「まあ、嬉しい! そういう形であなたが私のことをどれだけ愛してくれているか示してくれたら、私、ものすごく興奮しちゃうと思うわ! あなたと一緒になれて、私、本当に運が良い女なんだわ!」
リンダの言葉に、ブルースは気分を良くした。そして、パーティに一緒に行くと言ったことは良かったのだと思った。リンダの気持を高ぶらせるためなら、何だってやるさ。そう彼は思った。
「でも・・・」とリンダは付け加えた。「でもね? ちょっと考えておいて欲しいの。私のことを・・・その輪の意味を・・・パティオに書いた輪の中に座っている自分自身のことを・・・そういうこと、あなた、する?」
「ああ、もちろん」
「すごい! あなた、すごいわ! でも、その意味を本当に真剣に考えてね、あなたが・・・」 と言いながらリンダは膝の上で毛布を広げ、床に垂らした。「・・・昨日の夜に私にしてくれたことをしながら・・・」
あの貞淑なリンダが二晩続けて、あれを求めてきたのを見てブルースはびっくりした。なぜか、彼には、あれをすることは正しいことじゃないような気がしていた。ブルースはためらった。
「ブルース!」
「あ、ごめん。ちょっと考えていて・・・」
「私が考えて欲しいと思ってることは言ったはずよ。それだけを考えて、あれをして! 今すぐに!」
昨夜ばかりか今夜も・・・夫が伏せ目がちになり、床にひざまずき、自分の脚の間に這ってくるのを見て、リンダは勝ち誇った笑みを浮かべた。
毛布の中、真っ暗な中で頭を下げ、前に這いながら、ブルースは複雑な心境になっていた。リンダはこれまでもいつもセックスを楽しんできたし、この2年ほどは、スウィング・パーティにも付き合ってくれたほどだ。性に開放的な方だと思う。だが、セックスについて臆面もなく何か言うということはこれまで一度もなかったし、自分からイニシアティブを取るなど、ありえなかったはずだった。
それがどうだろう? 昨日と今日、二日立て続けに、私を口を使って喜ばせなさいと、ほとんど命令口調で言っている。このように命令されることに、確かに興奮はするが、同時に不安でもある。
そう思うブルースだったが、大きく広げた脚の間、卑猥な女陰の姿を目の前にした瞬間、気持はすっかり興奮に変わっていた。顔を前に出し、唇を驚くほど濡れている陰部につけた。
「ああぁぁ、いいわ」 リンダのよがり声が聞こえた。
毛布にもぐっているブルースにはリンダの声はくぐもって聞こえていたものの、それでも、その声の意味は理解し、舌で優しく妻の割れ目を舐め始めるのだった。
一方のリンダは、膝に被せた毛布を見下ろしていた。
脚の間で夫の頭がある部分が丸く盛り上がり、もこもこと動いている。夫を支配している感覚は、夫の舌によって生み出される快感と同じくらいエロティックな感覚だった。リンダは、夫の頭がある部分の毛布に両手を添えて、強く自分に引きつけた。
「ああ、あなた、すごく感じるわ。やめないで」
もちろんブルースはやめるつもりはなかった。ただ、顔面を強く陰部に押し付けられ、優れていると自負している口唇テクニックを使いにくくなっていたことだけが不満だったが。そんなブルースの耳に妻の声が聞こえた。
「あなた? あの輪のことについて、ちゃんと考えている?」
「むうう・・・」 ブルースは頷いた。鼻をつぶれるほど強く彼女の恥骨に当てて、舌を肉穴に入れて探っているのだから、まともな言葉は出せない。
「それ、イエスという返事だとみなすわね。・・・じゃあ、今度は、あなたが舌を入れている場所に大きな黒いペニスが入っていると思ってみて」
その言葉を聞いて、ブルースはすぐに、いま行っていることにつながった会話のことを思い出した。彼自身は想像などしたくないと思っているのだが、どうしても頭に浮かんでくる。自分の妻の体内に巨大な黒ペニスが入っていく光景である。
ブルース自身が驚いたことだが、それを想像すると彼の小さなペニスがひくひくといいだすのを感じた。それでも、そういうのは嫌なことだと感じているのは変わらない。
これまでも、白人の友人夫婦とのスワッピングをしてきたが、そういう友人たちに妻を抱かれても、彼自身が、友人たちのセクシーな妻たちを楽しめたわけで、楽しい側面の方が多かったのは確かだった。それに、友人たちの誰も、ブルースがリンダの夫であるという立場を脅かす存在になった者はいなかった。
「うううぅぅぅ・・・素敵よ・・・感じるわ・・・やめないで・・・」
リンダがオーガズムに近づいているのを察知し、ブルースは続けた。妻は、もうすぐ、自分を凌駕する逞しい黒人男と最初の経験をする可能性が高い。だとしたら、今のうち、自分こそがリンダを喜ばせ、満足させることに献身してることを示すのが重要なことと感じていた。
トレーシーがロープの向こうに戻り、10メートルほど離れた場所に腰を降ろすのを見届けて、リチャードが言った。
「じゃ、ステフ? 僕が言うとおりにするんだよ。そうすれば楽しくできる」
リチャードは、私が遠くの方をぼんやり見ているポーズから始めた。次に、手をローブの中や腰に当てるポーズをさせた。その間、彼はシャッターを押しっぱなしだった。ほとんど、ノンストップでシャッター音が鳴っていた感じだった。
メモリーカードの交換になると、長椅子に座るように言われた。最初は、椅子に脚を伸ばす感じで座り、そのまま両膝を上げて、あごにつけるようにした。彼は、そういう感じのポーズで、私にいろいろな角度に頭を傾けさせたりして20枚ほど撮った。
さらに、ローブを脱いで仰向けになった写真も撮った。仰向けの形から身体を半転させて、うつぶせになる。また、肩越しに振り向いて、いろんな角度に首を曲げるポーズもさせられた。
もう何十万枚も撮ったのじゃないかと思った頃だった。リチャードが言ってくれた。
「初心者にしては、素晴らしいよ。ちょっと経験を積めば、もっと面白くなるよ」
リチャードがカメラを下ろしたのを見て、トレーシーはこちらに来ていた。リチャードはトレーシーに向かって言った。
「彼女、最高だね。僕はいま撮影した写真をコンピュータに落としに行かなければいけないんだ。30分ほどしたら部屋に会いに行くよ」
「良かった。じゃあ、彼女のメイクを直したり、小道具を片付ける時間があるわね」
私は、すぐに、メイク室に戻され、再びパティの有能な手でメイクを直されていた。私がお化粧を直している間、トレーシーは隣の小道具部屋に行った。彼女は、雑誌2冊と、ディルドを2本持って戻ってきた。
ディルドのうち、1本は、トレーシーがストラップ・オンで使っているのと同じくらいの長さだった。もう1本の方は、もっと太く、5センチほど長いものだった。現場の人たちは、小さい方をゼリーと呼んでいた。透明な青色をしているので、そう呼ばれているのだろう。長い方は、真っ黒だった。
私のメイクが完了すると、みんなでエレベータに乗り、3階に上がった。私の部屋は5階だったので、どうして3階なのだろうと不思議に思った。
エレベータを降りると、向かいの壁に掲示があって、「俳優専用」と書いてあった。後で知ったことだけれども、2階と3階はセックスシーンを撮影するフロアだった。
一つの部屋に入ると、トレーシーはディルドと雑誌をナイトスタンドに置いて、私の顔を見た。
「さあ、服を脱いで。次の写真撮影は、あなたがシャワーを浴びるところ。その後、あなたはベッドに移動する。シャワーでは、たくさんソープを使ってね。泡がたくさん出して欲しいから。でも髪の毛と顔は濡らしちゃダメ。お化粧が台無しになってしまうから」
指示通り、ビキニを脱ぎ始めた。けれど、だんだん不安になってきていた。つまり、リチャードに初めて裸体を曝して見せるわけで、それがちょっと神経をすり減らすことのように思ったのだった。
リチャードが部屋に入ってきてカメラの準備を整えるとすぐに、私はシャワーに入った。シャワールームには、普通の壁に備え付けのソープ・スプレーに加えて、手持ちのソープ・スプレーもあった。これはとても便利で、頭や顔を気にせずに簡単に身体を濡らすことができた。
私が使ったソープは、特別製だったに違いない。というのも、驚くほど泡が出て、その泡が私の肌にくっついて、簡単には落ちにくかったから。
リチャードはたくさん写真を撮った。私に立っている時の姿勢や、両手をどう動かして身体を洗うかなど、細かく指示してくれた。リチャードたちの意図通りかどうかは分からないけれど、シャワーを終えたときには、私は勃起をしていた。
シャワーが終わると、シャワールームから出て、身体を拭くように言われた。身体を拭いている間も写真は撮られていた。その後、身体全体にモイスチャライザーを塗るように言われ、その時も何枚か撮られた。
次は、寝室に移った。寝室では、ベッドに横寝になって雑誌を眺めるように言われた。予想していたことだったけれど、その雑誌は、全裸やセミヌードの男たちが載ってる雑誌だった。リチャードは、私に、雑誌の写真の何枚かを指さすようにさせた。それから、誘惑的に舌なめずりして見せるようにと。
裸の男の写真を眺めているところを10枚以上撮影した後、今度はディルドを取り出して、さらに雑誌を眺めながら扇情的にディルドで遊ぶように言われた。さらに、ディルドを舐めしゃぶったり、最後の方では、口の中に入れたりもさせられた。
バーバラはひざまずいたままスティーブを見あげ、ズボンのチャックを降ろした。そして、ボクサーパンツの中に手をいれ、固くなりつつあるペニスを素早く外に出した。前に顔を突き出し、先端に優しくキスをする。右手に肉茎を握りながら、左手では睾丸をやさしく包んだ。
2、3回ストロークするだけでスティーブは完全に勃起していた。バーバラはもう一度、頭部にキスをし、マッシュルームの形をした先端部全体を舌でねぶった。唾液を使って濡らしながら。
スティーブは、妻の口があの部分に触れることにより生み出される快感を楽しみながら、口を尖らせ、息を深く吸っては、吐いていた。この快感は、バーバラの行為を見ることができることで何倍にも膨れ上がっていた。普段なら、暗いところでしかバーバラはしなかったから・・・
バーバラは顔を上げ、スティーブと視線を合わせた。スティーブは彼女の嬉しそうな瞳を見たとたん、ペニスが彼女の唇の間でピクンと跳ねるのを感じた。自分のペニスに奉仕するところを見てもらいたがっている妻の姿。それを見ることがこれほどエロティックなことだとは、スティーブには信じられないほどだった。
「ど、どうして・・・ああっ・・・いったい、なぜ・・・うううっ」
「新婚旅行の時にはしたでしょう?」
バーバラは、いったん口から出してスティーブに思い出させた。
「だけど・・・」
「それに、また、これをし始めても遅すぎるわけじゃないわ・・・そうでしょう?」 情感にあふれた優しい言い方だった。
「ああ、確かに」
バーバラはにやりと笑い、再び彼を口に含んだ。今度は、少し腰を浮かせ頭の角度を調節した。うまい角度を見つけると、スティーブの分身をできるだけ奥まで飲み込み始めた。途中、少し休んだが、その時は舌で亀頭の下側を擦り続けた。
喉の筋肉が慣れ始めると、一度、鼻で深呼吸して、ゆっくりと顔を彼の股間に沈めていった。今度は、一度も休まなかった。鼻が彼の陰毛に強く押し付けられるまで、一気に顔を埋めた。そして、再び深く息を吸い、夫の体臭を嗅いだ。それから、少しずつ顔を引き、普通に呼吸できる状態にまで戻った。
バーバラは頭を上下に振り始めた。時に、喉の奥まで飲み込んだり、時に、口に軽く含んだまま、舌で亀頭を舐め回したりした。手でしごきたてることは控えていた。握ってはいたが、それは角度を安定させるため。もう一方の手では優しく睾丸を撫でていた。バーバラは、この状態を長続きさせたいと思っていた。
バーバラは思い出していた。スティーブはこれが好きだったわ。私はしょっちゅうこれをしていた。それに私も彼のためにこれをするのが大好きだった。
一瞬、彼女の心に後悔の気持が走った。どうして、私はこの喜びを人生から取りこぼしてしまっていたのかしら。
バーバラは顔を引き、口から出して、夫の持ち物をよく見てみた。固くなってるし、こんなに長くなっている。もう準備ができている。
にっこり微笑みながら彼女は手を差し伸べた。スティーブはバーバラの手を握り、引っ張り上げて、彼女を立たせた。バーバラは、握る手の向きを変え、ゆっくりと擦りながら、スティーブの唇に唇を寄せた。