ノブは息継ぎをしようと一度唇を離し、アンジェラの耳に荒い息を吹きかけながら、耳の輪郭を舌でなぞった。アンジェラは思わず身体をくねらせ、喘ぎ声を上げ、彼に爪を立ててしがみついた。
アンジェラのその反応だけで、彼女の欲望の高まりは充分伝わっただろう。だが、それにもまして、アンジェラの身体から立ち昇る欲望の匂いがいっそう強くなってきているのをノブは感知していた。
その時アンジェラが彼の顔を見たら、彼の薄青色の眼の瞳孔がさらに大きく広がっているのを見てショックを受けたことだろう。
ノブは、アンジェラの耳たぶを噛んでは吸う行為を繰り返し、彼女を身悶えさせた。だが、彼女はしっかりと抱きすくめられ、逃れることはできない。
「アンジェラ…」 ノブはかすれた声で彼女の耳に囁いた。「お、俺は…しようとしてることを止められない。もし俺にそれをして欲しくないなら、今すぐ立ち去ってくれ」
耳に吹きかけられる熱い息……。そして敏感な首の肌に当たる彼の髭によるチクチクした刺激……。その刺激、アンジェラには限界で、思わず両腕をノブの首に回し、強く抱き寄せたのだった。
二人の身体の間には幾層も衣類の布があったが、彼女はノブが驚くほど固くなっているのを感じることができた。その瞬間、彼女が求めることはただ一つ、それに貫かれたいということだけだった。
「私、帰れないわ…」 と両脚で彼の腰を包み込むように絡まりながらアンジェラは囁いた。「…あなたにしてもらうまでは」
彼の喉奥から、何か犬の唸り声のような音が聞こえたが、アンジェラにはそれを気にする余裕はなかった。ノブが彼女を再び壁に押しつけ、スカートを手繰り上げたから。
ノブの手が、蛇のようにアンジェラの太ももの内側を這いあがり、その奥に潜む濡れた唇を覆うレースの薄布を脇にずらし、クリトリスを擦り始めた。
この女性が自分のことを求めている。それを表すのに、あんなストレートな言葉を使った。それを聞き、ノボルは心の棺桶のふたを押さえていた最後の釘が外れるのを感じた。心の奥のどこかから、自分は絶対この女性を帰さない、帰せるものかと叫ぶ声が聞こえた。
ノブは荒々しくキスをしながら、指でアンジェラをまさぐり続け、やがて彼女がぶるぶると震えるのを感じた。
アンジェラは、口を彼の唇で塞がれたまま、艶っぽい叫び声を上げた。予期せず、突然、オーガズムに襲われたからだった。
ノブは、引きちぎるように唇を離し、自分の手を顔に近づけ、その指から滴り流れるぬるっとした湿り気の匂いを嗅ぎ、そしてそれを舐めた。
「俺のものになってもらう」
と唸り声を上げ、アンジェラのシャツの前を強引に開いた。
アンジェラは、シャツのボタンが飛び散り、床の固い板に跳ねる音を聞いたが、気にしなかった。できるだけ早く、今すぐにも、彼とともに裸になりたいと思っていた。
ノブはアンジェラのブラジャーに手を掛け、留め具を外し、彼女の乳房を解放した。彼は彼女の左右の乳首を歯を使って攻撃した。
「ああぁぁぁ…」
荒々しく乳首を噛まれ、痛みとも快感ともつかぬ刺激にアンジェラは身体から力が抜けていくのを感じた。身体を抱え上げられ、階段を上がり、ベッドへと運ばれる間も、彼女は両手足に力が入らず、全身ぐったりとさせたままだった。
ノブはアンジェラの身体をマットの上に放り投げ、せっかちな動きで彼女のスカートとソング・パンティを剥ぎ取り、自分の着物も脱いだ。
彼の裸体を見たアンジェラは、いっそう女の部分が濡れるのを感じた。痩せていて、全身にほとんど体毛がない。彼の青い眼には、動物が獲物を狙う時の表情が浮かんでいて、それを見たとたん全身がゾクゾクと震えた。
アンジェラは誰に言われるでもなく、四つん這いになって這い、顔が彼のペニスと並ぶ位置へと移動した。その怒張したペニスは先端から先走りを流し、キラキラと輝いて見えた。
ためらいがちに先端をひと舐めした。すると彼が身体じゅうの筋肉を緊張させるのが見えた。それを見てアンジェラは顔を前に突き出し、一気に全長を口の中に入れた。
その味だけでも、ほとんど、イキそうになるのを感じた。ノブは彼女の髪の毛を両手でぎゅっと握りしめ、残虐とも見えるやり方で彼女の顔を犯していたのであるが、それすらアンジェラは気づかなかった。むしろそれを喜んでいたともいえる。
何分かそうしていると、ノブの睾丸が緊張するのをアンジェラは感じた。そして、ノブは彼女の喉奥にペニスの頭部を押し込み、それと同時に喜びの唸り声を上げた。その声は動物の吠える声に似ていた。
ノブは、放出したものをアンジェラが何とか飲み下したのを見届けると、彼女の身体をベッドに押し倒し、仰向けにさせ、彼女の太ももの間に顔を寄せ、舌を突き出した。
敏感な陰唇とクリトリスを舌で弄びながら、ノブはアンジェラがその部分の体毛を完全に剃っていたことを喜び、早くも勃起が回復してくるのを感じていた。口を大きく開き、舌のすべてを使って、彼女の狭い内壁を擦り続けた。アンジェラの左右の太ももが頭を締めつけてくる。さらには腰を突き上げてくる。
「ノブ! 私、イキそう…!」
弱々しく泣いているようなアンジェラの声が聞こえた。