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アンソニー・ブラウン:甘い香りがする男(10) 

ブレンダは、急に嬉しそうな顔に変わった。さっと立ち上がり、外にはみ出ている乳房をビスチェの中に押し戻しながらドアへと向かう。僕の妻は、本当に下に行って、見知らぬ男を引っ掛け、ここに連れ込んでこようとしているのか? 信じられない思いだった。いそいそと外へ行こうとするブレンダにアンソニーが声を掛けた。

「おい、そのジャケットは置いていけ。奥さん、自分の持ち物をあの男に見せてやりたくなるだろうし、その時にはジャケットは邪魔になるだけだ」

ブレンダは、いたずらっぽくはにかんで笑い、ジャケットを脱いだ。ビスチェに押さえつけられながらも乳房がぷるるんと揺れる。妻は、ハンドバックを手に部屋を出て行ってしまった。

僕は、アンソニーの方を向いた。

「どうして僕の妻を盗むんだ?!」

アンソニーは平然とした表情で僕を見た。

「俺は何も盗んじゃいないよ。あんたの奥さんの方から、俺に抱かれたがっているんだ。俺も、今夜が、奥さんにとって、一生の思い出になる夜になるよう、きっちり楽しませてやるつもりだ。俺は、朝になったら出て行く。多分、奥さんが旦那さんのところから離れることはないだろう。もっとも、奥さんに戻ってきて欲しいかどうか決めるのは、あんたの問題だけどな。俺が奥さんの体を楽しんだ後は、奥さんのあそこは、2ドルぽっきりの売春婦と同じくらいユルユルになっているはずだから」

アンソニーは窓の外を見た。

「アレを見てみろよ。あんたの大事な奥さん、ほんとに2ドルぽっきりの娼婦のように歩いてるぜ」

窓の外に目をやり、ブレンダが、角を曲がって歩いてくる男たち全員に、手当たりしだい声を掛けているのが見えた。それも時間はかからなかった。1分もしないうちにブレンダは男を見つけたのである。いや、実際、彼女がひっかけた男は複数だった。妻が、路上だと言うのに、2人の若者たちの股間に手を伸ばし、その部分をぶるぶると揺すり、ホテルへ連れ戻ってくるのが見えた。

「ブレンダがあんな風に振舞うなんて、信じられない」

「まるで売春婦みたいにってことか?」

「ああ」

「コロンのせいだよ」

「え?」 僕はアンソニーに向き直った。

「俺のコロンさ。・・・俺が体につけているコロンのおかげで、どんな女でも、俺の匂いが嗅げる程に近づけば、娼婦に変身してしまうのさ。俺のちんぽを手に入れるためなら、どんなことでもするようになるし、スペルマをぶっ掛けてやれば、ロケットのように宙に舞い上がるようになる。まあ、見ていれば分かるぜ。ブレンダはブレーキが利かなくなるはずだ。むしろ、俺に抱かれなかったら、奥さん、病気になったみたいになるはずだぜ」

「だったら、どうして、そんなコロンをつけているんだ?」

「女が好きで、女とやるのが大好きだからだよ」

ふと、今はブレンダはアンソニーのそばにいるわけではないことに気がついた。

「もし、お前のコロンを嗅ぐことで女たちが罠に落ちてしまうというのが本当だとして、だったら、どうしてブレンダはあの男たちをひっかけているんだ? 妻は今はお前のコロンの匂いを嗅いでいないはずだ」

アンソニーはクククと笑った。

「コロンの化学成分のせいさ。コロンの香りでブレンダは俺に興味を持った。それを受けて、俺は顔を奥さんのおっぱいにたっぷり擦り付けたし、唾液をつけて舐めまわったわけ。コロンと俺の体液とあんたの奥さんが分泌した汗や体液。そいつが混じりあうと、俺と奥さんの間にはがっちり絆ができてしまうのさ。この絆は、俺と奥さんの両方が性的に完全に満足するまで、絶対に切れない。俺の場合は、3発までが限界だ。だが、あんたの奥さんは、それだけじゃ足りないだろう。俺が奥さんに、他の男を連れて来いって言ったわけは、それなんだよ。奥さんが、最後にはきっちり満足してもらわないと、俺が困るんだ。俺が終わった後、奥さんがまだやりたくてムンムンしたままだと、いつまで経っても絆が切れないことになってしまう」


[2007/06/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Drop 急落 (5) 

そして翌日になっても、シャルロットは自分の使命を忘れていなかった。僕がスーザンにセックスを持ちかける計画をちゃんと立てたか知りたがっていたし、それをすることが僕の「義務」だと繰り返した。それでも僕が、そんなことを考えるのは嫌だと断ると、シャルロットは、考え込むような表情に変わったのだった。僕は彼女が何かたくらんでいるのではと感じ出した。

その日の夜も、僕たち3人で夕食を取った。食事の後、シャルロットは僕とママの2人を自分の部屋へ来ないかと誘った。一緒にお酒を飲みましょうと。彼女の突然の提案に僕は驚いたし、やっぱり何かたくらんでいることがあるんじゃないかと不安な気持ちになった。結局は、彼女の提案に乗ったんだけれども。

シャルロットはシャンパンを注文し、僕たち3人でそれを飲んだ。しばらく経つと、彼女は会話の話題をセックスのことに向け始めた。それに、スーザンがすごくセクシーだと何度も言う。さらには、ママの前だと言うのに、僕を引き寄せて、キスを仕掛けてくる。ママは、僕たち2人だけにして、この場から去るべきと思ったようだった。でも、それを見た瞬間、シャルロットがママに言ったのだ。

「スーザン? 彼、あなたのこと思って体を熱くさせているのよ。ほんとだから!」

僕が顔を真っ赤にさせたことは確かだと思う。何かものすごく。でも、驚いてしまったのだけど、ママは面白そうとでも言いたげな顔をしたのだ。そして、シャルロットのところに近寄ってきたのである。

「あなた、私のことセクシーだと思う?」

「ええ、もちろんよ」

この流れの間も、ママは依然として楽しんでいるような顔をしていた。

「私の体、セクシーだと思う?」 

ママは、シャルロットにそう訊きながら、ゆっくりと両手を自分の体に沿って這い上がらせ、胸のところまで持ってきたのだった。シャルロットは、口が利けずに、ただ目の前のママの体を見ているだけ。

その後、ママは体を傾け、シャルロットにキスをした。彼女の唇に! ママとシャルロットのキスは長々と続いていて、ママは、キスをしながらシャルロットの服を脱がせていた。そして、ようやくキスを解いた後、ママはシャルロットの乳房をゆっくりと撫で始めたのである。シャルロットは、ただ唖然として座っているままだった。驚きによるのか、口をあんぐりと開けたまま、少しうっとりとした表情になってママが自分の胸にしていることを見ている。だんだんと彼女の息づかいが荒くなっているのが分かった。

ママは、裸にしたシャルロットの全身を両手でさわさわと触り続け、やがて、そのママの手の一方がシャルロットのお尻に滑り込んだ。僕は、頭をくらくらさせながら、ママとシャルロットの姿を見ていた。そのとき、ママが僕に言った。

「シャルロットの顔の前に来て! ズボンを脱いで!」

僕はママに言われた通りにした。するとシャルロットは、何の躊躇いもなく、すぐに僕のペニスにむしゃぶりついたのである。ママは、まだ片手をシャルロットの脚の間に入れたままだったし、シャルロットはますます息づかいを荒くし、小さく悲鳴のような声も時々漏らしていた。それでも、彼女はママによる愛撫に駆り立てられているように、僕のペニスをどんどん口の中へ飲み込もうとしているようだった。

ママは愛撫を続けながら、僕が脱ぎ捨てたズボンからベルトを引き抜いた。そのベルトを2つに折たたんで手に握っている。そして、今にもイキそうになっているシャルロットに言ったのだった。

「シャルロット! 今からお前のお尻に鞭をくれてやるわね!」

そして、その言葉は冗談でもなんでもなく、ママは立ち上がって、本当にベルトで叩き始めたのだった。シャルロットは、僕のペニスを咥えたまま、尻を叩かれるたびに声をあげ、呼吸も乱れきっていた。それを受けて僕も、今にも射精しそうになっていた。


[2007/06/05] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

バースデイ・プレゼント 5 (19) 

婦人は、私たちと同席することに決め、少し太めの体を滑らすようにして、私の右隣の椅子に座った。彼女が腰をおろす間、私は少しだけより綿密に彼女の姿を見てみた。顔は、多少、年齢を感じさせるものの美しいし、肌は若々しく、体も、少し大きいとは言え、均整が取れていた。明らかに、若かった時には、ひと目を惹く美人だっただろうと思う。婦人は身を屈め、バッグを脇の床に置きながら、私の靴に眼を向けていた。実際、少し必要以上に私の靴を見ていたと思う。それから体を起こし、今度は、少し恥ずかしそうに、私のピンクのブラウスに目を向けた。

「あなたのお家族は、ピンク色がお好きのようですわね」 婦人は、微笑みながら言った。

彼女が気弱に話題を切り出したのを見て、私は思い切り、その話題に飛びついた。

「ええ、そうなのよ。ビッキーも私も、ピンク色はとても刺激的だと分かったの」

婦人はにやりと微笑んだ。「そうね、ビッキーさんも、ピンク色がとても似合っているもの」

そこでゲイルも会話に入ってきた。「ビッキーさんって?」

私はゲイルに顔を向けた。「あら、そうだったわ。まだ、そこまで話していなかったわね。ビッキーというかビクトリアだけど、ビックと呼ぶより、そう呼んだ方が私たちのゲームには合っていると思ったの。ちょっと口を滑らせちゃって、話す順序を間違えちゃったわね・・・」 

そのとき、私は、まだ自己紹介すらしていなかったことに気がついた。

「ごめんなさい。私の名前はドナ。そして、こちらがゲイル。ビックの秘書をしているの。そして、あなたは・・・?」

「ジャンヌです」 そう言って彼女は美しい手を私に差し出し、次にゲイルに差し出した。

「ドナ?・・・ビックはビクトリアになってどのくらい経つの?」

「本当のことを言うと、まだ48時間も経っていないの」

ジャンヌは呆気に取られていた。ゲイルの顔にも驚きの表情が浮かんでいた。

「でも、彼、女性のものを着けてひと目のつくところに出ていても、ほとんど快適って言ってよいほどに振舞っていたと思うけど。私、もっとずっと前からだとばかり思っていたわ」

「まあ、でも、信じて欲しいんだけど、彼、全然、居心地がよいわけじゃなかったのよ。彼をレストランへ連れ込むだけで精一杯だったのよ」

ジャンヌは、またも驚いていた。

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心が望むものをすべて 6 (8) 

私たちの話は第6章でも続けられていた。第6章「現実が夢になったとき」。

「・・・彼女は限りなく私を愛してくれました・・・ともかく、その時には、そう思えました。彼女は、その頃の素晴らしい始まりの時期を『夢の国』と呼んでいましたが、まさにその通りでした。そしてその後は、毎日毎日、次々に新しい夢が実現されていく日々が続いたのです。私が、『人まえ』に姿を現すことができたのは、彼女が私の世界を広げてくれたから。私が『いけないエッチな娘』になれたのは、彼女が私がそういう風になるのを求めてくれたから。私は彼女の言うことに従いました。でも、そのように従順に従ったことは、手段であって目的ではありませんでした。愛する者に従うこと・・・それは乗り物であって、目的地ではないのです。言うなれば、レンタカーのようなもの。私と彼女は、何度も愛し合いました。それも、たっぷりと。そして、それまでは秘密でなかったことを、それまでは知らなかった人々や、それまでも友達であった人々と分かち合ったのです。その気になれば、『彼女と別れてしまったのはどうして? 私は、どんな間違いをしてしまったの?』と自問することができるとは思います。でも、むしろ、『私は彼女の相手としてふさわしい人間? そのような人間になるために、私はちゃんとしていたかしら?』と自問しているのです・・・」

第8章を読んだ時、涙が溢れ始めた。第8章「夢が終わりを迎えた時」

「・・・始まりがあるものすべてには、終わりがあります。過剰に燃え上がりすぎて、とうとう、それに追いつけなくなってしまったという場合があるでしょう。飽きが来てしまったという場合もあります。現実の自分たちの姿が、求めていた自分たちの姿を圧倒してしまったという場合もあるでしょう。私たちの場合、単に、愚かな過ちを犯してしまったという理由でした。その過ちとは、そもそも、私たちが愛し合い、信頼し合い、気持ちを寄せ合ったことではありません。私たちが、愛や信頼を見失い、それを取り戻す試みをやめてしまったことが過ちだったのです。多分、あれはただのイリュージョン、ちょっとしたパーラー・マジックのようなものに過ぎなかったのかもしれません。それは彼女がいつも言っていたこと。やがて、2人を覆っていた煙が晴れていき、鏡にひびが入る。パッと部屋の明かりが点けられ、現実の世界と対面させられることになるのです。2人が愛を分かち合ったベッドは過去のものとなり、家も自分が帰るべき場所ではなくなる。その家の持ち主は、すでに先に進んでしまっている。『出口はこちらよ。足元に気をつけてね』 暖かさが消えてしまった後は、外の空気も冷たい。いつか、どこかで、また暖かさを見つけるかもしれない。見つけられなくても、その思い出だけでも暖かくなれる・・・前ほどの暖かさではないにしても・・・」

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