啜り泣く美女の嫌がる顔。黒い肉棒を握る白い手。その指に輝く夫婦の印。それを見るだけでも、アーチーには堪らない。アーチーは危うく、そこで発射してしまいそうになった。
いつまでも続けていたいところだが、我慢して堪え、アーチーはメリッサの白い手をペニスから離させた。そして、腰を引き、全身で泣き濡れる若妻の上に覆いかぶさった。重い体重で押しつぶさんばかりに覆いかぶさる。メリッサは細い両腕でアーチーの肩を押し、身体を離そうとしたが、まったく無駄だった。
アーチーは素早い動きで、メリッサの薄地のブラウスに手を掛け、その中央部を引っぱった。ビリビリと音がし、ブラウスが引きちぎられ、前がはだけた。それと同時に薄いブラジャーのホックも外れた。
「ああ、イヤぁぁぁぁぁぁぁッ! ………………やめて、お願いだから!」
ルビーのような乳首を濡れた舌先がいじり始めるのを感じ、メリッサは悲痛な声をあげた。
アーチーは、ピンク色の頂きの柔らかな白い肉丘をむさぼった。そうしつつ、重なり合うふたりの身体の間に手を挿しこみ、メリッサのショートパンツとパンティの腰ゴムに指を掛けた。メリッサは白い細脚をバタバタと動かし抵抗したが、この筋肉の塊のような男に敵うはずがない。あっという間に、ショートパンツもパンティも一緒に引き降ろされ、足先から脱がされてしまった。今や、一糸まとわぬ姿を強姦者の前に晒している。
「ああ、お願い、お願いです……どうか、やめて……帰って………誰にも、誰にも言わないから!」
「いや、みんなに言っていいぜ、ウェバーの奥さん! 俺の黒蛇でどんなふうに犯されたか、言うといいぜ!」
「ああ、そんな …どうかお願い、レイプなんか、やめて! お願い、今日は結婚記念日なのに!」 メリッサは泣きながら訴えた。
「知ってるぜ。だから、奥さんに結婚記念日の贈り物をしてやろうと思ってるんだよ。俺のことを忘れないようにな! 俺の子種ジュースをたっぷり奥さんの中に注ぎ込んであげよう! 半年後には黒い赤ん坊で腹が膨らんでることだろうぜ!」
「ひどい ……お、お願いよ、レイプなんかやめて!……………あぁぁ……お願いぃぃぃぃぃッ! …………あぁぁぁぁ!」
アーチーはニヤニヤしながら、強大な亀頭でメリッサの蜜壺の入り口をゆっくりと擦り始めた。メリッサは泣き震えながらも、自分の周期のことを思い出した。今は最も妊娠しやすい時期になっている。もっと言えば、メリッサと夫のビルは、もうひとり子供を作りたいという希望を持っており、ふたりの結婚記念日にそれをしようと思っていたのである。だからこそ、今日は子供たちを祖父母のところに預けていたのだ。今夜は夫婦みずいらずでたっぷり愛し合おうと。
「お、お願い……………私…………私、妊娠してしまう …………お、…お願いだから、コンドームをつけて……………あなたの子供なんていらないの!」
だがアーチーは極太の亀頭を若妻の狭い入口に突き入れた。
「ああ、ぐぐぅぅぅぅぅぅぅぅ ……ううぅぅぅぅぅ…………い、いやぁぁぁぁぁぁッ!」
アーチーは亀頭だけは入れたものの、その後は動くわけにはいかなかった。すでに今にも爆発的に射精しそうになっていたからである。いま出してしまってはもったいない。それにしても、この女、まるで処女のようにキツイ。大きな武器で広げられた経験がないのだろう、とアーチーは思った。
「イヤッ ……イヤ、イヤッ!…………痛いッ!………ああ、誰か ……………誰か、助けてッ!」
メリッサは苦痛と恐怖で叫び声をあげた。挿しこまれたアーチーの亀頭が、狭い割れ目の中でヒクヒクと脈動するのを感じ、メリッサはそのたびに「アアっ……、アアっ……、アアっ……、アアっ……」と声を漏らした。
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ポールは大きなヨガリ声をあげた。女のような甲高い声が部屋に響いた。身体を上下に動かし続ける。巨大な黒いペニスが彼の濡れたアヌスに出入りを繰り返す。
クレート・チェンジの前は、彼は兵士だった。まあ、陸軍の資材配達の事務の仕事だったが、それでも軍隊に所属していた。だが任務期間が終わりになったものの、彼は再登録はできないだろうと知っていた。軍以外の職場で仕事を得たいと思っていたわけではないし、他に何ができるかも分からなかった。売りに出せるようなスキルもなければ、大学で勉強する気持ちも持っていなかった。
ベルが生物エージェントを撒き散らしたのは、実際、彼にとって渡りに船といってよかった。声が変わり、身体が縮小し、男性に対して性的な欲求を持ち始めた当初は、彼はグレート・チェンジをそういうふうには見ていなかった。しかし、男たちが彼に視線を向けていること、もっと言えば、自分の身体を欲しがっていることに気づくのに時間はかからなかった。そして、そういうわけで、ポールはそのことを自分のために使うことに決めたのである。
それは大変うまくいった。男たちは彼にいろんなものを買い与え、彼を支え、些細な苦情にも気を使てくれた。それもこれも、彼の気を引くためにである。ポールは、男たちに甘えたり、焦らしたりする方法を覚え、最後には、男たちを喜ばす方法も覚えた。
だが、ポールは自分の容姿がいつまでもこのままであるわけがないのを知っている。なんだかんだ言っても、彼はバカではないのだ。というわけで、彼は夫にできそうな男を探し始めた。
彼がヘンリーと出会ったのはグレート・チェンジのおおよそ4年後の頃だった。その半年後にふたりは結婚し、ポールは比較的裕福な生活を始めている。考えてみれば不思議なことだった。ポールは大人になったら何になろうかと様々なことを考えていたのだが、夫ご自慢の専業主婦になることだけは、そのリストにはなかったことだったから。
とはいえ、彼は幸せである……曲がりなりにも。
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またもオーガズムに達し、全身が快感の波に襲われるのを感じ、サムは背中を反らし、叫び声をあげた。だが、それでもジャネットはやめようとしなかった。彼女は、かまわず、彼のアヌスに突きを送り続けた。そしてまたもサムは絶頂に達する。まだ、前のオーガズムから回復していなかったというのに。
何度も何度もそれが繰り返された。そして間もなく、サムもジャネットも疲れ果て、ぐったりと横たわった。ジャネットと横になりながらサムは思った。どうして僕は、自分がboiであることを認めるのにこんなに時間がかかってしまったのだろうかと。すでにグレート・チェンジから2年が経とうとしていた。その2年間、サムは今のような身体の反応にずっと抵抗し続けていたのである。グレート・チェンジの後、すぐにアナル・セックスは常識になっていたにも関わらず、彼は断固としてそれを拒み続けていたのである。
多重オーガズムの余韻に浸りながら、サムは頑固に男性性にしがみついていたことを後悔した。
サムはガールフレンドに目をやり、微笑んだ。サム同様、ジャネットも、彼が失われた時間の埋め合わせをしたがっていることを知っている。
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トムとグレッグはもう飽き飽きしていた。最初に来たのは、boiたるもの女性の服を着るべきだというみんなの意見。オーケー、分かったよ、とふたりは言った。どうせ古い服はサイズが合わないし、新しいboi用の服の方が確かに自分たちの身体に合っているように思えるから。その次に来たのは、髪の毛だ。髪を長く伸ばすboiが多かった。グレッグ(茶髪の方)はそれに負け、髪を伸ばした。一方、トムはもっと「タチ」的なヘアスタイルを好んだ。そしてその後は、化粧だし、男だし、boiを女性と同一化させることがやってきた。
まあ、確かに、これらの文化的変化はすべて、少なくとも意味がないわけではない。しかし、boiと公衆道徳に関する新しい法律には我慢がならない(boiがトップレスでいると高額の罰金が科せられるようになったのだ)。
大半のboiはそれに抵抗せず、ビーチでもビキニのトップをつけ始めた。けど、トムとグレッグは抵抗することにした。どうして胸を隠さなければいけないのだ? 女性のような乳房はないのに。それに、今までビーチではいつもシャツなしで過ごしてきたのに。
言うまでもなく、ふたりの若いboiは人の注意を惹いた。そして予想された通り、ふたりは逮捕された。法廷に呼びだされる時、ふたりにはどんな判決が下されるだろうか? それは誰も知らない。時が来れば分かるだろう。だがトムとグレッグはすべきことをしてきたのだ。自分たちの権利を守るために戦ってきたのだ。
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デボンは壁の穴から覗きこみ、直ちに勃起した。boiのロッカールームである。ほとんどすべての若い男たちが夢に見る光景と言ってよい。素っ裸のboiたち、その小さな体、キュートで可愛いペニス、そしてぷっくり膨らんだ乳首。それがいっぱいいる。
boiたちの中には、グレート・チェンジの前からデボンが知っている人もいた。もちろん、あの事件の前とはすっかり容姿が変わってしまってはいるが。一緒にフットボールをした仲間もいる。
だが時代は変わったのだ。
「デボン! そこから離れなさい!」
デボンは背後に厳しい声を聞いた。恥ずかしながら振り向くと、そこにはフットボールのコーチが立っていた。
おやおや、デボンは大変なことになりそうだ。
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デリックはどんなことになりそうか、分かっていた。彼もウブな10代の若者ではないのである。大人のboiであり、世の中がどんなふうになっているかも知っていた。ではあるものの、彼はラマールにボートへ誘われた時、断ることができなかった。ラマールが既婚者であることや、デリックが彼の秘書であることなど、どうでもよかった。彼は孤独を感じていた。それが問題だった。確かにほぼ毎日のようにデリックは男たちから誘いを受けていたが、それとこれとは違う。彼らではデリックが必要としていたこと、求めていたことを与えてくれることはできなかったのである。彼はラマールが欲しかったのだ。
であるので、土曜日に海に行かないかとラマールに誘われた時、デリックは歓喜した。彼は、それまでそれとなくラマールに好意を示してきたのだが、それがとうとう実を結ぶときが来たのだ。ラマールがセックスのためだけに彼を誘ったことは、デリックも頭では分かっていた。ラマールが自分のために妻を捨てることなどあり得ないのは知っていた。だが、そんなことを知ってても、デリックは、ラマールと一緒に暮らせたらどんなだろうと想像してしまうのである。
実際、その日は、まさにデリックが予想した通りの一日になった。ラマールの大きなペニスが彼のアヌスに深々と挿しこまれ、彼が喜び狂う一日。ふたりとも、それが何であるか知っていた。ふたりとも相手が何を求めているか知っていた。性欲の解放である。
そののち、ボートが港に戻った後、ラマールは車でデリックを家に送った。家に帰ったデリックは、自分があの常套句そのものになっていることを悟ったー「上司が好きになってしまった秘書」。彼は理性を捨て、代わりにもう一つのものにしがみついた。希望である。いつの日か、ラマールがこの日の気持ちになってくれますように。いつの日か、また一緒になれますように……。
*
ベル博士が声明文を発表してからおおよそ1年半がすぎた。そしてビリーの人生は劇的に変化していた。
いま彼はパンティを履き、もっぱらboiの服だけを着ている。メアリと外に出ると、男たちの視線を浴び、彼はその視線を嬉しく感じるようになっていた。すでにハイヒールを履いて歩く練習もしている(ヒールに慣れるため、ヒールを履いてエアロビクスをするようになっている)。特に気に入っているのは、スカートを履いて出る時だ。スカートを履くと、まるで、誰でもいいから、いつでもいいから、お尻をヤッテいいと言ってるような気分になれるのだ。どこでもいいから、彼を前のめりにさせて、スカートをめくり上げ、後ろから突っ込みさえすればいいのだから、と。
ビリーは、自分で化粧することにもすっかり慣れていたし、髪の毛も自分でスタイルを決めるようになっている。もっとも、彼は(他の多くのboiたち同様)髪の毛を比較的ショートにするようにしている。ショートだと、自分がboiであって女の子ではないと男たちに分かってもらえるからだ。誰でも、いざ、その時になって、驚くのは、望んでいないものだから。
ある日、メアリとビリーはモールの中を歩いていた。ジュエリー・ショップの前に来た時、ビリーは立ち止り、数々のジュエリーを見始めた。
「耳にピアスをしたいなあ。おへそにも。どう思う?」
「セクシーに見えると思うわよ」とメアリは答えた。
というわけで、ふたりはタトゥ―とピアスのパーラーに入った。パーラーを出た時、ビリーは、左右の耳とおへそにピアス、そして背中の腰のところに小さなタトゥ―を誇らしげに見せていた。タトゥ―にはSexy Boiの文字が書かれていた。
ビリーは、自分がものすごくキュートになったような気持ちだった。ふたりはビクトリアズ・シークレットにも立ち寄り、ビスチェ、ソング、ガーター、そしてストッキングのセットを白黒、2組買った。
ビリーは空に舞い上がった気分だった。
*
「どこかに遊びに行かない?」 とメアリが言った。ふたりは1時間ほど前にショッピングから戻って、家でくつろいでいたところだった。まだ、時間が早かった。
「どこに?」
「ダンスよ! すごくセクシーな服装になって、メイクもセクシーにするの。楽しい時間をすごせると思うわ」
ビリーはためらわなかった。「よさそうだね」
メアリは丈の非常に短い赤いドレスを着た。ビリーはゆったりとしているが、やはり丈の短いピンクのドレスを着た。胸元が大きく開いているし、背中も露出していて、できたばかりのタトゥ―が露出している。ふたりはハイヒールの音をコツコツ鳴らしながら玄関を出た。
クラブに着き、ふたりは中に入る客たちの列に並んだが、クラブの見張りの男(でっぷりとした黒人)は、迷わず、ふたりを優先的に中に入れた。
「こんなこと、前にはなかったよ」とビリーは笑った。メアリも一緒に笑った。
その夜、始まりは、予定した通りだった。ビリーとメアリは、もっぱらふたりだけで踊り続けた。ビリーは、ダンスに関して天性の才能があった。生れてからずっとダンスし続けてきたかのような身体の動き。
しかし、すぐにふたりは他の客たちの関心を惹きつけることになった。だが、それも避けられないことだったと言える。ビリーもメアリも、その機会を逃すことはなかった。当初の予定とは異なり、ふたりは別々になり、それぞれに言い寄ってきた黒人男性とダンスを始めたのだった。
ビリーはプロのダンサーのように腰を動かし、パートナーの股間にお尻を擦りつけた。そして、その見返りとして、彼は、相手からみるみる固さを増す部分で擦り返してもらった。ビリーはスカートの裾をちょっと捲り上げ、お尻の頬肉を露わにし、その生肌でさらに擦りつけた。彼は音楽のビートに揺れながら、我を忘れた。パートナーの男はビリーの身体じゅうを触りまくっていた。そしてビリーもそれを喜んだ。彼のあそこは濡れていた。
ようやく音楽が終わった。ビリーは相手の男が耳元で囁くのを聞いた。
「一緒に、ここを出ようぜ」
ビリーは息を切らせながら答えた。「いいわ。でも、私の…私のルームメイトを探さなきゃ。私の家に来てもいいわよ」
ビリーは、メアリを見つけた。他の男と踊っている(ビリーの相手ほどはハンサムではなかったが)。ビリーはメアリを引っぱるようにして男から離した。
「何なの?」 とメアリは迷惑そうに言った。
ビリーはおどおどしながら答えた。「もう家に帰ろう」
「いま来たばかりじゃない?」
「一緒に家に帰りたい人がいるの…」
「向こうであなたと身体を擦り合わせていたオトコ?……いいわよ。でも、私も相手してもらうからね」
メアリはビリーがちょっと気落ちしたのを見て微笑んだ。「私、がっちりとセックスされたいもの」
そしてビリーも答えた。「僕も……」
*