デスクに戻り、椅子に座りながら、僕は改めて、自分がドナみ見事に操られていると、むしろ感嘆した。ゲイルを助手に使い、見事に僕を操作している。
そして、書類を出すために脇の引き出しを開けて、僕は再び驚かされた。黒レースのガーターと黒シルクのストッキングが入っていたのだ。それを見て、どうしても身につけてみたくなってしまう。
椅子から立ち上がり、ゲイルが僕の姿を客に見られないにしているのを確認した後、僕はもう一度スラックスを脱ぎ、椅子に座りなおして、セクシーなストッキングを履き始めた。
だが、生えかかったすね毛がチクチクとするのを感じ、そこで履くのをやめた。この美しいストッキングに電線を走らせてしまうのはいやだ。そこで、ズボンを脱いだままで洗面室に行き、そこに常備してある電気かみそりを手にした。
トイレに座り、足をシンクに乗せて、毛を剃り始める。もう一方の足の毛も剃って、つるつるの肌にした。それから、また小走りでデスクに戻り、腰掛け、滑らかになった足にストッキングを履いた。この甘美な感覚に、またもや、ゾクゾクと興奮してしまう。
それから、また立ち上がり、後ろ向きにしてガーターを着け、ホックを留めた後、前向きに回し、腰のところに装着した。ストッキングを留めるタブがいくつか太腿に垂れ下がっている。前屈みになって、前部のタブにストッキングを留め、ずり落ちないようにさせた。後ろのタブにストッキングを留めるのには、ちょっとアクロバティックな姿勢にならなければならなかったが、何とか装着する。
脚にガーターとストッキングを装着した後、僕は、スラックスを履きなおし、ベルトを締め、靴を履きなおした。前にも感じたが、ソックスじゃなくストッキングの足を靴に入れると、ローファーの靴(
参考)がゆるくなったように感じる。だが、それは我慢し、ソックスは履かず、書類入れの引き出しの奥にしまうことにした。そう思って、引き出しを開けて、僕はハッと息を飲んだ。
ヒール高13センチの黒いスティレット・ヒールがあったからである。これだけは職場で履くことはできっこない! ちょうどその時、ゲイルが、また、様子を見に来た。
「それは、帰宅する時に履くものよ、ミス・ビッキー。職場用ではないわ」
彼女は、そう言って、また、オフィスの表の方に戻って行った。一体全体、ゲイルは、どうやって、僕がヒールを見つけたのを知ったのだろう? 僕は困惑して椅子に座るだけだった。
だが、ともかく、僕は、あのハイヒールを履いてみたくて、堪らない気持ちになっていた。もし、お客さんが来たら、ゲイルが声をかけるだろうから、危険を察知できるだろう。そう思い、僕はローファーを脱ぎ、引き出しを開け、愛しいものに触れるような手つきで美しいハイヒールを取り出した。
その時に撮ったビデオを作品化したものを、マークは、その週の土曜日に見せてくれた。とても興奮する作品になっていた。撮影した人は、マークだったり、トレーシーだったり、マリアだったりしていたのだけど、作品では誰が撮っているか分からないほど滑らかな編集がなされていた。編集の人者は素晴らしい仕事をしていると思った。ビデオの最後には、映画のようにエンド・クレジットが流れた。私たち全員の名前が出ていたし、編集としてビル・グラフトという名前も出ていた。
すぐに、ビル・グラフトという人が誰か、私には分かった。2週間ほど前、セットで彼に紹介されていたから。このような素晴らしい編集をし、その編集時に、私たちの行為を見たのがあの人だと分かって、私はとても興奮してしまい、次の瞬間には、隣に座るマークのところに上半身を傾け、彼のペニスを口に咥えていた。
ビデオを見ている時から、ずっと、そこを触り続けていたのだけど、急に、おしゃぶりしたい衝動が込み上げてきて、我慢ができなくなってしまったのだった。もちろん、マークは拒否しなかったし、実際、5分ほどで、私の口を美味しいスペルマでいっぱいにしてくれたのだった。
私は、それでも、もう一度マークに出してもらいたいと舐め続けていたのだけど、マークは私の口からペニスを抜いて、言った。
「ありがとう、ステフィー。でも、今はここまでにしよう。でも、このビデオ、ステフィーはそんなに興奮したのかな?」
私は顔が赤くなるのを感じた。「ええ、とっても」
「確かにそうだな。とすると、これが、他の誰にも見られないなんて残念だね。君がセックスされているとき、どれだけセクシーかを、誰にも見られないなんて」
マークはそう言って、私にキスをした。マークが何か考えたことがあってこう言ったのかは、私には定かでないけれど、この夜、私の頭の中にある考えの種を播いたのは事実だった。
続く3か月は、あっという間に過ぎてしまった。私は、ますます映画撮影での仕事を依頼されるようになっていた。マークが、Tガールの映画を作るのが間に合わなくなってきたからのようだった。Tガールの映画は最近、ますます売れ筋になってきているようだった。
父は、定期的にLA地域に来るようになった。そしてロスに来るたび、私を夕食に誘ってくれた。それに加えて、私とディナーを食べる夜でない夜は、マリアをディナーに連れて行った。父が私をディナーに連れていく時は、ホテルに帰る前に私を家に送ってくれるのが常だけど、マリアを連れていく時は、マリアは次の日の午前中に帰ってくるのが普通だった。
マリアは父と夜を過ごして帰ってくるときはいつも、私に対してとてもびくびくしている感じだった。そうなので、クリスマスが近づいたころ、私はマリアに伝えた。
「マリア? 私がマリアを愛していることも、父を愛していることも、マリアは分かってくれていると思うわ。だから、あなたと父が楽しんでいることは、とても嬉しいの。これからもずっと関係を続けてくれるといいなと思っているの。だから、翌日になってあまり罪悪感を感じてほしくないなって思っているのよ」
マリアは笑いながら答えた。「確かに、お父様と一緒に過ごしたあとは後ろめたい感じに振舞ってしまってるわね。でも、お父様もあなたも私の好きな人だということは、ちゃんと分って欲しいの。何というか、お父様と寝るたび、近親相姦のタブーを犯しているような気持ちになっちゃうのよ」
私も笑い出してしまった。「マリアは私ともお父さんとも親族関係じゃないんだから、どうして、そんなふうに考えるのか分からないわ。マリアがお父さんと結婚したとか言うなら、話しは別になるけど」
そう言うと、途端にマリアは狼狽して、そんなことはないと言おうとしていた。けれど、実際には言葉にできないらしくて、わけの分からないことしか言えていない。私は、ますます大きな声で笑い出して、マリアも、私がからかっていたのだと分かったみたい。彼女は、大きな木製のスプーンを持って、家の中、私を追い掛け回した。
あちこち逃げ回ったけれど、最後には、マリアに捕まってしまった。彼女は私のお尻をスプーンで何回か叩いた後、二人とも笑いながら、床に転がっていた。
そのことがあってから、マリアは、父と夜を過ごした後も、私に対して引け目を感じているような素振りは一切しなくなった。もっと言えば、父がロスに来た日の夜はいつも父と過ごして泊まってくるようになった。私と父がディナーを食べる夜でも、そうするようになった。父は、私とディナーを食べた後、私をトレーシーの家まで車で送ってくれるけれど、その間も、マリアは、父の泊まっているホテルの部屋で父のことを待っているのだろう。
つづく