俺はリモコンを手に、最微弱の振動にダイアルを合わせた。
途端に電話の向こうから低いうめき声が聞こえた。あの銀色の卵型バイブが先生のおまんこの中で振動を始めたのだ。
「気持ち良いか?」 俺は囁いた。
強度を少しだけ上げた。また低いうめき声が聞こえる。さらにもうちょっと強度を上げた。
「ああぁぁ・・・」 先生の女っぽい囁き声が聞こえてくる。
シーツの中で、先生が寝返りを打つ音が聞こえた。
「乳首をつまんでみろ」
「ううっ」 小さな切羽詰った声。
俺はいきなりダイアルを回し、中程度まで振動強度を上げた。
「あっ! やめて!」 喘いでいる。
荒い息をマイクに吹きかけているのか、ガサガサと音が割れる。その向こう、旦那のいびき声も聞こえていた。
「俺がいってもいいと言うまで、絶対にイッてはだめだぞ。これはご主人様からの命令だ」
「ああ、いかせて。いきたいの・・」 旦那の隣に寝ているにもかかわらず、こんなことを声に出して言う。
「だめだ」 そう優しく囁いて、バイブのダイアルをゼロに戻した。
「ああ、いや、いかせて・・・お願い・・・」
また、いきなりダイアルを中程度に上げた。
「ああぁぁっ!!」
ほとんど悲鳴になっている。荒い呼吸は、いまや、ハア、ハア、ハアと短い喘ぎ声の連続に変わっていた。オーガズムに近づいているのが分かる。それでも感情を押し殺そうとしている。
俺はさらに強度を上げた。
「いやあぁぁぁ!!! ああ、もっとぉぉ・・・・」 堪えられなくなって、叫び声になっ。
先生の息遣いは、今や、完全に乱れきっていた。シーツがガサゴソと動く音が聞こえた。ベッドの中、身体を悶えくねらせているに違いない。俺はいきなりバイブのスイッチを切った。
「いや、いや、いや・・・」
先生が弱々しくよがり泣く声が聞こえた。それを聞いているうちに俺もちんぽが完全に勃起していた。携帯にヘッドセットを接続し、両手が空く状態になった。改めて、ちんぽをしごきながら、バイブのリモコンをオンにした。
「あっ、ああぁぁぁん・・・うぅぅぅ・・・いぃぃぃぃ・・・」
途端に、再び喘ぎ始める。いびきをかいて寝ている旦那の隣で、熟れた女体をくねらせているのだろう。
俺はもうちょっと強度を上げた。
「うぅっ・・・ううう・・・」
腹の底から出すような喘ぎ声に変わった。
プレカムが滲み出てきて、手にぬるぬるとつくのを感じた。俺は手を伸ばし、テレビのスイッチを入れ、グラフ先生とやった時のビデオを流した。
「まだ、いくなよ」 と、さらにスピードを上げた。
「ああ、いい! あっ、ああっ! ああっ!・・・・・いっ、いっ、いく、いく、いくっ!!」
アクメに達するぎりぎりに来たと感じた瞬間、バイブのスイッチを切った。
そして少し時間を空け、先生が落ち着くのを待った。それからまた振動強度を上げる。今度は最大の3分の2ほどまで上げた。先生は途端に声を上げて悶え始めた。
先生がかなり絶頂に近づいているようだ。俺はちんぽをしごきながら、ダイアルを高速と低速に行ったりきたりさせ始めた。速度を上げるときも、下げるときも、決まってグラフ先生は喜びの声を上げていた。隣に旦那が寝ているにもかかわらず。
「ご主人様は、お前を気持ちよくさせているか?」
「ああ、気持ち良いい・・・」
「ご主人様に、いかせてもらいたいか?」
「ああ! いかせて」
「ご主人様に忠実に奉仕するか?」 優しい声で訊いた。
「ああ、・・・ええ、奉仕します」 またガサゴソとシーツが擦れる音がした。
「じゃあ、ちゃんと、いかせてくださいとお願いするんだ!」
「ああ、ご主人様・・・お願い、いかせて、私を・・・」 ベッドの中、のた打ち回りながら、荒い息遣いで言う。
そこまで来て、俺はまたスイッチを切った。
「ああ、いやぁぁぁぁぁ・・・・ご主人様・・・お願い、いかせて・・・ご主人様、お願いっ!」
めそめそと泣くような声になっていた。
まだ、旦那のいびき声が聞こえる。自分の妻がこんなになっているにもかかわらず。
「お願いです、ご主人様。私をいかせてください」
俺はリモコンのスイッチを入れ、低スピードに設定した。途端に、よがり始めた。
「俺が求めるやり方でしか、お前はいってはならない。分かったか?」 俺は優しく語りかけた。
「はい、ご主人様」 従順に答えるが、息遣いの荒さは相変わらずだ。
「左手を胸に当てて、乳首をつねるんだ」
「・・・あっ、あああぁぁぁ・・・」
どうやら言われたとおり、敏感な突起をつねったらしい。
「そのまま、つねり続ける」
息使いが激しくなってくるのを受けて、ダイアルを少し上げた。
「今度は、右手の中指を顔に近づけ、しゃぶり始めろ」
「むむむ・・・」 うめき声を上げながら、しゃぶるのが聞こえた。
俺は、さらにもう少し強度を上げた。
「指を十分に濡らしたら、指で尻の穴を揉みほぐし、中に入れるんだ」 俺はちんぽを握る右手の動きを速めた。
少しだけ、無音状態が続いた。だが、その後、突然、叫び声が聞こえた。
「ああ、ひどい、ご主人さまぁぁぁぁ・・・!」
リモコンで強度をさらに上げた。
「指をアヌスに入れたり出したりしろ」
それまで、喘ぎ声が中心だったのだが、突然、声に淫らな艶が混じった低いうめき声に変わった。こんな声を出して、よく旦那が起きないものだと感心した。
「ああ、ご主人様・・・もう、いってもよろしいですか?」
「ああ、いいだろう。いってもいいぞ」 優しく囁きかけた。
しばらくたち、突然声が聞こえた。
「あっ、ああぁぁっぁぁぁぁぁ・・・ご主人さまぁぁぁぁぁぁ・・・」
その声からオーガズムに達したのが分かった。俺の方も睾丸が緊張してくるのを感じた。
「お前のアヌスをずぼずぼえぐるんだ!」
俺は声を大きくして命令し、リモコンのメモリを最大に上げた。
「ああっ、ああっ、ああっ、ああぁぁぁぁっ・・・・!!」
眠っている旦那の隣で、ぶるぶる震えながら、のた打ち回っているのが目に浮かぶ。
「あ、ああっ・・ま、また、いってもいいでしょうか、ご主人様」 必死な声で訊いてくる。
「2本目の指もアヌスに入れろ。そうしたら、いってもいいだろう」 俺も限界に近づいているのを感じていた。
「ああ、ご主人さまぁぁぁ・・・すごい・・・!!!」 また、叫び声が聞こえた。ぜいぜいと声を出して喘いでいる。
ちょうどその時、テレビの画面に目をやった。グラフ先生が、アクメに達して、背中を大きく反らしているところだった。あの絶頂の姿に、俺も射精に追い込まれたのだった。
その瞬間、全身の神経が発火し、自然とつま先がピーンと尖った。電話で先生がいくところを聞きながら、目では先生のいくところを見、俺は狂ったようにちんぽをしごき続けた。
「うぐっっっ・・・!!!!」
俺は唸り声をあげた。スペルマが噴出し、空中を舞い、俺の顔、胸、そして腹に降りかかった。
しばらく呆然としていたかもしれない。ふと、電話の向こうも静かになっていることに気がついた。
「・・・おやすみなさい、ご主人様・・・」
電話の向こうで先生が、妙に優しく囁くのが聞こえた。そして電話が切れる音がした。
俺はすっかり消耗してぐったりと仰向けになっていた。精液が腹や胸から滴り、両脇腹を伝って流れていた。あごからもポタポタと落ちていた。ちんぽもすっかり柔らかくなって、今はだらしなく太ももに横になっている。
ぼんやりとクラブ・カフスのことを考えていた。グラフ先生をあのクラブに誘い入れる方法を計画しなければ。
しばらく休んだ後、身体を起こして、汚れを拭った。もう一度、横になったが、そのあと、いつの間にか眠ってしまったらしい。
***
突然、何かが鳴り、ハッと意識が戻った。身体を起こして音がどこから出てくるのか見回した。時計を見ると、午前4時だった。
音は携帯電話からだった。誰からの電話か、分からないので注意深く取った。親が起きだすとまずいので、ともかく、電話に出なければならない。
電話に出たが、こちらからはしゃべらなかった。だが、何より注意を惹かれたのは、電話の向こうから聞こえてくる物音だった。
苦しそうな息遣いといびき声が聞こえてくる。しばらく無言だったが、突然、弱い囁き声が聞こえてきた。
「ああ、ご主人さまぁ・・・」
優しい女の声・・・グラフ先生だった。ちんぽがいきなり息を吹き返すのを感じた。
電話の向こう、グラフ先生は甘く苦しそうな息を受話器に吹きかけながら、囁いた。
「ああ、ご主人さま、お願いです、また私をいかせてください・・・・またいきたくなってしまったの・・・」
俺はあわてながらも、卵型バイブのリモコンを手にした。
ようやく僕は動いた。
マーサの後ろに這って行き、ゼリーで指に潤滑を与えた。それから、指を1本、彼女のお尻の割れ目にあてがい、ゆっくりと入れ始めた。
その間、誰も、音一つ立てなかった。
マーサはただ横になっているだけ。前に組んだ両腕に頭を乗せ、顔を横に向けている。目は閉じたままだった。
指を1本入れた後、少しだけ動かし、2本目に取り掛かった。
ジョイスは、その場に彫像のように立って見ていた。服を着て、いつでも出て行けるようになっているが、立ち去ろうとはしていなかった。
僕は2本目の指も差し込んだ。そこの入り口を広げていく。マーサが少しだけ僕の指に対して押し返す動きを示した。多分、大丈夫なのだろう。
僕は、指を抜き、彼女に覆いかぶさるような体勢になった。ペニスを握り、狙いを定める。
依然として、みんな黙ったままだった。
身体を押し付けた。できるだけ優しく入れていこうとした。身体を押し付け、奥へ奥へと進んでいく。
ちらりとジョイスの方を見た。・・・まだ服を着たまま。だが、右手を左の胸に当てて動かしていた。
僕はマーサに体重を掛けた。・・・とうとう、根元まで入った。
それからゆっくりと少しずつ動き始めた。マーサが、小さく、「ああ!」と言うのが聞こえた。だが、その一言だけで、後は、また何も言わなくなった。
僕は動き続けた。徐々にテンポを上げていく。マーサは、まったく声を上げなかった。だが、僕の動きに合わせてお尻を突き上げていたのは事実だった。
僕たちの身体の動きに合わせて、肌がぶつかり合う音が響いていた。その他には、ベッドがきしむ音しか聞こえなかった。
そして、僕は達した。マーサの中に射精し、力尽き、彼女の上に覆いかぶさった。マーサは僕の下でうつぶせになっていた。依然として、黙ったままだった。ドアが開く音が聞こえ、ジョイスが出て行ったのを知った。
僕は身体を反転させてマーサから降り、隣に仰向けになった。そして片腕を彼女に回し、引き寄せた。横寝になりマーサを後ろから抱いた。2本の重なり合ったスプーンのような形だった。
「想像してたのとは違ったんじゃない? きっとそうね」 マーサはそう言って、くすくす笑った。
「ああ、多分。・・・彼女、また一緒にする気分になると思う?」
それを聞いてマーサは笑い出した。「それを心配するのは私の仕事よ」
「もう変なことには誘わないって約束するのかな?」
マーサは、また、くすくす笑った。
その日の後、しばらくの間、僕はジョイスの姿を見なかった。だが、マーサによると、彼女はジョイスと話す機会を持ち、二人の仲は大丈夫だとのことだった。
ともかく、あの夜のアナル・セックスは、マーサと僕との間で行ったうちでも、最も興奮した行為だったのは確かだった。もっとも、マーサはまだまだ考えていることがあるらしく、僕に、もっとその手の雑誌を買ってくれと求めるのだった。
ある金曜の夜のことだった。その日もマーサのところに寄り、それから家に帰った。すると、その夜はフェイスがすでに帰っていたのである。リビングで独り座っていた。
フェイスは妹と一緒に外出していたはずで、少なくとも、もう1時間は帰ってこない予定だった。
その夜、フェイスは、僕が遅くなったことや、彼女が早く帰った理由について何もしゃべらなかった。
だが、翌朝になってフェイスは僕に訊いてきた。
「それで? 昨日の夜はどこに行っていたの?」
実に何気ない口調で訊いてきたので、僕は、フェイスが何も疑っていないと思った。
「ああ、ちょっとモールに行って、ぶらぶらしてきたんだ」
「何か買ったの?」
「いや」
フェイスは僕の方を見て、何か考えているような表情になった。
「え? 何?」
そう訊くと、フェイスはにっこり微笑んだ。
「陰で何か進行中?」
「うわっ、何だよ、その質問?」
「うふふっ。ただの冗談よ! でも、どうしてそんなに後ろめたそうな顔をするの?」
僕はちょっとフェイスの顔を見つめた。そして、適切な返事を求めて、頭の中を高速で回転させた。フェイスは僕の顔をじっと見ていた。
突然、フェイスは立ち上がった。
「嘘つき!」
そう言って、部屋から駆け出していった。
僕はフェイスを追って寝室に入った。
「フェイス! 何を考えているんだ!」
彼女はベッドにうつぶせになっていた。僕の呼びかけに、頭を上げ、振り返った。
「誰なの?」
「フェイス! どこで、そんなことを?」
「私もバカじゃないのよ。いや、バカかもしれない。相手が誰なのか言ってよ!」
彼女の顔には決意を固めたような表情が浮かんでいた。
「フェイス・・・」
僕は弱々しい声を出した。フェイスは僕を見つめたままだった。射抜くような視線を向けている。
「言って!!」
僕は深呼吸をした。「・・・マーサだよ」
彼女は暗い声で笑い出した。
「ふざけないで!」
僕はフェイスが次にどうするのだろうと思いながら、ただ彼女の顔を見つめるだけだった。フェイスはじっと僕の目を見据えていた。
「そういうこと!!」
突然、彼女は叫んだ。そして、激怒を爆発させ、僕がマーサを利用したとか、もう彼女には会うなとかとまくし立てた。そして、最後には、僕に、家から出て、二度と帰って来ないでと叫んだ。
僕は、後先も考えず、家を出た。車に乗り、マーサのところに走った。マーサは、心配そうな顔で、玄関口に立つ僕を迎えた。
「フェイスにばれてしまった」 そう言ってから中に入った。
「まあ・・・」と言って立ち尽くすマーサの前を通り過ぎてリビングに入り、カウチに座った。すぐにマーサも僕のところに追いついた。
「何てこと・・・何てことに・・・」 彼女は弱い声で繰り返すだけだった。
「追い出されたんだ」彼女を見上げながら言った。
マーサは依然として恐怖に引きつった顔をしていた。
ディアドラのアンビバレントな様子について不思議に思いはしたが、それについて考えたのは服を脱ぎ去るまでの短い時間だけだった。裸になるとすぐにベッドに飛び込み、彼女と一緒になった。
ディアドラは体をよけたがっているように見えたが、動くことはできなかった。どうして彼女は拒否するような雰囲気を放っているのか。だが、僕は、それを考えている余裕はなかった。ディアドラが欲しい。初めての時も、その衝動は激しいものだったが、今は、それに比べても遥かに激しく、強力だった。
ペニスを彼女の割れ目に擦りつけ、潤滑を得た後、一気に貫いた。
ディアドラは、大きな悲鳴を上げた。
そして突然、両手で僕の尻を掴み、自分の股間へと引き寄せた。両手の爪がお尻の肉に食い込んだ。
彼女は、どこか前と違っているように感じられた。僕は興奮で狂ったようになっていた。いったいどうやって、この女性はこんな効果を僕に与えられるのだろう? まるで、以前に行った激しいセックスは、その「興奮が薄れた」ものになってしまい、もう一度、彼女の身体を奪わなければいけなくなったと、そんな気持ちになっていた。
二人とも、2匹の動物のように交わっていた。ペニスに、抗しがたい力が伴ったように感じた。ハンマーで叩きつけるように彼女に打ち込み続けた。だが、彼女の方も僕と同じくらい強く腰を打ち返していた。
ディアドラは悲鳴を上げ続け、再びオーガズムに達していた。だが、それでも僕はやめなかった。動きを緩めたりはしなかった。
どんなことがあっても、彼女の中に僕の種子液を注ぎ込まなければならない。いっぱいに満たさなければいけない。彼女を奪い、僕のものとしなければならない。気がつくと、けだもののように吼えていた。僕の欲望を、僕の愛を、彼女を我が物としたい気持ちを吼え続けていた。
僕も頂点に近づいているのを感じた。強く唇を彼女の唇に押し付けた。ディアドラからの気持ちがこもった反応を求め、そして受け取る。同時に、ペニスが拡大し、睾丸に精液が充満するのを感じた。
次の瞬間、僕は精を放っていた。そしてディアドラも再びオーガズムの叫び声をあげた。僕は思った。二人の情熱的なオーガズムはこのまま永遠に続くと。
だが、それは、そう思った瞬間、終わりを迎えた。
高まった興奮を解放すると同時に二人はがっくりと身体を崩した。僕はディアドラをきつく抱きしめた。
彼女が頭を前後に動かしているのを感じた。そして、囁くのを聞いた。
「デス・バイ・ファッキングって言ってた」
突然、ディアドラは泣き出した。昨日と同じように。僕に背を向け、枕に顔を押し付けて泣いている。号泣と言ってよいような泣き方だった。何か呟きながら泣きじゃくっている。最初は聞き取れなかったが、声がだんだん大きくなり、ようやく何を言っているのか聞き取れるようになった。
「ごめんなさい。こんなつもりじゃ。こんなことになるとは思っていなかった。私はひどい人間だわ。こんな、こんな・・・」
泣くことと話すことを同時にするので、彼女の呼吸は次第に苦しそうになっていった。
僕は、改めて両腕で彼女を包むように抱きしめた。
「大丈夫だよ。僕は君を愛しているんだ」
ディアドラは、いっそう大きな声で泣き出した。「私のことを知らないのに、どうして私を愛せるわけ?」
彼女のまぶたにキスをして、涙を吸い取った。「最初から、君のことは知っているよ。その時から今まで、そしてこれからもずっと愛している」
ディアドラは目を開け、愛しいものを見るように僕の瞳を覗き込んだ。
「あなたが素敵な人だって言っていたわ」 依然として、すすり泣いている。
誰の言ったことだろう? 秘書のキャロル? キャロルは僕のことを傲慢で鼻持ちならぬ人間と思っているとばかり思っていたが。実際、僕は傲慢で鼻持ちならない人間だし。
この世の男は、貪欲さの点で、すべて豚だ。特に僕は豚だ。このとき僕は、泣き濡れる女というものは、確実に男を興奮させるものだということを学んだ。ペニスが早速、回復しつつあった。何の刺激も与えられていないのに、ただ、そばに、美しくセクシーで全裸の泣き濡れる女がいるだけで、僕の分身は息を吹き返していた。
ディアドラを慰めながらも、もう一度、どうしても彼女の中に入りたいという気持ちになっていた。どうしても抵抗できない欲求だった。僕は、分身を握り、彼女の下の唇を探り当て、再び滑り込んだ。
ディアドラは、かっと目を開いた。
「何てことを! ダメ、もうダメよ! ああ・・・止めるべきなの・・・多分、こんなことしちゃいけないの・・・ああぁぁ!」
ディアドラは目を閉じ、再び彼女は両手で僕のお尻を掴み、自分へ引き付けた。
突然、僕たちの後ろから声が聞こえた。
「二人とも、少なくとも、私が紹介するまで待てたはずじゃないの!」
後ろを振り向いた。バスルームのドア先にはディアドラが立っていた。濡れた髪に巻きつけたタオル以外、何も身に着けていない身体で。
僕は、知覚上の過負担の状況に陥った。
「もう、ひどい! 二人ともヤッテたのね! 分かるんだから!!」