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淫乱ママ 第8章 (9) 


でも、他に何と言えば良かったの? クリスティに自分は変な娘だと思ってほしくなかったし、罪悪感で頭を悩ますようなことにもなってほしくなかった。常識からすれば、あの件は秘密にしておかなくちゃとは知っていたけど、でも、あたしは今度のことを娘に話し始めた。

「ああ、ママ、私、知らなかったわ」 

話しを聞いたクリスティはとても悲しそうな表情を目に浮かべながらあたしの顔を見つめた。その瞳を見ただけで涙がでそうになった。

クリスティは、あたしが話し終わるまで、ずっと遮ることなく、熱心にあたしの話しを聞いていた。話しながら、いつ、クリスティがあたしのことを不潔よとか淫乱とか言いだすかと思っていたけど、そんなことはまったく起こらなかった。話し終わっても、以前の通りのまなざしであたしを見ていた。愛情を込めた目であたしを見ている…それに心配そうな表情も浮かべている。

もちろん、トミーとあたしの関係については話していない。話したのは、あの鉄道車両置き場での撮影会と、フランクにされたことだけ。

「いいのよ、クリスティ。ママもどうしてよいか分からないの。もし今夜、ママがあそこに行ったら、あの最低の男、ママに何をさせるか分かったものじゃない! そんなことできないわ……。絶対にできないの!」

あたしは両手で顔を覆って、泣きだした。

クリスティがあたしに近づいてきて、肩を抱き寄せるのを感じた。

「ママ、私にいい考えがあるわ。これならママを助けられるはず!」 

クリスティは明るい声で叫んだ。あたしは顔を上げ、娘を見た。何を考えついたのか、本当に興奮した顔をしている。

「私もフランクのことは知ってるの。トミーが少し前に私に紹介したから。それに私はフランクの彼女のことも知ってるの。もっと言えば、彼女と私は親友なのよ! 彼女なら何とかしてくれる。その子、今はフランクの彼女じゃないんだけどね。1週間前にフランクと別れたはず。でも、彼女なら助けになってくれるはずよ!」

希望の光が見えた感じがした。まだ、うかつな気持ちにはなってはいけないけれど…

「どんな…、その子、どんなことができるの?」

「分からないわ。でも彼女に話しをさせて。何かいい方法が見つかると思うから」

「クリスティ、これはとても個人的なことなのを忘れないで。フランクはママの写真を持ってるの。ママとパパの結婚を破壊してしまうかもしれない写真を…もっと言えば、この家全体に大変なことをもたらしてしまうかもしれない写真を…」

「知ってるわ、ママ。私、彼女のことは完全に信頼しているの。私を信じて。とても可愛い子で、ママも気に入ると思うわ。お願い、ママ。彼女に電話させて。まだ写真のことについては何も言わないから」

クリスティは興奮した顔であたしを見ていた。OKの返事を待っている。クリスティはあたしを助けたいと思ってる。あたしのことを守りたいと…。

「分かったわ。電話して。でも忘れないで。写真のことについては一言もダメ……少なくとも今はダメ……それにありがとう、クリスティ。ママのことを理解してくれて」

「フランクについては、前からずっと嫌なヤツと思っていたの。でも、どのくらい嫌なヤツかは、いまやっと分かった感じ」 とクリスティは囁いた。

クリスティはあたしをギュッと抱きしめてから、携帯電話を取って、番号を打ち始めた。あたしは時計を見て、身支度をする時間があまり残っていないことに気がついた。あたしはクリスティをそのままにして、お風呂に入ることにした。

お風呂に入った後、バスタオルで身体を包んだまま、ドレッサーやクローゼットの中を漁り始めた。フランクが文句を言わないような服装を探した。

フランクの指示はとても細かかった。その指示に従わなかったらどんなことになるか、心配でならなかった。

ようやく探していたものを見つけ、ベッドの上に並べ、バスタオルを床に落とした。まさに、バスタオルを落とした瞬間、寝室のドアが開いて、クリスティが入ってきた。


[2013/06/10] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)