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バースデイ・プレゼント 最終章 (9) 

彼女の側から

パソコンのディスプレーに出ているビデオカメラによる画像を小さくし、画面の隅に来るようにした後、私は、体を起こし、椅子の背もたれに背中を預けた。オフィスでのビクトリアが生き返った流れに、私はとても満足していた。ビックがいまや女性の衣服がもたらす感覚に虜になっていることが分かる。

誕生日にビックを驚かそうと決めた瞬間から、すべてがこんな展開を見せるとは。私はいまだに驚いている。ただの冗談を超えた、私たちがこれまでしてきたどんなことともまったく異なる楽しいものになるとは、夢にも思っていなかった。

でも夢ではない。ここにはビクトリアが映っている。女性になって仕事をし、クライアントたちと接しているビクトリアが。ばれないかと恐れながらも、美しい女性として十分すぎるほど通用しているビクトリア。そんな美しい女性に彼は変身している。そして、もう一つの驚きは、私自身がこれほど大胆な人間に変身していることだった。

数日前まで、私は、他の女性と愛し合うなど、たとえ、その欲望があったにしても、それを行う勇気など決してなかった。それに今になってから思うに、そのような欲望は、ビクトリアと一緒に見たビデオに触発されたものだったと思う。加えて、ビックの体毛を剃り、ネグリジェを着せ、メイクをしてあげ、その上で女性同士で愛し合うように彼と愛し合ったことも、女性と愛し合う欲望が出てきた要因になっているかもしれない。

これは一時的な現象だというのは確信しているけれど、私は、これほどエッチな気持ちになって、性的なプレーにのめりこんだことはなかった。エロチシズムに関わるすべての領域が一気に私の前に広がり、私を包み込んでいる。そして私はそれを喜んでいる。

他にどんなことが試せるだろう? そう考えていた私は、あるアイデアを思いついたのだった。

ハンドバックを手にし、家の外に出て車に向かった。屋外の冷たい風がスカートをたなびかせた。風が、ストッキングの上、素肌の太ももを愛撫し、下着の薄地の生地越しに私のラビアに吹き付けるのを受け、私はぞくぞくと体を振るわせた。

車に乗り込み、その数分後、私は「シンディのランジェリーと装身具」の前に来ていた。ウインドー越しにジェニーを見つけ、手を振った。ジェニーは嬉しそうに微笑み、ドアへ来て私を出迎えた。

ドアを過ぎると、ジェニーは私の両手を取って、私を抱き寄せた。そして、いきなりディープで、官能的なキスをしてくる。嬉しかったけれど、驚きつつ、私は素早く周囲を見回した。幸い、店内には客はいなかったし、他のスタッフの姿も見当たらなかった。

「ドナ、私、あなたとビクトリアのことばっかり考えていたのよ。いつになるか分からないけど、次のプレーのことを想像し続けているの。それにゲイルもあんなに綺麗でセクシーだし」

「今日、ここに来たのはそのことについてなの。ビックを女性化する実験での次の段階は何かなと考えているのね。夢にも思っていなかったんだけど、彼、女装することに楽しみを持ってきたし、ボンデージやスパンキングにも前向きな反応をしてきたわ。このような事態を新しくて楽しい方向で進め続けたいと思っているの。彼も私も楽しめる形で。それにもちろん、今や、あなたもゲイルもその重要な一部となっているわ」

私は、今朝の出来事や、ビデオカムのことについてジェニーに教えた。私とゲイルがビクトリアに仕掛けたサプライズの話しを聞いて、ジェニーは声に出して笑った。

ジェニーは、ちょっと考えた後、こう言った。

「ねえ、ビクトリアって、ディルドを入れられるのを楽しんでいるように思うんだけど、どうかしら? 私たちがアレを使ってあげるといつも喜んでいると思うの。きっと、犯されるのが好きなのよ。だから、あなたも、彼の女性化の遊びの一部として、彼のアヌスのことを上手く利用できるはずだと思うわ。ちょっと、いいもの見せてあげるわね」

ジェニーは、数々のディルドが置いてある一角に私を連れて行き、あるパッケージを手に取った。そのパッケージには、ペニスの形をしたプラスチック製のものが3本入っていた。どれも根元の部分は平らになっていたが、サイズは3本とも異なっていた。


[2009/08/03] 本家掲載済み作品 | トラックバック(-) | CM(0)