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誰とやったか知ってるぜ 第4章 (2) 

「ごめんなさい、ちょっと銀行に寄らなきゃいけなかったから」

ブラッドの母親は廊下の角を曲がりながら、そう言って姿を消した。それを聞いて、俺は思わず咳き込んでしまった。

「おい、大丈夫か?」 心配してブラッドが俺に訊いた。

「ああ」 さらに2、3回、咳をした。だが、これで答えが分かった。ステファニは、金を用意したのだ!

3分ほどして、ステファニは着替えをして戻ってきた。下はムッチリのショートパンツで、上もすごく丈の短いタンクトップだ。へそのあたりが露出している。ただ、シャツの下、ブラジャーのストラップが見え、ちょっとがっかりした。ステファニはキッチンに行き、夕食の準備を始めた。俺たちはテレビでビデオを見ている。

何分かして、「夕食ができたわよ」と声がかかった。

ブラッドの母親は、顔をのぞかせ、俺に、一緒に食べていく?と訊いた。俺はもう少し彼女の様子を観察したかったので、夕食に呼ばれることにした。

ブラッドの父親と俺はテーブルに着き、ブラッドは飲み物を出してくれた。俺が座った位置はベスト・ポジションと言えた。真正面にブラッドの母親が座ったからだ。

チキン・ナゲットとポテトを食べながらステファニの様子を観察した。確かに時々、落ちつかなそうにはなるが、他は普段と変わらない。

・・・ひょっとすると、ステファニは、あの不倫相手と、俺が知ってる以上のことがあるのかもしれない。6000ドル近く銀行から降ろしたと言うのに、かなり平然としている。あんなちょっとした秘密なのに、それを守るためでも、それだけの金を出す価値があると言うことか? ・・・

食事が終わり、ステファニは後片付けを始めた。彼女が俺の食器に手を伸ばしたとき、手がかなり震えているのに気がついた。

「おまえ、具合が悪いのか?」 ブラッドの父親が訊いた。ステファニは、シンクに水を流したまま、しばらく黙っていた。

「いえ、大丈夫よ。今日はちょっと仕事が大変だったら。それだけ」

彼女は俺たちに背中を向けたまま食器を洗い続けた。キュートなピンク色のショートパンツに包まれたムッチリとした尻が、何とも言えずそそられる。

「テレビでも見ようぜ」 ブラッドが立ち上がり、俺も一緒にリビングへ移動した。リクライニングの椅子に座ってビデオを見る。だが、画面を見ながら、俺の頭は例の秘密クラブのことを考えていた。

10分くらいすると、ステファニもリビングに来て一緒にビデオを見始めた。ブラッドの父親はブラッドと一緒にソファに座っており、ステファニはラブシートに横寝になり、両脚を端からぶらぶらさせていた。俺の目の前に、完璧とも言える美脚がぶらぶらしてて、とてもビデオに集中などできなかった。何度も、彼女の脚の方に目をやってしまう。

そんな風にちらちら見ていたら、一度、ブラッドの母親が窓の外をぼんやり見ているのに気がついた。例のことでも考えているのかな、と思う。ともかく一つ確信できる。明日になれば、あの秘密クラブに入る金が手に入るということだ。

テレビを見ながら雑談を続けていたが、かなり時間が遅くなっていた。ステファニはおしゃべりには全然加わらず、ただ、窓の外、庭を眺めているだけだった。尻の近くまで露出した生脚の眺めは、俺の体にも効果をもたらし始め、勃起してくるのを感じる。足先を包むピンクの可愛いソックスもたまらない。この美脚でセクシーなハイヒールを履いた姿を想像する。

勃起がヤバくなってきたので、俺は立ち上がり、「もう遅いので家に帰ります」と言った。ブラッドとブラッドの父親は、俺の自転車のところまで送ってくれた。ステファニはラブシートから動かなかった。

家に向かってペダルをこぐ。頭からは秘密クラブのことが離れなかった。

裏門から家に入ったが、両親はまだ起きていた。時計を見上げ、まだ、そんなに遅くなっていないことに気づく。まあ、いずれにせよ、明日の朝早く、シーサイド・ダイナーに金を回収しに行かなければならないので、今夜は早く寝るつもりだ。

リビングのところで両親とちょっと雑談した後、二階に上がり、シャワーを浴びて寝る準備をした。寝る前にコンピュータを立ち上げ、メールをチェックする。思ったとおり、グラフ先生からメールが来ていた。


[2009/07/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

Fashion ファッション (11) 

翌日、マーサは、真っ先に僕のオフィスに入ってきて、ドアを閉めた。

「いい人が見つかったわ」

僕は、マーサが何を言ってるのか分からず、何秒か、座ったまま無反応でいた。マーサはせっかちそうに付け加えた。「私たちの3Pのための相手よ」

「仕事が速いなあ。それで、その女性に会ったことがあるのかい?」

「ええ。それに、あなたも会ったことがあるわよ」

これは興味をそそられる。 「誰なんだ?」

「ジョイスよ!」 マーサはにやりと笑った。

僕はマーサを見つめるだけだった。僕が知る限り、ジョイスは誰か女の人と暮らしていたはずだ。

「ジョイス自身が、してみたいと言ったのか?」

「そう!」

「じゃあ、彼女、男にも興味があるんだ!」

「それはないと思うわ」

僕は唖然としてマーサを見た。ということは、マーサは、ジョイスがマーサ自身に興味があると察知したというわけか。

「僕が思うに、あの手の女たちは、他の女に手を出せるチャンスがあったらいつでも飛びつくんじゃないかな」

マーサはショックを受けたような顔をしていた。その顔がみるみる怒りの表情に変わっていった。

「本気で言ってるの?」 わざと可愛らしい声で皮肉っぽく言う。

「でも・・・」 僕は言葉を捜した。マーサは、フェイスに浮気をしている僕自身が、まさに同じことをしているのじゃないかと言おうとしていたに違いない。

「・・・何と言うか、多分、レスビアンの人たちも、僕たちのようなストレートな人間同様、時々、自分から進んでややこしい人間関係に関わってしまうこともあるんじゃないかと・・・」

「いいこと? 私、そんなこと言っていないからね!」 マーサは、そう言って出て行った。まだ、怒ったままだった。

昼休みになり、マーサは戻ってきたが、僕と一緒に歩きながらも、不機嫌なままだった(実際、その日は、二人でランチを食べに一緒に外に出たのである)。それでも、ランチを食べながらお喋りしているうちに、彼女の態度は軟化し始めた。

彼女は、もう、さっきのような言葉は二度と僕から聞きたくないとはっきり断った後、嬉しそうに、例の3Pをいつ行うかという話題に移った。僕は、フェイスに残業ができたと言うか、あるいは、フェイスがこの次に妹と何か用事ができる時まで待つかの二つの選択肢を考えた。話し合った後、僕たちは多分、前者の選択肢の方が良いだろうと決めた。ジョイスも交えるわけだから、彼女にとって都合の良い夜を選ばなければならないかもしれないからだ。オフィスに戻った後、マーサは早速ジョイスに電話を入れ、暫定的な日時を設定した。

実際、僕は、フェイスに、そのデートの前の晩に、仕事で遅くなるので、夕食は外で食べることになりそうだと言うつもりでいた。その3Pデートは、マーサのアパートでの、割と早い時間からのデートになる予定だったから、8時半か9時には家に帰れるはずだった。

そのデートのことを考えながら、僕は一日中、仕事に集中できなかった。ジョイスは、上品な美貌の女性だ。それにマーサよりも魅力のある体つきをしている。まあ、確かに、髪の毛はかなりショートにしているのは事実だが。

そもそも、ジョイスは僕の方にはいくらかでも興味があるのだろうか? 多少なりとも、男に興味がある女性との方が、ずっと楽しいだろうというのは確かだ。それに、もし、マーサが正直なところ女性にまったく興味がないとしたら、いったい、どういう風に進むことなるのだろう? だが、そういう懸念があったものの、僕はこのデートにかなり期待していたのも事実だった。

デートの前夜、僕はフェイスに、翌日の夜は残業で遅くなると伝えた。普段よりもかなりナーバスになっていたと思う。多分、家に帰らないために嘘をついたのは、この時が初めてだったからだと思う。普段は、マーサと僕は、フェイスが夜に出かけるチャンスを待っていたから。


[2009/07/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)

デス・バイ・ファッキング 第4章 (9) 

僕たちは、少なくとも一時間は抱きあったまま横になっていた。うとうととしながら体の回復を待つ。ディアドラは目をつむったまま僕の肩に顔を埋めていた。

ようやく彼女は体を回転させて僕から離れると、枕に顔を埋め、泣き始めた。最初は静かにすすり泣いていたが、次第に泣き声に力が入ってきて、突然、苦しげに悲痛な泣き声をあげ始めた。全身を震わせながら、何度も大きくすすり上げる。

僕はディアドラの肩に手を掛けたが、彼女は拒絶するように体を震わし、僕の手を振り払った。

「ディ・ディ? どうしたの? 大丈夫?」

ディアドラは、すすり上げつつ、喉を絞るような声で答えを返してくれた。

「本当に、ごめんなさい・・・私ってひどい人間だわ! 自分でも分かってるの! こんな私を我慢できるわけがないわよね? 私を嫌ってるに違いないわ。でも、お願い、嫌いにならないで、アンドリュー。本当に悪いと思ってるの! あんなこと言うつもりはなかったのに!」

「言ったって、何を?」 僕は意地悪をして聞き返した。

「何のことか、すっかり知ってるくせに! どうして、私の言ってることが分からない振りなんかするの?」

「ごめんなさい。でも、全然、問題ないことだから。僕は君を愛している。そして、僕は、無理やり君にそれを言わせたんだ。その言葉に責任なんか持たなくてもいいんだよ。その気持ちがないなら、僕を愛する必要なんかないんだから」

だが、ディアドラは、ますます啜り泣きの度合いを増していった。ほとんど言葉を出せないようだったが、搾り出すようにして返事をする。

「でも、私はあなたを愛しているのよ! ほんとに。どうしてこんな気持ちになるか、抑えきれないの。ごめんなさい。あんなこと言うべきじゃなかったわ。私、とんでもない人間なのね」

「ああ、そうだね、ディ・ディ。君は、僕が知ってる中で、一番とんでもない人だよ」

ディアドラは、ハッと息を呑み、今度は声を出して泣き始めた。苦悩に満ちた顔をしている。

「そんな私でも、まだ愛せるの?」

「・・・この世が終わるまで」

まさに言うべき言葉を言ったのかも知れない。ディアドラは、とたんに僕にしがみつき、両腕で僕の首を抱きしめ、顔を肩に埋めた。まだ、声を上げて泣いている。

男は犬だ。これは理論ではなく、その道の人々の間で認められているドグマだ。この哀れな女の子は、目を涙で泣き腫らし、僕に心を注いでくれている。明らかに、彼女は何か分からないが、現実に、あるいは、想像で僕を傷つけたと感じ、心を痛めている。

確かに、僕は、彼女の感傷的な姿を見て心の琴線に触れ、共感を感じた。確かに、彼女を胸に抱き寄せ、頭を優しく撫で、慰めてあげたいと感じた。だが、それ以上に、僕は彼女にセックスしたいと感じていた。この貪欲さ、まるで自分がブタになったような気分だった。でも、他に何ができるというのだ? 前に話した、僕の「男はペニスで思考する」の定理を思い出して欲しい。

この世の中、魅力にあふれた全裸の女性が泣きながら、ありふれたやり方で慰めを請い求める姿ほどセクシーなものは存在しないのではないかと思う。しかも、そのような慰めができる男は、この場に僕しかいないのだ。


[2009/07/20] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)