コミュニティの重視
小説の投稿者たちは、匿名性の確保の他に、様々な形のコミュニティを形成することで、非難されがちな自分たちの行いを擁護している。個人的な知り合いの集まりとか、作家としての集まりなどの形で、書き手たちの「コミュニティ」ができ、それについてのやり取りが多くなされている。
互いに、実名や住所を教えあっている者はほとんどいないだろうし、互いの性別すら知らない場合もあるが、それでも、投稿者たちは、一緒にいて居心地の良い顔見知りになっていき、個人的な事柄を教えあうようになるものである。投稿者が、少なくともメールなどで、知り合いに匿名性の鎧を捨てて交流する場合もある。ネット上の人となりが、日常生活での人となりと非常にかけ離れたものである場合があっても、恐らく、あまり驚きはしないだろう。
セックス小説のニューズグループや、セックス小説関係のウェブサイトでの議論コーナーなどでは、誕生日、病気、結婚、離婚、あるいは死亡などがよくアナウンスされるし、軽い冗談もよく行われる。
私自身の経験では、そういう場での会話は、ほとんど例外なく、お色気話になることはない。そのような場では、人々は、アメリカに住むセックス小説の作家は政府による閉鎖を心配する必要があるかどうかとか、レスビアンの経験がある女性が多くなっていることを示す研究の持つ意味とかについて議論するのが通例だ。また、ハンドル名でコミュニケーションを行う人の場合、非常に突然に姿を消してしまうことが多いので、Xさんはどうしたのか知ってる人がいないかを尋ねる投稿がなされることも多い。このような交流は、セックスが関係ないサイトの場合の交流と、質的な違いはまったくない。時に、激しい口論で炎上してしまうところも同じである。
ただ、私たちの話し合いを特徴付けるテーマがあるとすれば、それは、物語を書くという点に焦点を当てていることと言える。ここでは、人々は、好きな作家や小説のリストを見せ合うことが多い。セックス小説も「一般の」小説も含めてのリストである。
また、最近、投稿された小説についてのレビューも行われる。最も有名なレビューアーはCelesteで、1995年から2000年にかけて、何千もの作品を批評し、評価を与えた。だが、彼女は、2000年に、作家があまりに批判に敏感すぎで、険悪であると不満を述べた後、姿を消してしまった。
また、様々なテーマで小説のお祭りも開かれる。alt.sex.stories.dには、非公式的ながら、
「名誉の殿堂 (Hall of Fame)」という有名作家を称えるサイトがある。物を書くことの本質に関する議論もあれば、作家のコミュニティとして真剣に考慮されることに伴う約束事についての議論もある。
それに賞も設定されている。alt.sex.stories.dには、月間、および年間の優秀賞が設けられている(現在はStoriesOnLineに移行している)。これには様々な部門に分かれて、賞が設定されており、月間の方はSilver Clitorides、年間の方はGolden Clitorides(
ここ、または
ここ)という名前がつけられている。
また、alt.sex.stories.dには、
The Fish Tankと呼ばれている組織化されたフォーラムもあり、そこでは小説のレビューを行ったり、さらに洗練されたものに書き換えていく試みがなされている。そこの設立者で、運営管理者であるDesdemonaは、そのフォーラムをウェブに移行した(訳者注:そのフォーラムでの
flash storiesの翻訳があります)。フランシス・フォード・コッポラが作った
Zoetrope: All-Storyのような「一般」小説のレビュー・サイトをモデルに運営が行われている。レビューサイトは他にもある。
セックス小説を個人的に執筆し、投稿することには、様々な危険性が付きまとっている。ではあるが、この営みは、広範なサイバースペースで大きく花を開かせているのは事実だ。人が妄想したことを書き、投稿して人に読んでもらう。それが可能になった瞬間から、非常に多くの人々が殺到して、その営みをするようになった。この洪水のような大波は、毎年のように大きくなってきている。オンラインに投稿されるのは、なにもセックス小説ばかりではない。どのジャンルの小説もサイバースペースに現れている(もっとも、どのジャンルにも多量の粗雑作品が含まれているようだが)。
多分、こういうことに違いない。つまり、すでにもともと巨大な貯水池があったのだ。必要だったのは、そこから水を汲み出す蛇口だけだったということ。それは、一旦、流れ出したら、止めることが難しい、いや、不可能なのかもしれない。そして、私たちは、今まさに、その大波に乗っているところなのである。
おわり
こんなに綺麗な陰部は見たことがない。ケイトがゆっくりと腰を沈め、俺の唇へと近づけてくるのを見ながら、そう思った。だが、この時も、命令されるまで決して自分から唇を動かすことはしなかった。
俺の顔の上、とろとろに濡れきった女陰が来ていて、俺の唇に軽く触れたままになっている。ケイトはその姿勢でしばらく止まっていた。まるで永遠にその姿勢になっていたような感じだ。
そして、ようやく、ケイトは、俺が待ち望んだ言葉を発した。
「私のおまんこ、食べなさい、ジャスティン」
次の瞬間、俺はケイトのぬるぬるになった穴をぺろぺろと舐めていた。見上げると、ケイトは頭を後ろに倒して感じてる。俺は舌を尖らせ、蛇のように穴の中へ忍び込ませた。
「ああ、いい・・・」
アヌスからクリトリスまで舌の全面を使って舐め上げる。
だが、これも、唐突に始まったのと同じように、唐突に終わってしまった。ケイトはいきなり立ち上がってしまったのだ。
今度は、後ろ向きになり、俺の顔の上にまたがっている。顔は俺のちんぽに向けていた。そのまま、ゆっくりと身体を降ろし、両膝をついた。俺の顔の上で四つんばいになる。ケイトのおっぱいが俺の目の前に垂れていた。
「私のおっぱい、好き?」
俺は首を立てに振った。それしかできない。バーベル型ピアスをつけた乳首はつんと尖がって、俺の目の前で、ゆったりと揺れている。ケイトはますます胸を降ろし、俺に近づける。
「私のおっぱい、素敵かって訊いたのよ! ジャスティン!」 ケイトは、強い口調で言った。
「ああ、素敵だ」
俺は叫んでいた。ますます豊かな胸が顔に近づいてくる。ケイトの身体から出てくる熱が顔にも伝わってくる。ムチッと成熟した女の熱と香りが俺を包む。
「私のおっぱいにキスしたい?」
乳首を俺の唇に触れさせながらケイトが訊いた。
「ああ・・・」
左右の乳首を交互に唇に擦りつけてくる。
「乳首、吸いなさい!」 かすれた声でケイトが言った。
俺は唇をすぼめ、乳首を吸いたてた。
ケイトは俺に覆いかぶさるようにしている。頭を俺の胸に当て、顔を逆さにして、美乳を堪能する俺を見ていた。
「美味しい?」
逆さになって俺を見ているケイトの目には、妖しい光がともり、俺と同じく彼女も感じているのが分かった。
舌で円を描くようにして乳輪をなぞった。ケイトが甘い喘ぎ声をあげた。
舌を小刻みに動かし、乳首とピアスをプルプル弾いた。さらに声が大きくなる。
突然、乳首が俺の口から離れ、もう一方のおっぱいが口に押し付けられた。白肌のおっぱいを思い切り顔に押し付けてくる。その柔らかく暖かな肉の塊に、窒息しそうになるが、夢心地にもなる。
胸を一旦、ぎゅーっと押し付けた後、少し、持ち上げ、乳首が俺の唇に来る高さに戻した。
俺は、歯を使って、軽く乳首とピアスを噛んだ。ケイトは、その刺激に身体を少し引き戻した。俺は乳首を噛んだまま。乳首が信じられないほど伸びた。
限界まで伸びた後、俺は歯の力を緩め、乳首を離した。
「うぐっっ!!」
乳首が強く跳ね、たわわなおっぱいに戻った。まるで、強いゴムでパチンと弾いたようだった。スポットライトの中、俺の唾液で濡れた乳首がキラキラと輝いて見えた。俺の目の前で揺れている。
ディ・ディとドニーは、僕を真ん中にして席に座り、僕たちは軽い会話をし、食事の注文をした。僕は、マムのコルドン・ルージュ(
参考)を1本、オーダーした。この機会は、僕の限られた経験(と予算)が許す限りで最良のシャンパンがお似合いだと思ったから。
ジュリア・チャイルド(
参考)いわく、シャンパンならどんな時でも適切だとのこと。人の心の壁をちょっとだけ降ろさせるのに、ほんの少しの泡のお酒ほど役立つものは他にない。彼女たちも同じように思っていたと思う。
僕はラムの肋肉(ばら肉)を注文した。これをメニューに載せているレベルのレストランに行ったときは、僕はいつもこれを注文する。そんなの普通のレストランならどこでもあるじゃないかって? 知るか、そんなこと。僕がお子様なのは知ってるよ。この手のことについて、僕が知ってることなんてそんなものだ。
椅子につくとすぐに、小さな手が伸びてきて僕の股間を優しく撫でているのを感じた。こうされると僕が気が狂いそうになるのをディ・ディは知っている。そのことについては誰も何も言わなかった。それに僕も、わざわざ、声に出して指摘する必要を感じていなかったのは確かだ。ともかく、「一流のサービス」という言葉に、まったく新しい意味が加わったように思った。
ディ・ディとドニーは、二人とも、サーモンの料理を注文した。ピーカンナッツ(
参考)で覆ってカリカリに焼いたとか、そういう料理だった。僕の全然知らない料理だったが、二人とも食べるものをちゃんと心得ている様子だった。二人とも半ばベジタリアンであることを知ったのはその時だった。魚は食べるが、肉はいっさい食べない。
「へえ? ということは、タコスも食べないっていうこと? 義務でもないのに、ずいぶん犠牲を払ってるんだね」
「アンドリュー? 肉なしでもタコスは作れるのよ。知ってると思うけど」
「ああ、知ってるよ。でも、だから? 僕は肉入りを食べるけどね」
料理が来て、早速、食べ始めた。ラム肉はからし色にこんがりと焼けていた。ミディアム・レアで、実に美味しかった。まだ若く食経験は少ない。こんなに美味しいのは食べたことがなかった。僕は、手を出し、右手に座るブロンド美人の手に触れた。
「ねえ、ディ・ディ。ちょっと、僕のラムを食べてごらん? 美味しいよ」
彼女は、びっくりした顔をした。頭を左右に振るだけ。
僕は左側を向き、ドニーに言った。
「ドニー? 君はどう? ラムのばら肉。美味しいよ。どうかな?」
やはり頭を振っている。僕は二人をからかっていた。二人とも、このベジタリアン生活とやらにずいぶん熱心になっているようだ。
突然、一人が、「ちょっと、化粧室に行くわ」と言った。そしてもう一人に向かって、「一緒に行く?」と訊いた。
結局、二人とも立ち上がり、トイレの方へ歩いていってしまった。美味しい肉のことでちょっと浮かれてしまい、彼女たちを怒らせてしまったかなと思った。僕は、ほとんど戦闘的と言って良いような肉嫌いのベジタリアンを知っている。だけど、そういう人は普通は完璧な菜食主義者で、魚を食べるような変節はしていないものだ。なのに・・・本当に、女性の心の中で何が起きてるか、分かる人なんているのだろうか?
2分ほどして二人が戻ってきて、席に着いた。何秒も経たないうちに、あの手がまた僕の勃起に戻ってくるのを感じた。これを続けられたら、いつかは、こういうふうにディナーを食べることに慣れられるかもしれない。でも、やっぱり今は、言わなくちゃいけないと思った。
右側に座るブロンド美女を向いて言った。
「何?・・・その席は『アンドリューの勃起握り専用席』と指定されているの? 君たち二人、変すぎるよ。僕は兄弟は好きだよ。でも、例えば、兄が途中まで食べた料理の前に座って、続きを食べ始めるなんてことはしないと思う」
突然、二人とも身体を起こし、大きく溜息をついた。それから、わあっと泣き出し、左右同時に僕の腕にすがりついた。4つ星の高級レストランの真ん中だというのに、二人のゴージャスな美女に顔を左右の肩にこすりつけられながら号泣されているのだ。
僕が言ったことの何が彼女たちをこうさせたのか、まったく分からなかった。二人とも、すっかり感情的になっている。
僕は状況を静めようとした。
「ごめん。二人とも変すぎるなんて言うつもりはなかったんだ。ただ、僕はちょっと変に思っちゃって」
ディ・ディは少し落ち着いたようだった。「知ってたくせに!」
何のことか、手がかりすらなかった。「知ってたって、何を?」
「私だって知ってたくせに!」
いまや、いったいどういう意味か分からなくなっていた。これまでの人生で奇妙な体験は何度かしてきたが、今回のは謎すぎる。
「だって、君は君だろう?」
「私はドニーだったかもしれないのよ」
二人とも泣いていなければ、僕は、二人にからかわれていたと思っただろう。二人とも同じ服装をしていて、同じ料理を注文し、ディナーの途中で席を交替した。僕をからかっているわけでないにしても、何かゲームをしているんじゃないかと。
僕はドニーを見た。
「ドニー? ディ・ディが何を言ってるのか、どうか教えてくれないか?」
ドニーはすでに号泣を終えていて、今は、涙をうまく堪えられる状態になっていた。
「私たちを見分けられるわよね?」
「もちろん。見分けられる。昼と夜ほど、歴然と違いがあるよ。あ、いや、深夜12時と午前1時ほどの違いかな。ともかく、違いは分かるよ。僕に見分けられないはずがあるわけないじゃないか」
ディ・ディが言った。
「誰も見分けられないわ。ママもできない。パパもどっちがどっちだか、さっぱり。誰もみんな、私たちを同一人物だと思ってる。でも、私たちは違うのよ、アンドリュー。私たちは別個の人間なの。二人いるの。誰もそれを分かってくれない」
僕は二人をなだめようとした。
「もちろん、君たちは別個の人間だよ。明らかじゃないか。他の人がどう思おうと気にしちゃいけないよ。僕は二人とも素晴らしい女性だと思っているんだから」