2ntブログ



バースデイ・プレゼント 第10章 (2) 


僕は背中に手を回し、ブラジャーを外そうとしたが、ドナはそれを止めた。

「そのままで、上に服を着てくれる? あなたが服の下にそれをつけていると思うだけで、あそこがトロトロに濡れちゃうの」

僕は、ドナに従って、ブラの上にシャツを着て、整えた。シャツの下、胸のラインがはっきりと見えていたことだろう。さらにパンティやストッキングもそのままに、その上にジーンズを履き、チャックを上げた。そして、ソックスに手を伸ばした。

「それは不要じゃない?」

ドナはそう言って、僕のソックスや下着をバッグの中にしまってしまった。

ストッキングのまま、テニス・シューズに足を入れたが、なんか変な感じだったし、ゆるい感じもした。ドナは、外したタグを集め、試着室のドアを開けた。支払いをするため、カウンターに向かった。レジにいたのは、先ほどの店員とは別の店員だった。ドナにタグを渡され、それに目をやった。

「まあ、あれを着ることになさったんですね?」 と売り子はドナの顔を見ながら言った。「着ていらっしゃった衣類のためのバッグを差し上げましょうか?」

「ええ、お願い」

ドナはそう言い、紙袋を渡されると、バッグから僕の下着やソックスを取り出し、その中にタグと一緒に入れた。

売り子は、BVDや男物のソックスを見て、眼を丸くしていた。ちらりと僕の方を盗み見し、すぐに僕のシャツの下、ブラジャーの線が出ているのに気がついたようだった。売り子は冷静さを装いつつ、下着類のレジを打ち、ドナにレシートを渡した。

「あのアンサンブルはとても素敵です。きっと、喜んでいただけると思いますわ」 売り子は横目で僕を見ながら、にっこりと笑みを見せた。

僕は顔を赤らめ、何と言ったらよいだろうと、焦った。

ドナは、僕を救うためだと思うが、売り子に笑みを返して返事した。

「ええ、彼女は喜ぶはずよ。それに、私も」

そして僕たちは、さっと向きを変え、店を後にした。


[2008/05/16] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)