2週間後、デニスの人生は、すでにはっきりと上向きに転じていた。そして、そのことのほぼすべてにベッキーが関係していた。ふたりは毎日のように会い、互いに一緒にいることを嬉しく感じていた。
デニスは自分の幸運が信じられなかった。それまでの人生、ずっと仲間外れにされ、孤島に住んでるようなものだったのだ。それが、彼が誰であるか、何をしているかに関して先入観をもたないひとりの女性のおかげで、その孤独感を吹っ飛ばすことができたのである。加えて、その女性はとても可愛らしい。そのことも、彼が自分は幸運だと思うことと関係があったのかもしれない。
外見の良さで判断するなんて……。デニス自身、ベッキーの内面でなく、外見に惹かれてることは、ちょっと変態っぽいし、極めて浅い考え方だということは知っていた。だが、彼は、可愛い女の子の愛情には免疫がなかったのである。ベッキーの性格は、第一の要因である彼女の外見、および、第二の要因である、彼女が彼を気に入ってくれているという事実のふたつの陰に隠れ、デニスにとっては第3要因として遠くの問題に見えていた。愛らしい外見と表面的な愛情。この2点が一緒になって働き、第3の要因である性格が陰に潜むということは、よくあることだが、デニスにはそれを知る経験がほとんどなかったのである。
デニスはベッキーが本当はどんなタイプの人間か、もっと注意を払うべきだった。それというのも、彼女の外見や表面的な愛情よりも、性格こそが彼の未来に少なからず影響するからなのだ。
ベッキーは、一見すると、ごく普通の女の子のように見えた。だが、それは仮面なのである。実際は、彼女は、傲慢で、優越感を漂わせていた。そのこと自体は、デニスにも、いかに心が曇っていたとはいえ、間違いなく察知できていた。ベッキーは、自分は周りの人々より優れていると思っていたし、その気持ちをほとんど隠そうとしなかった。それに、意地も悪く、恨みがましいところもあった。他の人に対して、その人がおかれている状況、立場、あるいは、彼女の言葉や行動がその人に与える影響などを、あからさまに無視することは、一度に限らない。
ああ、だが、愛は盲目だ。デニスは、そんなベッキーの性格を知っていたにもかかわらず、それに目を向けなかった。ベッキーは、悪い人間だが、可愛いし、自分のことを好いてくれている。だから彼女の性格の問題は考えないことにしよう……とりあえず今は。
ふたりがデートを始めてから3週間経った。その日、ふたりはベッキーの部屋にいた。ちょっとエッチな気持ちが盛り上がっていたところだった。
デニスは片手をベッキーのシャツの中に忍ばせ、彼女の豊満な乳房に触れようとしていたところだった。驚いたことに、ベッキーはデニスの侵入を拒まなかった。デニスにとって、女の子の胸に触れるのは、これが初めてだった。その興奮に彼は圧倒されていた。
突然、ベッキーは身体を離し、ほとんど引き裂くような勢いでシャツを脱いだ。そしてブラジャーも脱ぎ去った。デニスはインターネットで何百もおっぱいは見てきている(彼の母親が勉強のために使うだろうと、ハイスピードのネット回線を引いてくれていたのである)。だが、パソコン画面のおっぱいなど、本物の、ライブの、個人的な付き合いのある女の子のおっぱいに比べれば、何の意味もない。
デニスはベッキーの胸を見て、口をぱっくり開いた。だが、(実際、彼はそうなのではあるが)それではまさに童貞の男の反応だと、そんな反応をしたのを隠すため、デニスはベッキーの胸に顔を埋め、舌で乳首を愛撫し始めた。感じてくれてるようだ。喘ぎ声をあげている。
しばらくそうしていた後、ベッキーは立ち上がり、デニスをベッドに仰向けにした。デニスは両ひじを突いて、上半身をあげ、ベッキーを見た。彼女は彼の脚の間にひざまずいていた。彼のジーンズのボタンを外している。そして、悪戯そうな笑みを浮かべながら、ジーンズを引き脱がした。次に彼の下着も。デニスの柔らかなペニスが露わになった。
デニスは、自分のペニスに関して、以前からちょっと恥ずかしさを感じていた。ステレオタイプのことは知っていた。いわく、黒人は白人より大きなペニスをしているといったこと。だが、彼の父親は白人だ。そうすると、自分は父親と、その点に関して同じ遺伝子を持ってることになるのだろうか?
その懸念により、デニスには、どこか周りの黒人より劣ってるかもしれないという気持ちが生まれていた。そして、彼は定期的に自分のペニスサイズを測ることにしていて、ほぼ平均サイズなのは知っていた。だが、それでも、自分のペニスを見るたび、インターネットで見たペニスに比べたら、小さいんだろうなと、そして、どれくらい小さいのかなとも思うのだった。
ベッキーがデニスのペニスを濡れた口に入れるのを見ながら、デニスの心の中では、数々のこんな思いが飛び回っていた。
だが、驚いたことに、彼のペニスが一向に固くならないのだった。ベッキーは、舐めたり、キスしたり、吸ったりを何分か繰り返したが、デニスのペニスは彼女に協力しようとはしなかった。
やがて、ベッキーは嫌悪感を丸出しにして顔を離した。
「いったい何だって言うの? あんた、女の子が好きじゃないの?」
デニスは屈辱を感じていた。どうしてなのか、さっぱりわからなかった。「わ、分からないんだ」
ベッキーはシャツを元通りにし、胸を隠し、ドアに向かった。
「ねえ、トレント! ちょっと来てよ。このオカマ野郎を見てみて!」
「え、何?」 デニスはパニックになった。下着を元通りにしようと引っぱり上げようとしたが、ベッキーはぐいっと引っぱって、取り上げてしまった。
「ダメよ。あんたはそこに座ってなさい」
何秒もせずに、大柄の黒人男が部屋に入ってきた。デニスより2歳ほど年上の男だった。デニスは、その男はベッキーのいとこだと気づいた。
「どうしたんだ?」 とトレントが訊いた。
「何でもないよ……」 とデニスが言い始めたが、ベッキーに鋭い視線を向けられ、最後まで言えなかった。
「あたし、この3週間、ここにいるチビのオカマ野郎に付き合わされてきたのよ。そしたら、こいつ、そもそも女が好きじゃないときた。あたしを見ても、勃起すらできないのよ」
デニスが声を上げた。「そうじゃないよ、ベッキー。僕は本当に女の子が好きだよ。でも、どうしてか分からないけど……」
ベッキーはいきなりデニスの頬を平手打ちした。
「もし、お前が女が嫌いなら」 とトレントは、ズボンのチャックを降ろしながら言った。「お前、男が好きなんだろ?」 彼は巨大なペニスを引っぱりだした。「これが好きなんだろ?」
それは巨大なペニスだった。もちろんデニスのよりもはるかに大きかった。それゆえ、デニスの目を惹きつけた。
デニスは隠そうとした。隠したかった。だが、下着を奪われていたため、みるみる勃起してくるペニスを隠すことは不可能だった。
「ほーら、やっぱり!」 ベッキーは大きな声を上げた。「こいつ、ちんぽが好きなのよ!」
*
あたしは、娘のショートパンツが、かなりピチピチなのを見て、まずはタンクトップの裾をパンツの中に押し込んだ。それに応じて、胸を覆っていたトップの生地が引っぱられて、肩から下に伸びて、胸のかなりの部分が露出した。かろうじて乳首だけが隠れている程度に。さらに、もうちょっとだけ引っぱったら、乳輪の輪郭が見えてきた。
クリスティは、もうすでに興奮しているみたい。急に、あたしと向き合ったまま、後ろにカラダを傾けて、片脚を持ち上げてシートの上に乗せた。あたしは、クリスティがそんなことをしたのを知ってビックリして、顔をあげた。でも何も言わなかった。
トップの裾をショートパンツの中に押し込むのは、簡単じゃなかった。思い切り手を伸ばして、パンツの中に手を入れないと、裾がちゃんと入って行かない。
手を捩って、指先でタンクトップの裾を挟みながら、簡単に裾が外に出ないようにと、パンツの奥へ奥へとねじ込んだ。
指先をクリスティのおへその下へと滑り込ませたら、パンティに触れた。そして、ビックリしてしまった。パンティの生地が濡れていたから。びちょびちょになってるじゃないの!
驚いて顔をあげて娘の顔を見たら、頬を赤くして、お口を半開きにしていた。息苦しそうにハアハアしてる。でも、それはあたしも同じだった。
どういうわけか、あたしの指が勝手に動いていた。娘のパンティの奥へと勝手に忍び込んでいて、おへその下のお腹のつるつるお肌を触っていて、そこから娘のあそこの上のところを軽く引っ掻いていた。
ええ、ここ、すごく濡れてる!
自分でも分かっていた。いま、あたしは母と娘の境界を越えようとしてるって。最後に残っていたわずかな意思の力を振り絞って、手を引っ込め始めた。でも、そうしたら、クリスティが素早くあたしの手を掴んだの。
驚いて顔をあげ、クリスティを見た。クリスティもあたしを見ていた。ふたりとも黙ったまま。
クリスティはゆっくりとあたしの手を奥に引き込んだ。指先が娘のお豆に触れた。その瞬間、クリスティは頭を後ろに振り倒して、ああぁぁ…と声を漏らした。
「クリスティ……」 こんなこと止めなくちゃと、あたしは囁いた。
娘はあたしの手をさらに奥へ押し込んだ。指が娘のあそこの入り口に触れた。クリスティがこんなことするなんて信じられない。あまりに親密すぎる。しかもクリスティはあたしの娘なのよ! 指先に濡れた娘のあそこを感じながら、興奮が全身を駆け巡った。
「クリスティ!」 やめさせようと、声を大きくした。
あたしの声に、娘は、まるで夢から覚めたかのように、かっと目を開いた。あたしは店の中を見回した。向こうから例のウェイターがワインを持ってこっちにやって来る。あたしは素早く手を引っ込め、娘も姿勢を正した。指が娘の粘液でベトベト。あたしは、テーブルの下に手を降ろしたままにして、隠した。
「ワインです」 とウェイターが言った。でも、眼ではあたしとクリスティをじろじろ見ている。
その時、テーブルの下、娘があたしの濡れた手に触れるのを感じた。指をあたしの指に絡めて、指についた粘液をまぶしこんでいる。指に官能的に触れたり、優しく撫でたりしてる。そのヌメリが何であるか、ちゃんと知っていながら。
「他に何かご注文は?」
「い、いえ……、これで結構」 そう言うのが精いっぱいだった。
ウェイターは、もう一度、あたしたちを見た後、テーブルから離れて行った。
あたしはちゃんと座りなおした。でも、娘の顔に目を向けることができなかった。ウェイターが去った後も、あたしたちは手を握りあったまま、娘はあたしの手を優しく撫でている。こんなことをされていると思うと、気が狂いそうだった。
でも、しばらくすると、あたしも反応し始めていて、こっちからも娘の指を撫でていた。ベトベトを擦りつけあっていた。だって、すごく官能的だったから!
クリスティを見ると、ただ、にっこり笑っているだけ。そして、何と! ちょっと辺りを見回した後、ショートパンツのボタンを外して、脱いでしまった。その後、パンティまでも脱いでしまった。そして、脱いだパンツと下着をシートの上、あたしたちの間に置いた。
「ああ、クリスティ、あなた、何を考えてるの?」
でも、クリスティは、またも微笑んだまま、何も言わない。心臓がドキドキしてきて、ドレスの胸を覆っているところが波打っているような感じがした。
下に目を向けると、娘が腰から下、丸裸になっているのが見えた。手を脚の間に当てていて、指を1本のばして、あそこを上下になぞっている。それから指先をあそこの入口に当てると、あそこの穴の中に入れていった。
娘の指があそこの中に姿を消していく。それを見ていたら、無意識的にお口の中に涎れが溢れてきた。思わず、ごくりと音を立てて唾を飲み込んだ。
あたしは思わず、ワイン・グラスをとって、一気に飲み干した。カラダにアルコールが効いてくるのを感じた。
どうしてなのか分からないけど、あたしは手で自分のドレスの裾を掴んでいた。そして、店の中を見回して、誰も見ていないのを確かめながら、ゆっくり持ち上げた。あたしのあそこも露出するまで。
クリスティはすぐにそこに目を落とし、指であそこをいじりながら、舌舐めずりした。
「ああ、クリスティ……こんなこと狂ってるわよ。とんでもないトラブルになってしまうかも……」 と小声で言った。
「心配しないで、ママ。……誰にも分からないわ」