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ジャッキー 第13章 (2) 

平均して月に一日は、僕はメイド服を着るように求められた。普通は土曜日だった。その前日の夜に、アンジーはダイニング・テーブルに、僕があげたベルを置くのである。それは、翌日の朝にはメイドになっているようにということを示す合図なのだ。

メイドになってすることは、たいてい、僕が初めてメイドになった時とあまり変わらない。アンジーは一日中、僕をおもちゃのように扱った。ストラップオンで犯されたり、それを吸わされたり。それ以外の時は、仕事好きの可愛いメイドのように、家の掃除をした。初めての夜はベッドに手錠で拘束されたが、それはなくなった。ではあるものの、最初の夜と同じく眠る部屋は予備の寝室とされ、また、眠る時も、その日一日中身につけていたコルセット、ストッキング、パンティを脱ぐことは許されなかった。もちろん、興奮しきった股間を自分の手で慰めることも禁止。そこがようやく解放されるのは翌朝で、アンジーが僕の分身を口に入れて解放してくれるのである。

ふたりでダンスに出かけることも続けていた。女装した姿でである。もっとも結婚後は、ダンスする相手に僕たちが結婚していることを伝えることにしている。ただ、結婚していると伝えても、僕たちのダンス相手は全然ひるまないようだ。前と同じく、僕もアンジーもデートに誘われる。店の外のどこか、あるいは自分たちの家に行かないかと誘われるのである。

アンジーは僕に、誘ってくる男を裏の駐車場に連れて行ったら、とまで言っていた。連れて行っておしゃぶりしてあげたらと言うのである。もちろん、僕はそんなことはしないし、アンジーも僕に無理強いすることもない。これはただのお遊びで言ってることだと了解しあってるから。

夏が過ぎ、秋になり、10月になってようやく、僕は何か問題が起きていることに気がついた。10月の初めの頃、アンジーがとてもイライラするようになったのだった。ほんの些細なことでも、辛辣な言葉を言う。これはアンジーらしくなかった。彼女は普段は温厚な性格で、たいていのことでは苛立ったりしない。そんなある日、アンジーが遅くまで残業したことがあった。すると、その翌日には彼女は元の普段の彼女に戻っていたのである。

10月末あたりに、また同じようなことが起きた。その時も、残業をした翌朝は普通に戻ったのである。もっと言えば、その残業の翌日は、普段のアンジーよりも愛情豊かな振舞いをしていた。そして、それに似たことがさらにもう2回あった。その頃から僕は何かが起きてるのじゃないかと思うようになったのである。

こういうことが起きる時、アンジーは、決まって、残業から帰宅するとすぐに寝室に行き、シャワーに直行する。彼女が帰ってくる時間は僕はたいてい書斎にいて仕事をしている。アンジーは、僕が仕事を終え、寝室に上がっていくときまでずっとシャワーを浴びているのが普通だった。

11月末にも同じことが起きた。この時は僕はリビングルームで彼女の帰宅を待っていた。アンジーは帰宅するなり僕の前を通り過ぎてシャワーへ直行するだろうと分かっていたからである。

帰宅したアンジーを見た時、僕の知っているいつものアンジーとは別人のように見えた。髪はバサバサになっていて、お化粧も目の周りを除いてすっかり剥げていた。目のあたりの化粧は、泣き続けていたのではないかと思わせる乱れ具合だった。

何か悲しいことがあったのかと訊くと、アンジーは野良犬が車にはねられたのを見てしまい、泣いてしまったと答えた。それは可哀想にと僕はアンジーを抱きしめた。アンジーはしばらく泣いたが、その後、二階の寝室に上がり、シャワーを浴びに行った。

アンジーを抱きしめた時、ちょっと変な匂いがしたのに気がついた。何の匂いなのか分からなかったが、いつもの彼女の匂いとはまったく異なる匂いだった。

僕はアンジーの後に続いて寝室に行き、彼女がシャワーを浴びている間に、彼女の衣類を取り上げ、洗濯物入れのかごに入れた。その時だった。アンジーのパンティがくしゃくしゃになっていて、ところどころ破れているのに気づいたのである。こんなことは普通なかった。アンジーのランジェリー類はいつも完璧だったから。ちょっとでもほつれたところができたら、アンジーはすぐに捨てて新しいのを買うのが普通だったから。

その夜、僕たちはいつもどおりに愛しあった。素晴らしいセックスだった。だけど、ひょっとしてアンジーは僕に隠れて浮気をしているのではないかという悩ましい疑念が、どうしても頭から離れなかった。あらゆる状況証拠が、それを指し示している。だけど、僕は彼女を愛するあまり、それを認めることができなかったのだった。

最初は、なるがままにさせて、忘れてしまおうと思った。アンジーと別れたくなかったし、たとえ彼女が本当に浮気をしているとしても、ただの遊びだろうと期待し、やがてアンジーが元の自分を取り戻した後は、元の状態に戻れるだろうと。


[2013/01/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)