シャワーを出た後、大きなふわふわのタオルを使って二人で互いの体の水気を拭きあった。化粧水の類を持ってきていなかったので、アンジーの汗止め液を使った。花のような香りがしたが、他に何もなかったので、それを使うほかなかった。髪を乾かしブラシをかけた後、髪をポニーテールにまとめた。
寝室に戻ると、アンジーはレースのついた黒いサテンのパンティと、それにマッチしたキャミソールを着ていた。僕は、脱ぎ棄てたままだったセーターとTシャツを拾い上げた。
「僕のズボンはどこにあるか知ってる?」
「あら、まだ車の中だと思うわ。あなた、今夜は帰るつもりじゃないんでしょ?」 彼女の声にはちょっと気落ちしそうなトーンがあった。「…今夜はここに泊ってくれたらと思っているんだけど。明日、車で送ってあげようと思って…」
「ああ、それは良さそうだ。ちょっと下に行ってトランクスを持ってくるよ。それを履いて寝ることにするから」
そう言って寝室のドアから出ようとしたらアンジーが言った。
「ええー? あれをまた履くなんて考えられないわ。あのトランクス、一日中、着ていたのでしょう?」
僕は笑いながら答えた。「でも、あれを履くか、裸で寝るかのどっちかなんだけど…」
「どっちもできないわね」
そう言ってアンジーは自分のドレッサーの中を調べ始めた。そして何か白いものを出して言った。
「これはどう? あなたのサイズだと思うわ。これを着て寝て」
彼女から手渡されて、よく見た。それは白いサテンのパンティとキャミソールだった。頭を振りながら彼女に返そうとした。
「これは着れないと思う」
「どうして? 問題ないわよ」 まるでそれを着ない僕が馬鹿げているような言い方だった。
「だってこれは君の下着じゃないか。女物のパンティは履けないよ。僕は男だから」 ほとんど叫ぶような声になっていた。
アンジーは意味深げに微笑んだ。
「いいえ、当然、履けるんじゃない? 私以外に誰も知らないし、誰にも言わないって約束するから」
そして僕の手からパンティを取り、しゃがみ込んで広げて見せた。
「さあ、足を入れて履いてみて。履いたからといって、そのおちんちんが噛みちぎられたりしないから」
いまから思うと、この時、もっと抵抗すべきだったと思う。でも、アンジーは自分が思ったことを最後まで譲らない性格であるのを知っていた僕は、しかたなく、嫌々ながらも、パンティに足を入れた。
アンジーはパンティを引き上げ、僕の前も尻も、覆った。柔らかなサテンの生地にペニスと睾丸が包まれると、なぜか股間が少し興奮してくるのに気づいた。その夜、すでに3回射精していたけれど、そうでなかったら、確実に勃起していたと思う。
僕が少し興奮したことにアンジーが気づいたかどうかは分からない。気づいていたとしても、彼女はそのことには触れず、今度はキャミソールを着るのを手伝ってくれた。それも着終えると彼女は言った。
「ほら、これを身につけたからって死ぬわけじゃないでしょ。それにあなたはまだ立派な男性のままよ。さあ、一緒にベッドに入りましょう。明日は早く起きなきゃいけないから」