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ジャッキー 最終章 (9) 

アンジーは悲しそうな顔をした。

「私があなたのことを愛していないと思ってほしくないからよ…。私は心の底からあなたのことを愛しているの。あなたほど私が愛している人は、いままで誰もいなかったわ。だから、離婚したくないの…

「…それに加えて、どうして私がダンと付き合っているか、それもあなたに分かってもらいたくて、こういうことを言っているの。あなたに隠れて浮気している状況がとても嫌なのよ。あなたが私のことをとても信じ切っていて、あなたに不実を働いていると思っていなという状況が、とても嫌なの。実際、私には他の男たちがいるとあなたがようやく思ったのは、私があなたにヒントを残し始めてからだったでしょう?」

他の男たちと言うのを聞いて、僕はまたショックを受けた。

「男たちと言ったよね? いったい何人いるの?」

「本当の数は私にも分からないわ。ダン以外では、たぶん10人から15人くらい?」 アンジーは少し自慢しているような声で答えた。

「15人だって?…… その中には僕たちが結婚する前の男も含まれているの?」

「結婚前からのも何人かいるけど、大半は結婚後だわ」

「なんて早いんだ。少なくとも結婚の誓約書のインクが乾くまで待とうと思わなかったの?」

僕は、再び怒りがこみ上げてくるのを感じた。

アンジーも僕の怒りに気づき、からかうような口調で言った。

「たぶん、乾いていなかったわね。式を上げた後、私が席を外してトイレに行ったのを覚えている? 本当はね、あの時、あなたのつき添いのお友達をリネン置きのクローゼットに連れ込んで、ヤッテもらってたの。それから、披露宴パーティの時も、別のあなたのつき添いの人とヤッタわ。もちろん、ダンにもヤッテもらったわ。ハネムーンに出かける前に」

本当にアンジーの言葉かと耳を疑った。頭に血が上っていた。

「アンジー! 少なくとも新婚旅行から戻るまで待てなかったのか? 誰かれ見境なく、脚を広げてちんぽを嵌めてもらうのは、それからでも遅くはないんじゃないのか!」

「私を責めないでよ。女の子は、結婚式の日にはちゃんとした男に抱かれる権利があるものなのよ! そんな特別の日をあなたの情けないミミズみたいなものに任せるなんて、できっこないじゃない。私は当然の権利を行使しただけよ」

アンジーの目に炎のような強い感情が浮かんでいた。

僕は完全に打ちひしがれていた。自分の妻が淫乱女だったばかりか、僕の親友もそれを知っていたとは。これからは、彼と会ったとき、どんな顔をすればいいのか。彼は、僕が結婚式の日に寝取られた男と知っているのだ。こんなのって……、二度と目が覚めない悪夢なのか。

僕はアンジーの顔を観察した。どこかに良心の呵責を感じているところがないかと。…だが、そんな表情はまったくなかった。明らかに自分にはどこも悪いところはないと思っているようだった。僕が何か言うのを待ちながら、ただ睨み返しているだけ。

しばらく沈黙を続けた後、ようやく僕は口を開いた。

「僕をこんな目にあわせるなんて…信じられないよ。僕を愛しているとは言ってるけど、やってることは、僕をゴミのように扱っているじゃないか」

「その通りよ、ジャック。私はあなたをゴミのように扱ってる。でも、私はあなたに隠れてコソコソすることにうんざりしたの。家には完璧に素敵なベッドがあるのに、わざわざホテルにチェックインすることに、もううんざりなの。時間を気にしながらセックスすることにも、うんざり。たっぷり時間を掛けて、楽しみたいの」

「でも、どうして今なの? どうして結婚する1年前じゃなかったの? どうして結婚する前にカミングアウトして、僕に言ってくれなかったの? 理解できないよ」

そう訊きながら涙声になっていたのを知っている。でも、そんなことを気にする心境になかった。

アンジーは、またかと言わんばかりに溜息をついた。

「あなたのことを愛しているって言ったでしょ? 愛する人と結婚して、同時に、セックスも楽しみ続ける。それができると思ったのよ。でも、いまは、それでは満足できないと分かったわ。誰かとヤッテても、あなたがそばにいないと罪悪感を感じるのよ」

「ということは、君は僕に、君が他の男とセックスするところを見ていてほしいと? そう言ってるんだよね? 他の男が好き放題に君の身体を使っている間、僕に椅子か何かに座って見ていろと、そう言ってるんだよね?」

アンジーは僕の手を握って言った。

「私が求めているのは、あなたも一緒に加わってくれること。私と男の寝るベッドにあなたも入ってほしいの。私は、あなたがその男のおちんちんをしゃぶったり、その男に抱かれたりするところを見たいの。その男が私を犯している時は、私のそばに横たわっていてほしいの。私とあなたとで、その男と3人プレーしてもいいわ」

アンジーは、とても真剣な顔でそう言った。言ってる言葉に何も間違ったところはないと、そう考えているのではと信じそうになった。


[2013/06/03] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(1)