ヘレンの唇が私のクリトリスを包むのを感じたとき、すぐにいってしまいそうになったけれど、幸い、何とか堪えることができた。
ヘレンは口に含むと早速、上下に動かし始めた。温かく濡れた唇が私のあそこを這い回っている。
後ろから逞しい男根に貫かれ、同時に、クリトリスを舐め吸いされる。この夢のような快感に、私は、あっという間に天国の扉へと送り込まれていた。
後ろと前の両方を同時に攻められるとてつもない快感をどう伝えてよいか分からない。でも、私がサカリのついた淫乱女のように、喘ぎ、悲鳴をあげ、よがり泣きをしていたのは確か。
たった2分ほどしか持たなかったと思う。自分でも驚くほど甲高い声で、「もう、いくぅぅぅ・・・!」と叫んでいた。
ヘレンに射精が近いことを十分に警告できたと思うけれど、彼女は攻めをやめなかった。そして、次の瞬間、私は彼女の口に熱いクリームを次々に注ぎ込んでいた。
うんっ! うんっ! と唸り声が出て、その度に熱い白濁をヘレンの口に撃ち出していた。その時、後ろのビルも苦しそうな声で叫ぶのが聞こえた。
「ああ、もうダメだ。君たち二人、すごいよ。もう、出してしまう。いくよ、中に出すよ、ああっ・・・!」
普段なら私の方から、中に出してって言ったと思う。実際、私の中に出してってお願いするつもりでいた。でも、興奮のあまり、言葉が出なかったし、自分がどうなっているかも分からない状態だった。
彼が叫ぶとすぐに、熱いものが私のお尻の奥に広がった。
「あああぁぁぁぁぁ・・・」
射精を受けて思わず唇から、うめき声が漏れた。純粋な快感だけがもたらす甘いうめき声。
四つんばいになってオーガズムに達していたけれど、腰から下から力が抜けていくのを感じた。それを察して、ヘレンは素早く私の下から滑り出た。私はそのすぐ後に力をなくしてベッドに倒れ込んだ。顔を下にうつぶせに倒れ込む。ヘレンはかろうじて抜け出るのが間に合ったようだ。
ビルは、締め付けたままの私の温かいアヌスから抜け出るのがイヤだったのか、私が倒れ込むとすぐに、ビルも同じように私の上に倒れ込んだ。
「ステフィ、綺麗だよ、すごく綺麗だ・・・」
ビルは、うわごとのようにそう言いながら、私の背中や首筋にキスを繰り返していた。
3人とも、10分ほど、そうやって抱き合った後、身体を起こして、シャワーを浴びることにした。
ヘレンとビルはシャワーに直行し、私はアヌスの洗浄をしてからシャワーに行くことにした。
シャワーに遅れて入ると、ビルはヘレンの前にひざまずいて、彼女の股間をむさぼっていた。私もビルのお手伝いをして、ヘレンの乳房をお口で愛撫した。何分も掛からないうちに、ヘレンもまたオーガズムに達していた。耳をつんざくような大きな声がシャワールームに響いていた。
シャワーを浴びてさっぱりした後、私とヘレンはネグリジェに着替え、3人でベッドに入った。ビルが真ん中。ヘレンと私は、二人とも頭をビルの肩に預け、彼のお腹の上で手を握り合って横になった。そしていつの間にか3人とも眠りに落ちた。
翌朝、陽の光が寝室に差し込んでいたけれど、私が目を覚ましたのは、そのためではない。私が目を覚ましたのは、何か温かくて、湿ったものが足の間を這っていたから。誰かが、私のあそこを舐めている。
とても気持ちよかった。こんな素敵なことをしてくれているのが誰であれ、その人のことを邪魔したくなかったので、私は目が覚めても身体を動かさないでいた。でも、ちょっとだけ頭を上げて、股間に目を向けてみた。
驚いたことに、その人はビルだった。
私はまだ眠っているふりをした。ビルは私の睾丸やクリトリスを舐め続けている。いつの間にかパンティは太ももの中ごろまで下ろされていた。
多分、朝立ちをしていたのだと思うけど、すでに私のクリトリスは勃起していた。でもビルは、それを口には入れず、舌を股間全体に這わせるだけだった。
これを彼は5分以上続け、私はもう充分にしてもらったと感じていた。こんな素晴らしい特別のおもてなしをしてもらい、何かお礼をしたくなっていた。できれば、もう一度、私の中に入ってきて、私の身体を楽しんで欲しい。そう感じていた。
私が起きていることを教えようと思ったちょうどその時、ビルの唇が私のクリトリスの先端にぬるりと這ってきて、ぱっくりと咥えた。
「ああん!」
思わず声を出してしまい、それによって、ビルは私が目を覚ましたことに気づいた。
彼は行為をやめ、顔を上げて私を見た。
「ごめん、起こしちゃったね」
私は片手を差し出し、彼の頭に触れた。
「こんなふうに起こされるの、全然、かまわないのよ。できれば、続けてくれたらって思ってるの。あ、でも、したくないなら、しなくていいけど・・・」
ビルは言葉で返事をする代わりに、私のクリトリスの頭を再び口に含んだ。
私は脚を広げ、彼のために、もっとスペースを作ってあげた。彼は両手を私の脚の下辺にあてがって体勢を整えた。
ビルは私を咥えたまま、いきなり最初から頭をとても速く上下させ始めた。これを見て、彼がこれまで他の男性やTガールを相手にしたことがないことが分かった。さらに、いきなりディープスロートまでして、むせ返ってすらいる。確かに経験不足だけれども、その分、熱意で補っていた。
どんなフェラチオであれ、この世の中に、気持ち良くないフェラチオは存在しないとよく言われる。そして、確かに、ビルのフェラも決して悪いものではなかった。2分ほど受けているうちに、腰のところがジンジンとしてきて、私も彼のテンポに合わせて腰を動かすようになっていた。彼の顔に向けて股間を突き上げるのは、本当は、望んでいなかったのだけど、どうしても少しだけ動いてしまう。
私がビルの行為を喜んでいたのと同じくらい、彼の方も、この行為を楽しんでいるように見えた。
もっと長く、これを楽しんでいたいと思っていたのに、残念ながら、急にオーガズムが身体の中、じわじわと這い上がってくるのを感じた。すぐにビルをやめさせなければ、彼の口に発射してしまうことになる。
「ああ、ビル、とっても気持ちいいわ。でも、もう、やめた方がいいわ。私、もう我慢できなくなってるの」
でもビルは止めなかった。もっと言えば、彼はいっそう速く動き出している。
私は、ハアハアと息を荒げた。
「ああ、ほんとにもうやめて、お願い。じゃないと、あなたのお口に出しちゃう」
何の前触れもなく、ビルはいきなり私のアヌスを触れた。彼の指が中に入ってくる。
その瞬間、オーガズムが全身を襲った。
「あっ、いやっ! あ! い、いくぅぅ!!!」
身体がぶるぶる震えて、激しく達した。
こんな強烈なオーガズムは、しばらくなかったように思う。いったん始まったオーガズムは止めようにも止められず、私は次々にビルの口に濃いクリームを撃ち続けていた。
彼が一度むせる声が聞こえたけれど、その後はうまく制御できるようになったらしく、私の射精に歩調を合わせていた。
射精が終わり、オーガズムの波が引いた後、私はぐったりと横たわっていた。力が抜けて、頭の中が真っ白になっていた。呼吸を続けるのがやっと。それほど、良かった。
ビルはまだ私を舐め続けていた。
私はあまりに身体が敏感になりすぎていたので、彼の頭に手を当て、離れてもらった。それから彼を引き上げ、隣に並んで横になってもらい、キスをした。甘く、優しく、そして愛のこもったキス。
しばらくキスをした後、ヘレンがいないことに気がついた。
「ヘレンはどこに行ったの?」
「知らない。起きて、家を出て行ったんだ。ちょうど彼女が出て行くときに目が覚めたものだから、どこに行くか訊くチャンスがなかった」
彼はそう言った後、ちょっと子供っぽい感じで私に聞いた。
「僕、うまくできたかな?」
「ええ、もちろん。素敵だったわ。こんな形で目が覚めるのってとても素敵」
私はビルに抱きつきながら答え、キスをした。硬くなったペニスが私の脚に当たるのを感じた。
「私にもして欲しい?」
「そ、それもいいけど、・・・昨日の夜に僕たちがしたことも、いいな・・・」 ビルはためらいがちに言った。
「うん、私も同じ・・・でも、今度は、私、仰向けになってもいい?」
「どんな形でも、ステフィが楽と思う方で。君が気持ちよくなってもらうのが、僕には嬉しいから」
ビルが思いやってくれたと知っただけで、嬉しくなって、またキスをした。
「四つんばいになった方が楽なのはホントよ。でも、あおむけになった方が好きなの。そうすると、私を愛してくれてる人の顔が見えるから」
今回は、私たちが行ったのはファックではなかった。ファックではなく愛の行為。ビルは私を愛してくれた。ほとんど、いつもキスを繰り返していたと思う。二人でゆっくりと揺れるように動いていた。
ビルはじっくりと時間をかけて私を愛してくれて、彼が、愛の行為をする相手として素晴らしい能力をもった男性であることを私に示してくれた。
彼は、行為の間、私のクリトリスを優しく愛撫してくれさえした。愛しそうに愛撫し、私が再びオーガズムに達するまで、それを続けてくれた。私が出したものが、愛し合う私と彼の間に飛び散り、二人の肌を滑らかにつなぐ。そして、それから間をおかずに彼も私の中を満たしてくれた。
実際、この時のセックスが、私にとって、マリアを除く誰とした時よりも良かったと思う。マリアは別格で、彼女は、いつも私を愛されているという気持ちにさせてくれる。
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「やあ、エレーン、その後の調子は?」
スティーブは、魅力的な女性に挨拶の声を掛けた。
「まあまあね、ありがとう。あなたの方は?」
二人はコーヒーを注文した。どちらも空腹ではなかった。以前の二人は、会うたびに世間話や相手へのサポートなど、長々と話し合うことが多かった。だが、ここ何回かは手短に済ますようになっていた。二人とも、最近は、あまりサポートを必要としなくなっていたし、ディナーを食べながら長時間話し合う必要もなくなってきていた。
「全体的に見て、かなり良い感じかな」 スティーブは、余計な力が抜けた、リラックスした面持ちで、微笑み、最近、好調であることを伝えた。
「あ、それから、僕は離婚書類は引っ込めたよ」 スティーブは唐突に切り出した。
彼は昨年の11月に弁護士へ離婚申請の作業を進めるのを中断するように伝えていた。だが、彼自身は、この申請中止を行うことを、長い間、ためらっていたのだった。
エレーンは嬉しそうに答えた。「それは良かったわ・・・そろそろ、あなたも迷いから醒めて良い頃だもの」
スティーブはエレーンの反応に驚いた。彼女の夫と自分の妻が関係を持ったのだ。その関係は、おそらく、基本的には感情的な不倫関係だったのだろう。だが、スティーブは不倫を行っていた二人の小さな夢の世界を粉々に破壊した。そして、その破壊過程で、二人の不倫関係は本格的な肉体関係であったように変質していたのだった。そんな状況でバーバラが不愉快な離婚を経験する必要がなくなったと聞かされたら、エレーンは嬉しく思わないはず。そうスティーブは推測していたのだった。
「優しいんですね。ありがとう」
エレーンはにやりと笑った。「私が、奥様をもうちょっと懲らしめて欲しいと思うと思ってた?」
「え、・・・ああ、そんな感じ」
「そうねえ、でも、実際、あなたはしばらくの間、かなり奥様を苦しめていたわよ・・・数ヶ月くらいは・・・それに、あなたの話しから察すると、奥様の方も、自分の行いを変えようといろいろ努力してきたように感じるの。私としては、特に、奥様をどん底に叩き落して欲しいなんて思っていないの。そんな必要を感じていないもの。まあ、ともかく、今は、そんな気持ち」
エレーンは、そう言いながら苦笑いをした。彼女自身、最初にスティーブと会った時は、バーバラと自分の夫は、まさにそういうどん底状態になるべきだと思っていたから。
スティーブも微笑を返した。
スティーブとエレーンは、ここ数ヶ月、何度か会っていたのだが、大半は、二人とも笑いあえる気持ちには、まったくなれなかったのである。
「レイフも、目が覚めてきているの」
エレーンは思い切って言ってみた。いったん目を落とし、ティー・スプーンで砂糖をすくい、コーヒーに入れた。そして、再び顔を上げた。
「市議会員の候補からはずされたことは知ってるでしょう?」
スティーブは頷いた。
スキャンダルが発覚した時、民主党は、レイフを火が燃えついてしまったマシュマロのごとく、ポイと切り捨てた。前市長のセクハラ疑惑とその後の偽証に関する調査が市議会に報告される予定となっていたのである。民主党幹部は、評判の悪い候補者を立てることで余計な関心を集めたくないと思ったのだった。
「それに、保険会社も彼のサンダーバードの修理費は払わないと決めたそうだね」
スティーブがそう付け加えると、エレーンは頷き、鼻をすすった。
「あんな車、そもそも夫は必要なかったのよ・・・あれを買ったとき、二人しか乗れない車なんて、そんなの買うの馬鹿げてるって言ったのに!・・・」
エレーンは苛立ちが収まるまで、少し黙りこくった。
「・・・とにかく、夫は、地域の支局で、より良い職のオファーがあったけど、それも断ったわ・・・」 スプーンをかき回し、砂糖が完全にコーヒーに溶けるのを確かめている。
「・・・私たちにとって、これは一種のテストのようなものだと思ってるの。夫には、私と私たちの一人娘と一緒に過ごす時間をもっと増やすべきだと言ったわ。今よりもストレスが多くて、今よりも時間が食われるような仕事に就いたら、どうやって私たちとの時間が作れるの、って訊いたのよ」
そこまで言ってエレーンはコーヒーから顔を上げた。
「夫は、このテスト、かなりの好成績で合格してるわ。・・・今は、娘に対してより良い父になろうとずいぶん頑張ってくれているのよ。それに私に対しても、夫として、いま以上に素敵な人は求められないの・・・まあ、最近のことだけれどもね」
彼女は下唇を噛んだ。
「ということは・・・」 と、スティーブは、テーブルの上に出ていたエレーンの手に自分の手を重ねた。
「・・・じゃあ、ご主人があなたと可愛い娘さんと一緒にもっと時間を過ごせるよう、もう帰らなくちゃいけないんでは?」
「ええ、そうね」 エレーンは笑顔になって答えた。
「それに、こうやって僕たちでおしゃべりをするのも、これが最後になるかな?」
「ええ、そう・・・」 エレーンは悲しそうな表情を浮かべた。
スティーブは優しく微笑み、彼女の手を軽く叩いた。
「じゃあ、もうそろそろ・・・エレーン、あなたには感謝している。心から」
二人はそれからもう20分ほど話しを続けた。この数ヶ月、話題にしたが、言いっぱなしになっていたいくつかの事柄を片付けるためだった。
その話しを終え、コーヒーを飲み終えた後、二人はウェイトレスにコーヒー代の20ドルと、かなり気前の良いチップを渡し、店を出た。外に出ると、最後の抱擁を行い、それぞれの配偶者の待つ家庭へ帰るために、別れた。
彼らと入れ違いにキャフェに入ってきた婦警は、二人のことを兄妹なのだろうと思った。しばし別れ別れになるのを惜しんでいる兄妹なのだろうと。一種、感動的な光景だったようだ。
つづく