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寝取られの輪 4 (4) 

***

「おめでとう!」 とマリイが言った。

火曜日。マリイとリンダは、いつものように、仕事帰りに二人で飲みに来ていたのだった。その前の日、リンダとブルースは、輪の会の正式メンバーに選ばれたという連絡を受けていた。

「ありがとう。すごく、ほっとした気持ちだわ」

「で、ブルースはちゃんと役割を演じたわけね?」

「そうなの。ほぼ完璧! 後でリロイにその時の様子を全部聞いたわ。リロイはブルースにひざまずかせて、靴にキスまでさせたらしいのよ」

「うっそー! 冗談でしょう?」

「いいえ、ほんと。ああ、その時の様子を自分で見られるんだったら何でもするのに! 昨日の夜、ブルースにそれって本当のことなの? って訊いたのよ。そしたら、本当だって認めたわ。すごく恥ずかしそうにしていた。ブルースは、実際にしたことよりも、私に知られたことの方が恥ずかしかったみたい」

「想像できるわ」

「ブルースは、あたかも、何でもないことにように言っていたけど、実際、ひざまずいたのよ? しかも靴にキスまでして。何でもないことなんかじゃないわよね? 取り繕うのも、いいかげんにしてよって!」

「何だか、私たちの旦那たちって、二ヶ月くらい前に思っていたより、ずっと、私たちの新しいオトコたちに恐怖を感じているみたいね」

「その通り。ブルースったら、リロイの小さなテストに受かっただけで、ものすごく安心したらしくて、屈辱的なことをさせられたことなんかすっかり気にしなくなっているみたい。いまは、むしろ喜んでるんじゃないかしら。すっかりハマってる様子だわ」

「ほんとに?」

「うん、ほんと。ブルースに、リロイがパーティをしに、金曜の夜、家に来ると言ったのよ。いまは正式メンバーだから、これができるのね。ブルースはある意味、興奮していると思うわ。私に、リロイはどんなお酒が好きか聞いてくれって言うの。ちゃんと用意しておきたいからって。それに、私に新しいランジェリーも買うから一緒にショッピングに行こうと言ってるわ」

「素晴らしい!」

「思うに、そういう態度をする理由の一つは、ブルースは、自分ができる限りのことで、私を喜ばそうとしているんだと思うわ。すごく気遣ってくれるもの。今度の金曜には、早く帰宅して、家の掃除や整頓をするって言ってるわ。準備は全部、自分でするって」

「そう… ともかく、ブルースが人生観を一変させるような経験を味わうことになるのは確かね。たとえ、今の時点では、信者になっていなくても、金曜の夜が終わった後は、確実に信者になってるはず!」



[2010/11/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

無垢の人質 第9章 (1) 

「無垢の人質」 第9章 Innocent Pawn Ch. 09 by wishfulthinking


これまでのあらすじ
イサベラはレオン・ドゥ・アンジェに拉致され、強引に処女を奪われ、繰り返し身体を奪われる。レオンは父を殺したイサベラの父への復讐として、彼女に自分の子を孕ませるため拉致したのだが、やがて二人の間に愛が芽生え、イサベラは妊娠する。ある日、二人は何者かに襲われ、イサベラは父の城へと連れ戻される。そこにはレオンに追放されたマリイもいた。父はイサベラへの下心を隠さない。またマリイは嫉妬と恨みからイサベラに鞭を振るう。そんな時、レオンがイサベラのところに忍び込み、二人は愛し合う。そこへイサベラの父が現れイサベラを襲おうとするが、レオンと揉み合いとなり、イサベラはレオンを救うために父を殺す。レオンとイサベラはレオンの居城に戻った。レオンはイサベラが妊娠していたことを知っていたが、イサベラがマリイに鞭打ちされていたことを初めて知り驚くのだった。


天使たちの姿が巧妙に彫られている金製の重々しいドア。レオンは、そのドアを開け、大股の足取りで中に入った。ドアの先には、小さな礼拝堂がある。

祭壇の前には、イサベラが音もたてずひざまずいていた。紫色のガウンの裾が床に扇状に広がっている。高い位置になるステンドグラスの窓から柔らかな日光が差し込み、イサベラの姿を温かく包み、その光に照らされた背中に揺れる緋色の髪の毛は、赤味を帯びた金色の波立つ川の流れのように見せていた。その姿をレオンは離れたところから窺っていた。

イサベラは、毎朝ここに来て祈り続けていた。そしてレオンは、毎朝、どうしても彼女の後をつけてここに来てしまうのだった。何かしら嫉妬心を感じてしまうのがレオン自身、不思議な感覚だった。

レオンはイサベラが信仰心が篤いことは知っていた。彼女は修道院で育てられ、レオンの手下たちに拉致される前は修道女になるつもりでいたのだ。それは分かっていても、レオンは、イサベラの自分に対する信仰心の方が…もっとよい言葉があればいいのだが…自分への心の方が神に対する心よりも強くあって欲しいと思っていた。

「イサベラ? 考え直してくれただろうか…俺の妻になると決心してくれただろうか?」 柱に寄りかかり、両腕を胸の前で組みながらレオンは尋ねた。

声をかけられた瞬間、背中を見せているイサベラの肩先が緊張するのをレオンは見た。そして、彼女が肩越しに振り返り、まつ毛を伏せるのも。

「私がその気はないことは、ご存じのはず…」 イサベラは落ち着いた声で答えた。

レオンは後ろを向き、イサベラが心安らかに祈りを続けられるよう、静かに礼拝堂から立ち去った。

礼拝堂から出ながらレオンは思った。イサベラは間もなく屈服するのは分かっている。彼女は自分でも気づいていないが、あれほど官能性にあふれた女なのだ。ここのところ俺はずっと彼女を愛することを差し控え続けている。イサベラはやがてそれに耐えきれなくなるだろう。そして屈服して俺の求めに応じることになるはずだ。

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[2010/11/26] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)