない男たちがいるはずだ。妊娠してて中出しし放題の10代の娘を抱けるチャンスはそうあるものではない。ましてや、その娘が人妻だとしたら、もっと高値がつくだろう。

女は妊娠すると、腹が膨らんでくる前に、おっぱいが大きくなり、張りも出てくるものだ。モニカのおっぱいは10代の若々しい乳房だし、元々、大きく張りがある。だが、この1週間の間ですら、前よりも大きくなっているように思えるぞ。

モニカを使って荒稼ぎするなら、彼女の腹が膨らんでくる前に行動する必要がある。そのためには、しばらくモニカを常時、自分のそばに置いておくことにするか?

それは難しくはない。まずは邪魔な旦那をモニカから引き離すことだ。次にジェフがシカゴに車を運ぶ時、向こうのギャングどもへ古いモデルの車を注文させ、ジェフに配達させる。そして、警察に通報。シカゴのギャングどもは警察にわいろを贈って、ジェフを助けるように仕向ける、と。ジェフが出張に出た後で、モニカにシカゴの有力者が会いに来ると伝える、と。実際は、向こうのギャングたちだが。

その「有力者」のの中にはジェフのための「弁護士」と、警察とコネがある人物もいることにしよう。でっち上げる方法はいくらでも思いつくぞ。モニカは孤立無援になるわけだし、ジェフを拘置所から出すために必死になるだろう。何でもするに違いない。

******

バスルームの中、モニカは鏡を見つめていた。涙で化粧が乱れていた。「ジェフ、ごめんなさい。本当にごめんなさい。……貞淑な妻でいたかったのに。本当にそう思っていたの。でも、あの人たち、あたしにそうはさせてくれなかった。結婚して3週間しか経っていないのに、あたしは、もう他の男の人に抱かれてしまった。しかも、ふたりの人に」

モニカは、自分がしたことを振り返って、小さく身震いした。何日か前にリチャードとしたこと。それとほぼ同じことをチャーリーを相手にしてしまった。でも、チャーリーのペニスはリチャードのよりずっと大きかった……

最初は嫌だった。だけど、チャーリーにキスをされてからは……。チャーリーはキスが上手だった。キスされてるうちに、すぐに不快感は消えて行って、その代わりに快感が生まれてきた。そしてチャーリーが自分の中に入ってきた。それから何分も経たないうちに、自分はオーガズムに達した。その後は、ずっとイキっぱなし。あそこがヒリヒリし始めるまで、ずっとオーガズムが連続していた。いいえ、アソコが痛くなった後にも、最後にもう一度、激しいオーガズムを味わった。

チャーリーに抱かれた途中から、リチャードが見ていることも忘れてしまった。覆いかぶさるチャーリーの背中に爪を立て、歯を食いしばって、強烈な絶頂を何度も味わっていた。頭の中は真っ白になっていて、あの大きなペニスで中を突かれる快感だけに覆われる。

後になって思うと、自分が、あんな言葉を大きな声で言っていたことが信じられない。リチャードがそばにいて聞いているのを知っていたから、チャーリーの大きなおちんちんが気持ちいいなんて、言葉にしたくはなかった。でも、チャーリーにイヤラシイ言葉やエロティックな言葉をいっぱい吐きかけられてるうちに、知らないうちに、声に出してしまっていた。いや、むしろ、あの時は、愛し合っている最中に、ああいうことを言わない方が不自然なように感じていた。

モニカは、チャーリーに抱かれていた時のことを振り返り、思い出した。……あたし、彼の大きなおちんちんのことを、多分、10回は声に出して言ったかも。リチャードは、そのことを忘れないんだろうなあ……

チャーリーとは何度か体位を変えて交わった。姿勢を変えたときに、リチャードがベッドの周りを移動し、ゆっくりおちんちんをしごきながら、あたしたちを見ているのに気づいた。チャーリーが大きなおちんちんをあたしのあそこに突き入れるところを、彼はじっと見ていた。

最初は、リチャードにヤキモチを焼かせてはいけないと、チャーリーに抱かれる快感をあからさまに表すのを恐れていた。でも、ある時、リチャードは大きな車輪のひとつの小さな歯車にすぎないんじゃないかと思った。実際には、リチャードは小物で、あたしの上に覆いかぶさっている、シカゴから来た重要人物という、このチャーリーという男こそあたしが本当に気にかけるべき相手なのではないか、と。そう思った瞬間から、モニカにとって、本当の意味での快感が開始したのだった。

チャーリーが仰向けになったのを受け、モニカは彼の上にまたがり、再び結合した。後ろにリチャードがいて、自分たちを見ているのを知っている。すでにチャーリーの巨根によって肉体的な快感は発火していたけれど、それに加えて、今は、彼が有力者という尊敬の気持ちもあって、精神的な愛情も湧いていた。

キスが上手で、女の気持ちを分かってて、その上、逞しい体をした男。それに対して、あたしたちの行為をこそこそと見てる小物のリチャード。

モニカは後ろでリチャードが見ているのを知りながら、わざと背中を反らせ、お尻を突き出し、上下に振り続けた。そうやって、チャーリーの極太が自分の肉穴に出入りするところをリチャードに見せつけた。

やがて絶頂が近づく。モニカは思い切り尻を沈め、チャーリーの棍棒を根元まで飲み込み、同時に腹の底から出すような深い唸り声をあげて、絶頂を伝えた。

「イクっ!」

その言葉と共に、モニカは無表情になり、息を止めたまま、じっとチャーリーの顔を見つめた。何かにキバってる顔がしばらく続き、やがて、急に呼吸が戻り、柔和な顔になった。

「ああ……、良かった……すごく、良かった!」

そう言いながら、顔をチャーリーに近づけ、再びキスをした。キスをしている間、モニカは、腰を左右に振る動きを続けた。本能的に、縦方向だけでなく、横方向でも刺激してほしく、そう動いてしまう。

やがて、モニカは、転がるようにしてチャーリーの体から降りた。その時、リチャードが自分たちを見ているのを見たが、彼のペニスは依然としてツンと立ち、天井を向いていた。

……リチャードは、やっぱり、チャーリーのおちんちんにヤキモチ焼いてる。まあ、でもいいわ。あたしがチャーリーのおちんちんの方が好きなことを、あからさまに見せてあげる。思いっきりヤキモチ焼けばいいのよ。当然の報いだわ!

そう思い、モニカは、仰向けに大の字になっているチャーリーの股間に顔を寄せた。そして、うっとりとした顔で彼のペニスを口に含んだ。キャンディーを舐めるようにべろべろ舐めては、ミルク絞りをするようにして吸い上げる。それを繰り返し、やがてチャーリーは射精を始め、モニカはためらう様子もなく、彼が出した体液を飲み下した。

先週、リチャードは何の予告もせず彼女の口に射精し、その思いやりのなさにモニカは驚いたのだが、自分自身が進んでこの行為をするとはモニカ自身、思ってもみなかった。

実際、この行為はモニカが思いついたことではなかった。チャーリーが誘ったことであった。

「もし、してくれるならの話しだが、俺は女の口に出すのも好きなんだよなあ……」

「でも、あたし、アレの味、好きじゃないの」

その返事を聞いて、チャーリーはその気持ちも分かると頷いて見せ、仰向けになった。

「口を頭につけながら、優しくしごいてくれるだけでいい。やりたくなかったら、別に飲み込まなくていいから。でも、飲み下してくれたら、本当に嬉しいよ」

そういう言葉だけで充分だった。チャーリーは別に命令したわけではないが、そのことで、かえって、モニカはその希望に応じたい気持ちになった。なにより、このチャーリーという男性を喜ばせてあげたい。できるかどうか分からないけど、彼が出すモノを全部飲み下すことにしようと心に決めたのだった。

モニカには、セックスをしていた大半の時間、チャーリーのペニスが少し柔らかい感じがしていた。彼が完全に勃起していたと思えるときでも、それは変わらなかった。多分、あれだけ大きな肉塊を血液で満たし、固く勃起させるのは、血流の生理的な仕組みでは無理なことなのだろう。モニカはそう思っていた。

でも、その理論は間違いであることが判明したのだった。モニカが咥えたペニスが、射精の直前、信じられないほど固くなったのだった。

味は、モニカが思っていたほど悪くなかった。ただ、量が尋常ではなかった。リチャードの射精ですら、吐き出さなければ対処できなかったのに、それを上回る量で噴出してきたのだからたまらない。それでも、モニカは、ちょっと咽せる瞬間はあったものの、一滴残らず飲み下して見せた。

……リチャード、ちゃんと見てよね! あたし、チャーリーのを全部飲み下してるわよ! あなたも先週、彼と同じようにあたしを扱ってくれたら、同じように、全部飲み下してあげたかもしれないのに!……

ともあれ、モニカは肉体関係を持った3人の男性のうち、ひとりに関しては精液を味わい、もうひとりについては多量の精液を飲み下したのだった。残るひとりについては、ペニスに唇を寄せたこともないのではあるが。

リチャードにとって幸いだったことがあった。それはチャーリーがモニカのアヌスをやろうとはしなかったことだった。この点に関しては、自分の方が先を行ってると誇らしかった。

とは言え、チャーリーもモニカの肛門に指と舌を使っていたのも事実だった。一度、射精をしながら、チャーリーは指をモニカの肛門に突き入れたが、すでに同じようなことをリチャードにされていたモニカは、それをされても驚かなかった。

ただ、シックスナインをしていた時に、チャーリーが舌をそこに挿し込んできた時には、モニカも驚いた。

モニカは青いバスタオルを体に巻き付け、乳房の前で結んだ。ちゃんと胸が収まるか確かめ、彼女はバスルームのドアノブを回した。

ひょっとすると、チャーリーが待っていて、もう一回しようと言うかも。そう言われたらどうしよう……そうねえ、あたしは拒まない。優しくしてくれる限り、何回でも……

ドアを開けると、すぐ前にリチャードが立っていた。ニヤニヤして見ている。

「ずいぶん長かったな。物足りなかったのか? 中で自分であそこをいじっていたのか? それとも、緩んでしまった穴をジェフに気づかれないよう、締め付ける運動をしていたのか?」

そんな言葉を吐きかけられ、モニカは顔を赤らめた。リチャードは時々、本当にひどいことを言う……

「チャーリーは?」 とモニカは部屋の中に目をやった。彼が帰ったのを知ると、彼女の顔にはっきりと落胆した表情が浮かんだ。

「チャーリーはお前のパフォーマンスに実に満足していたぜ」

モニカは急に寂しさに覆ってくるのを感じた。……チャーリーは帰ってしまった。もう終わってしまったのね。…… うなだれて彼女は言った。「そ、そう……良かった。あたし、彼に喜んでもらいたかったから……」

リチャードはニヤニヤしながらモニカに近づいた。「あいつを喜ばせただけじゃないんじゃないか? お前自身、喜んでいただろ? あいつの上に乗って腰を動かしてた時のお前の顔、ちゃんと見ていたんだぜ?」

モニカはまたも顔を赤らめた。……それは否定できないわ。全部、リチャードに見られていたんだから。

「まあね。あそこがヒリヒリしだすまでは、気持ちよかったのは本当だもの」

ヒリヒリしてる。このことだけはリチャードにちゃんと伝えておきたかった。リチャードが、この後、セックスしようとしてくるのは分かっていた。挑みかかってきたら、もう一度、この言葉を言おうと思った。

突然、リチャードがモニカのタオルを掴み、ぐいっと引っ張った。彼女の裸体が露わになる。モニカは無意識的に片腕でふたつの乳房を隠した。

「あんなことをした後になって、今さら、俺から体を隠そうとしてるのか? えぇッ?!」 

モニカはうなだれ、胸を隠した腕を降ろした。

「違うの……ただ……もう、今夜はこれ以上、したくないの。とても疲れてて……あそこもヒリヒリしてて……」

「まあ、そうだろうな。わかるぜ。チャーリーのヤツ、10発はやってったもんな。やるたびに、お前のアソコは広げられてしまって、今はゆるゆるだろう。それに、あいつは一回一回が、やたら長かったしな。いちいち、お前の中を散々掻き回しやがった……

「……お前があいつとやれたこと自体、いまだに信じられねえぜ。お前のまんこ、あんだけきつかったのを思うと、なおさらだ。あんなお前の姿をさんざん俺に晒して見せた後で、今夜は俺にやらせないわけねえよな。そうだろ?」

モニカはリチャードの目を見つめた。「手でだったら、やってあげらると思う」 

それで許してもらおうと期待していた。ともあれ、チャーリーとのセックスの後では、リチャードとする気など起きなかった。

リチャードは笑った。「アハハ! 大丈夫だ、モニカ。今夜は許してやるぜ。お前、チャーリーのを飲み下しただろ。今夜はもうやれないなら、フェラで出すだけで許してやろう。またジェフを出張に行かせるから、その間にまた来るぜ。そん時に、みっちりお前をやってやる……。ひょっとすると、俺たちの組織から別の男を連れてくるかもな。また、重要人物が来るらしい。そいつも、お前やジェフの将来にいろいろ助けてくれそうな人物だぞ」

リチャードはすでにある人物を念頭に置いていた。2日ほど前、彼はとあるバーにいた。そこにアロンゾ兄弟が入ってきたのである。アロンゾ兄弟はリチャードを見かけると、さっそく、そばに寄ってきて一緒に飲み始めた。何杯か飲んだのち、彼らはリチャードにモニカについて訊いた。彼らは、リチャードの駐車場の前を通りかかったとき、モニカのことを見ていたのである。

「あの娘は、すごくウブなんだよなあ……」

そう言うと、アロンゾ兄弟は、抱かせてくれたらひとり当たり100ドル出すと言い出した。場合によってはもっと出すと。

割とケチで有名な兄弟だが、その彼らが、ひとり当たり100ドル出すとは。100ドルだけでもかなりの額なのに、それが2倍となる!

最初、リチャードは彼らが冗談を言ってると思っていたが、アロンゾ兄弟はしつこく食い下がった。

「あの女は、まだ17になったばかりなんだぜ」

リチャードは、そう言って、兄弟をがっかりさせるつもりだったが、逆効果だった。むしろ益々乗り気になってくる。

「しかも、人妻なんだ」

これも逆効果だった。

「人妻? だったら、なおさらじゃねえか。誰かの奥さんに突っ込んで、ヒイヒイ泣かすのって最高だぜ」

それから、3人はさらにもう一杯、酒をお替りした。リチャードはちょっと自慢話を始めた。

「実は、もう、あの女とやってるんだ」

「おい、マジかよ。どんなカラダしてるんだ? ベッドの中ではどんなふうになるんだ? あそこは締まりが良いのか? フェラはやるのか?」

問われるままに答えていると、兄弟はひとこと、「百聞は一見に如かずだよな」と言った。

リチャードはちょっとバラしすぎたかなと思った。ただ、アロンゾ兄弟がジェフにあることはないだろうし、この話がバレることもないだろうとも踏んでいた。

「多分、多分な。何とかできるかもな」と彼は言った。「いいか? モニカは純情可憐で、とても体を売るような女じゃねえんだぞ! なにしろ、まだ男はふたりしか知らないウブ娘なんだ。俺と旦那のふたりだけな。だけど、マジでカネを払うつもりでいるなら、それに、誰にも話さないと約束するなら、考えてやらないわけでもないぞ」

アロンゾ兄弟はひとり当たり150ドルに値段を釣り上げた。リチャードは、金額が上がったのを受けて、「後で知らせる」と返事した。

リチャードにとって、その額は確かに魅力的だったが、同時にそのバーでの噂話も気になっていた。アロンゾ兄弟が女を手荒に扱うという噂だ。アヌスとバギナを同時に犯すとか、女をロープで縛り、顔面にぶっかけるとか。そういう噂だ。

アロンゾ兄弟は大きな体格で、ふたりとも身長190センチはあるし、ひとりは体重90キロ以上だし、もうひとりは100キロは超えている。肥満ではなく筋肉による体重だ。シャツの胸元からはゴワゴワした体毛が顔を出していて、その様子から察するに、特に股間周辺を含む全身がどんな茂みになっているか、容易に想像できるだろう。兄弟がニュージャージのマフィアとつながりがあるという噂もあった。

それでもリチャードは、自分がそばについていれば、ふたりがモニカに度外れた行為に及ぶのを防げるだろうと思っていた。

いや分からないぞ。ひょっとすると、モニカはそういう手荒な扱いを好むかもしれない。これは、面白い実験になるかも。モニカが、あの荒くれ兄弟ですら、ちゃんと相手できるとなったら、いくらかモニカに何ドルかカネを出してやろう。そして、ジェフとの生活のためには、こういうこともするのが良い妻の務めじゃないかと言ってみるわけだ。あのウブなモニカのことだ、素直に頷くんじゃないかな。あの兄弟が300ドル出すなら、100ドルくらいモニカにやっても構わないか……。

そして、アロンゾ兄弟から申し込みがあった直後に、フレッドから再び申し込みがあった。偶然のことだったが、リチャードにとっては運が良い偶然と言えた。それというのも、もう一度、フレッドと会うとすると、その機会にモニカと3Pを試すことができるかもしれない。アロンゾ兄弟に先を越される前にヤレるかもしれないからだ。

リチャードは、すでにモニカに、ビジネス関係で、また客があるかもしれないと伝えていた。モニカは不安そうな顔でリチャードの目を覗き込んだ。「誰なの? チャーリーは、シカゴでジェフの上につくんでしょ?……」

「心配するなって……」とリチャードは話しながら、モニカの左側の乳房に手を添えた。「シカゴには有力な男たちが何人かいるんだ。チャーリーはそのひとりにすぎない。お前がどれだけイイ女か、いったん噂が出たら、後は引く手あまたになるもんだ」

噂が出たらという言葉にモニカは恐怖を感じた。「あたしのこと? あたしがイイ女って? ジェフはどうなるの? ジェフこそ、引く手あまたになるべきじゃないの?」

「ジェフのことは気にするな。ジェフはジェフで自分の仕事があるんだ。もっと仕事も増えるだろう。ともかく、お前はジェフの仕事を大いに助けてあげることができるということだ。俺たちのビジネスで頭角を現すには、ずいぶん時間がかかるもんなんだぜ? 俺には分かる。俺自身はひとりでやったんだが、ずいぶん時間がかかったからな。だが、ジェフにはお前がいて力を添えているんだ。お前とジェフのふたりなら、大出世できるぜ。ひょっとして、いきなりトップを狙えるかもしれない。俺を追い越してな」

リチャードは両手でモニカの乳房を揉み始めていた。

「どうだ? もっと高いポジションの男たちとしてみる気はないか? 上のポジションの男たちに、お前の上に乗ってもらうだけのことだが?」

リチャードは、自分で言ったジョークに自分で笑った。モニカは、不安と嫌悪を感じつつも、つられて笑顔になってしまうのだった。

モニカが微笑んだのを見て、リチャードは調子づいた。

「実は、とある兄弟がいるんだ。そいつらは、イリノイ州の西地区の大半を仕切っている。もし、その兄弟をお前の魅力で好きにもてなしてくれたら、俺にいくらか良いことをしてくれるはずだ。俺自身、ずいぶん前から、もうちょっと上の位置に着きたいと思っていたんだよ。なあ、いいだろ? 少し力を貸してくれるよな?」

「あなたに?」 とモニカは顔をしかめた。「あたしは夫になら力を貸すわ。でも、どうしてあなたに力を課さなくちゃいけないの?」

「まあ、ひとつには、お前の旦那に最初に仕事を与えたのが俺だということがあるな。それに、お前たちふたりに、良い仕事を手配しているのも、俺だ。もし、そんな俺の取り計らいに見合ったことをしてくれるなら、俺も、お前たちに、ちゃんとそれに見合ったことをしてあげると約束するぜ」

モニカはうつむいた。「あたし……あたしは、もう、あなたに借りは返したと思っていたけど……」

リチャードはモニカの言葉を無視し、彼女の弱みにつけいった。「それに……俺とお前の間じゃねえか。特別の間柄だ。俺の言ってる意味が分かるだろ?」 そう言って彼はモニカの唇にキスをした。

最初、モニカはかすかにではあるが抵抗した。だが、すぐに両腕でリチャードの体を抱き寄せ、情熱的にキスを返したのだった。モニカは、先週からのリチャードとの様々な出来事で、すでに非常に興奮していた。激しく舌を絡ませあいながら、気持ちが高まったのか、モニカはLの言葉すら口走った。Fの言葉がFUCKを表すように、Lの言葉はLOVEを表す。

リチャードはモニカの顔をまじまじと見つめ、「俺もだよ」と答えた。

……リチャードがあたしを愛している? たった一回のセックスでそう思うことなんて、ありえるの?……

自分で愛の言葉を語ったことも忘れ、モニカはリチャードの返事に驚いた。

夫と別れることなど考えたこともない。だけど、リチャードは、先週の一度限りのセックスでは満足していないみたい。もっとそれを超えたことを求めている様子。ひょっとすると、恋愛っぽいことを仄めかして、遊んでいるのだろうけど、よく分からない。

リチャードの反応に、モニカは頭の中が混乱した。今夜の出来事があったにもかかわらず、なぜか不思議に彼に惹かれている自分がいた。

ようやく抱擁を解かれたが、モニカは興奮して息が乱れていた。

「で、どうだ?……もし、その兄弟を連れて来たら、そいつらに、お前の素晴らしい体を見せて、ちょっと抱かれてやってくれないか?」

リチャードは少しいやらしそうな笑みを浮かべ、続けた。「まあ、ちょっと考えてみろよ。そいつらがお前の体をチェックするだろうが、その間、お前の方も、同時にちんぽを2本チェックして、比べてみることができるんだぜ?」

モニカはうつむいて、自分の足元を見た。体は疲れ切っていて、眠たくて仕方なかった。あそこもヒリヒリして痛い。完膚なきまでセックスされたような気持ちだった。こんな時に、男性ふたりとセックスすることを考えるなんて、考えることすらありえない。

モニカは、こんな話しから逃れるために、とりあえずリチャードに話しを合わせることにした。いつでも、後で気持ちを変えることができるから。「多分ね。多分、ちょっと新しいことになるかも知れないわね。同時にふたりの男性とするって……」


ただ、不思議なことに、モニカは、「同時にふたりの男性とする……」と言った時、体の中をゾワゾワと興奮が走るのを感じたのだった。

「そりゃそうだな。それに、お前もすごく楽しめるかもしれないぞ」とリチャードは笑った。笑いながらも、ペニスがヒクヒクするのを感じた。モニカが巨体の男ふたりを相手にしているのを見るのは、さぞかし刺激的だろう。あの兄弟に挟まれたら、モニカは少女のように小さく見えるはずだ。

フットボール選手並みの肉体をした、40過ぎの毛むくじゃらな中年男ふたりにもてあそばれる、無垢で愛らしい、まだ10代の人妻。すごい光景になるに違いない。

リチャードはアロンゾ兄弟のペニスの大きさは知らない。だが、どんな大きさにせよ、モニカが同時に2本のペニスを同時に突き出されてどんな反応をするかは、見モノになるのは確かだった。

場所はどこにしようか? まあ、それはモニカが決めてもいいし、アロンゾ兄弟が決めてもいいだろう。ともあれ、あいつらがデカいペニスを持ってると分かったら、本当に見ておく価値があることになるだろう。

かなりの確度で、乱交状態になるだろう。そうなったら、リチャードは自分も参加するつもりでいる。それは、アロンゾ兄弟に前もって了解を得ていた。アロンゾ兄弟は大物であり、最低でもひとりあたり150ドル出すと言っている。リチャードがプレーに加わっても、それは変わらないと言っていた。

「ある意味、お前はチャーリーを相手にしつつ、俺もお前とやりたいと思ってみていたんだから、男ふたりを相手にしたのと同じだよ。お前、俺に見られてて興奮してただろ? 違うか?」

行為が始まって数分もしないうちに、モニカは、リチャードが部屋の隅に座って自分たちを見ているのを気にしなくなっていたし、むしろ、それを楽しみ始めていた。ただ、理由は見られているということだけではなかった。モニカは、リチャードに嫉妬心を起こさせるために、チャーリーとの行為をわざと大げさに喜んでいるフリをした時もあった。もちろん、すべて演技だったわけではないが、演技をしていた時もあったのだ。

それに、後には、リチャードは、チャーリーが巨大な肉棒を突き入れるリズムに合わせて、ペニスをしごき始めていた。モニカは、それを見て興奮したことも思い出した。

「あなたが自分で擦ってるのを見たわ」

モニカは、リチャードに恥ずかしい思いをさせようと、そう言ったのだが、その効果はなかった。リチャードは、モニカには、見たことをあからさまに言った方が、面白いことになるだろうと思った。

「ああ、その通りだ。俺はしっかり見てたぜ。俺は、お前のキツい穴が、チャーリーのデカマラを突っ込まれて、すっかり形が歪んでしまってたのをしっかりと見てた。そんなことされながら、お前はエロい声を出してヨガリ狂ってたのも見てたぜ。いやあ、すごく興奮したぜ。だが、お前も、俺に見られて良かったんだよな? 違うか?」

モニカはこっくりと頷き、最初の頃は別として、リチャードに見られるのを気にしなくなったことを伝えたのだった。

「やっぱりな。そうだろ?」 とリチャードはモニカの左側の乳房に手を添え、むにゅむにゅ揉み始めた。「まあ、お前がアロンゾ兄弟の世話をしてくれると分かったことだし、アロンゾ兄弟やジェフのことはしばらく忘れて、俺とお前の間のことを話すことにしようか? さっき、お前、チャーリーのちんぽをしゃぶってイカせたよな? それ、どうやったか俺にも教えてくれるかな? ハメるのはその後でもいいから」

そう言ってリチャードは視線を下に向けた。モニカは彼の視線を追った。その先にはリチャードのペニスがツンと立ってズボンの中から顔を出していた。すでに完全に勃起していた。

「あたしの胸をいじったから、こうなってるの?」とモニカはイタズラそうな笑みを浮かべた。

リチャードもニヤリと笑った。「実際は、お前がアロンゾ兄弟とヤルことについて話し始めた時から、こうなっていたぜ。お前が男たちふたりにサンドイッチにされてるのを想像したら、こうなっちまったぜ。お前なら、絶対、喜びまくると思うぜ」

リチャードはモニカの手を取り、固い肉棒に導いた。モニカはゆっくりとしごき始めた。彼の勃起を触っていると、モニカは不思議な感覚が湧いてくるのを感じた。今はすっかりヤリまくった気持ちでクタクタになっているのに、それでもリチャードとのセックスで感じまくった記憶がよみがえってくる。加えて、彼との間にはロマンティックな感情もあった。

リチャードが自分のことを、本当のところどう思っているかは分からない。だけど、彼のことを喜ばせてあげたい気持ちはあった。ええ、いいわ! 求めに応じて、その兄弟とセックスすることにする! これはリチャードのためを思ってしてあげることなの! もしリチャードがあたしと男たちの行為を見たいと思うなら、さらには、参加したいと思うなら、その通りにしてくれて構わない。もしかすると、あたし自身もその行為を楽しめるかもしれない。

モニカは顔を上げ、リチャードに近づけた。気持ちのこもったロマンティックなキスをしたいと期待して。

だがリチャードは、そんなモニカの甘い感情を吹き飛ばすことを言った。

「お前、見知らぬ男たちとヤルのが好きなんだろう? 違うか? こんな結婚生活になるとは思っていなかったんじゃないか?」

モニカは、それを聞いて、急に罪悪感が噴き出してくるのを感じた。そう、確かに思っていた結婚生活じゃない。夫に隠れて浮気するとは、まったく想像すらしていなかった。今は、それよりもっと悪い状態になっている。結婚してたった3週間なのに、ひとりならず、ふたりの男性に体を許してしまったし、さらにほかの男性たちにも抱かれることになっている。耐えきれないほどの罪悪感が彼女の胸を締め付けた。

モニカの愛撫を受けて、リチャードのペニスから先走りが染み出てきた。リチャードは、その先端に触り、指先に先走りの体液をすくい取った。

そのヌルヌルした指をモニカの顔の前に持っていき、ゆっくりと彼女の口に入れた。モニカは、催眠術にかけられたような表情で、その指を吸い始めた。

「モニカ、次に吸うのは指じゃなく、本物の方な。思う存分、吸っていいぞ。そして、噴出してくるのを全部、飲み込むんだ。チャーリーにしてやったようにな!」

そう言いながら、リチャードはモニカの口にさらにもう1本、指を差しこんだ。チャーリーの巨根がそうしたように、モニカの唇を大きく広げる。そしてゆっくりと出し入れの動きを始めた。セックスの動きを真似るような動きで。

「チャーリーにしてやったように……」 リチャードは繰り返した。声に荒い息づかいが混じってくる。

モニカは、なされるがまま、リチャードの指を吸い、同時に彼のペニスをしごき続けた。リチャードのもう一方の手が脚の間に割り込んできて、指が濡れたあそこに忍び込んでくる。モニカは目に涙が溢れてくるのを感じた。

おわり


[2019/12/23] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

People change 「人は変わるもの」 

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People change 「人は変わっていくもの」

「お前なあ!」 と俺の親友のアレックスが言った。俺がバスルームに飛び込んところ、彼がトイレに座っていたのだった。アレックスは俺を見るなり、飛び上がって、ジーンズを無理やり引っ張り上げた。「何だよ、いったい? プライバシーって知らないのか?」

「お、お前、パンティを履いてるのか?」 俺はしどろもどろになっていた。酒を飲んでいたから。と言うか、俺たち、パーティに出ているのだから、誰もがしどろもどろになっていた。「ピンクのパンティ?」

「バカを言うなよ」と彼はジーンズのボタンを直していた。「パンティなんて、女が履くもの。ボクは女じゃない」

俺は頭を左右に振った。アレックスは確かにそう言った。もちろん、そう言うだろう。だが、事実として、このパーティに来てた男たちのうち、アレックスを女と間違えるヤツが結構いたのは知っていた。俺自身、アレックスが知らない男の膝にまたがって、首根っこに抱き着いてるのも見たし。しかも、アレックスは、それが変だとまったく思っていない様子だった。

「でも、ピンク色だったぞ?」

アレックスはずいぶん変わった。しかも、ものすごく短期間のうちに。1年ちょっと前までは、アレックスは俺たちフットボール・チームを州の決勝戦まで引っ張ってくれた男だったのだ。俺たち男たちみんなが、ああなりたいと憧れる存在だったんだ。でも、そのアレックスが今はこんな姿に。アレックスの以前の姿を忘れてしまいそうだ。

この変化が始まったのは、アレックスがリリスと出会ってからだと思う。彼女は可愛いと言ってよく、みんな、ふたりが付き合うのをいぶかったりしなかった。だけど、リリスは変だったのだ。分かるだろうか、ゴスっぽい女だった。俺たちみんな、アレックスは、女のサンプル収集をやってるんだなと思った。モテモテのあいつなら、当然あり得ることだった。だが、その頃からアレックスは変わり始めたのだった。最初は、髪の毛を黒く染めただけだった。だが、彼女と付き合い始めてたった2ヶ月だったのに、アレックスは信じられないほど体重を減らし、クォーターバックはもちろん、そもそも運動部の人間とは思えない体になっていた。そして、服装も変わり始めた。

アレックスは、中性的なファッションだと言った。俺は女のファッションだと言った。だが、俺たちは、それについてはあまり話し合わなかった。男同士だと、そういうもんだよ。分かるだろ? 俺としては、あいつのファッションを受け入れた。変わってしまっても、俺の大切な友だちだし。あいつが化粧を始めたときも、俺は何も言わなかった。髪の毛を伸ばし始めたときも。腰に小さな花のタトゥを彫ったときも。俺は、ただ、あいつのやりたいことに合わせていた。

「いいよ、分かったよ」と、アレックスはジーンズのボタンを外し、膝までグイっと降ろした。そして、布の端切れとしか見えないようなパンティを露わにしたのだった。ちんぽがあるか、ほとんど見えない。「ボクはパンティを履いているよ。リリスがボクに買ってくれたんだ。似合ってると思ってるよ」

「で、でも、パンティだぜ? なんでパンティなんかを……」 俺は口ごもった。

「何を履こうと勝手だよ」とアレックスはジーンズを元通りに引っ張り上げた。「これからも、自分の履きたいものを履くよ。みんなが早く、そんなボクに慣れてくれたら、みんな、ハッピーになれると思うよ。じゃあ、出て行ってくれる? プライバシーをちょうだいよ。ちょっとお化粧の手直しをしなくちゃいけないんだから」

俺が後ずさりしたら、顔面に当たる勢いでドアが閉まった。思うに、あの時はじめて、俺はアレックスの変化は一時的なものではないと悟ったのだと思う。アレックスは俺が知ってる人間ではなくなっていた。それを受け入れたいのはやまやまだったが、俺はこれにどう対処してよいか分からなかった。仕方なく俺は、何もできずそのまま、パーティに戻り、混乱した思いを押し流そうと、酒をあおった。それで思い通りに混乱が消えたかというと、実はうまくいっていない。


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[2019/10/11] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

弱みにつけ込む上司 (30) 


リチャードは時計を見てチャーリーに小声でささやいた。「フレッド、2時間はとっくに過ぎてるな。カネの分は楽しんだんじゃねえのか?」

後から分かったことだが、チャーリーと言う名の男は存在しなかった。「チャーリー」というのは、リチャードの計画に合わせるためにフレッドが使った名前にすぎなかった。実際、シカゴにチャーリーというボスがいたが、リチャードは、モニカとジェフの前で、とりあえず口に出しただけの名前だった。だが、それ以来、リチャードは幾度となくチャーリーという名前を口に出した。

「まったくだぜ。最高だった」と実名をフレッドという男が熱っぽい声で囁いた。「お前の計画、うまくいったな。シカゴの有力ボスのフリをするのは面白かったぜ。それに、これは言っておきたいが、あの女のマンコは最高だ! あの女が経験した男がふたりだけだと言ってたが、今なら、その言葉、信じるぜ。それに、あの女、本当に可愛い」

そう言うと、フレッドはポケットの中から20ドル札の束を取り出し、リチャードに渡した。「100ドルだったよな?」 彼にとって100ドルは大金だったが、モニカは若く未熟だったにも関わらず、そのカネに見合う女だった。

「ヤリ終わったわけだが、この値段で今も満足してるか?」

「もちろんだぜ。モニカは、俺にとって、これまでで最高のオンナだとも言える。顔は可愛いし、カラダも最高なのは確かだ」

「喜んでいるようで嬉しいぜ。お前が次に俺の店に車を運んでくる時までには、もっと女を揃えておけるかもな。これに女を引き込む方法があるんだ」

「おい、お前、なかなかやるな」とフレッドは笑い、リチャードの腕を軽くパンチした。「だが、今回は、俺は別の運転手の代役だったんだ。普段はシセロとクリーブランドの間を動いてるんだよ」

フレッドはバスルームの方を見やった。そこのドアはまだ閉じたままだった。「今夜は、お前もモニカを抱くつもりなんだろ?」

リチャードはクスクス笑ったが、すぐに真顔になった。「まあな。ただ、お前のあのデカマラを見たときには心臓が口から飛び出しそうになったぜ。お前がモニカに挿し込んだ時の様子や、その後、何度も突きまくったのを見たから言うわけじゃないが、お前のせいで、せっかくのモニカのマンコも価値が落ちてしまったかもしれないな」

フレッドは笑った。「いいや、モニカは大丈夫だぜ。二日くらい休めば、元通りの締まり具合になるぜ」

「どうかなあ」とリチャードは答えた。「モニカの旦那は、明日、帰ってきた時、モニカとヤルかもしれないが、その時、モニカが結婚した時のウブな女の子じゃなくなったと気づくんじゃないかな」

「そりゃそうだな」とフレッドは口元を歪めた。「少なくともモニカが旦那を見る目は、前とは変わるだろうな。お前が言ってるのは旦那の方か? 旦那が、モニカのベッドでの反応から何かあったと思うということか? それとも、俺がみっちりモニカを抱いて、しっかりまんこをほぐしてやった後で、まんこの具合が変わって旦那が怪しむということか?」

「両方だよ。しばらくは、モニカの旦那には仕事をたんまり任せた方が良いな。疲れ切って、家に帰ってもセックスする気が起きないくらいにしてやらなきゃな」

その言葉に、ふたりの男は大笑いした。リチャードは玄関ドアを開ける時、口に指をあてて、フレッドに静かにするように指示した。下の階にいる家主の老女に気づかれないようにとの配慮だった。

フレッドが帰って行った後、リチャードは腕時計を見た。10時半だった。彼はタバコに火をつけ、バスルームのドアを見つめた。

モニカとフレッドの間に起きた様々なことが脳裏に浮かぶ。モニカをフレッドに抱かせるべきじゃなかったかもしれない。ふと後悔する気持ちがよぎった。その感情にはフレッドに対する嫉妬心も混じっていた。

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No special treatment 「特別扱いはナシ」 

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No special treatment 「特別扱いはナシ」

「カレン、本気でやってるわけじゃないよね? これ、バカげてると思うんだよ。ほんとにバカげてる」

「あなた、素敵よ。それに、もちろん、あたしは本気。どうして本気じゃないと思うの?」

「ていうか、ボクを見てみてよ。こんなの、完全に不適切だよ」

「それ、他の給仕人たちが着てるのと同じユニフォームよ? 正直、どこがそんなに大変なことか分からないんだけど」

「マジで言ってるの? これが大変なことって分からないの? ボクは化粧をしてるんだよ? それにこれは、誰が見ても女のユニフォームだよ。……この、腰のところをキュッと締め付ける感じ、気が狂いそうだよ。さらには、ストッキングまで履いてるんだよ。それなのに、どうして大変なことじゃないなんて言えるのか、分からないよ!」

「ねえ、お願いよ。スタッフには男はあなただけってわけじゃないの。トレントを見てごらんなさい。彼、ユニフォームに文句なんか言っていないわよ」

「でも、トレントはゲイなんだよ。と言うか、女装者とか? よく知らないけど。でも、彼はボクとは違う」

「ああ、よかった。アバズレがふたりして、ユニフォームみたいな些細なことに愚痴を言うのを聞かされたら、気が狂っちゃうもの。ジェス? あなたがあたしの弟かどうかなんて気にしてないの。あなたは、この夏、あたしのところで働くことに同意したし、あたしも次の学期の分、あなたの大学の学費を払うことに同意したわ。そういう約束だったわよね。あなたがはもっと勉強を頑張って、奨学金も取り続けることができたはずなのに、パーティやら飲み会やらで遊び回ったの。まあ、取った行動には結果がつきまとうもの。今は生活のために働かなくてはいけなくなってしまったわね。それは、あなたが嫌いな規則でも、それに従わなければいけないということ。で、そうだとすると、どうなると思う? その愚かなプライドを飲み込んで、ちゃんと約束を守ってくれるつもり? それとも、また、愚痴を言って、負け犬になるつもり? パパもママもあんたのこと、そうだと思ってるけど? あんたはどうするの?」

「で、でも、ボクはカウンターの後ろ側の仕事はダメなの? でなければ、帳簿付けでもいいんだけど。それもダメなら……」

「それがあんたの仕事。ジェス、あなたの仕事はそれなのよ。それをやるか出て行くかのどっちかね」

「そ、そんな、選択肢はほとんどないよ」

「あなたにはずっと選択肢があったわよ。選び続けた結果が今でしょ。今度はどれを選ぶの?」

「分かったよ。やるよ。ここで働くよ。でも、男たちがボクに言い寄ってきたら……」

「他の給仕係の女の子がするのと同じことをするように。おべっかを使えばいいのよ。男たちを焦らすの。そうすればたくさんチップをもらえるわ。それが仕事。それ分かってる?」

「分かってるけど……」

「あら、そう。……それと、仕事中は、あたしはカレンじゃないの。カレンさんね。それを忘れないで」


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Action and reaction 「行為と反応」 

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Action and reaction 「行為と反応」

「シェリル、これ……これは居心地悪くなってるんだけど……」

「ずっと楽しく遊んできてて、両手を後ろに縛られるのはイヤって? ふーん。足を動かしちゃダメよ」

「待って……あっ、ああっ! それはきつすぎるよ! 全然動けないよ!」

「でも、これがあなたの夢だったんじゃない? あたしは、単に、あなたに理解があるガールフレンドになってるんだけど。いい? あなたは、ずっと、こうされるのを夢見てきた。そうでしょ? シシーになって、支配されて、なすがままにされる……」

「ぼ、ボクは……それは、ただのバカげたフェチだったんだよ、シェリル。ボクは……分かるだろ?……ボクは本当は違うんだ……ボクは……」

「シシーでしょ? 口に出して言っていいのよ。でも、聞いて……2ヶ月くらい前までなら、そう言われても、そうかもと思ったかもしれないわ。でも、今は? そんな髪の毛を長くしてるのに? あたしもあなたも、あなたがどういう人か分かってると思うけど? それに、すぐに、他の人たちもみんな、あなたのことを知ると思うわ」

「えっ、何?……何のことを言ってるの?」

「あれ? あなたに言ってなかったっけ? もうすぐナタリーがここに来ることになってるの。彼女、すごく興味深そうに、あなたのこの姿を見ると思って、呼んだのよ。それに、彼女なら、あなたにどんなことをしてあげたらよいか、いろんな楽しいアイデアを出してくれると思うし。特に、あなたがあんなことをした後だけに」

「ぼ、ボクは……何もしてないけど」

「ちょっと頼むわ。あたしが知らないと思ってるの? あたしは最初から知ってたのよ? あたしに隠れて元カノと浮気していたでしょ? 彼女に、『本当はキミのことを愛してるんだ、だから、一緒に寝よう』って? あなた、自分はすごく賢いと思い込んでいたようね。でも、あなたが彼女を捨てたとき、彼女、すべてあたしに話してくれたわ。でも、あたしは黙っていたの。暴露する好機が来るのを待っていたわけ。そうしていたら、あなたのレディット(Reddit:コミュニティーサイト)のアカウントを見つけたのよねぇ。そしてあなたが秘密のフェチを持っていたことも。別れないでくれってあたしに懇願するあなたを見るのは面白かったけど、あたしも参加したいわと言った時のあなたの顔を見たときの方が、もっと面白かった。それに、あなたがどんどん変わっていくのを見るのもね。……ほんと、あれほど興奮したことって、他になかったと思う。でも、その結果が、今のあなたなの。あと2分もしたらナタリーが来るはず。あなたとあたし、そしてナタリーの3人で楽しいことをしましょう。それに、世界中に、あなたがどんな人かを教えてあげようと思ってるのよ。あなたのお友達、あなたがあたしのストラップオンで犯されてるのを見たら何て言うかしら? あなたのその姿を見たら、みんな、どう思うかしら。その時を想像しただけでワクワクしてこない?」

「お、お願いだよ……どうか、どうかそんなことはヤメて……」

ボールギャグをつけてあげるから、口を開きなさい。あなたが懇願するところもずっと聞いていたけれど、今はその時じゃないし、ここはその場所でもないもの。ほら、お口に入れてあげるわね。いい子ね」


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[2019/10/08] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

弱みにつけ込む上司 (29) 

チャーリーは横転して、ようやくモニカの体から離れた。巨大な亀頭がそこから抜ける時、モニカの陰唇はそれに吸い付いていたのか、ビンの栓が抜けるのに似た音がした。

ベッドの上、素っ裸のふたりが横たわっていた。チャーリーのペニスはいまだ固さを失っておらず、風にあおられる樹木のように前後に揺れていた。それを見たモニカは、横向きになり、恐る恐る、その丸太のような肉茎を握った。萎え始めているとはいえ、依然として、圧倒的な姿をしている。

モニカが握ったまま手を上方へ動かすと、先端から精液の大きな塊がドロッと出てきた。それを見たモニカは、ほとんど当然の行為と思っているかのように、ためらわずに顔を近づけ、先端を口に含み、出てきたものを飲み込んだ。さらに、もう一度ミルク絞りをし、長い肉筒の中に残っていたものを飲んだ。これはリチャードに教え込まれた行為だったが、彼女は習得したことをチャーリーにもして見せているのだった。

彼女は口唇愛撫はしないとリチャードに誓っていたが、それは夫との関係での話しと理解していた。今の相手はチャーリーなのだから構わないのだと。

「オーケー、ありがとう、モニカ。これで満足して帰られるぜ」 チャーリーは、モニカが再び仰向けになりぐったりする姿を見て笑った。チャーリーはベッドから降り、シーツの端を掴んで、ペニスをぬぐった。「俺も、さすがに出し切った感じだ。もう、シカゴに戻らなくちゃいけないからな」

チャーリーは小便をするためにトイレに行った。モニカもトイレに行きたかったのだが、疲れ切っていて、脚を広げたままぐったりとなっていた。目を閉じ、余韻に浸る。チャーリーがシーツでペニスをぬぐったところを思い出し、今日、洗濯したばかりのシーツだったわ、とぼんやり思った。

不思議なことに、チャーリーがシーツを汚したことが気にならなかった。もっと言えば、ジェフが帰ってきたら、このシーツを敷いたままのベッドに上がってきて、自分の隣に寝るのかも、と想像していた。それがどこかセクシーで、とても嬉しいことのようにも感じられた。もちろん、その前にちゃんと乾かさなければならないだろうけど。

でも、そういうことはやってはいけないとも分かっていた。何より、自分の体は汗まみれになっているし、チャーリーも汗をかいていた。このシーツはやっぱり付け替えなけばいけない。

チャーリーがトイレに行ったのを受けて、リチャードは、ベッドの横に来て、興味深そうに、モニカの体を見下ろしていた。モニカのあそこの部分がぱっくり口を開け、赤く腫れあがっている。こんな状態になるのも、さもありなんと思った。見ていたら、中からトロリと液が垂れ出てきた。このモニカの姿を見て、自分自身が数日前にモニカにしたことを思い出した。あの時も、最後はモニカをこういう姿にしたんだよな、俺も……と。

彼は激しく勃起していた。モニカのあそこがチャーリーの精液で充満しているし、チャーリーの後だと、自分は小さいとモニカは思うだろうとは思ったが、それでも、モニカを抱きたいと思った。この猛り狂ったものを彼女に突っ込み、ドロドロべたべたの中を突きまわし、モニカの悶え声を聞きながら、激しく撃ちだしてやりたいと。

その時、モニカは目を開けた。見ると、リチャードがすぐそばで、ペニスをゆっくり擦りながら、自分の濡れたアソコをじっと見つめているのに気がついた。最後にリチャードの存在を意識してから、ほぼ2時間は経っていて、その間、モニカははしたない姿を見せ続けていたわけであるが、この時になってようやく、彼女は恥ずかしいと感じ、素早く脚を閉じた。

モニカは、ゆっくりと体を起こし、ベッドから降り、トイレへと向かった。だが、、体に力が入らず、よろけそうになる。ちょうどその時、チャーリーがトイレから出てきて、倒れそうになったモニカを支えた。

「あ、ありがとう」とモニカは恥ずかしそうにうつむいた。そして、うつむいたときに、自分の股間から液が流れ出てるのを見て、思わず手で局部をおさえ流れ出るのを受け止めた。それが一層、彼女の恥ずかしさを強め、トイレへと急がせた。

倒れそうになるモニカをリチャードは助けなかった。彼はズボンを履くのに忙しく、モニカのことを気にしていなかったのだった。

モニカはトイレには入ったけれども、ドアを閉めなかった。チャーリーが出発しなければならないと言っていたのを思い出し、彼女は彼の方を振り返り、最後に一度だけと彼の持ち物を見つめたのだった。その後、彼の顔へ視線を向け、彼がそれを見ていたのを知り、恥ずかしそうに微笑んだ。そして、チャーリーのところにキスしに行く衝動を堪えつつ、静かにバスルームのドアを閉めたのだった。あそこから彼が出したものが流れるのを防ぎながらキスするのは、ぎこちないことになってしまうだろうと思ったから。

ドアを閉め、この数時間で初めてプライバシーを確保したモニカは、改めて鏡に映る自分の姿を見てみた。顔は赤らんでいて汗でテカテカになっていたし、髪の毛はべったりとして、一部顔に張り付いていた。胸の上まで鏡に映っていたが、胸元はピンク色になっていた。むしろ赤くなっていたと言った方が近いかもしれない。

便器に腰を降ろし、モニカは溜息をついた。……ああ、なんて夜だったの。あんなことをしたなんて自分でも信じられない。ましてリチャードが見てる前であんなことをしたなんて……。しかし、モニカは嬉しそうな顔をしていた。……でも、する価値のあったことだったのよ。ええ。夢のような素晴らしい愛の行為を経験したのよ……モニカは、チャーリーとの行為を愛の行為と見るようになっていた……それに、ジェフの出世の手助けもしたことになったし……。

すぐには小便は出てこなかった。何秒か待った後、ようやく出始める。出始めの小便が、今はすっかり敏感になっている小陰唇に触れるのを感じた。控えめに言っても大きすぎるといえるペニス。それにより2時間以上連続して信じられないほど痛め続けられたアソコ。トイレに小便が当たる音を聞きながら、チャーリーとのセックスを振り返り、モニカは自然と笑顔になっていた。

バスルームのドアの反対側では、事情はちょっと異なっていた。今夜の出来事はモニカにとっては非常に重大な出来事であったのだろうが、チャーリーにとっては、ただの、良いセックスにすぎなかった。いや、最高の顔と最高の体をした女との、最高のセックスだったかもしれないが、それでも、彼にとっては単なる肉体的な性交にすぎなかった。

チャーリーはにやりと笑いながらリチャードにウインクをした。「さっき彼女、俺のちんぽを見てたよな?」と、彼はリチャードに囁きかけた。

「ああ、俺も見逃さなかったよ。あんたが最初にベッド横に立った時の表情とは、えらい違いだったな。あの時は、モニカは怖がって、あんたの顔を見ることすらできずにいたのに」

「まあ、あの時に言っただろう? いったん俺とやったら、彼女はどんな男を相手にしても怖いものなしになるって。俺とお前しか知らないが、モニカは、こんな短い時間ですげえたくさん経験しちまったな」

思い出しただけで勃起してきたのか、まだ出きっていない精液が残ってるのを感じ、チャーリーはシーツを掴んで、もう一度、ペニスをぬぐった。

チャーリーは自分のペニスをリチャードが羨ましそうに見てるのを知っていて、よく見せられるようにと、わざと時間をかけた。尿道に残ってる精液を出すふりをして、包皮を引っ張り、亀頭を丸裸にした後、何度かしごき、その後、亀頭がほとんど隠れるまで包皮を戻す。一度小便をしていたにもかかわらず、わずかながら残っていた精液が鈴口から出てきた。

チャーリーはその先端部分をシーツでぬぐった後、ズボンを履きなおした。すでに萎えていたものの、この男の一物は確かに圧倒的だった。

チャーリーは身支度を終えると、リチャードのところに近寄った。リチャードは玄関ドアの近くにいた。モニカがいるバスルームからできるだけ離れた場所にいたかったからである。彼女には話し声を聞かれるわけにはいかなっかった。


[2019/09/27] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Safe word 「合言葉」 

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Safe word 「合言葉」

「なんで、そんなにソワソワしてるの? あなた、こういう変なことにハマってると思っていたけど?」

「ぼ、ボクは…… ただ……分かるよね? ボクは、公共の場所で裸になるのはキミの方だと思っていたところがあって……」

「何言ってるのよ、ヤメテよ。それって、完全にありえないでしょ。それに、あなた、可愛すぎて、そんな厚いコートで隠してることこそ、ありえないわよ」

「ぼ、ボクは別に……可愛いとか関係ないし。男なんだから」

「それについては、もう話し合ったわよね? あなたがその言葉を使うの、あたし気に入らないって。あなたは可愛いの。あたしの可愛くて愛らしい、エッチな人。さあ、そのコートを脱いで。そう、そう。いい子ね。あっ、あなた、シャワーを浴びた後、ケージをつけ戻すのを忘れたの? エッチな子ねえ、ほんとにエッチなんだから!」

「ぼ、ボクは……何もしてないよ……ねえ、家に帰りたいんだけど。こんなの居心地悪すぎるよ」

「合言葉を聞いていないけど?」

「き、きゅうり」

「あら? 言ってなかったかしら? 今朝、合言葉を変えたのよ。あなたのコック・ケージのところにメモを置いておいたはずだけど? アレをつけていないとすると、多分、あなたメモを見てないのかも」

「でも……だけど……ボクは別にこういうことをしたいわけじゃないって言ってるんだよ、バネッサ。本当に。家に帰りたいよ」

「バネッサ様でしょ? あなたも同意したことじゃないの。それにあたしかあなたのどちらかが、合言葉を言うまでは、プレーを続けるって、あなたも同意したことじゃないの。あなたが前もってちゃんと準備してなかったなんて、あたしのせいじゃないわ」

「別に忘れたわけじゃ……ていうか、こんなこと無理だよ。ボクはキミの夫なんだよ?!」

「そういうことを言うのね? あら、向こうの方から、あなたを助けようと、素敵な男性が来るわ。すごく大きな体。逞しそう。それに、彼のあの表情。あなた、素敵な時間を過ごすことになりそうね。さあ、楽しんできて! それと、約束を忘れないこと。あなたは、彼が望むことが何であれ、それをしなくちゃいけないという約束!」

「ちょ、ちょっと待って、バネッサ。……バネッサ様……お願い、ここに置いていかないで! コートを置いていってよ! ボクは……こんな。ああ、なんてこと! ああ……」


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[2019/09/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)