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A dose of reality 「現実告知」 

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A dose of reality 「現実告知」

「なんか変よ?」

「どこも変じゃねえよ。なんで、いつもどこか変なところがなくちゃいけねえんだ?」

「だって、あなた、あたしとエッチしないじゃない? と言うか、あたしたち、一緒になってからずっと」

「別に俺たち一緒になってるわけやねえぜ。お前は俺のセックス玩具だ」

「な、なに? どうして、そんなこと言うの?」

「その通りだからさ。俺がお前にそういうパンティを履かせた日からずっと、そういう関係なんだよ」

「あ、あなたは……別に、あなたにしろと命ぜられて何かしてきたわけじゃないわ。自分で選んでしてきたの。だって、あなたが……」

「俺がヤリたがったから。そして、お前が手近なところにいたから。そして、お前が俺がしたいことを何でも喜んでするようだったから。お前には可能性が潜んでるのを見て、俺はお前をオンナに変えたんだよ。オンナに変える間は楽しかったな。だが、そろそろ俺たち、卒業しようぜ。別々の道を進むときになったんだ」

「で、でも……あたし……あなたのために、あんなにたくさんホルモンを摂取したのよ。あなたのために去勢もしたの。すべてを捨てたの。あなたが……あたしを愛してると言ったから」

「お前は、そんな俺を信じ込むほどマヌケだったってことだよ」

「そ、そんなこと言うなんて……信じられない」

「まるで自分は何も得るところがなかったみたいに振る舞うのはやめろよな。お前も、欲しいモノを得ただろ? 何本もチンポのお相手をすることができただろ? それに、お前を改造するためのカネは全部俺が出したのを忘れるなよな。俺がいなかったら、お前は、今も、俺たちが出会ったときのキモイ野郎のままじゃないのか? それが今は……自分の姿をよく見てみろよ」

「あたし……何て言っていいか分からない」

「なあ、こうしてはどうだ? もう一発だけヤルのは? ふたりの思い出のために」

「そんな……あたしがそれを許すと思ってるなんて……あなたがあんなこと言った後なのに……まさか体を許すと思ってるなんて……そんな……信じられない……」

「おしゃべりはやめようぜ。結局はヤルことになるんだ。俺にはそれが分かるし、お前もそう思ってる。だから、その脚を広げてさ。後は俺に任せろ。気持ちよくしてやるから。そう、そうだ。お前、本当にいい女になったな」

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Pulling up the roots 「根元から」 

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Pulling up the roots 「根元から」

「でも、キム叔母さん、みんながボクをじろじろ見てるんだよ! 家の中に戻って、少なくとも、ワンピースだけでも着させてくれない? これって、すごく恥ずかしい!」

「みんなが見るのは当然のこと。そもそも、可愛い女の子たちがビキニを着るのはどうしてだと思ってるの? まさか着心地がいいからとでも? みんなに見てもらうためじゃないの。 ほら、いいから、大人になって、レクシー」

「ボクをレクシーって呼ぶのやめて。ボクの名前はアレックスだよ」

「そんな容姿なのに? いえ、いえ、あなたはレクシー。あなたのお母さまは、ちゃんとした教育を受けさせようと、あなたをここに送り込んでくれたのよ。そんなお母さまをがっかりさせてしまったら、あたしバチが当たるわ」

「でも、それと、ボクが女の子みたいな格好をすることが、どんな関係があるの? ていうか、叔母さんがボクにいろんな本を読ませるけど、ボクは、それは構わないんだよ。テレビやゲームも禁止されてるけど、それも気にしない。でも、女の子のフリをするのって……?」

「あなたはフリをしてるんじゃないの。あなたは今は女の子になってるの。このこと、あなたに、何回言わなくちゃいけないのかねえ」

「で、でも、どうして? ボクが男でいると、何がダメなの?」

「何もかもよ。レキシー、男は諸悪の根源なの。あなたが読んでる本から、何も学んでいないの? 歴史上のいろんな出来事、いろんな戦争、殺し合いについて、読んできたでしょ? なのに、まだ理解してないの? ちゃんと確かめずに先に行ってしまう。それこそ男たちがすることよ?」

「でも、ボク自身は誰も傷つけたことなんかないよ」

「まだ、今のところはね。でも、時間の問題だわ。さあ、もう文句を聞かされるのは充分だわ。この姿が、今のあなたなの。それを受け入れるのが早ければ早いほど、あなたは幸せな気持ちになれるわよ」

「でも……」

「ちゃんと考えてから言い出すこと。いいわね、レキシー。もう一言でも文句を言ったら、あなたの体に何かもっと恒久的な変化をしなくちゃいけなくなるわよ。叔母さんはね、前から、あなたの脚の間にあるその小さなモノが気に入らないの。だから、ちょっとした些細なことでも、あたしは、あなたがソレなしでも大丈夫と判断することになると思うわよ。だから、何かひとこと言おうとする前に、それを思い出すことね」

「ぼ……ボクは……わ、分かったよ。いいよ、分かった、キム叔母さん」

「それでこそ、あたしの可愛い姪ね」


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